エリックとエルメス 第8話『変改』


◆ 三つ巴(爆) ◆

 前回の冒険で入った経験点は、エリック、ミーシュともに1,260点です。これにより、エリックは経験点がちょうど5,000点になったため、ソーサラーのレベルを4にします。ミーシュは現状維持。目指すはシャーマンレベル5です。

水原(GM)「お久しぶり」
雪島(エリック)「頻繁に会ってるけど、一応お久しぶりっす」
ほずぴー(ミーシュ)「毎日会ってるけど、すんごく久しぶりだにゅ。前回のプレイが6月27日で、それから2週間以上も空いた」
水原「たったの2週間じゃん。それまでのペースが速すぎただけだよ」
ほずぴー「そうかなぁ」
ゆかりん「とりあえず、私も今回からこっちでも参加です」
ほずぴー「にゅ。由佳里とプレイするのは初めてだね」
ゆかりん「そうだね〜」
雪島「違う違う。彼女は“ゆかりん”」
ゆかりん「来た来た(笑)」
ほずぴー「じゃあ、私もほずりん♪」
水原「君はほずぴー」
ほずぴー「しくしく」
雪島「今回は?」
水原「いよいよオランだ。第5話で雪島が、『次はオランだ。これドイツんだ? オランダ。ここはどこ? オランだ。あいつはおったか? オランだ。もうわけわからん』とか言ってたとこ」
雪島「私が言ってたんじゃなくて、言ったのはエリック!」
ほずぴー「プレイヤーでしょう、あれは」
雪島「ゆかりんはリプレイは?」
ゆかりん「はい。全部読みましたよ。それで、私は誰をやればいいんですか?」
水原「ゆかりんは途中参加。出てきたときに言うから、それまでは悪いけどそこでぼけーっと俺らのプレイを見てて」
ゆかりん「わかりました。ほずえのプレイも見てみたいし」
雪島「ほずぴーね」
ほずぴー「ほずえ! とりあえず、前回言ってたファイターかな?」
水原「まあ、それはプレイしてからのお楽しみってことで」
雪島「にゅ。たったの2週間とはいえ、それでも2週間も待たされたんだから、それなりのシナリオを期待してるよ」
水原「期待は裏切るためにあるらしい」
ゆかりん「ダメじゃないですか」
雪島「ダメダメ君だ」
水原「くくく……。期待を裏切られてがっかりしている少女たちの顔を、この心に収めるために……」
ほずぴー「変な趣味」
水原「まあ、とりあえず始めましょう。いよいよ、オランです」

◆ 羽根エルフ ◆

GM(水原)「夕方頃、王都オランの街が前方に見えてきました」
ミーシュ(ほずぴー)「にゅ」
エリック(雪島)「わ〜い、オランだオランだ」
ミーシュ「にゅ〜♪」
GM「…………」
ミーシュ「…………」
エリック「……で?」
GM「いや、何? その適当な喜び方は……」
ミーシュ「わ〜いわ〜い」
エリック「わーーい! わーーーーいっ!」
GM「もう帰る……」
ミーシュ「今日はここまでか……」
GM「しくしく」
エリック「また意味不明なノリだ」
GM「誰のせいだよ!」
ミーシュ「GM」
エリック「GM」
GM「くそぅ。そんな君たちには……」
ミーシュ「『がおー』森から熊が現れた?」
エリック「(笑)」

 第3話参照。

GM「もういいもん。いじけてやる。いじいじ」
エリック「じゃあミーシュ。今日はここで野宿だな」
ミーシュ「はい」
GM「お前ら! もう目の前!」
エリック「にゅ。そろそろみなりん(GMのこと)いじめはやめよう。二人で入ろう」
ミーシュ「ぽてぽて。エリック、大っきな門だね〜」
エリック「俺も初めて見た。初めてだから優しくしてね」
ミーシュ「わかったよ。次からは優しくしないよ?」
エリック「……はい。ぽっ」
ミーシュ「きゃん」
GM「……こういうときに、やっぱり由佳里ちゃんみたいな突っ込み役がいないと、ギャグなのか何なのか、さっぱりだよ浩之ちゃん」
エリック「な〜る」
ミーシュ「もう意味不明」
GM「君たちが通行証見せて通ろうとすると、門兵に止められる。『待ち給え』」
エリック「何か?」
ミーシュ「ビクビク」
GM「ミーシュの方を見て、エリックに言う。『その娘は?』」
エリック「エルフのミーシュだ。俺の冒険仲間だが……」
GM「『フードを取ってくれ』」
エリック「構わんぞ」
ミーシュ「パサッ」
GM「『服を脱げ』」
エリック「セクハラ男め!」
ミーシュ「こんなところで裸になれって言うの?」
GM「『いや、そういう意味ではなかったんだが……。しかし、えらくたどたどしい喋り方だったなぁ。本当にエルフか?』」
エリック「この尖った耳! エルフじゃなかったら何だって言うんだ?」
GM「『さぁな。えらく綺麗な服を着てるなぁ。見たことがない』」
エリック「ドワーフ産だ」
ミーシュ「なんか違う……」
エリック「もういいだろう。何故そんなに俺たちを疑うんだ?」
GM「『色々あるんだよ。じゃあしょうがない』と言って、彼は仲間を呼ぶ。その人は女性だ。『彼女に調べてもらう』」
ミーシュ「ビクビク」
エリック「人権侵害だ!」
GM「『エルフなら構わんだろう』」
エリック「くっ」
GM「ってことで、調べようとするけど、どうする?」
エリック「諦める」
GM「潔いね」
エリック「すでに言い訳を考え始めてる」
GM「じゃあ、ばれた。ニヤッと笑って彼が言う。『立派な羽根を持ったエルフだ』引っ張る」
ミーシュ「痛い痛い。うぅ……」
エリック「やめろ!」
GM「『ああん? なんだ? 嘘つき。泥棒の始まりか? 舌を抜くぞ!』」
エリック「わかんねぇよ……」
ミーシュ「しくしく」
GM「わらわらと、3人ほど人がやってくる。『詰め所まで来てもらおう』」
エリック「詰め所……」
ミーシュ「なんか、古風」
エリック「じゃあ、一応言い訳をしよう。これにはわけがあるんだ」
GM「『それは詰め所で聞く』にやにや」
エリック「くうぅ。ヤなヤツ」
ミーシュ「ああ、なぶり者にされる。お兄ちゃんに犯される……」
GM「しないってば!」
エリック「ほずぴーが犯される」
ミーシュ「いや、別に私が犯されるわけじゃ……」
GM「はうぅ。信用ねぇな、俺も」
エリック「今までの行動が行動だからね……」
ミーシュ「犯される……犯される……」

◆ お尻で? ◆

GM「だいぶ暮れてきた頃、君たちはカツ丼を出される。『まあ、食え。そして吐け』」
エリック「ガツガツ。おえ〜〜」
ミーシュ「きっと意味が違うよ」
エリック「うわっ!」
GM「何ぃっ!?」
ミーシュ「えっ? えっ?」
エリック「ほずぴーが突っ込んだ」
GM「痛い痛い。入んないよぉ!」
ミーシュ「わ、わかんないわかんない(涙)」
エリック「とりあえず腹減ったで、食べよう。自白剤とか入ってても、別に吐いて困ることは何もないし」
ミーシュ「がつがつ。でも、カツは食べれない。お肉はダメなの」
GM「『そっちのエルフは肉は食わんのか? んん?』」
ミーシュ「エルフじゃないもん。ミーシュだもん!」
GM「『ミーシュという種族か……。新種か?』」
ミーシュ「名前だもん!」
GM「『ほぉ。いっちょまえに名前があるのか!?』」
ミーシュ「ぐすっ。エリックぅぅ」
エリック「がつがつ」
GM「(笑)」
ミーシュ「ひどい……」
エリック「さぁ、食ったぞ。もういいだろう! 俺たちをここから出してくれ!」
GM「ちゃうやん!」
ミーシュ「(爆笑)」
エリック「ち、違うのか?」
GM「『単刀直入に聞くが、今街で起きている事件を知っているな?』」
エリック「知らん」
ミーシュ「知らん♪(真似)」
GM「『やれやれ。じゃあお前ら、ずっとそこにいろ。じゃあな』」
エリック「ぐはっ。モンテローザみたいだ」
ミーシュ「にゅっひゃー」

