■ 絨毯店

 バスに戻った後、メンフィス博物館へ。巨大なラムセス2世の像が横たわって展示されている。屋外の像も含めて、パシャパシャと撮影してから絨毯の店に向かう。今回の旅行で最初の土産物屋である。
 毎年ツアーで海外を旅行しているが、こういうあからさまな土産物屋への立ち寄りは減ってきている。場所のせいかもしれないし、使っている旅行会社の特徴かもしれない。他のツアー客から、トラピックスは多いという声も聞かれた。
 この絨毯店の時間が、説明も含めて30分。つまり、屈折ピラミッドと赤のピラミッドの観光時間を足した時間より長いのだ。トラピックスを感じる。
 実際に作っているところを見学するのは楽しかったが、いかんせん時間が長い。もちろん、買いたい人は15分や20分はほしいだろうから、仕方がない側面もある。
 自分は絨毯には興味がないが、中には絨毯を買いに来ている人もいるだろうし、屈折ピラミッドで20分も時間を取られても、退屈する人もいるだろう。
 売っている絨毯自体はなかなか興味深く、良質なのも伝わってくるし、思わず小さいマットを買おうかとも考えたが、冷静に考えて金額と必要性がマッチしていないのでやめておいた。

車窓。情報量が多い写真だ。

メンフィス博物館。ラムちゃんの像がある。現地ガイドさんがラムちゃんと言っていた。

イッヌ。

絨毯店。作業工程が見られる。



■ 階段ピラミッド

 絨毯店の後、階段ピラミッドへ向かう。
 最古のピラミッドと言われているピラミッドで、なかなか立派だったが、ここも修復工事のために足場が組まれていた。なお、その修復工事がいつ終わるのかは誰にもわからないそうだ。
 ガイドさんの説明を聞きながら葬祭殿を見学した後、自由時間がここも15分程度。ラクダがいたので料金を聞きに行くと5ドルとのこと。
 他の一人参加の人でラクダに乗りたがっていた人がいたので、一緒に行く。添乗員さんから、「乗る時は5ドルでも降りる時に高額な請求をされるケースがあるから気を付けて」と言われたので、おじさんに絶対に5ドルかとしつこく確認してラクダに乗せる。
 パシャパシャ写真を撮ってあげて、無事追加請求なしで降ろされた後、自分も乗るようおじさんが言ってきた。せっかくなので乗ってみる。ほんの1分ほどだが、なかなか爽快だった。
 おじさんが10ドルと10ドルで20ドルを請求してきたが、最初に言われたとおり計10ドル支払ってその場を離れた。
 添乗員さんが、砂を持ち帰るならここでと言っていたので、ペットボトルに砂を詰め込んでバスへ。帰国してこれを書いている今、この砂どうしよう感たっぷりだが、ひとまず良い思い出である。

車窓にナツメヤシ。

ウセルカフ王のピラミッド? 階段ピラミッドの近くにあったピラミッドを望遠側で撮ってみた。

階段ピラミッド。工事がいつ終わるのかは誰にもわからない。

1分で5ドル、あるいはもっとぼったくって稼げるラクダ。

撮ってもらった写真。色味とか全然違って面白い。



■ ギザの大ピラミッド

 ギザに戻り、レストランへ。その道中で、象形文字の入ったTシャツの販売があった。こちらも注文して後から受け取る形式で、とても欲しかったので1枚注文。
 昼食は、今回唯一のレストランの食事で、モロヘイヤとケバブ。自分のいたテーブルにだけデザートが出てこないトラブルもあったが、些細なことである。ドリンクはコーラにしておいた。いつもならビールを飲むのだが、体調に不安があったので観光を優先する。
 昼食の後、いよいよギザの大ピラミッド。ここで看過できない事件が発生した。
 ギザの大ピラミッドは中に入れるのだが、カメラの持ち込みは禁止されている。バスに置いていくとピラミッドの外観も取れないので、添乗員さんとガイドさんが見てくれることになった。
 自由時間は20分しかないため、何人かで急いで入口まで行くと、持っているチケットとは別に、中に入るためのチケットが必要だという。これをもらっておらず、どうやらガイドさんとは別の現地係員が配ってくれることになっていたようだが、この人がなぜかチケットを渡してくれなかった。
 それどころか、後から来た同じツアーの女性には配り始めて、自分たちには渡してくれない。男数人で猛抗議してようやく中に入ることができたが、5分以上ロスをした。
 結局、入れた時には中も混んでしまって時間がかかり、出てきたら残り5分しかなく、その後ほとんど写真を撮ることもできずに終わった。
 後からこの係員は、無関係な中国人と勘違いしたなどと言い訳していたが、全員同じトラピックスのバッジをつけているのにそれはない。一体何のためのバッジなのか。
 随分謝っていたが、向こうは毎日繰り返される仕事の1回でしかないかもしれないが、こっちは人生でたった一度かもしれない貴重な機会なのである。到底許せるものではない。
 もちろんアンケートには書いたが、本当は後から阪急交通社にクレームを入れたいレベルだった。入れたところで時間が返ってくるわけでもないのでしなかったが、アンケートから無念が伝わってくれればと思う。
 ちなみにピラミッドだが、このこともあり近くから数枚撮るだけで終わってしまった。本当はカフラー王のピラミッドや傍らのピラミッド群の写真も撮りたかったが、そんな余裕は1秒もなかった。

レストランにて。

クフ王のピラミッドとカフラー王のピラミッド。こういう写真をたくさん撮りたかったのだが……!

ラクダに乗っていたおっさん。目が合ったら金を要求されるぞ。

近付いてじっくり撮りたかったが、ガチで10秒しか時間が取れなかった。悲しみ。