■ メルボルン最後の夜

 素晴らしい時はやがて去り行き……。
 なんだか色々なことがあった4日間も、とうとう終わろうとしている。我々は大きな寂寥感と充実感に心を浸しながら、いよいよメルボルン旅行を締め括るべく、最後の夜に繰り出した。
 あらかじめ最終日は中華と決めてあったので、Lit.BourkeStにある中華街へ行く。
 行く途中、街は閑散としていた。これが海外の日曜日か。中華街は大丈夫かと不安になったが、幸いなことにそこは賑わっていた。


 考えてみればイタリア街でもそうだったのだが、店の外に店員さんが立っており、客を呼び込んでいる。イタリア街と違うのは、outsideがないことと、呼び込んでいるのがほとんど若いお姉ちゃんであると言うこと。
 なるべく捕まらないように気を付けながらメニューを眺め、一度端から端まですべて回ってみる。その結果、一番初めに見た店が一番いいのではないかという結論に。
 ここでも小生、また臆病風に吹かれていた。けれど、5/1の夜をすべてMichaelに任せていたため、ここは小生がやらなければならない。
 一番初めの店に戻ると、メニューのところにTODAY'S SPECIALというものがあり、確かA$18くらいだった。安い!
 これに決定する。
 若いお姉ちゃんに案内されて中に入ると、まずビールを頼む。ここではFOSTER'SとHAHN Premium Lightの2種類を飲んだ。
 料理は美味かった。店の雰囲気も良かった。店員の兄ちゃんも姉ちゃんも面白かった。この店はGood。我々と同じようなノリの旅行客ならまず楽しめるだろう。ただし、我々の他には、我々のようなアホな客はいなかった。
 途中で口に合わなかった料理があり、それを下げてもらうことに。
"Excuse me. Please clear. We had enough."
 と言うと、その後店員の姉ちゃんがペラペラペラっと何か言う。
 小生、その中に"bag"という単語を聞き取り、理解した。どうやら、包んで持って帰るかと聞いているのだ。
 そもそも口に合わないから残すものを持って帰るはずがない。
"No thanks."
 と言ったらそのまま下げてくれた。どうやら、合っているかは別にして、下げてもらう時は"clear"と単語で大丈夫らしい。
 デザートにアイスクリームが出たのだが、ここで小生、一つ思い出話を作ることにした。
 テーブルの上には、エビの身をすり潰して作った軽いスナック菓子のような食べ物が置いてあった。これにアイスクリームを付けて食べていたら、それを見た店員のお姉ちゃんが噴き出し、そのまま笑いながら奥へ。どうやらそういう食べ方をしている人間を見たことがなかった模様。ウケて良かった。
 で、その時すでにこの話を旅行記に書くことは決まっていたのだが、書くに当たって、その食べ物の名前がわからないと書きづらい。そこで小生、この食べ物の名前を聞いてみることにしたのだ。
"Excuse me. What name is this food?"
 と聞いたのだったかな。忘れてしまったが、とにかく通じた。
 店員の兄ちゃんはペラペラっと答えてくれたが、もちろん聞き取れるはずがない。そこで小生、メモを渡す。
"Please write down here."
 店員の兄ちゃん、笑いながら受け取ったが、なかなか出てこない様子。明らかに中国人だったので、
"Chinese OK."
 と言ったら、両方書いてくれた。下がそれ。


 ちなみに、この旅行記の一番最初に、"Where are you from?"を良く聞かれたと書いたが、この兄ちゃんにも聞かれた。色々な国から旅行客が訪れる街では、まず相手の出身国を聞くのがコミュニケーションの第一歩なのだろう。


 店の外の写真。写真では店名が見えないが、『小平菜館』という店だ。これからメルボルンに行ってみようという人は参考にして欲しい。

 さて、これでメルボルンでの思い出はすべて終了かと思ったら、もう一つ笑い話ができた。
 実は、まだメモリが残っていたので、小生とりあえず街の写真をぱしゃぱしゃと撮っていた。例えば、トラムとか、


 タクシーとか。


 それで、いよいよホテルに帰ろうとCollinsStを歩いていると、後ろから酔っ払った若い兄ちゃんたちがぎゃーぎゃー騒ぎながら歩いてきた。
「あー、なんか絡まれそう。絡まれたら嫌だなぁ」
 と、小生は思い、Michaelにもそう言って、少し歩調を速めた。
 が、どうしても撮っておきたいものがあったので、まあいいやと思って足を止める。ちなみにそれは、メルボルン市街で良く見かける、右折レーンの看板なのだが、結果としてこれ自体は上手く撮れなかった。
 ただ、撮っていたら、いきなり後ろから肩を叩かれる。
「うっそ、何!?」
 と思って振り返ると、さっきの集団の内の一人が、ものすごい陽気に、「ヘイ、旅行者! この俺を撮ってくれよ!」みたいなことを言って、ポーズを取ったきた。
 でら笑える。
"OK, OK. I'll take!"
 とか言いながらカメラを構えると、後ろからさらにもう一人やってきて、ポーズを取った。それが下の写真。


 歪んでいるのは、いくらフラッシュを使ってもシャッター速度が遅かったからで、それはあきらめてもらうとして、なんとも笑える一幕だった。
 それにしても、小生、絶対にこいつらより年上だと思われる。それでもリッポンリーに学生料金で入れるなんて、日本人って……。
 まあ、それはともかく、こうして最後に変な思い出も出来、メルボルン旅行は笑いに包まれたまま幕を下ろした。
 写真は帰りの機内から。


 さらば、オーストラリアの雄大な大地。
2004年5月10日 Young.