『 ロミオの青い空 』 感想





故郷を離れ、ミラノへ旅立ったロミオを待っていたのは厳しい現実。

けれど、つらい日々の中で、ロミオはかけがえのない“心の宝物”を見つけます。

それは、親友アルフレドと誓い合った永遠の友情…。

そして、どこまでも自由に広がる青い空でした──。


DVD解説書より


2005/04/15第1話『アルプス!小さな村の大事件』
おいおい、火ぃ、放ちやがったぞ! 作品全体として、原作より凄惨さを薄れさせているはずだが、いきなり放火しやがった。そういえば、白いのが邪魔したが、ロミオのヤツ、アニタにキスしようとしていたぞ。忘れていたが、原作でもそんなシーンがあった気がする。原作は白いの出てこないから、そのままキスしていたが。それにしても、絵はめっちゃ綺麗やね。萌えを求める俺には、今のところ圧倒的な女の子不足に、楽しみ切れないでいるが。ビアンカはまだまだ遠い。
2005/04/15第2話『運命のはじまり・炎の中の家族』
ロミオ萌え!(爆) わかった! これはもう、ロミオに萌えるしかない! そして俺は、いや、あたしは腐女子になるわ! ふふっ♪(壊) 原作では母親が怪我をしたが、アニメでは父親が怪我をしたな。まあ、あの母親は何もしなくても哀愁が漂っているから、その方がいいだろう。母親というと、若い頃のジェシカは萌えだった。父親は今と変わっていなかった。そうそう。ロミオが実の息子じゃなかったが、わざわざそうする意味がどこにあったのだろう。
2005/04/18第3話『さよなら・ぼくの村』
涙なしには語れない、感動的な旅立ち! さりげなくアニタが悲惨だ。直前でロミオが帰って来れないことを知ってしまったために、他の、普通にロミオが帰ってくると思っている人たちより遥かにつらい別れになってしまった。それにしてもロミオは可愛いなぁ。俺の遠い遠い記憶では、結構たくましい少年だったと思ったが、記憶違いか、あるいはだんだんそうなるのか。今の時点ではまだへなへなの男の子だ。この先、ロミオの成長という点にも注目して見ていこう。
2005/04/20第4話『似顔絵の少年』
おおっ! 腐女子が喜びそうな展開になってきた! 女の子が出て来ねー! この作品がこの世界名作雑文集で取り扱われるのは、ある意味革新的なことだ。さて、アルフレドと出会った。ダンテと事前に知り合うという演出がありはしたが、ここまでは大体原作通りだな。早速突き飛ばされていたが、まだまだ序の口。主人公が男の子ということで、『小公女セーラ』よりもひどい暴力が展開されることだろう。
2005/04/25第5話『酒場での一夜』
解せん。これが友情というものなのか? ミカエルとやらが一匹捕まったくらいで、他の全員がその場から逃げ出さなかったのはおかしい。ミカエルとは旧知の仲でもあるまいに。まあ、『友情』が半ばテーマになっているアニメだ。それもありか。ロミオがつれているピッコロだが、やはり必要のない生き物だ。ペリーヌがバロンをつれていた以上に不自然だ。名作劇場は不必要な生き物が多すぎる。変な生き物を出さなかったというだけで、『赤毛のアン』は評価できる。
2005/04/26第6話『舟が沈む!!嵐の中の友情』
回想の中のビアンカ。当社比300倍くらい美化されているようだ(笑)。いや、嘘うそ。たぶん、やがてロミオの前に現れるとき、ビアンカはこうではない。さて、原作と同じく、ロミオが死神を助けた。どうして助けたかって。それが主人公というものだ。主人公だから助けたのではなく、あそこで助けるような少年だから主人公になれるのだ。二人はミラノに到着。この先、ロミオが徹底的にいじめられるのかと思うと、なんとも陰鬱な気分になるが、まあ明るい未来を夢見て、見ていくことにしよう。 
2005/04/26第7話『天使の住む家』
なんともひどい部屋だ。ここでは1週間とて生きられない。早速どうにもならない人間が登場。エッダとアンゼルモ。恐らく、世界名作劇場全体の最低人間ベスト5を挙げたら、二人ともランクインするのではなかろうか。アニメでは知らないが、少なくとも原作では、この二人は救いがない。この二人を前にしたら、『フランダース』に出てくるハンスでさえ可愛く思える。あと、何がいるだろう。ざっと過去に見た作品を眺めてみたが、『セーラ』に出てきたモーリーくらいか? この二人は、ベスト5どころではないかも。
