■ 九份

 九份の行き方は何通りかあるが、一番簡単そうな、西門から965系統のバスで行くことにする。
 EasyCardが使えるので、2017年に購入したカードに事前にチャージして、バスを待つ。バス停には10人くらい並んでいた。
 バスがいつ来るかはまったくわからないが、幸いにも5分から10分程度待ったらやってきた。座席にも余裕で座ることができたが、時間が早かったおかげかもしれない。もし15時や16時に出発しようとしていたら、座れなかったかもしれない。高速バスなので、立って乗ることはできない。


 瑞芳駅も過ぎ、いよいよ九份が近付いてくると、九份派出所から何人か日本人が乗ってきた。
 後から知ったのだが、どうも九份で一番混雑する有名な階段(豎崎路)を真っ直ぐ下りてくると、九份派出所に出てくるようで、再び歩いて登るのはしんどいからバスを利用したというわけだ。
 その教訓を生かして、自分たちも階段を降りて、昇平戲院というところの前で右の道に行くようにした。

 さて、九份老街で降りると、早速なかなかの人の数だった。


 基山街という店の立ち並ぶ道を歩く。独特の台湾臭のする場所もちらほらあったが、だいぶ慣れた。ニオイがダメと言っている日本人観光客もいた。気持ちはわかる。自分も2年前、士林夜市に入ることすらできなかった。


 特に何も買わずに真っ直ぐ歩き、途中で聖明宮の方へ抜ける。その後、豎崎路の階段を降りて、スタート地点に戻った。



 途中で台湾茶の実績を解除しようと思ったのだが、思いの他高かったのでやめておいた。どうも場所代の方が高く思えて、実績を解除するだけなら別に台北でいいやとなったのだが、自分の持ち合わせが少なかったのが一番の理由。Richardはお金のことは一切気にしない。
 今度はバス停から上に上がっていくと、墓の立ち並ぶ場所に出て、そこから細い路地を辿って再び聖明宮にやってくる。


 だいぶ薄暗くなってきたが、提灯に明かりが点るのはまだ時間がかかりそう。基山街をバス停の方へ歩いて戻り、また聖明宮へ戻る。高山烏龍茶と凍頂烏龍茶は試飲だけで実績解除としたいくらい飲んだ。
 笛の店があったので、ペンギンの形の小さなオカリナを購入。他にも、大判焼きのようなものを売っていたので欲しかったのだが、随分待たされそうだったのでパスした。
 だいぶ腹が減っていたが、日本のコンビニのおでんですら抵抗があるので、どうも開けっ放しの屋台の物を食べようという気にならない。腹を壊したら終わってしまうし。

 いよいよ暗くなって提灯の明かりが点くと、豎崎路は地獄のような混み具合だった。これ、ヨーロッパだったら確実にスリが多発すると思うのだが、台湾では大丈夫なのだろうか。


 人に押されながら階段を降り、九份の夜景でよく見る阿妹茶樓の写真も撮って、バス停の方へ逃げる。Richardとははぐれていたが無事に合流。


 混む前に帰ろうとバス停に行ったら、すでに長蛇の列だった。そりゃそうだ。
 瑞芳駅までタクシーが203元固定なので、誰か適当な2人組と割って50元で行こうと思ったら、タクシーの客引きが台北まで一人250元だと言ってきた。
 クレタ島然り、グアムの空港然り、経験上向こうから言ってくる場合は高額なのはわかっていたが、250元でも1,000円弱。もう面倒だったのでお願いすることにする。
 どうも6人集めるまで出発する気はないらしく、他に女性2人組みと、若いカップルが一緒になったが、どちらも中国人だった。
 観光客の多くは日本人だが、日本人はあまりタクシーを使わない模様。自分など、バス停の列を見た瞬間にタクシー一択だったが、Richardが「日本人は並ぶのに慣れている」と言って、なるほどそうかもしれないと思った。
 タピオカに何時間も待てる彼ら彼女らには、九份のバス停でバスを待つのも一つのアミューズメントなのかもしれない。
 事前に40分だとは聞いていたが、タクシーの運ちゃん、なかなかの速度で走って、台北駅まできっちり40分で戻ってきた。楽だ。
 タクシー&瑞芳駅から電車という選択の方が安いだろうが、電車の時間もわからないし、差額数百円なら台北までタクシーをオススメしたい。




■ 夜

 夕飯は、Richardが八角の入っていない魯肉飯はどうかと言ってきたので、MRTで今大魯肉飯という店に向かう。
 菜寮駅を降りてから10分から15分ほど歩く。九份からずっと左足の親指が痛いが、歩けないほどではない。


 到着は20時半くらいだっただろうか。閉店まであまり時間がなかったが、店は列になっていた。
 買うのはRichardに任せて、席を確保しておく。魯肉飯は30元。安い。
 自分は他に何も頼まなかったので、魯肉飯だけ食べたが、なかなか食べられた。恐らくまったく同じ味のものが吉野家で出てきたなら絶賛しただろうが、やはりこう視覚的情報が味に影響を与えてしまう。
 そういえば、日本語のサイトでも結構取り上げられている店だが、日本人の姿は見なかった。日本人で賑わっていた九份とは対極的だった。



 魯肉飯の実績を解除したので、中山に戻る。
 本当はどこかのティースタンドで台湾茶の実績も解除しようと思っていたのだが、時間が遅かったので翌日に回す。
 中山駅を出たら、タピオカミルクティーの実績を解除したくなったので、駅の近くにあった50嵐に行ってみる。
 ところが、もう遅かったのでタピオカは出せないとのこと。諦めてホテルに向かうと、別の店で日本人客がタピオカを買っていた。
 Tigersugarという店で、つい最近日本にも上陸したとか。せっかくなので、この店で購入


 そんなわけで、人生初のタピオカだが、最初の数口は美味しかった。ところが、すぐに飽きた。
 ジュースだけ飲みたいが、ストローを吸うとタピオカがやってくる。
 今日本では第3次タピオカブームが来ていて、タピオカ飲料のゴミが問題になっているが、確かにこれは飲みきるのが大変だ。
 バランス的には、タピオカはもっと少なくていいと思うが、それではインスタ映えしないのだろう。
 味だけで言えば、どうしてそんなにブームになっているのかよくわからないブツだったが、とにかくこれでタピオカミルクティーの実績も解除できた。
 ホテルに戻って、シャワーを浴びて寝る。疲れもあってしっかりと眠れた。