 番外編1参照。

エリック「とりつく島もなねぇな。まあいいや。ここにいよう。GMの誘いには乗らんよ」
GM「『むうぅ。貴様、レベルが高いな』」
エリック「4だ」
ミーシュ「4だ♪(さっきから真似して喜んでるらしい)」
GM「『では、拷問しよう。そこの女を犯せば吐くか?』」
ミーシュ「びくっ。ブルブル」
エリック「吐くことがないから、犯されても吐けん」
ミーシュ「エリック。代わりに犯されてよ……」
エリック「ケツでか?」
ミーシュ「下品だよ、先輩……」
エリック「だって、ほずぴーがネタを振ってきたから!」
ミーシュ「うぅ」
GM「ケツでか……」
エリック「こら、そこ! ホモネタ禁止」
GM「いや、雪島と後ろで……」
エリック「変態っ!」
ミーシュ「お、お尻……」
エリック「ほら! あんたの妹が変な影響受けてるじゃん」
ミーシュ「痛そう……」
エリック「痛いよ」
ミーシュ「えっ!? 先輩、したことあるの? っていうか、お兄ちゃん!」
GM「ちゃうちゃう。俺じゃない」
エリック「色々あるんだよ……」
ミーシュ「色々あるの?」
エリック「…………」
GM「自分でやったんだよ」
エリック「!?」
ミーシュ「そ、そうなの?」
エリック「……じ、実はね。あはは……」
ミーシュ「…………」
エリック「むぅ。変な話になっちゃった」
GM「まさに自業自得じゃん。話振ったの、君だろうが」
エリック「うぐぅだ」
GM「じゃあ、男は『ちょっと待ってろ』と言って、部屋を出ていく」
エリック「待ってる」
ミーシュ「エリックぅぅ」
エリック「大丈夫だ、ミーシュ。ヤツ、確かに性格が悪いが、仮にもオランの国の兵士だ。無茶はしないだろう。それよりも、今オランで起きている事件……」
ミーシュ「その事件のせいで、厳重に取り締まってるみたいだね」
エリック「冒険者絡みか?」
ミーシュ「ぼーけんしゃ、ぼーけんしゃ♪」
エリック「君、ミーシュの発言か、ほずぴーの発言かはっきりしてくれ」
ミーシュ「にゅ。一つ前がミーシュ。二つ前が私」
エリック「りょ、了解(笑)」
GM「じゃあ、ヤツが戻ってくる。『釈放だ。ちっ、運のいいヤツめ!』」
エリック「……? どうして?」
GM「釈放だから」
エリック「いや、運がいい理由じゃなくて、どうして釈放なのかを聞いている」
GM「『取り締まりに飽きたんだよ』」
エリック「あっそう。まあいいや。じゃあミーシュ、行こうか」
ミーシュ「うん。行こう行こう」
GM「『じゃあな』にやにや」
エリック「何かあるな……」
ミーシュ「何かあるね……」

◆ チェックイン失敗 ◆

GM「外に出ると、もう随分夜になってる」
エリック「夜だ。早く宿をとって休もう」
ミーシュ「休もう、休もう♪」
エリック「宿はすぐに見つかるのかな?」
GM「その前にダイス振って。レンジャー+知力」
エリック「にゅ。(ころころ)11」
ミーシュ「出目は……(ころころ)5」
GM「気付かないね」
エリック「じゃあ、抱きしめる(笑)」
ミーシュ「ぎゅむぅぅ。ふあぁ、エリック?」
GM「ちゃうってば!」
エリック「ちょっと懐かしかった」

 第2話参照。

ミーシュ「エリック。私、休みたいよ」
エリック「宿捜索中。ある?」
GM「冒険者の都だからねぇ。一応見つかるよ」
エリック「入ろう」
GM「酒場は時間が時間だけに、それなりに活気がある。だけれど、それなりだ。あんまり活気付いてるとも思えない」
エリック「結局どっちなんだ?」
GM「絶対的には活気付いてるけど、相対的にはいまいちかな?」
エリック「わかった」
ミーシュ「わかんない(涙)」
GM「おやじが出てくる。『いらっしゃい……』」
エリック「覇気がないなぁ」
ミーシュ「覇気がないにゅ」
エリック「2人だが、部屋はあるか?」
GM「訝しげな目で言う。『部屋はあるが……お前さんたち、この街にはいつ入った?』」
エリック「首を傾げよう。たった今だが……」
GM「『…………』」
エリック「どうかしたのか?」
GM「『いや……』おやじはミーシュの方に目を向ける。『そっちの娘は、エルフじゃないな』」
ミーシュ「ぎくっ」
エリック「何故わかる? は、GMに」
GM「今まで長いこと冒険者の店なんぞをやってりゃ、わかるようになるんじゃない? エルフかそうじゃないかなんて。おやじが言う。『……フェアリーか?』」
ミーシュ「エリック……。背中に隠れて怯えよう」
エリック「しょうがない。じゃあそう言おう。フェアリーだが、何か問題でも?」
GM「『問題でもも何も、普通の冒険者がフェアリーをつれていると思うか?』」
エリック「思わねぇな。だが、こいつは人畜無害だ」
GM「『…………』」
エリック「おやじ。あんたは何をそんなに恐れている?」
GM「『知らないのか……? いや、しかし……』」
ミーシュ「知らないよっ!」
エリック「生憎、おやじの恐れている存在ではないと思うが、ひょっとするとそうなのかも知れない。聞かせてもらいたい」
GM「『……わかった』おやじは大きく頷いてから話し始める」
ミーシュ「わくわく」
GM「かいつまんで話をすると、今この街で誘拐事件が起きているらしい」
ミーシュ「出たっ!」
エリック「なんか、すんごい久々だなぁ」
GM「いわゆるその事件だ。最初の事件はひと月前。それから、さらわれた女の子が21人、内死亡して発見された娘が3人」
エリック「21人!?」
ミーシュ「多いなぁ」
GM「さらに、その事件解決の依頼を受けた冒険者パーティーが3組全滅していて、何者かに襲われたパーティーが7件ある」
エリック「メイムウェインか?」
ミーシュ「殺すべき相手ね」
エリック「そうそう」
GM「すっかり嫌われたもんだ。しかし、残念ながら違う。襲われたヤツらによると、そいつらも冒険者だったらしい。しかも、冒険者パーティー」
エリック「なるほど。だからか……」
GM「そういうこと。しかも一組じゃないって話だから、街の者や冒険者の宿の主たちが、見かけない顔に疑ってかかるのも無理はない」
エリック「大体わかった。とりあえず俺たちは違うと言いたいが、信じてはもらえないな?」
GM「生憎ね」
エリック「じゃあ、大人しく他を探そう。邪魔したな」
GM「『悪いな』」
ミーシュ「困ったね、エリック。今夜も野宿?」
エリック「いや、どっちみち、宿は取らないと……」
GM「どうする?」
エリック「しょうがないでしょう。他の宿を探すよ」
GM「了解。じゃあ、君たちがそうしてオランの街をウロウロしていると、不意に後ろから呼び止められる。『もしもし、そこの人たち』」
エリック「振り向こう」
ミーシュ「にゅ?」
GM「するとそこに、初老の男が立っている。ぴしっとした格好だ。君たちを見て聞いてくるよ。『私はユーノス家の執事のワギャンと申します』」
エリック「え〜と、その名前はマジですか?」
GM「『はい? マジですが』」
ミーシュ「変な名前。しかも、『マジですが』とか言われても……」
エリック「まあいいや。で、そのワギャンさんが何の用だ?」
GM「『はい。誠に不躾ではございますが、あなた方は、こう、青い髪の毛をした少女を見ませんでしたか?』」
エリック「青い髪の毛?」
ミーシュ「もっと具体的に教えるにゅ」
GM「ワギャンの話では、青い髪の毛はショートカットで、鉢巻みたいな細い白い布を額に巻いたハーフエルフの少女らしい。しかもファイターで、ハードレザーにエストックを装備している」
ミーシュ「エストック? どんなやつ?」
エリック「両手剣」
GM「こんな形状(と言いながら、『武器と防具 西洋編』(新紀元社)の43ページを見せる)」
ミーシュ「なるほど。かっこいいね」
エリック「とりあえずファイターか。恐らくゆかりんのキャラクターになる女の子だな」
GM「名前はリーザっていうらしい。リーザ・ユーノス。ハーフエルフだけど16歳。若いぞ」
エリック「了解。とりあえず見てないから、見てないよと答えよう」
ミーシュ「見てないにゅ」
GM「『そうですか……』残念そうに肩を落とすワギャン。『ありがとうございました……』帰っていく」
エリック「う〜ん」
ミーシュ「呼び止めて、どうしたのか聞かないの?」
エリック「首を突っ込むの?」
ミーシュ「それもそうだね」
GM「にゅ。じゃあ、どうする?」
エリック「再び宿を求めて三千里」
ミーシュ「のたのたついていく」

