エリックとエルメス 第4話『確執』


◆ 色々とお話する ◆

 前回の冒険で入った経験点は、エリックが1,330点、エルメスが1,230点です。その内の30点は、いつものオリジナルボーナス。前回は、敵将ガヤックがモンスター・レベル3でした。
 今回から、とりあえず二人とも、それぞれソーサラーとファイターを1レベル上げるために、経験点を貯蓄するそうです。

水原(GM)「前回が終わった翌日に、またこうして次の話の座談会をしてるのがいいよね」
雪島(エリック)「暇人」
ほずえ(エルメス)「いいの? 遊んでばっかいて」
水原「そういう君らは何じゃい!(笑)」
雪島「まあ、それを言われると私もうぐぅだけど」
水原「忙しいっていえば忙しいけど、遊べる瞬間は他のことは気にせずに、全力で遊ぶのが賢い生き方だよ」
ほずえ「なるほどね」
水原「しかし、前回は面白かったなぁ〜♪」
雪島「女の子いじめたり、女の子に恥ずかしい台詞を言わせるのに、それほどまで強い喜びを感じるなんて」
ほずえ「最悪〜」
水原「うぐぅ」
雪島「今回はどんなの企画中?」
水原「な〜んも」
ほずえ「マジ?」
水原「一応、タイトルが『買物』になってるけど、アップするときにまだその名前かどうかもわかんない」

 注:変更しました(笑)。

雪島「確か、軽いシナリオ1本やるんだっけ?」
水原「そうなんだけど、俺思うに、軽いシナリオ、難しい」
ほずえ「なんで?」
水原「君たちがお金に困ってないから、依頼を受けながら旅をする必要がない。実は前回、君たちのお金を取り上げようとか思ってたけど、全然ダメだったし」
雪島「なるほど〜。確かに、つまんない依頼を受けてる暇はないよ。さっさとミンフを助けたい」
水原「だから困ってる。あと、もう一件」
ほずえ「ん?」
水原「由佳里ちゃんのことだけど……」
ほずえ「現在、洗脳中であります!」
水原「うむ」
雪島「可哀想に……」
水原「まあ、そう言わんと」
ほずえ「エルフエルフ♪」
水原「問題は、今の君たちの中に、彼女が入れるかだね」
雪島「何とかするけど、難しいかも」
ほずえ「う〜ん」
水原「リプレイ読めばわかるけど、君たちの中に入る余地がまったくない。ただでさえまったくの初心者を、どうプレイさせればいいのか思案中」
雪島「そうだね〜」
ほずえ「でも、私もまだ初心者」
水原「3回もやれば十分」
雪島「そうそう」
ほずえ「そうだにゅ〜?」
水原「でも、前回ちょっと甘さが出たね(笑)」
ほずえ「そのせいで、経験点が先輩とずれた(泣)」
雪島「我慢我慢♪」
水原「今回はとりあえずロマール。他は今から考える。一応、前君たちが話してた、闇市をメインにシナリオを練りたいと思ってるけど……」
雪島「うん。期待してるよ」
ほずえ「頑張れ〜〜」
水原「うぃっす」

◆ 待ちに待った闇市だ! ◆

GM「では、前回のセッションが終わり、君たちがここロマールに来てから、3日経過しました。その間、君たちが何をしていたかというと……」
エルメス「休養」
エリック「怪我をしたエルメスの看病とか」
GM「というのもあるけれど、前回の事後処理です。つまり、解放した娘たちのことや、その他、各方面……つまり、警備だの各家族だのへの報告などをしていました。どんな形であれ娘たちが帰ってきたのが嬉しかったらしく、依頼もしていないのに君たちに報酬をくれる家族もありました」
エリック「それはありがたい」
GM「で、今回から、君たちにお金も計算してもらうことにした」
エルメス「そうなんだ」
GM「君たちは個人個人ではお金を持たず、サークル運営費……じゃなくて」
エリック「(笑)」
GM「パーティー費用として、お金をまとめている。エリックの金はエルメスのもの。エルメスの金もエルメスのもの」
エリック「納得いかんぞ!」
GM「冗談冗談」
エルメス「(笑)」
GM「で、前回君らに、10,000ガメルあると言ったが、そこからさらに、今回の報酬やら、特にこっちが大きいのだが、盗賊から奪った金やらで、今25,000ガメル持っている」
エリック「たくさんあるなぁ」
エルメス「お金持ち〜♪」
GM「そうでもないよ。君たちには、これから闇市に行って散財してもらうから。良い品物は高いのだ」
エリック「なるほどね」
GM「じゃあ、適当にロールプレイしてちょうだい」
エリック「エルメス。具合はどうだ?」
エルメス「はい。もう大丈夫です」
エリック「そうか。今日は服を買ってきてやったぞ」
エルメス「わぁ、ありがとうございます!」
GM「服?」
エリック「ほら、前回誰かさんにボロボロにされたから」
GM「ああ、盗賊たちにね」
エリック「あんただよ、あんた!」
GM「知らぬ存ぜぬ〜♪」
エリック「さっ、エルメス。着せてあげるよ」
エルメス「はい……じゃなくて(汗)、じ、自分で着ます」
エリック「そうか……。ちょっと残念そう……。しゅん」
エルメス「あはは。可愛い服ですね〜♪」
エリック「冗談きついよ。鎧の下に着るような服が、可愛いわけがない」
エルメス「エリックさん、ロマンチック・ポイントが足りません……」
エリック「じゃあ、次に経験点をもらったら上げよう」
GM「うぃ。1ロマンチック・ポイントにつき、経験点500点ね」
エリック「なんじゃい、そりゃ!」
エルメス「(笑)」
エリック「エルメス。足が大丈夫なら、君が楽しみにしていた闇市に行こうと思うけど、どうだい?」
エルメス「闇市!? はい! 行きます、行きます。大丈夫です!」
エリック「そりゃ良かった。ゲマぬいぐるみとかあったら、買ってやるからな」
エルメス「あ、ありがと……」
エリック「あんまり嬉しそうじゃないね……。いじいじ」
エルメス「そんなことないですよ。あはは」

 ということで、二人はるんるん気分(死語)で闇市へ。
 ちなみに、ロマールの闇市というのは公式設定で、『アレクラスト中の品物を一同に集めたような巨大な市場』で、『各地の特産品が小さな路地の脇にずらりと並べられ、驚くほど安い値段で取り引きされている』場所である。
 『中には毒性を秘めた薬草や、暗殺用の隠し武器、さらには人間の奴隷さえ売り買いされて』いるところで、『盗賊ギルドやその他の秘密結社が支配する場所』。それを『国王自身が承認し、保護している』。
 以上、“ワールド・ガイド”より。

エルメス「わぁ。すごいですね。右も左も市市市です! こんなの私、見たことありません! わぁ、わぁ!」
エリック「ほらほら。あんまりはしゃぐと、入れ歯が飛び出るぞ」
エルメス「…………」
GM「…………」
エリック「……今の、思い切り外したね、私(汗)」
エルメス「全っっっ然面白くなかったよ……」
GM「っていうか、今の、ギャグなの?」
エリック「お願いだから忘れて」
エルメス「脳裏に焼き付いたよ」
エリック「今の、(リプレイから)カットね」
GM「ヤだ」
エリック「テープを貸せぇぇぇ! 今すぐ叩き壊してやる!」
エルメス「わーーっ! 先輩、ストップ!」
GM「今までの分がパーになる! やめてくれ!!」
エリック「うわぁぁぁあああぁぁぁぁぁっ!」
エルメス「もう、無茶苦茶」
GM「やれやれ」
エリック「しくしく。じゃあ、気を取り直して、二人で見て回ります。どんなのがある?」
GM「冒険者グッズは、完全版に載っているすべてのものがある。他、君たちが希望するものは、GMの判断による」
エリック「エルメス、何か☆芋の亡いか?」

