■ 南の虹な動物園−前編−

 クイーンビクトリアマーケットを出た我々は、一旦ホテルに戻った後、厚着してメルボルン動物園に向かった。
 何故動物園かと言うと、やはり小生が『南の虹のルーシー』に感化されたから、としか言いようがない。オーストラリアの動物にはしゃいでいるルーシー・メイを見ていたら、同じように珍しい動物たちを見てみたくなったのである。
 そもそも、小生は何かに感化されやすい。今回、絶対行くことはないだろうと思っていた海外旅行に踏み切ったのも、旅行好きのNatalieの話を聞いている内に、興味が湧いてきたからであるし、多くの趣味が誰かに影響されて始めたものである。
 さて、計画書にある通り、事前の調べで、「Stop22 Royal ParkSouthの次のStop25 Melbourne Zooで下車」というのはわかっていた。にも関わらず、結果的には我々はこの一つ前の停留所で降りてしまったのである。
 理由の一つは、乗ったときの停留所に、停まる停留所がすべて書いてあったわけではなかったこと。よって、どこがStop22なのかもわからず、だんだん「実はStop25は過ぎてしまったのではないか」という不安に駆られ、ついには適当に近い番号で降りてしまったのだ。
 降りたのはStop24。このように、周囲には何もない。


 もちろん、次がどの停留所であるかなんて書いてないから、もう一度乗り直そうかと考えたが、「24の次は25ではないか?」という考えの元、次の停留所まで歩くことに。
 結果として、次の停留所はすぐ近くにあり、そこは確かにStop25だったのだが、今思えば、「全然Stop25はStop22の次じゃないじゃないか」という気もする。


 入り口。こっちはRail Gateであり、Main Gateは違う場所にある。もっとも、帰りはMain Gateから出てみたのだが、トラムには遥かにRail Gateの方が近い気がした。
 写真を見てわかると思うが、動物園は子供たちでいっぱい。これはどこの国でも同じようで、小学生くらいの団体も多く見られた。帰り際に子供たちのいる風景を撮ってきたから、話題に出たついでに先に載せよう。


 さて、チケットは確か大人18ドルだと思った。まず小生が買って中に入り、次にMichaelが買って小生のところにやってきた。ところが、ここで事件が起きる。Michaelが受け取った釣銭が間違っていたのだ。
 Michaelは何故か二人分取られており、100ドル札を出して、釣りが64ドル。
 ナイスだMichael! 君はわざわざ英語を使う機会を増やしてくれたんだね。
 と言っても、精神的に余裕がなかったので、受付に戻って出た言葉はこの一言だけ。
"Excuse me. Wrong change!"
 いやはや。旅の英語本を読んで勉強していた時、まさかこんなの使うまいと思っていたのだが、こうして使うことになった。
 前日の夜の"Not yet."同様、こういう何気ない言葉がスラッと出てきた小生に、またMichaelが感心していた。なかなか良い気分だ。頑張って勉強した甲斐がある。
 結果として、受付の人はすぐに正しいお釣りを渡してくれ、この一件は事なきを得て、「いい思い出」の一つになった。
 しかし、何が必要になるかわからないから、やはり旅の英語本は、1冊しっかりと音読しておくことをお勧めする。

 さて、ここからはひたすら動物の写真を掲げるだけである。『前編』では主に鳥を載せよう。鳥。


 網の向こうのカラフルな鳥。そういえば、『南の虹のルーシー』には、鳥は出てこなかった気がする。


 通称スプレッド。これはそこら辺をウロウロしていた鳥なのだが、見た目翼を広げるととても綺麗なのではないかと思った。そう感じたのは小生だけでなかったようで、少し太った小さな男の子がやってきて、奇怪なポーズとともに、
「すぷれ〜〜っど!」
 と言ったのである。いや、もちろん英語だが、半角文字だけではちょっとあの感じは表現しにくい。
 もちろん、結局鳥は翼を広げず、男の子は女の子に、「無理よ。さっ、行きましょう」みたいなことを言われて行ってしまった。


 ミニミニペンギン。可愛いものは可愛いと声に出して言おう。
"Oh! Very cute."
 と言ったら、係りの人が嬉しそうに、"Thank you!"と言ってくれた。
 誉められて嬉しくない人はいない。建物や街並みも、綺麗と思ったら、"This is very beautiful."、美味しいものは"Very nice."と言えば、向こうの人は喜んでくれる。これ、重要ネ。


 小さな緑色のたくさんの鳥。撮った時は「可愛いっ!」と思ったのだが、今見ると目が真っ白で気味が悪い。愛した人が好きでなくなる瞬間は、こういう感じかも知れない(嘘)。


 くちばしの長い鳥たち。


 これがそのボス。威厳とともに、神々しさまで兼ね備えている。彼は我々より遥かにゆっくりとした時間を生きているらしく、何度見てもずっとこのままの格好だった。人間を威圧している?


 1本脚。不気味だ。


 見たかった動物の内の1つ、エミュー。世界で2番目に大きな飛べない鳥だとかなんとか。違うかも。背にまたがって気分はバッツ。いや、またがってないが。
 後編に続く。