◆ リーザ・ユーノス ◆

 その後、二人はさらに宿を求めて三千里。しかし、ことごとく断られて、すっかり夜になってしまう。

エリック「はぁ……。野宿か……」
ミーシュ「野宿……」
エリック「でも、不安だなぁ。妙な事件が起きてるみたいだし。ミーシュが心配だ」
ミーシュ「エリックが心配だ」
エリック「心配してくれるんだね? ミーシュは優しいなぁ。なでなで」
ミーシュ「えへへ」
GM「……っていうか、『妙な事件』ってあんた!」
エリック「怖いにゅ」
GM「その事件を追ってたんちゃうんかて!」
エリック「昔の話だ……。エルメスに会いたい」
ミーシュ「エルメス、プレイしたい。久々に」
GM「こっちが終わったらね」
ミーシュ「にゅ」
GM「じゃあ、君たちがへたばってると、青髪の少女が剣を閃かせて近付いてくる」
エリック「あれ?」
ミーシュ「思ったより早い登場だったなぁ」
GM「可愛い子だ。可愛い声で言うよ。『お前たち、悪者だな!』」
エリック「ごめん。マジで可愛い」
ミーシュ「可愛い。『悪者だな!』だって(笑)」
エリック「笑うしかない。っていうか、笑ってやれ。あはははははははっ!」
ミーシュ「笑っちゃ悪いよ。でも、エリックの真似をする。あはははははは」
GM「お前ら(笑)。『な、何が可笑しい!?』」
エリック「君の言動だよ、リーザ」
ミーシュ「リーザリーザ♪」
GM「『お、お前たち、どうして私の名前を!?』一歩下がって身構える」
エリック「さてね。くくく……」
GM「どうして雪島は、そうやって、自分から悪者になりにいくんだ?」
エリック「面白いから」
GM「『こ、答えろ! どうして私の名前を知っている!?』」
エリック「ワギャンがお待ちだ」
ミーシュ「お待ちだ!」
GM「すると、リーザは一瞬顔をしかめる。『ワギャン? 誰だそれは?』」
エリック「……ふぅ。結構面白いプレイになってきたぞ」
ミーシュ「やるな、お兄ちゃん(GM)」
GM「…………」
エリック「何故黙る?」
GM「いや、別に……」
ミーシュ「怪しいなぁ」
エリック「とりあえず、お前は何してんだ? こんな晩に一人で剣なんか持って。事件のことは知ってるだろう。帰って寝ろ」
GM「『わ、私を愚弄する気か?』」
エリック「別に〜〜」
ミーシュ「もう、疲れたにゅ。行こう、エリック(笑)」
エリック「いや、そうもいかんだろう(苦笑)」
GM「『お、お前たちこそ怪しいヤツめ! 名を名乗れ』」
エリック「ミハイロフ・バンバンジーだ」
ミーシュ「フランスパン・エドワードだにゅ」
GM「『う、嘘をつくな!』」
エリック「よく嘘ってわかったなぁ」
ミーシュ「レベルが高いにゅ。きっとセンス・ライが使えるにゅ」
エリック「なるほど。ソーサラー、レベル5以上か」
GM「ちゃうって!」
エリック「エリックだ」
ミーシュ「ミーシュだにゅ」
GM「『こんなところで何をしている!?』」
エリック「見たまんま。なんでんなこと、あんたに言わなかんの?」
ミーシュ「そうだにゅ。初対面の人に対して生意気だにゅ」
GM「『あ、悪人に人権はない!』」
エリック「やれやれ。どう見ても悪人はそっちだけど……」
GM「『うるさいうるさい!』」
エリック「なんか、不憫な子だ。とりあえずおねんねさせて、ユーノス家とやらに連れていくか」
ミーシュ「でも、ワギャンを知らないって」
エリック「ああ、そうだったな。でも、ユーノス家の者なのは間違いないから、いいんじゃない?」
ミーシュ「そのユーノス家が今回の親玉かも知れないよ」
エリック「聞いてみよう。お前は何をしているんだ?」
GM「『見たまんまだ!』」
エリック「わからんから聞いてるんだけど。そうやって、宿も取れない可哀想な冒険者をいたぶって喜んでるのか?」
GM「『ち、違う!』」
エリック「じゃあ、家を追い出されて、路頭に迷ってるのか?」
GM「『そんなわけないだろう!』」
エリック「案外わかんないよ。じゃあ、何してるんだ?」
GM「『事件を解決するために、こうして自ら囮となって敵をおびき寄せてるんだ』」
ミーシュ「自殺志願者か」
エリック「勝てる見込みは?」
GM「『やってみなくちゃわかんない!』」
エリック「負けてからじゃ遅いと思わん?」
GM「『正義は勝つ』」
エリック「神は万人に対して無慈悲だと、螺旋や京夜も言っている」
GM「『それでも、最後には正義は勝つんだ。お前も1年くらい恋をしろ!』」
エリック「そんなに待てない」
ミーシュ「お〜い。脱線してるにゅ」
エリック「ああ、ごめんごめん」
GM「やっぱりTRPGはタイムリーなネタを提供しないと」
エリック「じゃあまあ、頑張れ。応援するよ」
ミーシュ「ファイトだよ」
GM「『うっ……』いきなり泣きそうな顔になる。突き放された子供みたいだ」
エリック「みたいなんじゃなくて、そのまんまじゃん」
ミーシュ「お子様お子様♪」
GM「あんたに言われたねぇよ。しょうがないから、トボトボと歩き去っていく」
エリック「ばいば〜い」
ミーシュ「にゅ〜〜」
GM「あんたら、無慈悲やねぇ」
エリック「現実的。でも、悪いけど彼女を囮に使わせてもらおう。こっそりと追いかけるよ」
ミーシュ「追いかける」
GM「なるほどね」

 面白くなってきたじゃん。
 もうすでにプロットとずれたけど、そこがTRPGの醍醐味かな。
 雪島琴美とプレイすると、いつもシナリオが崩れる。そして、皮肉なことにいつも面白くなるのだが、今回はどうかな?

◆ 絶叫 ◆

GM「んじゃま、とりあえずレンジャーかシーフ+敏捷度で振って」
エリック「9は14」
ミーシュ「しくしく。どっちもないから、素で7」
GM「じゃあ、君たちがリーザを尾行していると、突然背後から、『お前たち、何をしている!?』と、怒鳴られる」
エリック「振り向こう」
ミーシュ「ひぇ〜〜」
GM「リーザも振り向く。『お、お前たちはさっきの!』」
エリック「怒鳴ったヤツらは?」
GM「冒険者風。男、男、女」
エリック「なるほどね。言い返す。仲間を使って、敵をおびき出そうとしていたんだ! よくも邪魔をしてくれたな!」
ミーシュ「むっちゃくちゃ」
エリック「もう少し考えてから言った方が良かったかなぁ?」
ミーシュ「なるようになるよ」
GM「じゃあ、リーザが言う。『勝手なことを言うな! 私がいつからお前たちの仲間になった!』」
エリック「最悪の展開か!?」
ミーシュ「誰のせいだよ」
エリック「水原君(GM)」
GM「何故俺!? とにかく、彼らが迫ってくる。背後にはリーザ」
エリック「勝てないよ。さっさと降参。俺たちはやましいことはやってない。警備にでも何にもで、勝手に突き出せ!」
ミーシュ「怖いにゅ……」
GM「リーザが叫ぶ。『ふざけないで! チェムはどこ!? チェムを返して!?』」
エリック「チェム? 誰だ? そりゃ」
GM「さぁね。男たちが来て、君たちを縛ろうとするけど」
エリック「しょうがないでしょう」
ミーシュ「みゅ〜〜」
GM「じゃあ、君たちは縛られ、体格のいい戦士風の男が君たちの縄をとる。『こいつは俺が詰め所に連れていく』仲間から声がかかる。『大丈夫なの? イスカン』」
エリック「イスカン。体格のいい男。メモメモ_〆(。。 )」
GM「『なに、大丈夫だ。ミラー、セント。お前たちはその女の子を家に連れていってやれ』イスカンはリーザに声をかける。『よく頑張ったな。君はもう家に帰りなさい』リーザは大人しく従う。『う、うん……』」
エリック「はぁ……」
ミーシュ「こいつらが怪しいにゅ」
エリック「ああ、そうか。わざわざパーティー分けたし。一応声をかけよう。リーザ、気を付けろよ」
GM「リーザが無表情で君を見る。ゲシッとイスカンが君を蹴る。『善人ぶるな! この悪党が!』」
エリック「痛てて」
ミーシュ「エリック、大丈夫?」
エリック「一応ね」
GM「じゃあ、君たちはイスカンによって連行される。ミラーとセントは、リーザを連れて向こうに歩いていく」
エリック「ゲマを飛ばそう。向こうに」
GM「懐かしいね」
エリック「ふわふわふわ」
ミーシュ「ふわふわふわ♪」
GM「しばらく歩くと、君たちは裏路地に連れ込まれる。イスカンがニヤッと笑う。『悪いが、行き先変更だ。地獄に落ちな』」
エリック「あっ、ゲマを向こうに飛ばしたのは失敗だ」
ミーシュ「あうぅ」
エリック「ここまでか? GM、魔法は?」
GM「使えるわけないっしょ」
ミーシュ「私も?」
GM「当然」
エリック「じゃあ、わめく。ぎゃあぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁっ! 誰か、助けてくれええええええっ! 殺されるっ! 殺されるううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ! 誰か来てくれええぇぇぇぇぇぇっ! 誰かあぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ミーシュ「私も! きゃあぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! 誰かっ! いやあぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! やだああぁぁぁぁぁ、いやあああぁぁぁあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
GM「お、お前ら……」
エリック「来るなああぁぁぁあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! 頼むっ! 誰か来てくれ! 来てくれええぇぇぇぇぇえええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ! 助けてくれえぇぇぇぇぇえええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
ミーシュ「いやあああぁぁぁあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! 助けてえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ! きゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
GM「待て、お前ら! とりあえず一つ言わせろ!」
エリック「何?」
ミーシュ「にゅ?」
GM「演じるのはいいが、隣家に本気で警察呼ばれたらシャレにならんで、マジで叫ぶのはやめてくれ!(泣)」
エリック「ああ、それもそうだね。夜だし」
ミーシュ「もう遅かったりして」
GM「そんときは泣くよ。じゃあ、男は剣を下ろして、ちっと舌打ちする。『誰か来たようだ。命拾いしたな』そして、彼は去っていく」
エリック「助かった〜」
ミーシュ「もう、無茶苦茶なプレイ」
GM「来たのは例の兵士だ。『無様だな、お前たち』」
エリック「ああ、あんたか。これでわかったろ?」
GM「『一応な』そう言って、縄を解いてくれる。『悪いが、あれからずっとつけさせてもらった』」
エリック「ああ。あの時のロールはそれか。リーザの方は?」
GM「向こうにはまだ連絡が行ってないらしい。ゲマが追跡中」
エリック「なるほどね。じゃあ、そのことをこいつに言って、さっさとリーザの方に行こう」
ミーシュ「いや、リーザを囮に使ったら? そのまま尾行して、彼らのアジトを突き止める」
エリック「ああ、それはいいな。そうしよう」
GM「と、君たちが考えていると、突然、ピーーーーっていう笛の音がする」
エリック「何だ!?」