2005/05/05第8話『天使からの贈り物』
名言来た! 「元気を出せば、きっといいことがある」こういう単純な言葉ほど胸に染み込んでくるのぉ。クソガキとババァはやはり最低だった。今後、クソガキとババァと呼ぶことにしよう。お前らに名前など必要ない。ロミオが煙突から屋根に上がったときのナレーションがいい。あれは名シーンだ。キャプらなかったが、あのシーンのロミオが可愛い♪(爆) 天使はまだ存在しか出て来ないなぁ。ぼちぼち登場しなさい。
2005/05/05第9話『月夜のラブレター』
Anche oggi ti ho vista stare nel giardino. Ho tutta voglia di parlarti. Per favore, dimmi come ti chiami? 久しぶりに伊文を見た。前に検定落ちてから、色々状況が変わって、すっかりやめてしまっているから、また頑張らないとなぁ。新しく始めたことがあるから、どうも今の時点ではイタリア語を再開しようという気にならない。そうそう。教授登場。原作では正義の味方。彼がすべてを解決した。どうか哀れなロミオを助けてやってくれ。
2005/05/08第10話『青空のスケッチブック』
アンジェレッタ登場! なんかこう、発言が常に熱にうなされている感じ(爆)。まあ、あんな部屋にずっと閉じこめられていては、色々なものが見えるようになっても仕方ないか。ロミオは頻繁にアンジェレッタの部屋を行き来しているが、その内バレやしないだろうか。心配だ。狼団が出てきた。クソガキは本当にどうにもならんな。5,000回くらい逝け。
2005/05/08第11話『友だちになろう!』
クソガキがズタボロにされた。いい気味だが、結局それはすべてロミオにはね返ってくるかと思うと、微妙な心境。それより、アンジェレッタのことをすぐにチクらなかったのは評価したい。その点は見直した。しかし、まったく外に出たことがないアンジェレッタが、クソガキがロシアの貴族だとか言っている話をどうして知っていたのだろうか。ひょっとして、クソガキは自分が狼団とつるんでいることを、アンジェレッタに話していたのかな。
2005/05/08第12話『霧の街に消える』
ちょっぴり萌えた画像。ビアンカしか載せる気なかったが、まあいいや。クソガキのどうしようもなさはともかくとして、クソガキと狼団とロミオの関係は面白くなってきた。ババァの存在が鬱陶しいが、純粋に子供たちだけのドラマを見ると、なかなか楽しめる。そう、ババァが鬱陶しいんだよな。それにしても、ババァはともかく、親方も狼団の連中も、簡単にだまされ過ぎ。 
2005/05/08第13話『地下水道での再会』
ダンテとの再会! なんだか、普通に面白くなってきた。ロミオが一人で悲惨な目に遭っているが、まあ名作劇場の主人公なんて、どいつもこいつもそんなもんだ。そんなもんか? いや、セーラくらいな気もする。ババァはクソガキの件を「なかった」ことにしたから、簡単にはロミオは帰ることができなさそうだ。狼団の誤解もまだ解けていないし、この辺りが今後の見所だな。それにしても、登場人物が多いが、どいつもこいつもキャラが立ってるなぁ。いい作品だ。
2005/05/08第14話『逃げるんだ!!早く』
おおっ! 一つ大きな事柄が収束した。今回も面白い話だったなぁ。クソガキはともかく、ババァが本当に鬱陶しいが。ダンテとニキータがなんか仲良しさんみたいで良かった。ニキータはこの先いい子になっていきそうな予感がする。もっとも、他の連中の誤解はまだ解けてないから、その辺りが楽しみだ。この先のタイトルを見る感じ、一発でかい戦いがありそう。今回のラストで鉄格子が外れ、ロミオが自由になった。なるほど、それでアルフレドに会いに行けるわけか。なるほどなるほど。
2005/05/09第15話『火をともせ!11人の誓い』
