■ することがない

 驚きと感動の連続だったイタリア旅行もいよいよ最終日である。この日は丸一日フリーで、基本的にはショッピング。どのカップルも事前にブランドショップをチェックしていて、そこに行って買い物をするのだが、まったく興味のない自分は地図を片手にぶらぶらと町を散策することにした。
 朝のドゥオモは、またステンドグラスの明るさが違うと聞いたので、まずはドゥオモへ。ステンドグラスを見てから、地下鉄でナヴォリ運河へ行く。駅を下りてから結構歩いた末、目の前に現れたものがあまりにもしょぼかったので、写真は割愛。今Google先生で検索してみたら、同じようにがっかりした人たちが多いようだ。はりまや橋を思う。夜に来たらまた少し違ったかもしれない。
 徒歩にて、GoogleマップにあるBasilica Di S.Eustorgioへ。すこぶる「まあこんなものか」という教会が出てくる。中には入っていない。


 実は持っている24時間券でバスも乗れるのではないかと思い、北へ1駅だけ乗車。検札とかはない。オーストラリア・メルボルンの時と同じ。チケットが無くても乗れるが、見つかったらすごい罰金だそうだ。
 GoogleマップにあるBasilica Di San Lorenzo。たぶんちらっと見て写真を撮って終了しただけで、ほとんど記憶にない。もちろん中にも入っていない。


 再びバスを利用し、サンタンブロージョ教会という教会へ。ここは中にも入ったが写真は外観を。


 次にGoogleマップにあるSanta Maria delle Grazieへ。もう阿呆としか言いようがないが、ここは前の日に『最後の審判』を見た教会だった。写真は割愛する。
 


■ そして伝説へ…

 食事は、今度こそショップリストにある店をと思い、Paper Moonへ。本来一人で入るような店ではなかったが、金を出す側が臆することもない。2階の奥に通され、注文したのがこれ。


 パンは別(=無料)。頼んだのはスパークリングワインとピッツァだけなのだが、ワインの注文でミスをしたっぽく、これだけで34ユーロも取られた。たぶん、グラスもあったのだろうが、16ユーロが6ユーロに見えたので、メニューを指差して「これ、これ!」と言った結果、大量のワインが出てきて消費しきれず、金だけ払うことに。ピッツァもそれほどでもなく、まあ単なる記念で終わった。そういえば店員さんに水がどうのと聞かれ、答えたらその代金も請求されていた。
 食後、ブレラ美術館に行ってみたのだが、これがよくわからなかった。恐らくAccademia di Belle Arti di Brera(ブレラ美術学校)の方に迷い込み、結局何も見れずに終わった。教室とかあったし、うん。
 ミラノ市街に戻って、本屋で本を買う。本と行っても、『ママレード・ボーイ』のイタリア語版を1冊買っただけなのだが。
 ホテルに戻り、その途中で小銭を失くすために3ユーロほどのジャムを購入。結局これが自宅への唯一の土産となった。旅の全行程を通して、絵葉書と本、ウフィッツィ美術館で買ったキーホルダー、そしてこのジャムくらいしか買っていない。ああ、あとフィレンツェで買ったCD。
 ジャムが「これは液体だ」とIsabellaさんに言われたため、荷物は結局機内持ち込みではなくなる(液体は機内持ち込み禁止)。実はカバンを2つに分けて行ったのだが、どうも1つにまとまり、すべて機内に持ち込めそうだったので、まとめて持ち込もうと考えていたのだが、このジャムをもって挫折した。それならもっと土産を買えば良かったと後悔。それこそスーパーで安いワインを買うだけでも記念になったのだが。
 ちなみにジャムをあきらめるという選択肢もあったが、いずれにせよ電動シェーバーが刃物のため、結果は同じだった。
 バスでマルペンサ空港へ。空港で荷物を緑色のテープでぐるぐる巻きにしている人たちがいたから撮影してみた。


 空港でボロネーゼを食べる。4.8ユーロだったが、これが結構美味しかった。平打ち麺だったし。水と合わせて小銭の処理ができ、残ったのは3セント。よく頑張った自分(紙幣しか円に換金できない)。
 思い残すことなく飛行機へ。12時間近いフライトだったが、爆睡していたので行きほど苦にはならなかった。成田での乗り換えの待ち時間も行きの半分の2時間。セントレアからの帰路も何事もなく、無事に生還。
 という辺りで、本旅行記は終了する。最後は少しあっさりしていたが、実際の旅行自体が最後があっさりしていたので仕方ない。元々初日のローマの自由時間がメインと考えていた旅行だし、ショッピングのために設けられたミラノでの丸一日の自由行動など、自分には退屈なだけ。ローマ、フィレンツェ、ベニスとぶっ飛ばし、ミラノでクールダウンというのも悪くはなかった。欲を言えば、ミラノを1日、ベニスを2日にしてほしかったが。
 天気にも恵まれ、本当に素晴らしい旅行になった。心残りもフィレンツェのドゥオモに入れなかったことくらいだし、逆に満足し過ぎてまた次に来るかは怪しいが、一生に一度はイタリアに行きたいという念願は叶った。そしてこの旅行記により、記憶は記録となった。すべて含めて、満足、と感じる。