◆ チェムを助けたかったのっ! ◆

GM「ゲマを通して見ると、リーザを連行していたミラーとセントが、立ち止まって険しい表情をする。『どうしたんだ?』とリーザ」
エリック「走ろう! ついてこい、ミーシュ。お前もだ、名もなき兵士!」
ミーシュ「走るにゅ!」
GM「『お、俺はブーリアンだ!』」
エリック「わかったよ、01(ゼロ・イチ)!」
GM「『ブーリアンだと言ってるんだ』」
エリック「T/F(ティー・エフ)!」
GM「『もういいわ!』」
エリック「戯れ言はやめて、リーザの方は?」
GM「立ち止まったセントが、首を横に振って、リーザに向かって剣を抜く。『ここでお別れみたいです』リーザが青ざめて剣を抜く。『お、お前たちは!?』」
エリック「もつか!? リーザは。どれくらいの能力なんだろう」
GM「結構あるけど、2対1ではちときつい。セントがリーザと戦っている間に、ミラーのバインディングが炸裂する。動けなくなったリーザに、セントの剣が閃く」
エリック「ちっ! 立ち止まって、ゲマにライトの魔法。驚かせるしかない。そして、光ると同時に言う。『そこまでゲマ!』とりあえず出目は9。成功ね」
ミーシュ「そこで1ゾロ振ったらどうするかと思った」
エリック「私も」
GM「じゃあ、セントが『うおっ!』とびびる。その隙にリーザがバインディングから抜け出して、斬りかかる」
ミーシュ「斬りかかる!?」
エリック「何故逃げない!?」
GM「その攻撃をミラーがまともに食らう。怒ったセントの強力な一撃が、リーザを斬り飛ばす」
ミーシュ「!!」
エリック「リーザっ!?」
GM「『う……うぅ……』壁にもたれかかって、ぐったりしているリーザ。肩から血が流れている。剣はその辺に転がっている。セントはリーザにはとどめを刺さずに、ミラーをつれて逃げ出す。ミラーは自分にヒーリング」
エリック「ふぅ。とりあえずリーザは無事か。もう着く?」
GM「いいよ」
エリック「大丈夫か? リーザ」
ミーシュ「駆け寄って、ヒーリングを使う」
GM「『お前らは……』」
エリック「バカが。何で逃げなかった」
GM「すると、リーザが泣きそうな顔で言う。『だって、チェムが……私の友達が……』それから泣き出す」
エリック「やれやれ」
GM「ちなみに、ブーリアンはリーザを君たちに任せて、ヤツらを追っていく」
ミーシュ「じゃあ、この子を連れて、ユーノス家ってとこに行こう」
エリック「場所がわかんない。案内してもらおう」
GM「そうこうしてると、ワギャンがやってくる。『ああ、リーザ様っ!』リーザが弱々しく顔を上げる。『ワギャン……』」
エリック「なんだ。知ってるんじゃん」
ミーシュ「嘘つきめ!」
GM「ワギャンがリーザに怒る。『まったく、どうしてこんなご無理をなさるのですか!? リーザ様に何かあったら、エドウィン様が、どれだけ悲しまれるか……』」
エリック「エドウィンって?」
GM「リーザの父親」
エリック「メモメモ」
ミーシュ「先輩、まめですね」
エリック「固有名詞はしっかりメモっとかないとね」
GM「リーザが泣きながら言う。『だって! 私、チェムを助けたくて! チェムが……うわあぁぁぁぁぁぁぁっ!』」
エリック「とりあえず納得した。そのチェムっていう友達を助けるために、父親の制止を無視してこんなことしてたわけだな?」
ミーシュ「いい子だにゅ。ゆかりんがこの子を演じるなら、すごく楽しみだ」
エリック「そうだね」
GM「泣いているリーザをなだめながら、ワギャンが君たちに頭を下げる。『どうもありがとうございました。もしよろしければ、我らが屋敷に来て下さい』」
エリック「ああ。喜んで」
ミーシュ「喜んで。やったね、エリック。ベッドベッド」
エリック「お、おい、ミーシュ!」
ミーシュ「ふかふかベッド。あははっ」
エリック「恥ずかしい……」
GM「ワギャンが苦笑してる。楽しそうだ」
エリック「やれやれ」
GM「じゃあ、舞台を屋敷に移しましょう」

◆ ゆかりん起つ ◆

GM「じゃあ、ゆかりん。リーザで入って」
リーザ(ゆかりん)「わかりました」
ミーシュ「よろしくだにゅ〜」
エリック「よろしく……って、なんかチャットみたいだ」
リーザ「よろしくです」
GM「これ、キャラシ」
リーザ「どれどれ?」
エリック「にゅ? ファイター4、セージ5」
ミーシュ「わかりやすい」
リーザ「武器がエストック。打撃力が17」
ミーシュ「2H武器は打撃力が+5だにゅ」
エリック「おお。勉強してるね? ほずぴー」
リーザ「すごいよ、ほずぴー」
ミーシュ「うぅ。ゆかりんまで……」
リーザ「結構筋力が低いですね。12ですか」
エリック「ハーフエルフの宿命。ハーフエルフの筋力の期待値は11」
リーザ「わかりました。頑張ります」
GM「じゃあ、ゆかりんから見たリーザをざっと説明して」
リーザ「えっと……。言葉遣いが……ちょっと男の子入った感じで、お友達のチェムちゃんが誘拐されていなくなったから、お父様……でいい? 呼び方」
GM「いいよ。セージ5だし」
ミーシュ「関係なさげ……」
リーザ「お父様のエドウィンの制止を振り切って、単身で事件を解決しようとしてた。っていうか、とりあえずチェムを取り戻したかったのかな?」
GM「いや、事件解決。プリーストはないけど、ファリス信仰ばりの正義感溢れる熱血ハーフエルフを演じてくれていいよ」
リーザ「わかりました」
ミーシュ「ゆかりん、得意そうだね」
リーザ「それはきっと偏見だよ、ほずぴー」
ミーシュ「しくしく」
エリック「館に着いてからの状況は?」
GM「にゅ。とりあえず一晩進めたい。リーザが疲れていたから、君たちは客室、ベッド付きに案内されて、そこで一晩過ごす。翌朝、リーザと一緒に朝食を摂ろう。面倒だから、とりあえず君たちでしばらく話してて」
エリック「にゅ? みなりん(GM)は何してるの?」
GM「ああ、そういう意味じゃなくて、面倒だからってのは、その場にエドウィンとかはいないよって話。ワギャンだけいる」
リーザ「じゃあ、とにかく昨日のことを謝らないと。その、昨日はすまなかった。早とちりをしてしまった」
ミーシュ「怖かったにゅ。殺されそうになったにゅ。ぶつぶつ(笑)」
リーザ「ほずぴー(苦笑)」
エリック「気にしなくてもいい。友達を助けたかったのだろう? 結果的にこうして三人とも無事なのだから」
リーザ「わかった。ありがとう」
エリック「で、そのチェムって子は?」
リーザ「(GMに)子は?」
GM「リーザの古くからの友人で、16歳、人間。リーザと違って大人しい女の子だったんだけど、今から2日前……1日経ったから3日前になるのかな? その日にいなくなった」
リーザ「……だ!(笑)」
エリック「なるほどね」
ミーシュ「なるほどね♪」
リーザ「私はチェムを助けたい……。そうだ! 二人とも、協力してくれないか?」
GM「すると、ワギャンがそっとリーザに耳打ちする。『助けて下さったとはいえ、身元のわからない方々です。あまり気を許さぬよう……』」
リーザ「う〜む。一理あるな。じゃあ、それを聞くことにしよう。悪いが、お前……いや、あなた方の素性を教えてもらいたい。うちにはどうにも心配性の男がいてな」
GM「恭しく頭を下げよう」
エリック「じゃあ、ワギャンの気持ちを察して、答えよう。俺はエリック。レイドの細工師の生まれだ。でも何故か生まれは魔法使い(爆)」
GM「しー、しーー(笑)」
エリック「エルメスのことは話さずに、それ以外のことをなるべくたくさん話そう。で、この事件の根底に関わっていることを言えば、ワギャンも安心……するかはわかんないけど、少なくとも信用はするだろう。ミーシュはその事件の最中にあったフェアリーで、事件に巻き込まれた」
ミーシュ「そうだにゅ。フェアリー・ストーンをダークエルフに奪われてしまった」
リーザ「なるほど。じゃあこの事件は、そのメラクリウスって男が引き起こしてるんだな?」
エリック「そうなる」
ミーシュ「情報では」
リーザ「でも……って、これは私がリプレイ読んで思ったことなんですが、本当にメラクリウスが元凶なんでしょうか?」
エリック「元凶ではないかな? シルファを助けるために心を集めてる」
ミーシュ「でも、こっちから見れば、やっぱりメラクリウスは悪いヤツだよ」
リーザ「そうじゃなくて、シルファは一体どんな病気にかかっていて、メラクリウスは心を集めることによってシルファを治せるってことをどこで知ったのかってこと……」
エリック「ああ、クリーナやメイムウェインを動かしているメラクリウスが、実は誰かに騙されてるってことね?」
リーザ「そうです」
ミーシュ「壮大だ。ひょっとして、ムオー教団?」
リーザ「たぶん。で、リウスはそれに気が付いた。シルファを助けるために、どうしてメラクリウスが自分たちにそういう指示を与えたかを調べて、ムオー教団を突き止めた」
エリック「ああ、それすごくいい発想」
ミーシュ「なんか、一気に話が見えたかも!?」
リーザ「だから、前回でカナルファスって人を殺しちゃったけれど、実は話し合う必要があるかも……。クリーナとかメラクリウスとか、敵じゃないんじゃないかなぁって……」
エリック「そうか。そういう考え方もあるか……」
ミーシュ「もうなんか、メイムウェインを見てると、とりあえずこいつは敵って感じがして(笑)」
リーザ「それはわかるけどね(苦笑)」
エリック「じゃあ、GM。俺たちが情報をリーザに供給した後、リーザがそういう意見を言って、今そういう話をしてることでいいね?」
GM「つまり、ゆかりんの考えを、そのままリーザの発言に反映させて、プレイヤーが考えたことを、PCの思考にするってことだね?」
エリック「ま、まあ。わざと難しく言えばそうなる」
GM「構わないよ」
ミーシュ「じゃあ、話をまとめると、まずメラクリウスの下に、親指から小指までの5人の強い部下がいる」
リーザ「リウス、クリーナ、カナルファス、メイムウェイン、ニィルスレイト?」
エリック「そうそう。で、クリーナとメイムウェインは、メラクリウスの指示に従って、そのまま若い女性の心を集めてる。今回も間違いなく彼らの仕業」
ミーシュ「ああ、今回クリーナ出てくるかもね」
リーザ「いよいよっ!?」
エリック「会いたいなぁ」
ミーシュ「にゅ。で、カナルファスは、人々を殺すことによって、シルファを助けようとした」
リーザ「メラクリウスを騙してるヤツらがムオー教団で……まあ、仮定だけど、それをリウスは突き止めて、単身で解決しようとした」
ミーシュ「ニィルスレイトは今のところ不明」
エリック「しかし、なんでリウスは単身で解決しようとしてるんだ? 少なくともニィルスレイトにくらい、話せばいいのに?」
ミーシュ「いや、単身でっていうのは、あくまで私たちの仮定であって、実際はどうかわかんないよ」
エリック「それはもっともだ」
リーザ「じゃあ、今回は、なるべく敵対しないように進めればいいのかな?」
ミーシュ「でも、ニィルスレイトに言わせると、『誤解してもらっては困るが……。私にとって、お前も周りにいる豚どもも、所詮は薄汚い人間にすぎない。私がお前を助ける理由もなければ、お前に話すこともない』らしいよ」
エリック「なんか見えてきたなぁ。彼ら、人間嫌いの集団?」
ミーシュ「それどんぴしゃっぽい!」
リーザ「でも、それだと自分からエルメスに近付いたリウスは? 目的遂行のための手段だったら、わざわざ見ず知らずの女性を使わなくてもねぇ」
エリック「ちなみに、リウスの言ってた『好きな人』がシルファだって保障はどこにもないからね。それは忘れないように」
ミーシュ「ここまで来て、全然関係ないとか……」
リーザ「結構難しいですね」
エリック「これは、水原君の傑作だな」
GM「ありがとう。そろそろいいかい?」
エリック「(みんなに)いい?」
ミーシュ「とりあえずリーザとは仲良くなった」
リーザ「こっちもOKです」
エリック「(GMに)だそうです」
GM「ん。じゃあ、また時間を経過させるね」