再会キタ────────(゚∀゚)────────ッ!! とうとう再会した二人。仲間も集い、いよいよ黒い兄弟が結成された。ただ、ここは原作のように、すでにあるところにロミオが飛び込んでいく形の方が良かったな。アルフレドは思ったより元気そうだった。今のところ死にそうではない。ところで、タイトルに「11人の誓い」とあるが、どう見ても9人しかいないのだが。後からさらに2人参入するのだろうか。
2005/05/09第16話『ライバルはアルフレド!』
アルフレドに感情移入する回。ロミオよりもアルフレドの方がたくさん出てきた気がする。あるいは、印象的だった。これだけ愛され、期待され、素晴らしい少年が未来を断たれること。これなくして『黒い兄弟』という作品は有り得ない。そういえば、自由になったロミオは、好き勝手にアンジェレッタの部屋に入ることができる。夜遅くにもいるし、朝はまだ寝ているのに侵入可能。やばいやばい。右はアルフレドが見た幻影。健康そうだが、色々見え始めたし、そろそろやばいかも(汗)。 
2005/05/09第17話『聖バビラ教会の決闘』
盛り上がってきた! しかし、いささか情けない決闘だったな。まあ、個々の喧嘩能力では圧倒的に不利だからしょうがないか。ラストでアルフレドを一人でよこせと言ってきたが、それは良くない。アルフレドはただでさえ悲惨な境遇が待っているから、ぼこるならロミオにしてくれ(ォ それにしても、たとえ団結しても、真っ向から戦ったら、ジョバンニ一人にも勝てなさそうだ。まあ、ろくに飯も食わせてもらえず、一日中働きっぱなしの少年たちではしょうがない話だ。
2005/05/09第18話『朝日にとどけ!団結の歌』
前半終了! という感じか? いいねぇ、決闘。俺自身は喧嘩は好きではないが、今のご時世、こういう男らしい戦いがすっかりなくなってしまったので、なんだか胸が熱くなる。ちょっと一話に詰め込みすぎて、盛り上がりに欠けるところはあったが、まああんまり殴り合いが長いのも子供たちに良くないかもしれないから、こんなもんだろう。ジョバンニはアルフレドのことを認めた感じだったな。まあ、仲良くしてやってくれ。アルフレドは可哀想なヤツなんだ(爆)。
2005/05/09第19話『おばあちゃんは魔法使い』
同文書院の『世界名作劇場大全』によると、「大筋に関係ないストーリーが現れたら、何らかの理由で急いで作った話と考えてよい」とある。『ロミオの青い空』では、「急遽二話分作らなければならなくなった」とのことで、恐らくこれがその内の一つだろう。家族愛をテーマにしたなかなかいい話ではあるが、これまで一貫してきたストーリーがここでストップしてしまい、いまいちな感じ。元々総話数の少ないこの作品では、大筋に関係ない話はなしで、最後まで突っ走ってほしかった。
2005/05/10第20話『テオじいさんの人形劇』
たぶん、前回書いた、「大筋に関係ないストーリー」の内のもう一つだと思う。一応、伏線っぽくアンジェレッタのことを書いているが、基本的には物語と無関係。よって、テオじいさんについての感想は特になし。まあ、短編としては悪くないが、『ロミオの青い空』全体としては、必要ないと思う。今回をプロローグとして、いよいよ次回からアンジェレッタ編に突入だな。
2005/05/10第21話『アンジェレッタの秘密』
ふむ。何やら面白くなってきた。もっとも、原作では別にアンジェレッタは他人の娘ではないので、実はこの設定は俺的には微妙なのだが。まあ、原作を気にしなければ、なかなか楽しめる。イザベラは、こういう物語に出てくる金持ちにありがちなタイプだな。金があって歳をとって信頼できる跡継ぎがいないと、誰もかれもを疑い出す。他に何かあったかなぁ。ああ、道具も持っていないのに客を呼んでいたロミオがちょっと愉快だった。
2005/05/10第22話『おばあさまに会えた!』
うおーっ! 萌え上がってきた! アンジェレッタも相当可愛かったが、それよりもアンジェレッタの母親だ。でら可愛い! 人妻じゃなければ、俺が欲しかったところだ! くそぅ、萌えだ! しかし、両親ともに病弱だったんだな。アンジェレッタもその血筋ってことか? あるいは、母親の方が病弱だったのか。ロミオとアンジェレッタのシーンもよかったなぁ。しかし、アンジェレッタには本当に本当に申し訳ないが、もうじき真打ちが登場するので。 
