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■雑文2 『 川瀬夏菜先生の同人誌 』 −2004/10/15−
 トップに『LaLaDXに関する雑文』とあるが、これは全然関係ないお話。
 元々小生は、川瀬夏菜先生のマンガが読みたくてLaLaDXを購入している。友人の家で、絵柄に惹かれて『知らない国の物語』を読み、収録されていた『声の魔法』で一気に好きになったのだ。
 それから、川瀬夏菜先生の読切が収録されているLaLaDXを、ヤフオクや楽天で買いあさった。現在、これだけの読切を切り抜いて保存してある。
  • 『 知らない国の物語 第1話 』
  • 『 カルテットカルタ 』
  • 『 放課後お菓子時間 』
  • 『 知らない国の物語 メイリーナの冒険 』
  • 『 星降るおくりもの 』
  • 『 ガーリッシュ シーズン 』
  • 『 ひなぎく ろまんす 』
  • 『 螺旋階段とミルフィーユ 』
  • 『 真実のスペル 』
  • 『 未完成幸福記録 』
 ちなみに、いきなり脱線するが、書いてあるのは年代順だが、ほぼ面白い順でもある。残念ながら、人気が出て有名になるに従って、マンガの切れ味が落ちている気がする。もっとも、そういうマンガ家は多いが。
 さて、上で「ヤフオクや楽天で」と書いたが、小生はヤフオクが大好きである。何故かというと、まず第一に、もう生産中止の品物が手に入ること。絶版になった本や、廃盤になったCDはもちろん、何かのおまけの品物や、非売品のグッズなども購入できる。
 もちろん、新品を通常の店舗よりも安く買えるという利点もあるが、もう一つの大きな楽しみは、なんと言っても、存在すら知らなかったものの発見である。例えば小生の場合、「さだまさし ギター」で検索して、よく見たこともない古い楽譜を見つけて落札する。
 キーワードは何でもいいから、部屋の中で目に入ったものや、不意に思い出したものを検索する。「あだち充」で検索して、出ていたミニ色紙を落札したり、昔「馬車道」で検索して、キーホルダーを落札した。挙げれば切りがない。
 さて先日、いつものように、特別目当てもなく、何気なく「川瀬夏菜」と入れてみた。そうしたら、正直驚いた。同人誌が出ていたのだ! しかも残り時間10分。これはもう、何かに導かれたとしか思えない。
 開始価格100円で、すでに一人が入札していたが、川瀬夏菜先生の同人誌である。小生は2,000円でも3,000円でも出すつもりだったから、高値を更新して落札した。というか、成人向けの同人誌だと、2〜3千って当たり前なのよね……。そういう世界を駆け回ってきた小生には、かの夏菜先生の同人誌が500円で落札できるというのが信じられない。


 これがその表紙。わかる人はわかるだろうが、『封神演義』本である。
 ちなみに小生は『封神演義』はまったく見たことがないので、表紙の絵がどんなキャラかもわからない。作者としては、パロディ本はなるべく作品がわかる人に読んで欲しいだろうが、小生は本を、内容ではなく作者で買うタイプなので、どうか目をつむっていただきたい。夏菜先生の本だから買うのだ。

 ──たとえ本の中に女の子が1コマも出てこなかったとしても!

 やおい系の本を読むのはこれで2度目だ。昔『神岸メモリー製作所』でサークル参加するよりも前、毎月のように名古屋のコミックライブやCOMIC CITYに足を運んでは、鈴羅木かりんさんの『鈴蘭街道』の本を買っていた。まだコミケなど知らず、大手という言葉も知らなかった頃だが、思えばこの頃から内容ではなく作者で本を買っていた。
 だから、ある時かりんさんが『聖剣』か何かで女性向けの本を作った時も、やはり小生はそれを購入した。もっとも一度読んだ切り、二度と読み返すことはなかったが……。
 基本的にはやおい系は嫌いである。作者としては、やおい本はなるべくやおいが好きな人に読んで欲しいだろうが、小生は本を……以下略。
 さて、読んだ感想だが、これはプロの方が同人誌を作るとよくあることだが──もっとも、本が出たとき、先生はまだプロではなかったが──、マンガは商業誌の方が面白いし、描き込みも丁寧である。だが、トークは圧倒的に同人誌の方が面白い。圧倒的に!
 小生、夏菜先生がこんなに面白い方だとは思わなかった。この同人誌のトークを読んでから、単行本のトークを読むと、なんと落ち着いていて、面白みのない文章なのかと思う。万人ウケする書き方だ。誰もが70点は付けるが、90点は付けない。けれど、「ハマる」ためには、人によっては0点だが、別の人によっては100点というような、個性を存分に出したものである必要がある。
 同人誌だから出来ることなのだろう。トークもやおいマンセーの内容だが、ノリが好きだ。マンガは男の小生をやおい好きにするには不十分だったが、トークは小生をより夏菜先生好きにした。具体的な内容は書かないが、少なくとも夏菜先生ご自身が、今読み返したら恥ずかしくなるのではないと思われるくらい、いいテンションの文章が書かれている。
 ところでこの本、夏菜先生のサークルの、7冊目の封神本らしい。ということは、この前に少なくとも6冊の本があるということになる。封神以外の本もいくつかあると考えるのが妥当だろう。だが、それが入手できる可能性はあまりにも薄い。
 こういうとき、男性向けの同人誌は便利だ。値段が高くてもものは手に入る。
 『知らない国の物語』の1巻の2本目のトークで、先生は広島出身だと書いてある。広島の女性向け古同人誌屋に行けば、ひょっとしたら転がっているかも知れない。
 そもそも、本以前にそんな店があるかが問題だが……。


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