◆ 説得しよう! ◆

エリック「食った食った」
ミーシュ「お腹いっぱい。寝るにゅ」
リーザ「おーい」
GM「じゃあ、これからエドウィン登場だ。立場的にはリーザを止めるから、3人とも、ゆかりんが暇にならないようにプレイしてね」
ミーシュ「にゅ?」
エリック「つまり、一緒に行きましょうってことにするんだね?」
リーザ「何としても説き伏せよう」
GM「何としても阻止しよう」
エリック「のぞむところだ」
GM「じゃあ、君たちが飯を食い終わってぼけたーんとしてると、エドウィンがやってくる」
リーザ「あっ、お父様。おはようございます」
エリック「おはようございます」
ミーシュ「おはよっ!」
GM「エドウィンは君たちに頭を下げて、昨日の礼を言う。『君たちか。昨夜は、娘を助けてもらったそうで、感謝する。話はワギャンから聞いた』そう言って、厳しい目でリーザを睨もう」
リーザ「見返す」
エリック「頑張れ〜」
ミーシュ「にゃんばれ〜♪」
GM「『リーザ。お客様の前でなんだが、何故私の言うことが聞けないのだ?』」
エリック「年頃だからだ!」
ミーシュ「お父さんはあっち行っててよ」
リーザ「違う違う(汗)。チェムを助けたかったんだ」
GM「『チェムか……。気持ちはわかるが、だからといって、お前でチェムを助けられるのか? 現にお前は、昨日、彼らがいなかったら敵の手に落ちていたというではないか』」
エリック「普通、自分の娘に向かって、『敵の手に落ちていた』なんていう表現使うかなぁ」
ミーシュ「変な父親」
エリック「いや、変なのはみなりん(GM)」
GM「いい言葉が浮かばんかったんじゃよ」
エリック「今度は、“じゃ”!」
リーザ「じゃあ、言い返す。それはそうだけど、でも、今日からは大丈夫だ。この人たちが一緒に戦ってくれる。私はきっとチェムを取り戻して見せる!」
GM「エドウィンはエリックを見る。真剣な瞳だ。『それは、君たちが言ったのかね?』」
リーザ「先に答える。私が頼んだのだ」
GM「『では、申し訳ないが、娘は外に出せない。もしも君たちが望むのなら、しばらくここに滞在してもらうのは構わないが、どうか娘は事件に巻き込まないで欲しい』」
リーザ「お父様!」
エリック「まあ、無難な親心」
ミーシュ「どうするにゅ?」
エリック「ほずぴーはどうしたい?」
ミーシュ「にゅ〜?」
エリック「いや、ふと思ったんだけど、ほずぴー、ミーシュやってると、全然自分で話を進めれないと思って」
ミーシュ「ああ、発言しにくいね。でもいいよ、気にしなくても」
エリック「そう?」
GM「気にしなくてもいいのは、ほずぴーが自分がミーシュであることを気にしなくてもいいよ。演じるパートと、ほずぴーとして思ったことを言うパートはうまく使い分けないと」
ミーシュ「そだね。その意味で、確かにエルメスより格段に難しいキャラだ、ミーシュは。じゃあ、勝手に発言しよう。娘を思う気持ちはわかるけど、誰かがやらなければ、事件は終わらないにゅ。すべての者が敵を恐れて、誰も外に出なくなれば、家の中が安全じゃなくなるにゅ」
エリック「そうやって聞くと、やっぱりミーシュの発言っぽくないね(笑)」
ミーシュ「自分でそう思うよ」
GM「エドウィン、答えて曰く、『それでも誰かが必ずするだろう。国もいつまでも黙ってはいないだろうし、事件が深刻化して、解決の報酬がより上がれば、名乗りを上げる冒険者も増えるに違いない』」
リーザ「他力本願だ! こういうときこそ、自分たちの力で何とかしようと思わないのか?」
GM「『それが親というものだよ』」
エリック「困ったなぁ。あまりにもエドウィンの発言はもっともだ」
リーザ「でも、よく考えてみると、エドウィンのその立場は、私が外に出る前から変わってないわけで、また抜け出せばいいんじゃない?」
エリック「けど、今度は下手すると俺たちが誘拐したことになっちゃうよ」
ミーシュ「誘拐誘拐♪」
リーザ「じゃあ、エリックたちは諦めたことにして、私が抜け出す? ゲマに手伝ってもらえば、何とかなるかも知れないよ」
エリック「う〜ん。許可が欲しい」
ミーシュ「許可許可♪ でも、かなり難しそうだにゅ」
エリック「むづい……」
リーザ「う〜ん……」
ミーシュ「にゅ〜〜」
GM「降参? じゃあ、ゆかりんの出番もここまで?」
エリック「こらこら」
リーザ「じゃあ、脅そう。お父様! お父様が何と言っても、私はこの手でチェムを助ける。冒険者の彼らの前でなんだが、冒険者はあてにならない。彼らがチェムを必ず助けてくれるとは限らないし、場合によっては、敵を討つためにチェムを犠牲にすることだってあり得る。私は何も事件を解決しようとしているのではない。チェムを助けたいだけだ。お父様が彼らと行く許可を出してくれなくても、私は一人でも行く。それより、私としては三人で行った方が、私にとっても、彼らにとってもいいことだと思うけど、どうだ?」
ミーシュ「本当に脅しだ」
エリック「でも、効果的か?」
GM「エドウィンは深く目を閉じ、しばらく考えてから言う。『聞き分けのない娘だ』」
リーザ「お父様!」
GM「『だが、そう言うならやむを得まい』」
エリック「いいのか?」
GM「『その代わり、エリックだったかな? これは、ユーノス家からの依頼ということにしてもらおう』」
エリック「依頼内容は?」
GM「『リーザの手伝いをし、リーザの身を守ること。リーザの安全を第一とし、もしもリーザが危険なときは、リーザの目的を放棄しても彼女をここに連れて帰ってくること。また、リーザの目的が達成された場合は、速やかに帰還し、その報告をすること』」
エリック「……わかった」
ミーシュ「いいの? エリック。もしかしたら、チェムを助けると同時に、ここには帰ってこれなくなる可能性もあるんだよ」
エリック「その時はその時だ。目的達成が遅れたことにしよう」
リーザ「なるほどね」
エリック「じゃあ、受けよう。報酬は?」
GM「『リーザとチェム、両方が無事だった場合は1万ガメル。リーザが無事だった場合は5千ガメル。もしもリーザの身に何かあったら……』」
エリック「まあ、報酬どころの騒ぎじゃないな」
GM「『……そういうことだ』」
リーザ「私は生きて戻る!」
GM「『当たり前だ!』」
リーザ「はい」
エリック「これで、ミンフとチェム。二人の心を取り戻さないとな……」
ミーシュ「頑張ろっ、エリック」
エリック「……ん」
ミーシュ「なんか返事が遅れた」
エリック「いや……。ちょっと考え事」
ミーシュ「??」