2005/05/10第23話『さよなら…ぼくの天使』
 感動来たっ! 傑作来たっ! 最終回来たぁぁっ! いや、最終回は嘘だけど(爆)。しかし、これは傑作。前半の教会のアンジェレッタの話を聞いて、これは傑作だと思ったが、最後まで傑作だった。イザベラん家での黒い兄弟の「偉くない!」って話から、ロミオの独りぼっちの話への流れがとても美しかった。親方の家でのアンジェレッタの言葉もよかった。素晴らしい回だった! いやはや。ただ、ただね。『黒い兄弟』という作品は、アンジェレッタも死ぬところに意味があると思うんだ。ああ、「も」というのはアルフレドのこと。もちろん、原作ではロミオはミラノから逃げるから、アンジェレッタが死ぬ意味が強いのは確か。「わたしのことは気にしないで。どうせもうすぐ死ぬんだから。あなたがぶじに家に帰れば、そのほうがなぐさめになるわ」という台詞の重さは計り知れない。アニメではそれこそないが、この流れでビアンカとくっつくのは有り得ない。そこだけ原作のままでは、何かおかしいんだよ。う〜ん。長くなるし、じっくり考えないと上手く言えないからこれくらいにしよう。
2005/05/12第24話『ねらわれた兄姉』
ついにこの日が来た! うおーっ! アモーレ! ビアンカ、萌え! ひしっ、はぎゅっ! 可愛いじゃん可愛いじゃん可愛いじゃん! もういい。俺は満足した。満足した! (;´Д`)ハァハァ アンジェレッタ編が終わり、息つく間もなくアルフレド編に突入。親方の母親の話とか、テオじいさんの話とか、要らないものが入らなくて、実に良い流れだ。アルフレドはとうとう病気っぽい。あの親方はどうにもならんな。アルフレドの素性もわかり、物語はいよいよクライマックスへ! 
2005/05/12第25話『再会!ビアンカとアルフレド』
 萌えだ! って、こういう画像キャプって「萌えだ」とか言うと誤解されそうだが。いや、それは誤解でも何でもないかもしれないが。黒い兄弟の力によってビアンカは救われた。そしてビアンカとアルフレドの再会。う〜ん、なかなか感動的だったが、アルフレドが助かった方はちょっとあっさりし過ぎの感じ。再会も束の間、アルフレドが吐血、昇天。ロミオがアルフレドの意志を継いで、勲章を掲げて国王の前に出るらしいが、どうにもうまく行かなさそうな案だな(嘘)。それにしても、なんだかアンジェレッタ編とは違うアニメのようだ。こう、対アンゼルモ編、対狼団編、アンジェレッタ編、アルフレド編、それぞれが別の話みたい。
2005/05/14第26話『誇り高き魂』
ビアンカは萌えだが、今回はロミオとアルフレドをキャプった。ああ、この回は最高だ。このシーンの後の、「君たち、これからどうなっていくのかな。大人になったところを見たかったなぁ……」は、このアニメの中でも最高に胸を打つ台詞だと思う。これがあったからこそ、今回はビアンカの萌えより二人の友情を優先した。マジで泣けた。最後になんだかやばそうな雰囲気になっていたが、まあジョバンニは話がわかるヤツだから、惨事にはならないだろう。ニキータも来そうだし。 
2005/05/14第27話『長い一日のはじまり』
 今回はビアンカにした。それにしても、狼団の連中、どうにもならんなぁ。まあ、結果として1日だけだが同盟を結べたから、オーライとするか。この同盟がなければ計画が成功しなかった展開になれば、正しいルートだったということにしよう。それにしても盛り上がってきた。次回計画成功で、アルフレドが死んで、感動のラストか? いよいよクライマックス!
2005/05/14第28話『貴公子アルフレド』
うおぉぉぉぉぉぉぉっ! 冒険活劇! ちょっと違うか。いやまあ、なんか胸躍る回だった! 始終ドキドキしっぱなし。ちゃんとジョバンニも役に立ったし、ミカエルも頑張った! まあ、イザベラ様に事情を話しただけだが、あそこで一人で凹んでなかったらそういうこともなかったわけで。ビアンカだが、今回はとても女の子っぽかった。しかもちょっと弱々しい感じで、無理に強がっているような。俺が原作を読んで持っていたビアンカのイメージと、ほぼ完璧に一致した。いいビアンカだった(謎)。 