 何なのよ、その変換は?>ATOK12。

エルメス「欲しいものですか? その、指輪……」
エリック「ああ、ガーネットの指輪ね」

 前回の最初の方参照。

エルメス「買ってくれるんですか?」
エリック「いいよいいよ。あるよね? GM」
GM「あるけど、せっかくだから、何か特別なものにしてあげよっか? 高くなるけど」
エリック「そうだねぇ。そうする?」
エルメス「はい。どんなの?」
GM「どんなのがいい?」
エルメス「筋力+1」
GM「30,000ガメル」
エリック「諦めよう、エルメス。ここは俺たちには手の出ない世界だ……」
エルメス「こらこら(苦笑)。敏捷度は?」
GM「+1なら6,000ガメル」
エルメス「なるほど。他になにか面白いのないかなぁ」
エリック「精神力抵抗+1」
GM「そういうのは高いって。50,000ガメル」
エルメス「メイジリング」
GM「欲しいの? 君、ソーサラーないのに」
エルメス「いや、いらないけど」
GM「メイジリングは相場がよくわからんからパス。ただ、メイジスタッフがそんなに高くないから、それほど高価でもない」
エリック「じゃあ、ニュータイプ技能は?」
GM「それ、むっちゃ高い。100,000ガメルくらい?」
エリック「ぐはっ!」
エルメス「何も付けないと?」
GM「1,000ガメルくらいかな? それでも100,000円だよ?」
エルメス「そっか」
エリック「5,000ガメルくらいまでならいいよ」
エルメス「“パリー・パリー”が7,000ガメルで、回避力に+2もあるけど、これも売ってるの?」
GM「これ、強いよね〜。できれば買って欲しくない」
エルメス「魔法の消費精神力-1とかは?」
GM「ん? 聞いたことない魔力だなぁ」
エルメス「精神力が13しかないから、あると結構嬉しい」
GM「じゃあ、それでいっか。それなら、4,500ガメルであったことにしよう」
エルメス「じゃあ、これを買って下さい、エリックさん」
エリック「よしよし。おい、これをくれ」
GM「魔導師風のおっさんだ。『あいよ。4,500ガメルだよ』」
エリック「ほれ」
GM「『まいど〜〜』」
エリック「さぁ、エルメス。指を出して……」
エルメス「あの……」
エリック「なんだい?」
エルメス「ここではその、恥ずかしいから、また後からにしましょう(笑)」
エリック「そ、そうだな……」
GM「おっさんがニヤニヤと見てる」
エリック「行こう、エルメス」
エルメス「はい!」
GM「残り、20,500ガメルね」
エルメス「じゃあ、さっきのは、“エルメス・リング”と……」
エリック「なぁ、エルメス」
エルメス「はい」
エリック「もうちょっと、こう……ないの? 名前……」
エルメス「そ、そうですね……。ま、まあ、“ガーネットの指輪”にしておきましょう。無難に……無難に……」
エリック「そうだな(笑)」
GM「他に何を買う?」
エリック「う〜む」
エルメス「エリックさんも、好きなものを買って下さって構いませんよ。私はこれだけで十分です」
エリック「ああ。じゃ〜ね〜〜」
GM「エリック」
エリック「ん?」
GM「そうやって君が物色していると、ふと見上げた店から、活発そうな女の子がクイクイと手招きしてる」
エリック「どんな店?」
GM「薬品がいっぱい並んでる。女の子はちょっとニヤニヤ顔。でも皮肉っぽくなくて、結構可愛いよ」
エリック「行ってみよう。なんだ?」
GM「エルメスは?」
エルメス「ついていきます」
GM「じゃあ、エリックの耳を引っ張って……」
エリック「いてて」
GM「『ちょいと、兄さんにだけ話がしたいから、恋人はちょこ〜〜〜っとだけ待っててもらってよ』」
エリック「う〜む。悪い感じはしないんだね?」
GM「まったく」
エリック「じゃあエルメスに、エルメス。ちょこ〜〜〜っとだけ待っててもらえるかな? と言おう」
エルメス「素直に従う。はい、わかりました」
GM「エルメスが下がるのを見て、エリックに言う。『兄さん兄さん。あの子は、恋人さんだろ?』」
エリック「ま、まあ、そんなところだ……。俺の希望だけど……ぼそぼそ」
GM「『もうヤった?』」
エリック「びっくりしよう。ヤ、ヤってないヤってない」
GM「エリックって、童貞君?」
エリック「いや、経験の一度や二度はあるでしょう」
GM「リーミアとは?」
エリック「彼女は片思い。いや、両思い近かったけど、そこまではいってなかった」

 注:リーミア……エリックが昔好きだった人。一緒にパーティーを組んでいたが、とある冒険で死亡した。第1話の、シーフギルドでの会話に登場している。

GM「関係ないけど、エリックは今でもリーミアのこと、好き?」
エリック「それは無茶苦茶難しい問題。今はエルメスのことで頭がいっぱい。忘れてるのかもしれない」
GM「リーミアのことは、エルメスには?」
エリック「話してない」
GM「思うに、それだけで3〜4回分のセッションが出来そうだよね?」
エリック「いずれやろうか」
GM「了解。じゃあ……っと待て。じゃあ、誰と経験したんだ?(笑)」
エリック「冒険者になる前に、街の娘っ子と。或いは、若気の至りというか、まだベナルと組んでいた頃、花街で……」
GM「はは〜ん。なるほどね。じゃあ、君の『ヤってないヤってない』から続けよう」
エリック「いいよ」
GM「『彼女とヤりたいでしょ? まだ若いもんね〜〜』」
エリック「ま、まあな」
エルメス「(苦笑)」
GM「素直だね。娘は豪快に笑う。『あはははははっ! そうじゃなきゃ! ヤりたいけど、いざ勇気が出ない。そうだろ?』」
エリック「あ、ああ……。そうなのか?(笑)」
GM「さぁ(笑)。『そこで、これだ! じゃじゃーん!』」
エリック「何?」
GM「媚薬」
エリック「(爆笑)」
エルメス「媚薬っすか……(苦笑)」
GM「『これは強力だよ、お兄さん。効果は1回きりだけど、失敗はなし。しかも、魔法の薬だから、当然魔力がある。使う者の愛情が深ければ深いほど、よく効くんだ』」
エリック「相手の愛情は?」
GM「『関係ないね。片思いのヤツらがよく買ってくよ』」
エリック「俺は両思いだぞ」
GM「『なら、なおさらいいじゃん。本当はあたしも、片思いの野郎どもが、この薬でその男を全然好きじゃない女の子がヤられちまってると思うと悲しくってねぇ。まあ、商売だからしょうがないけど。だから、本当は兄さんみたいに、両思いだけど勇気の出ない人に買って欲しいのさっ! あたしも女だからねぇ』」
エリック「なるほどね。一応、かなり違法くさい品物なんだね?」
GM「そうです。闇市だし」
エリック「いくら?」
GM「くくく……(笑)。『なんと、こ〜〜〜んなに素敵な薬が、1,500ガメル! っていうのが、通常の市場の相場。この闇市じゃ、それが不思議とたったの1,000ガメルで売られてるんだな!』」
エリック「通常価格、15万円っすか……。1,000ガメルでも高くないか?」
GM「『まさかっ! 兄さんはまだこの薬の怖さ……じゃない。素晴らしさを知らないね? これは、ヤられた相手の女の子が、“犯された”って感じない不思議な薬なんだ。そこいらの媚薬じゃ、効果が切れると、“どうして私、こんなことを?”って後悔するだろ? ところがこいつは違う。ヤったあと、不思議とその行為に満足感を覚えるのさ。つまりは、それで仲良くなれるかも知れないし、次からはこんな薬なんて必要なし。それが、魔法の薬ってもんよ!』」
エリック「なるほど。GMがすごく買って欲しそうだし、買ってみるか(笑)」
GM「ぎくっ。いやいや。俺はこの娘になりきってだなぁ」
エルメス「今回は18禁プレイ、と……」
GM「ちゃうちゃう」
エルメス「違うの?」
GM「媚薬を使うのは、次回(笑)」
エルメス「了解(汗)」
エリック「じゃあ、1,000ガメル」
GM「『まいどあり〜〜』」
エリック「戻ろう」
エルメス「何を買ったんですか? エリックさん」
エリック「あ、ああ。え〜〜〜っと、せ、整腸剤」
エルメス「整腸剤!?」
GM「とっさに浮かんだのがそれかい!」
エリック「いや、風邪薬じゃ、ありがちかなって思って」
エルメス「整腸剤ですか。それでは、あの方は薬屋さんだったんですね?」
エリック「ああ。なんか、月のモノの薬とかを俺に押し付けようとしてたから、君に待っててもらったみたいだ」
エルメス「つ、月のモノ……。赤くなって俯こう」
エリック「あっ、いや、その……」
エルメス「…………」
エリック「ご、ごめん、エルメス」
エルメス「い、いえ。気にしてませんから」
GM「仲よいね〜〜」
エルメス「で、次は18禁プレイなの?」
GM「目一杯読者サービスしてね、エルメス」
エルメス「みゅ〜〜」
エリック「自分の妹に、Hなプレイを頼む兄。変態だ……」