◆ 作戦 ◆

GM「じゃあ、適当にやってくりぃ」
エリック「ういっす。どうしたい? 意見を統合しま〜す」
リーザ「少なくともイスカン、セント、ミラーのパーティーは敵」
ミーシュ「でも最初の方で、偽物冒険者パーティーは複数いるって聞いてる」
エリック「一回、ベンジャミン……じゃなくて、ブロッコリーはゲマだから……」
ミーシュ「ブーリアン?」
エリック「そうそう、そいつそいつ」
リーザ「全然違うじゃん」
エリック「そいつに、昨日の続きを……」
ミーシュ「無駄じゃない? 『おおっ、ヤツらなら捕まえて、今拷問の最中だ!』なんてことになってるわけないし」
エリック「まったくだ(笑)」
リーザ「闇雲に歩き回ってもわかんないから、やっぱり夜に囮作戦?」
エリック「それしかねぇな、結局」
ミーシュ「セオリーは、一番効果的で、よく使われるからこそセオリーなんだよ」
エリック「セロリセロリ♪」
ミーシュ「張っ倒すよ?」
エリック「うっ……うわぁぁぁぁ! ほずぴーが怒った。ほずぴーが! ほずぴーがぁぁ!」
ミーシュ「げしっ!」
エリック「げふっ!」
リーザ「うわっ。ほんとに殴った!」
エリック「しくしく」
ミーシュ「にゅ。じゃあ、時間を夜まで進めるにゅ?」
エリック「特にすることないよ。とりあえず、俺たちも国の連中に疑われてるってことだけは忘れちゃいけない。国の連中に何か言われたら、妙な抵抗はしない」
ミーシュ「了解」
リーザ「わかった」
GM「じゃあ、夜にするよ」
エリック「うん」
GM「ラナルータ!!!!」
リーザ「懐かしい……」
エリック「じゃあ、リーザを適当に歩かせよう。それしかない」
リーザ「てくてく」
ミーシュ「ついていく。こそこそ」
エリック「ミーシュは尾行が下手だから、ミーシュも一緒に囮にした方がいい気がする」
ミーシュ「どうする?」
リーザ「でも、それじゃあ、全然囮になってない気が……」
エリック「要は、君らが冒険者に見えなければいいんだよ」
リーザ「脱ぎますか? 鎧」
エリック「そうしよう。クロースかなんか来てることにして」
リーザ「剣は?」
エリック「護身用」
ミーシュ「護身用に必筋12のエストック?」
エリック「物々しいなぁ。剣はマントの下に隠す。(GMに)できる?」
GM「いいよ」
エリック「じゃあ、そういうことで。ひと月に21件も起きてるなら、今夜も来るだろう」
ミーシュ「おっとり♪ おっとり♪(“囮”のことらしい)」
リーザ「楽しそうですね?」
ミーシュ「えへへ」
リーザ「うわ〜。なんかこう、ほずえって感じ?」
エリック「まさに」
ミーシュ「今のはバカにされたのかな?」
エリック「そうでもないよ。エルメスがほずえちゃんらしくなかっただけ」
ミーシュ「あれこそ私の真の姿! ミーシュは演じるのが大変で、もう!」
エリック「嘘くせ〜」
リーザ「泥棒さんだ!」
ミーシュ「くすんくすん」
GM「じゃあ、時間を深夜圏に突入させて、周りに人影がまったくなくなった頃、リーザとミーシュはレンジャーかシーフ+知力、エリックはそれに修正-1でダイス振って」
ミーシュ「ない。出目は11」
リーザ「同じく。出目5」
エリック「7は12」
GM「じゃあ、気付かない。『貴様らぁぁぁ!』という男の声がして、斬りかかられる。リーザは-2で回避して」
リーザ「6は13」
GM「にゅ。14点」
リーザ「結構大きいなぁ。9点引いて5点受けた。『何者だ!』」
GM「わらわらと、4人の冒険者が現れる。『今度は騙されないぞ!』そう言ったのはリーダー格の男。名をエイアンという」
リーザ「一体何なの? 何のつもり!? チェムはどこ?(笑)」
GM「『チェム? ええい、わけのわからんことを!』」
ミーシュ「敵じゃない気がする」
リーザ「っていうか、誤解されてる。何か……」
GM「じゃあ、戦闘開始ね♪」
リーザ「待て待て待ってくれ! 話し合う。お前たち、何者なんだ!? 誘拐事件を起こしている輩か?」
GM「『同じ手は通用しないわよ!』と言ったのは、パーティー唯一の女性、レリィ。ソーサラーだ」
リーザ「私たちは敵じゃない!」
GM「『黙れ!』」
リーザ「何なの? こいつらは!」
GM「『戦闘始めるけど、エリックはどうするの?』」
エリック「しばらく静観してる」
GM「じゃあ、どんぱち始めるね」

<1ラウンド目>

GM「こっちの内訳は、エイアン、男戦士。ヒース、男戦士。ムンル、男シャーマン。レリィ、女ソーサラーで、敏捷度が16、17、19、16ね」
エリック「速いなぁ」
リーザ「じゃあ、ムンル、私とミーシュ、ヒース、エイアン、レリィね」
ミーシュ「最初のラウンドが勝負だね」
GM「じゃあ、始めよう。ウィスプはミーシュ。10」
ミーシュ「抵抗」
GM「7点もらって」
ミーシュ「3点受けて、あと5ね」
リーザ「とにかくこのラウンドね。シャーマンに斬りかかれる?」
GM「できるけど、したらエイアンとヒースがミーシュに行くから」
リーザ「じゃあ、エイアンを叩こう。(ころころ)ダメ! 4は10」
GM「んなのは、回避ね」
ミーシュ「にゅ〜。スリープをエイアンとヒース。ダイスは1回?」
エリック「ダイスは1回だよ」
ミーシュ「いくにゅ。これがいい目が出れば勝てる。出なければ負ける」
リーザ「どきどき」
ミーシュ「(ころころ)期待値は越えた。8は15」
GM「きっついなぁ。エイアンは……ああ、11とか振った」
ミーシュ「げふっ!」
GM「ヒースは……9とか振ったけど、15には勝てんなぁ。ぐー」
ミーシュ「まあ、一応一人寝たからよしとしよう」

 そのあと、エイアンの攻撃にリーザが1ゾロって、4点もらう。
 レリィのエネルギー・ボルトは、ミーシュに3点与え、ミーシュの生命力が残り2になる。

<2ラウンド目>

 ムンルのウィスプが1ゾロったあと……。

リーザ「もういいや。レリィに斬りかかる」
GM「ミーシュは?」
リーザ「避けろ!」
ミーシュ「りょ、了解」
エリック「(苦笑)」
リーザ「8の14」
GM「いいよ」
リーザ「(ころころ)どうして4とか出るのかなぁ(涙)」
エリック「それがTRPGなんだよ」
リーザ「うっ……。8点」
ミーシュ「じゃあ、ミュート倍掛け。低いなぁ、6は13」
GM「にゅ。両方とも黙る」
ミーシュ「ひょっとして、雑魚?」
GM「そうでもないけどね……。じゃあ、ミーシュは1回回避して」
ミーシュ「9は16」
GM「絶対当たんねぇって、んなの!」
ミーシュ「(笑)」

<3ラウンド目>

リーザ「降参を促していい?」
GM「いいよ。じゃあ、エイアンが悔しそうに言う。『くそぅ!』」
リーザ「話を聞け。私たちは敵じゃないと言っただろ? チェムという女の子が、ヤツらにさらわれてしまった。私はその子を助けるためにこうしているのだ」
GM「『…………』」
リーザ「どうして信じない? ヤツらに騙されたのか?」
GM「『そうだ……』」
リーザ「気持ちはわかるが、こうして私たちが争うのは、ヤツらの思うつぼだろう」
GM「『そうだな……すまない』」
リーザ「わかってくれればいい」
GM「じゃあ、ミュートが切れると、ムンルが怪我を……」
リーザ「治してくれるの? ありがたい」
ミーシュ「助かるにゅ〜〜」
エリック「(苦笑)」
リーザ「ん?」
ミーシュ「先輩?」
GM「怪我を……ねぇ!」
エリック「あはははははははははっ!」
ミーシュ「あ、ああ! ムンルは男か!」
リーザ「ヒーリングは?」
ミーシュ「女性しか使えない」
リーザ「な、なるほど……」
エリック「プリーストがいないから、怪我は治せないね。ミーシュはもう精神力が残ってないし」
GM「じゃあ、ちょっと俺の計画が狂ったけど、そのまま行こう。君たちが打ち解けると、女性の声がする。『もう少し殺し合ってくれると嬉しかったのですが……』」
リーザ「何者だ!?」

◆ 対ガンド戦 ◆

GM「君が声のした方を見ると、とある家屋の屋根に、一人の女性が立っている。そして、君たちのいる道の片側から3人の冒険者が、もう片側から、一人のドワーフが現れる」
ミーシュ「ドワーフ? このキャンペーンで初登場?」
エリック「屋根の女性はクリーナかな?」
リーザ「じゃあ、そう言ってみようか」
ミーシュ「下手にクリーナのことを知ってるってことを言わない方がいいかも知れないけど……」
リーザ「どうしようかなぁ。とりあえず、チェムを返せ!」
エリック「それはいい(笑)」
ミーシュ「自分から言わせよう。お前は誰だ!?」
GM「いいねぇ、その言い方。じゃあ答えるよ。『私はクリーナ・フレイ。貴方たちの心をいただきに来ました』」
リーザ「勝手なことを言うな!」
GM「『ふっ……』鼻で笑ってから、『ガンド。ここは貴方に任せます』そう言って、クリーナは去っていく。ガンドと呼ばれたドワーフが深く頷く。『“中指”ガンド、姫を元に戻すためには、この命さえ惜しみませんぞ』」
リーザ「中指!?」
ミーシュ「くぅ。今の一言で、かなり色々と……」
リーザ「とりあえず、シルファは女、と(笑)」
ミーシュ「しかも、姫(笑)」
エリック「それよりも……これでリウスが“指”じゃなくなったね」
ミーシュ「あっ、そっか……」
リーザ「ニィルスレイトとクリーナ、カナルファス……」
ミーシュ「メイムウェインと、このドワーフのガンド?」
エリック「実はクリーナが違ったりして」
ミーシュ「まあ、それは反省で考えよう」
GM「じゃあ戦闘だけど、エリックはどうする?」
エリック「ここはリーザたちに任せて、クリーナを追いかける」
リーザ「なんかかっこいい!」
ミーシュ「頑張れ〜」
GM「にゅ。じゃあ、先に戦闘やるね。これ、エイアンたちのデータ。好きに使って」
エリック「じゃあ、エイアンとヒースをやろう。ヒースは寝てる?」
GM「ディスペルで起きたことにしておこう。レリィの精神点を減らしておいて」
エリック「にゅ」
リーザ「じゃあ、私がムンル」
ミーシュ「私がレリィをやるね」
GM「こんなこと言っちゃなんだが、エイルやテティスとはわけが違うから、今度は自分たちの持ちキャラを大事にしてね。特にミーシュ。ここで死んだら終わりだよ」
ミーシュ「戦えない。早々に戦線を離脱したいよ」
リーザ「それはだめぇ」
GM「じゃあ、始めようか。ちっと図を書くね」
エリック「ああ、そうだGM」
GM「ん?」
エリック「クリーナは俺自ら追いかけるから、ゲマはこっちに残らせて」
GM「了解」