2005/05/15第29話『永遠のアルフレド』
 ついにこの時が来てしまった……。見る前から知っていたことなのだが、やはりいざこのシーンを見ると悲しまずにはいられない。考えてみれば、今まで見てきた中で、主役格の人間が死んだことなんてあっただろうか。ああ、大人は除いて。ペリーヌのお母さんとか。ないなぁ。まあ、一つ主人公が死ぬのがあるが、あれは本人は満ちていたから、まあいいだろう。やはりこのアルフレドの死というのは、世界名作劇場全体から見ても、とても特殊で貴重なイベントだと思う。23話の感想でも書いたが、アルフレドの死なくして、この作品は有り得ない。つらいなぁ……。
2005/05/15第30話『最後の誓い』
凹んだロミオが立ち直るのと、セリヌンティウスと、アルフレドの埋葬。テーマはロミオがアルフレドの希望を受け継ぐことだが、ちょっと凹んでいたシーンが長かったかな。葬式にはイザベラが来ていた。あの人なら、あの人にとってのはした金で十分立派な葬式ができただろう。だが、きっとそれではロミオが納得しなかったと推測できる。ちなみに、アルフレドの埋葬に関しては、原作の方が圧倒的に物語性があって面白い。ただ、子供たちが見て、何かを感じるにはこっちの方がいいだろう。今回もビアンカをキャプったが、そう言えばこの子が笑ってるところはまだ一度も載せていない。というか、そもそも少ない。最終話で心から笑ってくれることを期待しよう。 
2005/05/16第31話『本当の宝物』
 最終話を目前に、必要ない話だろうと思って見ていたが、案外そうでもなかった。ロミオをリーダーとした、新しい黒い兄弟の結束の話、という解釈なら、単に良かっただけでなく、必要な話とも言える。ただ、個人的にミカエルが好きではないので、その点では楽しめなかったが。ロミオとビアンカの共同作業は萌え。まあ、将来の予行演習ってことで。画像はとうとう笑っているビアンカ。あまり興味なさそうだったが、ビアンカもサーカスを見たかった模様。素直に萌えておく。
2005/05/16第32話『素敵なクリスマスイブ』
事実上の最終話かな。ロミオが先生になりたいという流れは、原作よりもアニメの方がわかりやすい。原作ではいかにも昔の作品らしく、女性──つまりビアンカにはあまり意志が感じられなかったが、アニメでは看護婦になりたいという、明確な意志を示した。最終話はよく知らないのだが、原作ではビアンカと結婚したロミオが村に戻る。大人にはならなくてもいいが、ロミオがビアンカと一緒に村に戻ってくれればと思う。 
2005/05/16第33話『空へ!自由の翼にのって』
 あー、ダメぽ。原作と大幅に内容を変更した分、最後の最後に無理が生じた感じ。カセラ先生と別れて、子供の内に一人で貧しい村に戻ったら、ロミオが教師になるのはかなり無理がある。それから、なんだろう。綺麗な終わり方なんだが、ひたすら別ればかりで、恐ろしいほど切ない。辛い仕事から解放されて、全員幸せなはずなのに、何故か煙突掃除をしていた時の方が幸せそうに見える。ちょっとこの辺りは全体の感想で書くか。それでもそこそこ普通の気分で見終えることができたのは、最後のナレーションのおかげ。逆に言うと、切なさも悲しみも、全部ナレーションで吸収。いただけない。とにかく、題材のせいだろうが、他の名作劇場と比べて、あまりにもラストが切なかった。
2005/05/16■『ロミオの青い空』の全体を通しての感想
色々あるなぁ。いつも通り、ゆっくりまとめるのではなく、 最終話を見た後すぐ、その場の勢いでまとめる。まず最も基本的なことを一つ。それは、原作の『黒い兄弟』の出来が良すぎること。もちろん、他の名劇の原作も名作揃いだが、例えば『小公女』はセーラの性格が日本人の感性に合わなかったり、『フランダースの犬』は地の文が多く、淡々とした印象があったり、『牧場の少女カトリ』は根本的に短く、物語性に乏しかったりする。これらの作品は、アニメで随分設定を変えたが、それが吉と出ている。