◆ スリの坊や……なんてありがちな! ◆

GM「あと、19,500ガメルある。エリック、何か欲しい?」
エリック「そうだねぇ。+2のダガーとかいいかもね」
GM「人間の奴隷とかも売ってるらしいよ」
エリック「いらない!」
GM「ああ、そうなの?」
エリック「そうなの!」
エルメス「“魔神の指”は? シーフのほとんどの能力に+2だって」
エリック「いいねぇ。でも、こう、なんかオリジナル・アイテムが欲しいね10,000ガメルくらいで」
エルメス「そうですね。今までの冒険で、何か不自由したものって……」
エリック「人数(笑)」
GM「やっぱり奴隷?」
エルメス「ダメです!」
エリック「“ナイト・ゴーグル”(暗視機能)とか面白そうなのに、どうして130,000ガメルもするんだろ」
GM「結局、君も消費精神点-1のものが欲しいところじゃない?」
エリック「そうだね(笑)。エルメスに振られて、『これ返す!』とか言われたら使うよ」
エルメス「不吉なことを言わないでください」

 でも、次回そういうシナリオを考えているGM……。

エリック「なんか変なもん買おっと。“浮遊落下のマント”とか、闇市でいくらで売ってる?」
GM「そんなもん、欲しいなら10,000ガメルくらいであげるよ。基本取引価格が24,000ガメルになってるけど」
エリック「“ジャンピング・ブーツ”とかね〜」
エルメス「風系?」
エリック「水原君(GM)と一緒で、私も風の属性があるから」
エルメス「風の属性か……」
エリック「相手の精神点を吸い取るアイテムとか欲しい」
GM「また異な事を……。どんな感じ?」
エリック「魔法をくらったら、吸い取る」
GM「そうだねぇ。形状は?」
エリック「どんなのならいい?」
GM「じゃあ、ローブなんてどう?」
エリック「ローブか……」
GM「現時点で、君はシーフのくせに筋力の半分以上の鎧つけてることだし、いっそ着替えるってのも手だよ」
エリック「げふっ」

 はい。これもこないだ気が付いたミスです。
 シーフ技能を行使するためには、筋力の半分以下の武具を着けなければならないのに、エリックは初回からずっとそれを越える鎧を着てます。

GM「じゃあ、ローブにしよう」
エリック「詳しいこと教えて」
GM「必要筋力2、回避力修正0、ダメージ減少0、相手の魔法をくらったら、相手が消費した精神点の半分を吸い取る。端数は切り上げ。ただし、抵抗が必要な魔法で、抵抗に成功した場合は無効。意図的に抵抗に失敗した場合は、効果を及ぼさない」
エリック「なるほど。相手のレベルが低ければ低いほど、たくさんもらえるわけだ」
GM「低いってことは、このローブの魔力に負けたって捉えることができる」
エリック「魔法の種類は? 空間に左右する魔法とか。例えばサイレンスなんて空間だけど、抵抗ありだよ?」
GM「“効果範囲”が個人のものに限る。あと、キュアー・ウーンズとかの扱いが面倒臭いから、味方からの魔法も、“効果範囲”が個人ならオーケー。だから、エルメスがキュアー・ウーンズをかけたら、生命力も精神力も回復する」
エルメス「いいなぁ」
エリック「いくら?」
GM「本来なら60,000ガメルが、今ならなんと、12,500ガメル! しかも今だけ限定で、3点分の魔晶石が付いてくる!」
エリック「じゃあ、買おう」
GM「あいよ。わかりやすく、“ソウカップ・ローブ”とかにしておいて」
エリック「うぃ」
エルメス「全然わかりやすくないにゅ〜」
エリック「ちなみに、見た目は格好いい?」
GM「そこそこ」
エリック「じゃあ、早速着よう」
エルメス「わぁ、エリックさん、まるで魔法使いみたいです!」
エリック「あはは、ありがとう。俺も、今なら魔法が使えそうな気分だよ!」
GM「いつものまんま会話してると、誰も突っ込みが入らないよね、俺ら」
エルメス「私も、いつもそう思う……」
エリック「そうそう」
GM「はぁ……」
エリック「じゃあエルメス。もう少し見て回ろう」
エルメス「はい」
エリック「ゲマ〜、ゲマ〜、ゲマのぬいぐるみはないか?」
GM「あるよ」
エルメス「あるな!(笑)」
エリック「いくら?」
GM「20ガメル」
エリック「買ってあげるよ」
エルメス「いえ、荷物になりますから……」
エリック「遠慮するなって」
エルメス「その、い、いりません……」
エリック「いいのいいの♪」
エルメス「あの、いらないんです! エリックさん!」
エリック「えっ? 本当にいらないの?」
エルメス「はい……」
エリック「そっか……。ごめんね、エルメス……」
エルメス「うわ、むっちゃ寂しそう……」
エリック「寂しいよ……」
エルメス「うぅ……」
エリック「じゃあ、他のものを買ってあげよう!」
エルメス「は、はい……」
エリック「あっ、髪飾りだ。これなんてどうだ?」
エルメス「はい。可愛いですね」
エリック「ほらほら、何か書いてある。『これを着けると、あまりのあなたの美しさに、魔物どもも近付けない!』(笑)」
エルメス「素敵ですね……(苦笑)」
エリック「今ならなんと……」
GM「1,500ガメルかな?」
エリック「だってさ……」
エルメス「た、高いですね……」
エリック「まあ、魔よけらしいし……」
GM「君が勝手にそう言ったんだけどね」
エリック「欲しいかい?」
エルメス「あっ、はい」
エリック「じゃあ、買ってあげよう。これくれ」
GM「『あいよ。1,500ガメルだ』」
エリック「まけて」
GM「『あいよ。1,490ガメルだ』」
エリック「もういいよ……しくしく」
エルメス「ありがとう、エリックさん」
GM「じゃあ、そろそろ話を進めよう」
エリック「えっ? 今回、ちゃんとシナリオあったの?(驚)」
GM「当たり前だ!」
エルメス「びっくりだよ」
GM「お前ら! で、君たちがそうしていると、前から少年がやってくる」
エリック「スリだね」
エルメス「スリだ、スリ」
GM「スリです(やけくそ)。冒険者+敏捷度で振って」
エリック「9ちかない……」
エルメス「6ゾロ〜♪」