<1ラウンド目>

 配置は図1参照。

fig.1 対ガンド戦戦闘配置図


リーザ「ちなみに、3人の冒険者って、イスカンたちですよね?」
GM「そうだよ。行動順言います。1.敏捷度19のムンル。2.敏捷度18のミーシュとリーザが同時。3.敏捷度18のミラー。4.敏捷度17のヒース。5.敏捷度16のエイアンとレリィ。あと、一応エリックのゲマ。6.同じく敏捷度16のセント。7.敏捷度15のイスカン。8.敏捷度9のガンド」
エリック「ちなみに、ほずぴーもゆかりんも、ドワーフと戦ったことないからわかんないと思うけど、無茶苦茶手強いから気を付けてね。特に、キュアー・ウーンズ使われた日には、シドーがベホマ使うの以上にブルー入るから」
リーザ「りょ、了解」
GM「んじゃ、始めましょう」

 まずムンルのウィスプがガンドに飛ぶが、これが1点しか通らず、ゆかりん驚愕。「マジっすか!?」
 ガンドの残り生命力が20。ムンルの残り精神力が8。

 ミーシュはもはやストーンブラストを使うことも能わず、ウィスプをガンドに放って倒れる。この攻撃が、出目10で意地を見せてガンドに6点通す。
 ガンドの残り生命力が14。ミーシュは気絶。

 リーザはセントに斬りかかり、これが5点通る。セントの残り生命力が11。
 ミラーのバインディングは、GMが9を振ったにも関わらず、ゆかりんの出目が11で抵抗される。ミラーの残り精神力が13。

 雪島嬢の操るヒースは、やはりセントに斬りかかり、4点通って残り7。
 同じく雪島嬢のエイアンはガンドに攻撃するも、GMの出目のよさにあっさり回避される。

 ほずぴーのレリィはガンドにライトニング。これは同時行動のエイアンを巻き込まずに発動。抵抗されるもガンドに6点与えて残り8。
 レリィの精神力が残り8。

 さらに雪島嬢。ここでたたみかけるしかないと判断。ゲマにエネルギー・ボルトを使わせる。しかぁぁぁぁっし!

エリック「げふっ! 1ゾロ!」
ミーシュ「なんていうか……むっちゃ先輩っぽいです」
リーザ「そういうところ大好きです。琴美さん」
エリック「嬉しくねぇ〜〜」

 ゲマ、物陰に隠れ、誰にも気付かれずに魔法を使おうとして失敗。誰にも気付かれずに気絶するのであった……。

 セントはヒースに攻撃。この回避で雪島がこの日20点目を獲得! GMの攻撃が1回回って17点くるも、出目8で対応。10点受けるにとどまる。
 ヒースの残り生命力が11。まだまだ余裕。

 さらにイスカンの攻撃がヒースに直撃。これを4点もらってヒースの残り生命力が7。
 そしてガンド……。

GM「どうしよっかなぁ」
ミーシュ「わくわく」
リーザ「ドキドキ」
GM「ここはやっぱりキュアー・ウーンズか?」
リーザ「マジっすか!?」
エリック「鬼め!」
ミーシュ「でも、全回はしないだろうから、案外そっちの方がいいかもね」
GM「攻撃すれば、次のターンにやられそうな気がする。今目の前にいるのが……」
エリック「にゅ。エイアンだよ」
GM「生命力17か。とりあえず、ミーシュがいないなら……んじゃ、回復しよう。ゾロったら、隣家に届くくらい大声で笑ってね」
エリック「了解」
GM「成功のあと、11とか振った。9点回復〜♪」

<2ラウンド目>

 ムンルのウィスプにGMが3を振り、ガンドは抵抗失敗。3点通して、ガンドの残り生命力が14、ムンルの残り精神力が5になる。
 リーザはイスカンとセントをヒースに任せて、ミラーに斬りかかる。しかし、出目が悪くて2点しか通らない。ミラーの残り生命力8。

 その裏、ミラーがストーンブラストを倍がけでリーザとヒースに。これを二人とも抵抗し、それぞれ2点と4点もらう。
 リーザの残り生命力が5、ヒースの残り生命力が3。

 ヒースの攻撃は打撃ロールの出目が悪く、セントの生命力を3点しか削れない。セントの残り生命力4。
 エイアンはガンドに4点与える。ガンドの残り生命力が10になる。

 レリィはイスカンとセントの方に走る。ガンドに気を取られ過ぎて、向こうが相当やばいことに気が付いたらしい。
 残り生命力が3のヒース。自らの命を奪わんとする二本の凶刃を回避。雪島曰く、「奇跡のロール」

 そしてガンドは、再びキュアー・ウーンズ。とりあえずレリィとムンルの精神力がなくなるのを待つ持久戦に出る。
 再び11とかいう凄まじい出目で、残り生命力19。ほとんど全回する。

<3ラウンド目>

 ムンルがウィスプをガンドに。これがとうとう出目が腐り、弾かれる。ムンルの残り精神力2。
 リーザはミラーに強打。この防御ロールでGMが3を振り、ミラー沈黙。生命力-2は、生死判定で生と出る。

 ヒースはセントに斬りかかるが、弾き返される。
 エイアンの攻撃はガンドに3点与えて、ガンドの残り生命力が16になる。全然減らない。

 レリィ、ミラーが倒れたのを見て、迷う。迷った末、行動を遅らせることに。
 セントとイスカンの攻撃を、ヒースは再び両方とも回避する。雪島曰く、「幸福のロール」

 ガンド初めての攻撃は、出目に救われ3点にとどまる。攻撃を受けたエイアン、残り生命力14。
 ヒースが回避したのを見て、レリィは再びガンドの方へ。この2ラウンド分は痛い。

<4ラウンド目>

 ムンルは最後の精神点でデストラクションをガンド。もちろん、ドワーフにそんなものが効くはずもなく、ムンルは残り精神力0になって倒れる。
 リーザはセントを攻撃するも、呆気なく回避される。しかし、その次のヒースの攻撃にセントが沈黙。生死判定は擦り抜ける。

 エイアンはガンドに攻撃。攻撃ロールで6ゾロったあと、打撃がクリット。21点与えるも、その防御でGMが6ゾロ。15点防いで残り生命力10。
 雪島曰く、「さすがは“中指”と呼ばれるだけはある……」単に出目が良かっただけだけど、なんか熾烈な争いをした気分。

 出目が良くなってきた。次のレリィのエネルギー・ボルトが6ゾロって、ガンドに4点通す。ガンドの残り生命力6。
 次のイスカンの攻撃に、とうとうヒースが回避に失敗。生命力-3で倒れる。生死判定は成功する。

 ガンドは当然、キュアー・ウーンズ。慎重な男は7点回復して残り生命力13に戻す。
 しかし、そろそろ次辺りやられそう……。

<5ラウンド目>

 リーザ。半ば死を覚悟してイスカンに攻撃。4という出目にも負けるとも劣らないGMの出目3!
 ここぞとばかりに頑張った打撃ロールが出目3で、そのあとの防御ロール6ゾロに敢えなく0点与える。

 エイアンはガンドに斬りかかる。この攻撃が4点通して残り9。その次のレリィのエネルギー・ボルトは1点しか与えられず、残り8。
 イスカンの攻撃は、なんとかリーザは回避し、ガンドはキュアー・ウーンズ。再び16に。

<6ラウンド目>

 「当たれぇぇぇぇ!」気合いのリーザの攻撃に、イスカンは回避失敗。さらに前回の鬱憤と言わんばかりの打撃ロールは1クリの17点。
 イスカンはこの防御で4を振り、12点もらって残り生命力0。一撃で轟沈。

 エイアンの攻撃は、ガンドがフレーベのごとき硬さを見せて0点にとどまる。
 レリィのエネルギー・ボルトはガンドに4点与え、ガンドの残り生命力が12に、レリィの残り精神力が2になる。