中には原作が重厚なものもある。『赤毛のアン』や『あしながおじさん』は、基本線で原作に忠実で、それが成功したと考える。逆に、『ポリアンナ』の後半の『パレアナの青春』や『若草物語』は、原作の出来が素晴らしいのに、余計な脚本のせいでアニメの方が評価が低い。

この『黒い兄弟』は、原作の出来が素晴らしい。だが、アニメではこれでもかというほど設定を変えた。ほぼ忠実なのは最初と狼団との関係くらいで、アンゼルモの早々の離脱、アンジェレッタの設定、ビアンカの登場とアルフレドの勲章の一件、そしてラストが逃亡ではなく、契約終了になるところ。片っ端から原作と異なる。

それが、原作より面白くなった部分もあるが、同じかそれより多く、物語を薄っぺらにしてしまったり、矛盾を生じさせる結果にもなった。原作を意識しなければ、『ロミオの青い空』という作品は素晴らしいが、世界名作劇場は原作あってのものなので、全体の評価も原作との比較で見てみたい。ただ、原作のままでは子供向けのアニメとしてはあまりにも重いため、大幅に内容を変更したというのは理解しているので、それはそれとして読んで欲しい。

まず原作の流れは、ロミオは親方の一家の人間に、まったく気に入られない。徹底的にいびられる。親方はアニメ同様、一旦はロミオを気に入るが、最終的にはロミオを信じない方向に傾く。その原因となるのはアンゼルモの存在。彼は最後まで狼団に残り、満を持して追放される(笑)。最後にアンゼルモがロミオを陥れて、ロミオは逃亡を決意する。

ロミオが逃げ出すのに後ろ髪を引かれなかった理由は、アンジェレッタが助からないこと。話の中では死なないが、アンジェレッタは自分が死ぬことをわかっており、どうせ死ぬならせめてロミオが無事でいて欲しいと考える。だからこそロミオはわずかの未練もなくミラノから逃げた。