 ほっ……。

GM「じゃあ、少年の手がエリックの腰にぶら下がっていた巾着に手が伸びた瞬間……」
エルメス「がしっとつかんで、ひねりあげよう。何をしてるんですか?」
GM「『い、痛てぇぇっ! は、放してくれ!』」
エリック「どうしたんだ? エルメス」
エルメス「スリです。片手でエリックさんのダガーを引き抜いて、つかんでいる手に当てよう。さぁ、悪いことをする手は、切ってしまいましょう」
エリック「怖い……」
GM「怖ぇ……」
エルメス「いや、実際にはやんないよ?」
GM「じゃあ、すっかり怯える。『わ、悪かったよ。お願いだから勘弁してくれ!』」
エルメス「とりあえず、警備隊に突き出しましょう」
エリック「そうだな」
GM「君たちがそうやって話していると、少年が慌てて言います。『待ってくれ! 頼む。それだけはやめてくれ』」
エリック「やめて欲しかったら、初めからこんなことはするな! した以上、お前にそういうことを言う権利はない」
エルメス「自業自得ですね」
GM「『お願いだ。俺が捕まると、姉ちゃんが……姉ちゃんが!』」
エルメス「はいはい。お姉さんが心配なら、なおさらこういうことをしちゃダメでしょう」
GM「『お金がいるんだよ! 姉ちゃん、病気なんだ!』」
エリック「だからって、他人の金を盗んでもいいってもんでもないぞ」
エルメス「さっさと警備隊に突き出す」

 う〜む。

GM「じゃあ、駐屯所付近まで来た。駐屯所っていうかは知らないけど、とにかくそういうところ。少年、マジで泣き叫ぶ。『お願いだ。本当なんだ。姉ちゃんが……姉ちゃんが死んじゃう……』」
エリック「じゃあ、ここ(駐屯所)のおじちゃんにそう言おうね。わかってもらえるかも知れないよ」
エルメス「病院にくらい、入れてもらえるかも」
GM「『そ、そんなこと、してくれないよ。薬を買って、飲ませてあげないと……』で、どうする?」
エリック「どうするも何も、突き出すってば」
エルメス「お金取られそうになったし」

 う〜む。
 常套手段の気もするし、GMに意地悪してるだけの気もする。
 どうしたものかなぁ。
 GM、しばらく悩む。

エリック「ごめんくださーい」
エルメス「スリの坊や連れてきました」
GM「警備の人が出てくる。『スリだと?』」
エリック「はい。真っ当な人間に戻してやってください」
エルメス「このままでは、いい大人になれません」
GM「『いいだろう』男はニヤッと笑って、少年を奥に突き飛ばす。『ご協力感謝する』」
エリック「はい」
エルメス「どうもです」
エリック「いや〜、いいことをしたあとは、気持ちいいな」
エルメス「はい。エリックさん、お腹空きません?」
エリック「そうだな。何か食べていくか?」
エルメス「はい!」
エリック「何が食べたい?」
エルメス「私は何でもいいですよ」
エリック「じゃあ、クレープね」
エルメス「……そういえば、甘いものが好きでしたね」
エリック「そうそう」

 第1話参照。

エルメス「やっぱり、無難にパスタくらいにしておきましょう」
エリック「ラジャー」

 さてと……。
 …………。
 ふぅ……(困)。

◆ ロダの実(from YsII) ◆

 〜前回までのあらすじ〜
 スリの少年を使って、シナリオに突入しようとしていたGM。しかし、GMの予想に反して、PCたちは少年を警備隊に引き渡してしまった!
 困り果てたGM。彼は悩んだ末、自分の文才に賭ける!?

GM「君たちは久しぶりに外に出たからか、夕方近くまで目一杯街を堪能しました。まだまだ遊び足りない気分です」
エリック「もっと色々見たかったな」
エルメス「しょうがないですよ。また明日行きませんか?」
エリック「そうだな。ミンフのことは気になるが、たまには息も抜かないと、結果を出せるものも出せなくなってしまう」
エルメス「そうですね」
GM「そうして夕暮れの中を歩いていると、前方に見覚えのある人影を見る」
エリック「誰? メイムウェイン? 殺すよ(笑)」
GM「違う、さっきの坊や」
エルメス「ああ、スリの少年ね」
GM「見ると、頬が腫れていて、目には涙が滲んでいる。唇の端は切れていて、鼻から口を伝って、顎の辺りにまで、乾いて固くなった血がこぶりついてる。左のまぶたも切っているみたいで、左目を閉じてるね」
エリック「…………」
GM「左手を壁についているけれど、右手はだらーんと垂れ下がっている。痺れているのか、わずかに震えている。服は砂まるけで、動くだけで付いた砂が白い粉みたいに風に舞う」
エルメス「…………」
GM「一度足を躓かせて、地面に崩れ落ちる。でも、少年は左手を地面について、しっかりと自分の身体を支えて立ち上がる。歩き始めたその両足は引きずられているが、よく見ると、左足は自分の意思で動いていない。素人目に見ても骨にヒビくらいは入っているみたいだ」
エルメス「ちょっと、可哀想かな……」
エリック「なにもあそこまでしなくても……」
GM「君たちが見ていると、やがて少年は一軒の家の前で立ち止まった。どうやらそこが少年の家らしい。彼は家に入りかねている。困ったように涙を流す。あまりにもふがいない自分に向かって、自虐的に笑っている。でも、いつまでもそうしていてもしょうがないと思ったのか、やがてドアを開ける」
エリック「ちょっと近付いて見てみよう」
エルメス「そうですね……」
GM「中から、15、6歳の少女が出てくる。長くて青い綺麗な髪の毛をしているが、顔色はあまり良くない。彼女は少年を見てひどく驚いた顔をする。そして慌てて駆け寄ろうとするけど、あまりにも驚きすぎて胸に負担がかかったのが、急に顔をしかめると、胸を押さえてその場にしゃがみ込む。少年が何かを叫んで、慌てて少女に駆け寄る」
エリック「もう、見ていられないよ……」
エルメス「なんか泣けてきた……」
GM「少女はすごい汗をかいている。すごく苦しそうに喘ぎながら、それでも少年に笑いかける。その笑顔はあまりにも弱々しくて、儚げで、少年は泣きながら少女を抱きしめる。でも、右手が動かなくて、少女を抱けなくて、左手だけで必死に少女を抱きしめる。涙が乾いた血を溶かして、赤色の染みが少女の白いドレスに付着する。少年はそれを気にして離れようとするけど、そんな少年の手を震える細い指がつかむ。何を言ってるかは聞こえないけど、少女がフルフルと首を左右に振ると、少年はそのまま少女の胸の中で泣き伏す。少女は汗びっしょりになって、すごく苦しそうにするけど、少年の頭を優しく撫でている」
エルメス「……っ……マジで、泣けてきた……」
エリック「GM……」
GM「そんな少女の手が不意に止まる。少年がはっと顔を上げると、少女の身体がゆっくりと崩れ落ちる。少年は一度絶叫する。『姉ちゃん!』その声に驚いた人々が数人、彼らを見るが、不憫そうにするだけで、近寄る者はない。少年は左手だけで懸命に少女の身体を背中に乗せると、そのままズルズルと足を引きずりながら少女を家の中に入れた」
エルメス「……ご、ごめん、ティッシュ……」
エリック「はい……。くそぅ。むっちゃ私らが悪いみたいじゃん」
GM「別に〜♪ 俺は状況説明をしただけ。まあ、スリをした悪い少年には、当然の報いなんでしょう」
エリック「納得いかん」
エルメス「エリックさん。助けてあげましょう」
エリック「……わかったよ……」
GM「♪」
エリック「乗せられた……」
GM「どうする?」
エリック「今から行くのもあれだから、家の側まで行って様子を見る」
GM「じゃあ、窓から中を覗くと、少女がベッドで寝かされている。苦しそうだ。特効薬など存在しないのか、少年が泣きながら少女に何か言っている。もう自分の怪我もお構いなしだ。『死んじゃイヤだ』口の動きから、それを読み取る」
エルメス「子供のところまで、10mある?」
GM「ないよ」
エルメス「じゃあ、キュアー・ウーンズを2回くらい。うぅ、9と6ゾロとか言ってる。神は彼らを助けろと……」
GM「少年が驚いたような顔をしてから、自分の身体を見下ろす。すっかり怪我が治っているのに困惑するが、それでも姉が治ったわけじゃない。嬉しそうな顔も一瞬で、すぐにまた悲しそうになる。しばらくすると、少女は小康状態に入って、多少安らかになる」
エリック「どんな病気かわかる?」
GM「セージで振って」
エリック「15」
エルメス「12」
GM「じゃあ、まあGMのオリジナルの病気なんだけど、エリックは知っていたことにしよう」
エリック「どんな病気?」
GM「病名は考えてないけど、とりあえず胸の病気」
エルメス「薬はあるの? 少年がお金を盗もうとしていたってことは、買えるんだよね?」
GM「うん。“ロダの実”をあげるといいらしいよ」
エリック「げふっ(笑)」
エルメス「“ロダの実”ね? メモメモ……ん? どうしたの? エリック」
エリック「いや、あまりにもまんますぎたから……」
GM「元ネタありなのよ」
エルメス「ああ、そうなんだ」
エリック「事は一刻を争いそうだ。早く“ロダの実”をとってきて、フレア・ラルに見せないと、リリアの命が!」
エルメス「リリアって誰……」
エリック「とりあえず、もう夕暮れだけど闇市に戻って、“ロダの実”があるかどうか調べる」
GM「じゃあ、見に行こう。一応、売っていた」
エリック「いくら?」
GM「20,000ガメル」
エリック「高いっ!」
エルメス「買えませんね」
エリック「じゃあ、店員の人に話す。なあ、おい」
GM「『いらっしゃい。何をお求めで?』」
エリック「この“ロダの実”が欲しいんだが、これは大体相場はどれくらいなんだ?」
GM「『いい質問です! これは本来、市場では25,000ガメルほどするところが、なんとうちでは20,000ガメル。どなたかご病気なんですか? ロダは何にでも効く素晴らしい薬ですから、是非どうぞ!』」
エリック「すまない。生憎金がないんだが、もし良かったら、どこで採れるか教えてくれないか?」
GM「金がないって言った途端、向こうはつまらなさそうだ」
エリック「ああ、すまない。これをもらおう。なにか安い薬を買うよ」
GM「じゃあ、教えてもらえる。『こっから1日くらい北に歩いたところに、ムーンドリアの廃墟がある。そこに行けばあるらしい。ただし、この価格を見てわかるとおり、あそこは魔物の巣窟だ。生きちゃ戻れねぇぜ』」
エルメス「ムーンドリアね?」
エリック「まんまだね」
GM「気にするな」
エルメス「??」

