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■雑文5 『 LaLaDXを読んでいる動機 』 −2011/01/11−
 少し前、ネットサーフィン……という言葉は死語かもしれないが、ネット上で少女マンガ全般について調べていたら、『Argent Step』という少女マンガスレッドのまとめサイトを発見した。眺めていたら、昨年3月28日付けで、『男性が少女漫画を読むきっかけって何だろう』という記事があり、そういえば自分がLaLaDXを読み始めたきっかけや、読んでいる理由などを書いたことがないなと思い、ここに記そうと思った次第である。

>男性が少女漫画を読むきっかけって何だろう。
 自分はそもそもあまりマンガを読まない。今でも部屋にある、ある一定巻数以上の本は、『ジョジョの奇妙な冒険』、『蒼天航路』、『よつばと!』の3作しかなく、5巻以下で完結している作品まで広げても、『あずまんが大王』、『パジャマでごろん』、『笑うかのこ様』の3作しかない。
 もちろん、幼少期は少年ジャンプを購読していたし、『SLAM DUNK』や『ろくでなしBLUES』、『るろうに剣心』、『BOY』といったジャンプの古い作品や、一部のあだち充の作品──『タッチ』、『みゆき』、『ラフ』、『H2』などは読破しているが、その程度であり、少女マンガは読んだこともなかった。
 少女マンガに対してある種の偏見もしくは固定観念を持っていた。つまり、線が細く、目が大きくキラキラしていて、画面が全体的に白く、絵よりもストーリー重視で、恋愛物ばかりという少女マンガ像である。どちらかというと絵柄から入る自分には、そういうのは合わないので、読もうとすらしていなかった。
 ところがある時、知り合い(もちろん男だが)の家で、偶然何気なく、棚に並んでいた川瀬夏菜さんの『知らない国の物語』を手に取って開いてみたら、そこにものすごく自分の好みの絵があった。
 これは衝撃的だった。それまでに色々な男性誌の萌え系のマンガも読んでいたが、それらよりも遥かに萌える(自分の好みの)絵柄だった。しかも読切の『声の魔法』はとても面白かった。
 もう一つ衝撃的だったのが──これはある意味当たり前で、さすがに想定してはいたことだが、女の子が主人公であるということ。しかも萌えマンガに出てくるような、なんだか男性の欲求を詰め込んだだけのようなリアリティのない女の子ではなく、もちろんマンガの域を出ないとはいえ、それなりにリアリティのある女の子が主人公である。
 自分は男で、女の子が好きなので、女の子の内面的なものを見てみたいし、そういうマンガを読みたい。川瀬夏菜さんの他にも、まだまだ自分の好みの絵柄の作家さんがいて、面白いマンガがたくさんあるのではないか。そう思い、川瀬夏菜さんが描いていたLaLaDXを購入するに至った。

>少女漫画を読み出したきっかけよりも、読み続けている理由が知りたい。
 川瀬夏菜さんの影響でLaLaDXを購入したという話を書いたが、実際に購入したら、他にもやはり面白いマンガがいくつもあった。恐らく初めて読んだのは2004年の5月号だが、この号の『ことのは』などの影響もあったと思う。そして、最初は未読だったが再評価している『地球行進曲』の存在も、LaLaDXをその後も購入し続ける決定的な動機になった。
 今でも読み続けているのは面白いからとしか言いようがないのだが、どこに面白さを感じているか、もう少し掘り下げると、「女の子視点の恋愛マンガを読みたいという欲求を満たしてくれる」という点だろう。
 もう一つは、One of the Starsのコンテンツにした上、案外これを目当てに来てくれる人が多いという点。これは最近の「読み続けている理由」だが、検索で上位に来るような「反応」がなければ、たぶんここまで続けて読んではいなかったかもしれない。面白いのは事実だが、ずっと読み続けるにはこういう角度の動機も自分には必要だと思う。
 ちなみに、こと「反応」という点では、感想などの書き込みやメールはほとんど皆無に近い。それでよくモチベーションが保てるものだと自分でも思うが、逆に辛辣な意見などをもらうよりはましかもしれない。かつてたった一人の悪意ある声により、とらハの小説ページを削除したことがあるので、この適度な一方通行感がいいのかもしれない。

>結構雑誌が偏ってるなと思って。
>偏っているというのは、白泉系をあげる人は白泉ばかりとか、そういう偏りね。
 自分の場合は、先に白泉社があったのではなく、たまたま川瀬夏菜さんを知り、夏菜さんが描いていたのがLaLaDXだったというだけで、もしあの時手に取っていた作品が違っていたら、このページもLaLaDXのページにはなっていなかっただろう。
 だから、白泉社に対してそれほど強い思い入れがあるわけではないが、LaLaDXだけで自分の欲求──「女の子視点の恋愛マンガを読みたいという欲求」を十分満たしてくれるので、それ以上手を広げていない。
 先日、他の雑誌も買ってみるかと『ザ花とゆめ』を購入したが、海外旅行をするよりも、まだ国内の行ったことのない場所を見に行くかという感覚である。この先、ひょっとしたら海外旅行もしたくなるかもしれないが、そこまでどっぷる浸かる気はなく、その時は上に挙げた以上の動機──例えば彼女ができて少女マンガが大好きだとか、自分の感想を楽しみにしてくれる読者がたくさんいるとか、お金が発生するとか──がなければ、たぶん読まない。

>男性作者が描く恋愛もので面白い作品があれば別に問題無いんだが、現状、殆ど駄作ばっかだからなぁ…
>「恋愛もの」って"一ジャンルに限って"は、少女漫画の方が圧倒的にその総数が多いし、選択肢の幅も広い。
>良いものを選ぼうと思ったら専門店の方が品揃えがいいし、俺はそっちに行く。
>買い物と同じ。だから少女漫画も読む。
>少女漫画にそれ以上のものは別に求めてない。ケーキ屋や花屋にスポーツ用品や肉を買いに行く気はないし。
 そのまま同意。
 ただ、リアリティのある女の子が読めるという動機で読み続けている少女マンガだが、一つだけ苦言を呈すると、男性誌に出てくる女の子と同じくらい、少女マンガに出てくる男にはリアリティがない。
 まあ、これはしょうがないのだろう。
 女の子重視で、男は我慢して読んでいるため、男ばかりの話や、男が主人公の話に関しては、読んでいなかったり、厳しい評価をしている。それはもう、管理者の性別と、ここまでに書いてきた動機を理解していただき、そういうコンセプトのページなのだと思ってほしい。


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