子供たちを追いかけるルイニはスイスで捕まり、これによって読者は心が晴れる。少なくとも彼が煙突掃除夫になる子供を連れてくることがなくなるからだ。ロミオはカセラ先生のもとで勉強し、自分も先生になる。その間ずっとビアンカと暮らしているため、二人が夫婦になるのも自然な流れで、ロミオは大人になってからビアンカと二人で村に戻り、学校を開く。10年も経てば、仲良しだったアニタがロミオをあきらめても不思議ではない。

というように、原作には無理な流れがない。アニメでは、アンゼルモが早々に離脱する。親方もロミオを受け入れ、親方一家からのいじめはすぐになくなる。これは、最後に契約終了で終わることを意識したものだと考えられる。アンジェレッタが貴族の娘というのは設定に無理があるが、話は良かった。そして、そこで知り合ったイザベラが、アルフレドを助けるために登場するという流れもとても良いと思う。

そのアルフレドの話も、黒い兄弟の絆や、狼団との友情がよくわかる話で、素晴らしかった。当然、ビアンカが登場するのも問題がなく、ビアンカがいたからこそ盛り上がったと言っても過言ではない。ここまではいい。アニメはアニメで、無理なく流れている。だが、ラストの「村に帰って先生になる。ビアンカと結婚する」という部分だけ原作に沿ったため、無理が生じた。

最終話の感想にも書いたが、子供の内に貧乏な村に戻っては、先生になるのは厳しい。『セーラ』の原作『小公女』で、セーラが自分がどんどんバカになっていく話をしているが、村に戻ればロミオはどんどん覚えたことを忘れ、バカになっていくしか考えられない。それから、近くのアニタや他の女の子より、遠くのビアンカを選ぶのが不思議だ。そもそも、最終話の時点でなお、ビアンカよりアンジェレッタの方が仲良く見える。アンジェレッタはどうなった? ビアンカの方も、看護婦になる夢はどうなったのか。

先に「原作がなければ素晴らしい」と書いたが、原作がなくてもこの辺りは引っかかりを覚えたと思う。特にアンジェレッタに関しては。ということで、このアニメは、第32話までは★5で、最終話で崩壊という評価をしたい。

ちなみに最終話の感想で書いた切なさの話だが、原作では子供たちは本当に辛い思いをし、煙突掃除夫としての喜びはほとんどなかった。だがアニメでは、煙突掃除夫の辛さはほとんどナレーションだけで、そういうシーンは少なく、ロミオは親方に気に入られていたし、他の子供は親方が出て来すらしなかった。比較的昼も自由に会っていたし、夜も簡単に集まれた。その光景を見ると、ミラノでの生活は楽しく思え、結果として別れがとても辛いものに感じられた。これも先に書いた「最終話に生じた無理」の一つだと思う。

あと、どうでもいいが、ピッコロ。どう見ても要らなかっただろう。原作に出て来ない動物を出すのは名作劇場の悪い習慣だが、『ペリーヌ』のバロンや『カトリ』のアベルなどは、最後まで登場したし、彼らが出てくる話もあった。もっとも、それは大抵邪魔なだけだったが。だが、ピッコロは途中からまったく出て来なくなる。出てくる話が欲しかったのではなく、そもそもピッコロ自体が必要なかった。

それに関連することとして、このアニメには余計な話がほとんどなかった。19話と20話だけだ。全33話と、他の名劇作品と比べて圧倒的に短い話数が良かったのかもしれない。これは評価に値する。OVAではないので、色々番組構成上の都合はあるのだろうが、なるべく大筋とは関係ない話は省いて欲しい。この点だけは、他の名作劇場に圧倒的な差を付けたと思う。おかげで飽きることなく、最後まで楽しく見ることができた。

ストーリー ( 内容やテンポ、感動したかなど )★★★★☆
キャラクター萌え度 ( 絵や声、性格、言動など )★★☆☆☆
 


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