◆ ムーンドリアの廃墟(from YsII) ◆

GM「道中は飛ばすよ。君たちはムーンドリアの廃墟にやってきた」

 GM、図(fig.1)を見せる。

fig.1 ムーンドリアの廃墟(パクリ)


エリック「っていうか、本当にまんまじゃん!」
エルメス「お兄ちゃん……」
GM「いや、だってさぁ、考えてみてね。前回のプレイ、昨日だぜ? 昨日の今日でこのセッションやってると思ったら、それだけですごいと思わん?」
エリック「いや、すごいよ。別に悪いって言ってるんじゃなくて、面白いっていうこと」
エルメス「図の真ん中の方に、“ロダの実”って書いてあるけど、そこにあるの?」
GM「うん。そこまで行けばオーケー」
エリック「面白すぎ(苦笑)」
エルメス「この、“ランスの村”とかは?」
GM「考えてない。君たちがそこへ行ったら、適当に考える」
エリック「了解。どっから入るの?」
GM「じゃあ、図の左上から入ろう」
エリック「ここはどんなとこなの?」
GM「考えてない(笑)。寂れた昔の要塞か何かにしよう」
エルメス「わかった」
GM「今は魔物の巣窟になっている。ばりばり戦ってもらうから、死んでも知らないよ」
エルメス「頑張る」
GM「とりあえず、その“退魔の髪飾り”は考慮するけど、それを考慮した上ですごい量の敵を出すから」
エリック「了解……」
GM「もう、一々知名度チェックしないから。全部エリックが過去に見たことがあることにする」
エリック「もう、無っ茶苦茶だね(笑)」
GM「適当なシナリオだから。軽い話って言ったじゃん、初めに」
エルメス「そうだね」
GM「じゃあまず、“ヒュプノパイソン”×3。以下、単に蛇というから」
エリック「あいよ」

 対、ヒュプノパイソン×3。

 1ラウンド目:エルメスとエリックがともにAを通常攻撃。エリックの攻撃が回って、Aは合計7点削られる(残り11)。蛇たちはエリック、エルメス、エルメスに攻撃し、エリックが4点受ける(残り10)。
 2ラウンド目:エルメスの攻撃が1回クリって19点。12点通ってAは死亡。エリックはBに攻撃するも弾かれ、蛇の攻撃は二人とも回避する。
 3ラウンド目:エルメスがBの生命力を4点削るのみ(残り14)。エリックはやはり自分の攻撃が通らないことを悟る。
 4ラウンド目:エルメスがまたBを4点削る(残り10)。エリックは下がり、エルメスに任せることにする。蛇の攻撃をエルメスは回避。
 5ラウンド目:エルメスがBの生命力を5削る(残り5)。蛇の攻撃は当たらない。エリックはぼーっと見ている。
 6ラウンド目:エルメスの攻撃がBの身体を削り、3点通す(残り2)。蛇の攻撃はひらひら避ける。エリックはゲマとたわむれている。
 7ラウンド目:エルメスの攻撃でBは残り1点になる。もどかしい。蛇の攻撃は出目9と8で回避。
 8ラウンド目:ようやくBを撃破。蛇の攻撃は回避。
 9ラウンド目:エルメスの攻撃は1回クリっとするも、次の出目が3で、15点。8点通して残り10。蛇の攻撃は回避。5以上なら全部回避だから、なかなか当たらない。
 10ラウンド目:エルメスの攻撃が2点通る(残り9)。
 11ラウンド目:エルメスがクリって、蛇に17点。10点通して撃破する。

エリック「無駄に怪我した〜」
エルメス「敵が魔法さえなければ、私一人でもなんとかなりますね」
GM「どうする?」
エルメス「どんどん進む」
エリック「まずは、この図に書いてある“古の石板”を(笑)」
GM「じゃあ次は、“ジャイアント・タランチュラ”×2。以下、単に蜘蛛と言おう」

 対、ジャイアント・タランチュラ×2。

 1ラウンド目:エルメスは行動順を遅らせて、エリックがファイア・ウェポン。蜘蛛の攻撃はともに回避して、エルメスの攻撃はAに4点与える(残り13)。
 2ラウンド目:エルメスの攻撃は26レートの出目9は、8+7の15点。Aの生命力を9点削り取る(残り4)。そこにエリックのエネルギーボルトが走って、これが4点通す。Aは死亡。Bの攻撃をエルメスは回避に失敗するが、毒に対しては生命力抵抗16で防ぐ。エルメス、2発受けて、残り19。
 3ラウンド目:エルメス、怒りの一撃は1回回って25点! 26レートの威力に、Bは一撃で憤死する。

