■ 淡水

 ホテルは評判通りなかなか綺麗だった。事前に写真で知っていたが、シャワートイレもある。スリッパもある。シャワートイレは何度か使えなくなっていまいちだったが、2日目、3日目の朝食も美味しかったし、とても良いホテルだった。
 もしまた次に台北に行くことがあれば同じホテルでいいかなとも思うが、中山駅から結構距離があるのが考え物だ。
 荷物だけ置いてすぐに外へ。急いで中山駅に戻ると、赤色のMRTで淡水に向かった。余裕で座ってのんびりしようと思ったら、まさかの満席で、途中で偶然座ることができたが、淡水まで行った人も多かった。

 さて、淡水。到着は16時40分くらいだった。
 事前に調べた日の入りは丁度18時だが、海の上の雲が分厚く、夕日は望めないだろう。
 海沿いの遊歩道は素敵だが、立ち並ぶ屋台とそこから漂うニオイが雰囲気を台無しにしている。いや、これこそ台湾の風景というべきなのだろうか。台湾のベニスなどと書かれているが、ヴェネツィア感などどこにもなかった。


 写真を撮りながら主目的の紅毛城に向かう。到着が17:20。見ると18:00までらしく、もう閉まっている様子だった。


 諦めて帰ろうかと思ったら、おばちゃん3人組がチケットも買わずに入っていった。再入場だろうか。
 一応受付に行ってみたら、普通にチケットを買って入ることができた。


 中は色々展示もされていたが、時間がないのでざっと眺めながら写真を撮る。自撮りやポートレートっぽい撮影をしている人がたくさんいた。それは紅毛城に限らず、どこに行ってもそうだったが、どうも若い人たちはとにかく自分の写真が撮りたいらしい。
 紅毛城を裏から出ると、そのまま真理大学に繋がっていた。こちらもフォトジェニックだったので写真を撮ってから再び海沿いへ。


 夕暮れやら対岸の夜景やらを撮り、人混みの中を駅に戻る。淡水で夕飯にしてもよかったのだが、今ここにいる大量の人がみんなMRTで帰るかと思ったら混雑が怖くなり、早めに離脱することにした。


 すでに立って帰るのを覚悟していたら、1本後のMRTに普通に座ることができた。時間が早かったおかげか、あるいは車やバス、船で帰る人も多かったのかもしれない。




■ 夜

 台北に戻ったのは20時前だった。店に入れずにファミリーマートで済ませた2017年の二の舞にはしないようにしようと思いつつ、体が油と脂を拒んでいて台湾らしい食べ物に食指が動かない。
 2017年同様、ボードゲームを見に卡牌屋に向かうが、先に店に行くと完全に2017年と同じ末路を辿りそうだったので、通りがかりに見つけたNotch珈琲という喫茶店に入る。


 ハムサンドとケーキを食べようと思っていたら、その時間はすでにケーキしかやっていないと言われ、しかも頼んだチーズケーキが完売していたのでチョコレートケーキとコーヒーを頼む。
 美味しかった。夕食にするには物足りないが、かと言ってさらに他に店に入るほどでもない程度には腹が膨れる。
 21時前に店を出て、卡牌屋へ。ここ、明らかに2017年に入った場所と違うと思うのだが、店内の造りがガラッと変わったのだろうか。前に来たときは入口のところにレジがあったはずだが、今回は正面にあった。店内にプレイスペースもあったが、これも前回あっただろうか。


 色々見た結果、今回は『時光當舖』という、台湾の人気ノベルをゲーム化したものを買う。前回は『北洋船隊』と『錦鯉』を買ったのだが、どちらも台湾のゲームではなかった。
 『時光當舖』は調べてみたら、『時間質屋』というタイトルでカードも日本語化された商品が過去に50部限定で出されたらしい。2016年12月のこと。情報を検索しても全然出てこないので、もしかしたら50部も売れなかったのかもしれない。
 ついでに『時光當舖』という作品自体も調べてみたが、こちらも日本語で言及しているサイトがまったく見当たらない。小説は2016年に全5巻で完結しており、漫画も2018年に3巻が出て、止まっている。
 ブームは去った後のようだ。

 ボードゲームを買った後は、台北から中山まで一駅乗って、ホテルに戻る。
 そういえばリズホテルは湯船はないが、海外旅行では元々シャワーしか使わないので問題ない。
 速やかに寝ようとしたが、布団の中だと暑く、布団がないと寒いという、一番苦手な温度だったこともあって、なかなか眠れなかった。
 初日終了。万全には程遠い体調ではあったが、風邪を感じるほど悪くもなく、なかなか充実した一日だった。