エルメス「ふぃ〜〜」
エリック「お疲れさま」
エルメス「はい。GM、エリックにキュアー・ウーンズ」
エリック「じゃあ、生命力全快に、精神力が1点回復」
エルメス「私は、1点で使えるから、残り12ね」
GM「じゃあ、次は“ジャイアント・アント・クイーン”×1。以下、単に蟻。これを倒したら、“古の石板”だ(笑)」
エルメス「GM、さっきのファイア・ウェポンは?」
GM「持続でいいよ」
エルメス「わかった」

 対、ジャイアント・アント・クイーン×1。

 1ラウンド目:26レートのエルメス、躱される。「げふっ!」。エリックはとりあえず防御専念。蟻の攻撃をエルメスは回避。
 2ラウンド目:エルメスの攻撃は、15点は7点通って残り28。先は長い。それでも何とかなりそうと判断。エリックは傍観。エルメスは回避に失敗、10点もらう。

エルメス「ええっ! 16点!?」
エリック「強いっ!」

 3ラウンド目:エルメス、回避される。「やばっ……」。エリックはエルメスにプロテクション。蟻の攻撃をエルメスは回避。
 4ラウンド目:エルメスの攻撃は4点通って残り24。先は途方もなく長い。エリックはエネルギー・ボルト。これが5点通して、残り19。蟻の攻撃はエルメス、回避。
 5ラウンド目:エルメス、15点は7発通して残り12。エリックはエルメスが回避してくれることを祈っている。エルメス、その期待に応えるように、6ゾロで回避。
 6ラウンド目:エルメス、やはり15点は7点通って、あと5。エリックは防御専念。蟻の攻撃を、エルメスは14で回避。
 7ラウンド目:エルメスの攻撃は13点で、5点通って蟻を撃破する。

エルメス「もうダメ……」
エリック「俺たち、ここで死ぬんじゃないのか?」
エルメス「エリック。死ぬときも一緒よ……」
エリック「あ、ああ……」
GM「じゃあ、“古の石板”だ」
エリック「本当にあるの?(笑)」
GM「『彼は石にあらず。かの者に失われし物を与え、武器を取らせよ。さすれば闇は切り裂かれ、必ずや新しき時代は訪れん』」
エリック「……そ、即興だよね?」
GM「そうだよ。あとでシナリオ見せてあげる。な〜んも書いてないよ」
エルメス「その割には、妙に気になるんだけど……」
エリック「シルファと何か関係してるのか……?」
エルメス「むぅ……」
GM「まあ、適当に考えてくれ。ちなみにここは、敵が近寄れない空間らしい。石板の磁場?」
エリック「じゃあ、ちょっと休もう」
エルメス「生命力を回復させて、6時間休む〜」
GM「まあ、いいでしょう。ところで、“ランスの村”には行くの?」
エリック「行かない。この図で、この石板の場所に来るまでに3戦闘もしてたんじゃ、村まで行ったら、絶対に戻って来れなくなる」
エルメス「GMがどう対応するか、見てみたいんだけどね」
エリック「とりあえず石板に関してはうまくしのいできた」
GM「まあね♪」
エリック「本当はハダルに会いたかった(爆笑)」
エルメス「この“神界の杖”っていうのが欲しかった(笑)」
GM「じゃあ、6時間休んで出発しましょう」
エルメス「はい」
GM「次はまず、“タイガー”×2だ。以下、単に虎と呼ぼう」
エリック「うぃっす」

 対、タイガー×2。

 1ラウンド目:虎2匹の牙、爪、爪、牙、爪、爪を、1発もらって2点。エリックがファイア・ウェポンをかけて、エルメスの攻撃。「あっ、10点♪」。喜ぶな!
 2ラウンド目:虎2匹の牙、爪、爪、牙、爪、爪を、全部回避した後、エルメスの攻撃。26レートで1回回って19点。Aに12点通して残り8。エリックは傍観。生命力温存。
 3ラウンド目:虎2匹の牙、爪、爪、牙、爪、爪を、1発もらって3点。怒りのエルメス、再び回して、24発は17点通して、Aを粉微塵にする。エリックは、「エルメスちゃん、怖い……」と呟く。
 4ラウンド目:エルメス、虎の攻撃を回避した後、13発は5点通す(残り15)。エリックはゲマとたわむれている。
 5ラウンド目:エルメス、爪に引っかかれて3点(残り10)。自分の攻撃で、16発は9点通して残り6。
 6ラウンド目:エルメス、虎の攻撃を受けるも、その後平均8〜9というダイス目で、打撃点を全部弾いた後、1回回して24発。17点通して虎を退治する。

エルメス「エリックさんは、何もしないんですね」
エリック「えっ? い、いや、俺はその……」
エルメス「……ごめんなさい。ちょっと戦闘で気が立ってました」
エリック「エルメス……」
エルメス「気にしないで下さい。精神力、しっかりと温存しておいてくださいね……」
GM「エルメス、面白ぇ〜〜。次の戦闘です。“ジャイアント・マンティス”×2。以下、カマキリ。前回のファイア・ウェポンは3ラウンド目まで有効」
エルメス「はい」
エリック「…………」

 対、ジャイアント・マンティス×2。

 1ラウンド目:エルメスの攻撃は躱される。カマキリの攻撃はともに回避。エリックはどうしたものか思案している。何かするにしても、することがない。
 2ラウンド目:攻撃ロールで11振るも、打撃ロールで4を振ってしまい、カマキリAに2点与える(残り12)。カマキリの鎌、鎌、鎌、鎌はすべて回避。エリックはエルメスを見つめている。
 3ラウンド目:エルメス、8発通して、Aの残り生命力を4点にする。鎌、鎌、鎌、鎌は1発受け、右腕を挟まれる。それを見たエリック、エネルギーボルトを打つも呆気なく抵抗され、Aを倒せず(残り1)。
 4ラウンド目:エルメス、カマキリを振り切る。再び襲いかかる鎌はすべて回避。エリック、再びファイア・ウェポンをかける。
 5ラウンド目:エルメスの攻撃は、あっさり躱され、エルメスもまた、鎌をすべて躱す。エリック、Aに攻撃。あっっっっけなく弾かれる。「貴方は下がっていてください!」
 6ラウンド目:エルメスがAにとどめをさす。しかしその裏(野球用語)、Bの鎌で本日2度目の1ゾロを振り、左腕をつかまれる。攻撃は1点受ける(残り6)。
 7ラウンド目:エルメス、抜け出す。鎌はどちらも回避。エリックはあたふたしている。エルメスはそれを冷ややかに一瞥する。「エルメス、ごめんよ……」
 8ラウンド目:11点は4点通って、Bの残り生命力は10。鎌は逃げ切る。
 9ラウンド目:ようやく回ったエルメスの攻撃は24発。17発通して、B即死。

エリック「大丈夫? エルメス」
エルメス「はぁ……はぁ……」
エリック「あの、怪我の回復した方がいい」
エルメス「わかってます!」
エリック「その、エルメス。本当にごめんな。俺……」
エルメス「別に怒ってませんから!」
エリック「怒ってるじゃないか」
エルメス「怒ってません」
エリック「……ごめん……」
エルメス「謝るくらいなら、もっとまともに戦ってください。別に謝ってもらっても、私の戦いは楽になりません」
エリック「そんなこと言っても、俺、こういう戦闘には向いてないから。それともエルメスは、俺に前に出て、楯になれって言うのか?」
エルメス「情けない。そういう台詞は男の貴方が言うものではないでしょう」
エリック「男だろうと何だろうと、俺はソーサラーだ。君とは違う!」
エルメス「ああそうですか! じゃあもういいです。私一人で戦います」
エリック「好きにしろよ、まったく」
GM「(笑)。じゃあ、いよいよ次の戦闘を乗り切れば“ロダの実”だ。ちょっと変則的な敵を出す。“シー”×2だ」
エルメス「シー?」
エリック「古代王国の魔法使いによって作られた人工生命体だ」
エルメス「別にあなたには聞いてません」
エリック「くっ……」
エルメス「それじゃ、戦ってきます。貴方はそこで、ゲマと遊んでいてください」
エリック「(怒)」
GM「ほずえも、上手にプレイするようになったなぁ……」
エリック「ねぇ、水原君。あれは本当に演技なの? ほずえちゃん、怒ってない?」
エルメス「怒ってない怒ってない(笑)」
エリック「ほっ」
GM「この娘(雪島琴美)は、本気な顔して何心配してんだか……」

 対、シー×2。

GM「1ラウンド目、エルメス」
エルメス「攻撃は……13」
GM「いいよ」
エルメス「9は15点」
GM「ん。倒したよ」
エルメス「マジ?」
GM「生命力、4しかない」
エルメス「っていうことは、何かあるね?」
GM「何もないよ。Bはライトニング」
エルメス「十分あるじゃん」
GM「エリックは?」
エリック「エルメスの言われるままに」
GM「じゃあ、エルメスだけ抵抗して」
エルメス「6は12」
GM「じゃあ、10点」
エルメス「7発か……。こっちの攻撃。15は当たって、13点」
GM「じゃあ、やっつけた」
エルメス「ふぅ。キッとエリックを見据える」
エリック「何?」
エルメス「どうして戦ってくれなかったの!?」
エリック「君が戦わなくていいって言ったから……」
エルメス「それでも、普通は戦ってくれるものでしょう。ましてや貴方は、敵を知っていた! 攻撃してくれれば、私はあの魔法を受けずに済みました!」
エリック「言ってることが、さっきと違うじゃないか」
エルメス「言葉をいつもいつも、そのままの意味で取ればいいってものでもないでしょ!?」
エリック「はいはい。とにかく今は“ロダの実”だ」
エルメス「!! エリックの頬を引っぱたく」
GM「パシッ!」
エリック「痛っ!」
エルメス「涙目で睨み付ける」
エリック「……ほら、“ロダの実”はすぐそこだ。歩き出す」
エルメス「無言でついていく」
GM「そこに“ロダの実”があります」
エリック「たくさんある?」
GM「それなりに。どうするの?」
エリック「エルメスに取ってやる。ほら、食え。投げ渡す」
エルメス「思わず受け止めるけど、食べない」
エリック「溜め息を吐く。まあいいか。“ロダの実”を袋に入れて立ち上がる」
GM「じゃあ、そのとき、森の奥から悲鳴が聞こえる」
エリック「悲鳴? 女?」
GM「女の声だが、標準語じゃなかった」
エリック「東方? 西方?」
GM「君の聞いたことのない言語」
エリック「了解。駆け出す」
GM「(エルメスに)君は?」
エルメス「何もしない。突っ立ってる」
エリック「放っておく。行くよ」
GM「行くと、一見エルフに見える全裸の少女が、2匹のベアに襲われている。よく見ると、エルフには美しい翼がついている」
エリック「フェアリーだね? 水原君(GM)の好きそうなキャラだ。様子は?」
GM「フェアリーはだいぶ傷付いている。特に肩の傷はひどいようで、真っ赤な血が肘から指先まで伝っている。でも、ベアの方も、全身に焼け焦げた跡がある。両方ともかなり傷付いている。怒り狂った目でフェアリーを見下ろしていて、今、そのでっかい腕を振り上げた!」
エリック「突っ込みながら、そいつにエネルギーボルト。(ころころ)14は確か抵抗できないから……」
GM「よくご存じで……」
エリック「7は9点」
GM「じゃあ、そのベアは倒れる。もう1匹が君に襲いかかる。牙、締め」
エリック「ぐっ……。牙を受けた」
GM「12点いく」
エリック「6点受けた。ぐあぁぁっ!」
GM「ビクッとフェアリーが震える。オロオロしてる」
エリック「今、助けてやるぞ……」
GM「ところで、エルメスは?」
エルメス「陰から見てる。嫉妬モード」
エリック「何故に!? ……って、プレイヤーは女としてよくわかるけど(笑)」
GM「エリック、どうする?」
エリック「さっきと同じの。11は通るけど、4とか振っちゃった。7点」
GM「倒れない。牙、爪、爪で攻撃。回避して」
エリック「(ころころころころころ)爪、一発受けたらしい」
GM「11発」
エリック「7点受けて、残り1。エルメスは来ないか……。俺も、ここまでか?」
GM「エルメスは?」
エルメス「困ってる」
GM「じゃあ、エリック。エネルギーボルト?」
エリック「ダメ。もう精神点が1しかない。ダガー持って突撃する」
エルメス「エリック! どうして魔法を使わないの!? って感じで、驚く」
エリック「うりゃあぁぁぁぁぁぁっ! 3とか振った!(爆)」
GM「回避。牙、爪、爪! 避けてみろ!」
エリック「10、13、11。ギリギリ避けた!(笑)」
GM「次のラウンド。エルメスは?」
エルメス「もう見てらんない。フォース放つ。成功の10発」
GM「あいよ。じゃあ、倒れる」
エリック「エ、エルメスか……?」
エルメス「何やってんのよ!? エリック!」
エリック「ふらふらしながらフェアリーを見上げる」
GM「フェアリーは悲しそうに君を見てから、怯えたようにエルメスを見て、慌てて森の奥へ逃げていく」
エリック「あっ……。手を伸ばすも、追いかける元気はない。精神力も生命力も、両方1(笑)」
エルメス「無言でエリックの怪我を回復する」
エリック「ありがとう……」
エルメス「答えない」
エリック「まだ、怒ってるのか?」
エルメス「貴方は……」
エリック「ああ」
エルメス「私のときは何もしてくれないのに、あのフェアリーには、そうやって命をかけて戦えるんですね」
エリック「驚く。それは誤解だ! 俺は君を信用してるから」
エルメス「どうだか。怪我を治し終わったら、立ち上がる」
エリック「もう耐えられない。一発平手打ちにする」
GM「パンッ!」
エルメス「痛っ!」
エリック「いい加減にしないか!」
エルメス「何も言わない。気が立ってるから、いつもは絶対にしないけど、ペッと唾でも吐いてやろう」
GM「ペッ」
エリック「エルメス……」
エルメス「……ぷくく」
エリック「エルメス?」
エルメス「あははははははははっ! 違う違う。お兄ちゃんが、『パンッ』とか、『ペッ』とか言ってるのが、無っ茶苦茶面白くて……あはははははははははっ!」
エリック「水原ぁぁぁぁ!」
GM「ごめんごめん。続けていいよ」
エリック「やり直し。エルメス……」
エルメス「剣を持ち直す。帰るんでしょ? 無言で歩き出す」
エリック「もう何も言わない。黙ってついていく」
GM「じゃあ、帰りの戦闘は端折ろう。しかし、面白いことになってきたなぁ(笑)」
エリック「大丈夫なの? GM」
GM「さぁ。まったく計算外♪ これだからTRPGはやめられない」

◆ 仲直り? ◆

GM「街に戻ったよ。どうする?」
エルメス「とりあえず、“ロダの実”をあの子のうちに届けよう」
エリック「まずはそっから」
GM「どうやって渡す?」
エルメス「変な演出したいけど、今はエリックと話したくないから……」
エリック「同じく……」
エルメス「ドアを叩く」
GM「ドンドン。中から少年が出てくる」
エルメス「機嫌が悪いから、無愛想に、無言で“ロダの実”を渡す」
GM「『えっ? えっ? えっ?』」
エルメス「帰る」
エリック「帰ろう」
GM「(笑)。じゃあ、宿屋に帰ってきた。後は気の済むまでロールプレイしてね」
エリック「エルメス。ちょっと来い。部屋に呼ぶ」
エルメス「っていうか、同じ部屋。無言で椅子に座る」
エリック「このままじゃ俺たち、ダメになる。だから、一度戦闘における役割を確認しよう」
エルメス「私が前衛で身体張って戦う。貴方は後方で支援。私一人でもなんとかなりそうなら、傍観。決まり」
エリック「君がそれでいいなら」
エルメス「別にいいけど」
エリック「不服そうじゃないか」
エルメス「別に。不服だけど、それしかないでしょう」
エリック「……俺たち、もうダメなのか?」
エルメス「…………」
エリック「ここで別れるか? 俺は……」
エルメス「黙って見上げる」
エリック「俺は……イヤだぞ」
エルメス「ふと、指にはまっている指輪を見下ろす。ちょっとだけ、涙が込み上げる」
エリック「なぁ、ゆっくりでいいから、また元通りやろう」
エルメス「……そうね……」
エリック「エルメス……」
エルメス「キスして」
エリック「えっ……?」
GM「えっ……?」
エルメス「なんでお兄ちゃんまで言うのよ?」
GM「ごめん。あまりにも……あまりにもほずえに似合わない台詞だったから。悪かった」
エリック「ごめんなさい。私の『えっ……?』もプレイヤー発言でした。すいません」
エルメス「二人とも、私を誤解してる(泣)」
GM「いやいや」
エリック「じゃあ、そっと抱きしめて、キスしよう」
GM「チュッ」
エルメス「んん……」
GM「クチャクチャ」
エリック「エルメス……」
GM「ピチャピチャ……クチュクチュ……」
エルメス「なんでそんなにもディープなの?」
GM「いや、別に……。情熱的かなって思って」
エリック「そっちの方が気持ちいいから」
エルメス「プレイヤーがついていけない領域だよ」
GM「残念」
エリック「やがて、離す」
エルメス「これで、仲直り。一応……」
エリック「じゃあ、俺は後方支援」
エルメス「苦笑する。それはいいの! ちょっと鈍いところが、エリックさんらしい」
エリック「あはは……」
GM「じゃあ、そうして君たちは、もう一度互いの気持ちを確かめ合った、と……」
エリック「好きだ、エルメス」
エルメス「はい……」
GM「今回は、ここまでで綺麗に終わりましょう♪」
エリック「ラジャー」

◆ 反省 ◆

水原(GM)「俺、マジで君たち二人に感謝する」
雪島(エリック)「何が?」
水原「今回のプレイ。どうでもいいシナリオが、ここまで盛り上がるとは思わなかった」
雪島「それは全部、ほずえちゃんのおかげだよ」
ほずえ(エルメス)「ありがとう」
水原「シナリオを見せよう。それで、いかに俺が今回のセッションを適当に扱っていたかがわかるから」

 今回はお遊び。
 買い物をする二人。
 エリックに媚薬を買わせる(無理矢理。なんとしても!)。これについては、雪島と事前に打ち合わせてでも買わせる。第5回をそっちにもっていく。
 とりあえず買い物途中で、少年が彼らの金を盗む。

1-1. 気付く。
 気付いたら、姉が病気の話。ロダの実。
1-1-1.無視。
 それはそれで賢明でしょう。
1-1-2.買う。
 ロダの実は市にも売っているから、それはそれでまあ良いでしょう。
1-1-3.取りに行く。
 近くのムーンドリアの廃墟(まんまじゃん!)に落ちている。雪島は元ネタを知ってるから、場所もわかるだろう。取りに行くと、モンスターに食われそうになっているフェアリー。なんかに使えるかもしれんで、伏線にしよう(笑)。
1-2.気付かない。
 気付け! 適当にアドリブでなんとかする。

 なんとも言えないけれど、1-1-1.がベストエンドだと思う。これをいったら、経験点を1,000点。1-1-3.が900点。1-1-2.が800点。金を盗まれて、気付かなくて、何もできなかったら500点。
 俺的に、闇雲に人助けをするのが、良い冒険者だとは思わないから、ちょっと彼女たちには難しい選択をさせよう。雪島がどう出るか楽しみ。

雪島「ふむ。じゃあ、経験点は900点でいい?」
水原「そうだねぇ。雪島には1,000点、ほずえにはボーナスで1,100点かな?」
ほずえ「やった!」
雪島「しかし、適当やねぇ。フェアリーの、『なんかに使えるかもしれんで、伏線にしよう(笑)』って、何さ(笑)」
水原「な〜んも考えてない。いつか使う予定」
ほずえ「こういうの見てると、ますますGMがしたくなってきた」
雪島「(予定と)全然違うのがいいね。いや、全然違うっていうか……」
水原「主題がずれたんだよ。今回の初めで、タイトルが『買物』だって言ったけど、もうすでに、『確執』に変わっている」
ほずえ「確執か……。でも、もう仲直りしたんでしょ?」
水原「…………」
雪島「…………」
ほずえ「ん?」
雪島「次が媚薬なんだよね……」
ほずえ「……なるほど(汗)」
雪島「どうする予定?」
水原「それはまた、次回の最初で話そう。君たちのプレイ次第だけど、場合によっては、二人とも別のキャラを作ってもらうか、或いは由佳里ちゃんに手伝ってもらうことになるかもしれない、とだけ言っておこう」
ほずえ「本格的に動く気だね」
水原「まあね。今回、実は最後のベア戦がむっちゃ気に入ってる」
雪島「ああ、私も思った。上手に1残ったり、エネルギーボルトが使えなくなったり(笑)」
水原「TRPGって不思議だよね。ドラマだよね」
ほずえ「もうやめられないよ、私」
水原「とても前回、やる気なさそうにしてた娘と同じ子には見えない」
ほずえ「ああもう! それは言わないで」
雪島「くくく。リプレイ読んだけど、ほずえちゃん、かなり困ってたね」
ほずえ「だって、本当に犯されると思ったもん」
水原「俺は犯す気だった」

 前回のプレイ参照。

雪島「しっかし、ほずえちゃんの『キスして』には驚いた」
水原「ビビった」
ほずえ「誤解してる〜〜!」
雪島「ほずえちゃん、キスってしたことあるの?」
ほずえ「みゅ〜〜。お兄ちゃんに数回されただけだよ」
雪島「深いの?」
水原「うんにゃ。スキンシップ程度。兄妹だし」
雪島「なるほどね(汗)。普通の兄妹はキスなんてしないと思うけど……ぼそぼそ」
ほずえ「なんとなく、そんな感じだったから(プレイの話)」
水原「いや、リプレイじゃわかんないだろうけど、あのときのほずえの横顔が渋かったんだって」
雪島「私には無理。基本的にお笑いキャラだから」
水原「エリックが?」
雪島「違う。私が」
水原&ほずえ「(爆笑)」
雪島「ほら、そうやって笑う!」
ほずえ「先輩が変なこと言うから」
水原「面白い子だ……」

 いや、まったく。

水原「とりあえず、今回はありがとう。つまらないシナリオが、おかげですごく楽しいものになった」
雪島「うぃ」
ほずえ「こうやって、GMとプレイヤーが協力してやるのが一番いいね」
水原「そうだね。でも、お前ら、正直に言え」
雪島「ん?」
水原「スリの少年はわざとだろ? その後の、飯の話が白々しかった!」
ほずえ「もちろんわざとだよ」
雪島「いや、水原君がどうやって切り抜けるかと思って」
水原「むぅ」
雪島「まあ、それくらいはねぇ」
ほずえ「お兄ちゃんならなんとかできるって信じてた!」
水原「なんかうまく騙されてる感じ」
雪島「気のせい気のせい♪」
ほずえ「はぁ〜。今回も面白かったにゅ」
水原「じゃあ、今日はここまで。本当にありがとう」
雪島「にゅ。お疲れさん」
ほずえ「お疲れだにゅ〜」
水原「お疲れ様です」


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