 そしてガンドは、エイアンに強打。エイアンは出目に救われ、2点しかもらわない。
 残り生命力12。

<7ラウンド目>

 リーザはガンドに走る。
 そして、エイアンの攻撃。

エリック「エイアン攻撃は……4とか振っちゃった。10」
GM「いいよ。回避が5しかないから。出目5」
エリック「ありがとう。じゃあ、攻撃は……6とか振った。いやん」
ミーシュ「いやん、だって」
リーザ「琴美さん、可愛い♪」
エリック「13点」
GM「にゅ……。(ころころ)がふぁっ!」
エリック「ん? やっちまった?」
ミーシュ「ゾロった? ゾロった?」
GM「……ゾロった」
エリック「やったね。ブイブイ♪」
ミーシュ「先輩、可愛い〜」
エリック「にゅ〜」
GM「じゃあ、ガンドは倒れ間際、『このガンド、お前たちの手にかかるくらいなら、自ら死を選ぼうぞ! クリーナ殿。姫を頼むぞ!』と言って、死ぬ。グサッ!」
リーザ「ひぇ〜〜」
エリック「とにかく……勝ったぞ」
ミーシュ「壮絶な戦いだったね」
GM「過去最高に面白かった」
リーザ「燃えました。すごく」
GM「よしっ。じゃあ、ラスト。エリックの方やるぞ」
エリック「にゅ」

◆ クリーナ・フレイ ◆

GM「あっ、面白いこと考えた!」
エリック「何なに?」
ミーシュ「いきなりどうしたにゅ?」
GM「いや、別に。予定にないことしようと思って」
エリック「俺もこれまでか(笑)」
GM「じゃあ、君がクリーナを追いかけると、彼女は町外れの教会に入っていく」
エリック「にゅっひゃー。ビューマス信仰か?」
リーザ「ビューマス?」
エリック「にゅ。第7話参照」
GM「っていうか、そんなGMも忘れてたような神様、よく覚えてんね?」
ミーシュ「先輩、すごい」
エリック「遊びに関してはね。勉強は全然ダメだよ。さすがに水原君みたいに、センター試験本番で、日本史29点、偏差値32.4とかはとらないけど」
GM「でも名工大受かったぞ。君は滑った」
エリック「だって、英語が……英語が平均割って……。しくしく」
リーザ「しかし、偏差値32.4なんて、見たことないです」
ミーシュ「本番っていうのが渋いよね」
GM「ちなみに、過去最低だ」
リーザ「ひょっとして先輩って、バカ?」
エリック「いやいや。この人、日本史とってなかったから。本番、理系だけの偏差値だと65.1もある」
リーザ「ほへ〜〜」
ミーシュ「日本史の倍以上ある。偏差値が……」
GM「脱線した。(エリックに)どうする?」
エリック「教会のドアを聞き耳……14」
GM「静かなもんだ」
エリック「じゃあ、そぅっと押し開けよう」
GM「ギギギギギギギギギギッ!」
エリック「うわわっ!」
ミーシュ「(笑)」
エリック「どう? 大丈夫だった?」
GM「さぁ」
エリック「とりあえず、中を覗き込む」
GM「小さな教会だ。な〜んもないが、真ん中に魔法陣が描かれてて、赤く光ってる」
エリック「十分あるじゃん。行こう」
GM「じゃあ、シーフ+知力で振って」
エリック「高いよ。15」
GM「じゃあ、入り口の壁の裏に気配」
エリック「こっちから言おう。クリーナか?」
GM「じゃあ、出てくる。背中まで伸ばした栗色の髪の毛。美人っていうより、可愛い感じの顔立ちだけど、今は冷たい笑みが貼り付いている。少し高めの綺麗な声で言うよ。『あなたは誰?』」
エリック「俺はエリック、人間・男、24歳。クリーナ、お前と話がしたい」
ミーシュ「笑っていいのかな?」
リーザ「笑いたい……」
GM「訝しげにエリックを見て聞く。『あなたは、以前から私を知っているの?』」
エリック「どう答えようかなぁ。イェルザムのことは言うべきか……」
リーザ「イェルザム?」
ミーシュ「第2話に出てきた男。クリーナの配下」
リーザ「ああ、なるほどね」
エリック「とりあえず、やめておこう。俺はこの事件……というのは、オランだけじゃなくて、全国で起きている誘拐事件に関与する冒険者だ。レイドで俺の兄の婚約者の心を奪われてな。それを取り戻したい」
GM「『だからか……』」
エリック「何がだ?」
GM「いや、心の件。オランでは誘拐事件っていうだけで、心がどうのっていう事件にはなってないからね」
エリック「そういうことね」
GM「『ひょっとして、イェルザムを殺したのはあなたですか?』」
エリック「隠してもしょうがないか。そうだ……」
GM「クリーナは無表情で君を見つめている。可愛いぞ〜♪」
エリック「ドキドキ。でも、フォース1発撃たれるだけで死ねる自信があるから、緊張緊張」
GM「やがてクリーナは一度深く瞬きをしてから聞く。『……それで、話って?』」
エリック「お前たちの目的を聞かせて欲しい。俺にはどうしてもお前たちが敵には思えない。シルファとかいう姫が一体どういう病状なのか、心を集めることで、どうしてシルファが治るのか、誰がそれをメラクリウスに吹き込んだのか。そして、それ以外に治す手段はないのか。心をとられた者は元に戻らないのか。それが聞きたい」
GM「いっぱいあるなぁ。欲ばり過ぎ」
エリック「聞かせろ!」
GM「じゃあ、クリーナは無表情のまま答える。『シルファ王女を治すには若い娘たちの心が必要なのです。彼女を治すために、私たちは心を集めている……。だから、敵に思えないのは貴方の錯覚です。これ以上首を突っ込むと……殺しますよ?』」
エリック「あんまり教える気、なしか。じゃあ、深い溜め息を吐いて言う。クリーナ。“アノスの女神”とまで呼ばれていた優しい君は、どこへ行ってしまったんだ?」
GM「そう来たか。クリーナの目が一瞬見開かれて、それから君から視線を逸らす」
エリック「続ける。君のことも、だいぶ調べさせてもらった。アノスであったことも……。気持ちは……いや、わからないかもしれない。でも、君が辛い思いをしたのはわかる。なあ、もうやめないか? 君を辛い目に遭わせたヤツらはみんな死んだ。それ以上、何をしようと言うんだ?」
GM「初めてクリーナの表情が崩れる。今にも泣きそうな顔で叫ぶ。『わからないなら口出ししないで! 私は……私は……』」
エリック「クリーナ……。あっ、なんかまた身体が言うことを聞かない。クリーナを抱きしめよう」
ミーシュ「うわ〜〜っ! エルメスに言いつけてやる」
エリック「いないいない(笑)」
ミーシュ「い、いなければいいのか……?」
リーザ「ほへ〜〜。エリック、やるぅ」
GM「『は、放せ!』言葉だけ」
エリック「もうやめろ、クリーナ。こんなことをしても、誰も喜ばない。シルファを助ける方法は、きっと他にもあるはずだ。メラクリウスは誰かに操られてるんだろ?」
GM「『そ、そんなことはない! 私は……私はバレーツィンに自分の居場所を見つけたんだ! だから……だから、お前は間違っている!』君を突き飛ばす」
エリック「やめろ、クリーナ。シルファを助けたい気持ちはいいんだ。俺はただ、その方法が間違っていると言いたいんだ!」
GM「『うるさいっ! お前は知りすぎている。ここで……殺す!』クリーナは両手を突き出し、君に魔法を使おうとする」
エリック「フォースか? フォース・イクスプロージョンだったりして」
GM「いや、驚け。彼女が叫んだ魔法名は、『ウーンズ!』」
エリック「何っ!?」
ミーシュ「ダークプリースト!?」
リーザ「クリーナって、ファリスの神官じゃなかったの?」
エリック「深いなぁ。深いぞ、このシナリオ。とりあえず抵抗ロールね?」
GM「いや、叫んだけれど、魔法が発動しない。クリーナが驚いて自分の手を見る。『ど、どうして……?』ガクガクと震える。魔法が使えないってのに、苦い思い出があるらしい(笑)」
エリック「……クリーナ。君が昔の君に戻ってくれるなら、俺は君に協力しよう」
GM「クリーナはむっちゃ悲しそうな顔で君を見てから、ブンブンと首を振って魔法陣の中に入る。『エリックとか言ったな! お前は……お前は私が殺す!』そして、ふっと彼女の身体がかき消えて、涙がキラッと光って落ちる」
エリック「転送装置?」
GM「そうだね」
エリック「行ってみよう」
GM「もう光ってない。ただの魔法陣の絵が地面に描かれているだけだ」
エリック「……クリーナ……」
ミーシュ「にゅぅ。助けてあげたいね」
リーザ「助けよう」
エリック「そうだな……」
GM「にゅ。じゃあ、今回はここまでです」
ミーシュ「にゅ?」
エリック「次回に続く!?」
GM「そういうこと〜♪」
リーザ「ふぁ〜。なんかかっこいい」
ミーシュ「2週間以上待った甲斐があったにゅ」
GM「じゃあ、反省いきますよっと」

◆ 反省 ◆

水原(GM)「経験点は、誰も死ななかったから、特別に全員1,300点。それにガンドのレベルが5で、1,350点。リーザはさらに1ゾロ1回分を、エリックは2回分足してね」
雪島(エリック)「じゃあ、1,370点」
ゆかりん(リーザ)「1,360点」
ほずぴー(ミーシュ)「1,350点」
水原「さてと……。どうだった?」
ほずぴー「むっちゃおもろかった」
ゆかりん「面白かったです。もうやめられません、TRPG」
雪島「はまってきた人たち。くくく……」
水原「今回は大体シナリオ通りかな? 最後の戦闘と、クリーナがアドリブ」
ほずぴー「戦闘?」
水原「ガンドは計画になかった。で、本当はレベル6だったんだけど、1つ下げた。そのまま出せば良かったかな?」
雪島「十分手強かったよ」
ほずぴー「白熱した」
ゆかりん「出目がいまいちだったです」
雪島「私は、攻撃ロールとか回避ロールの出目は良かったくせに、その後の打撃ロールが悪くてイライラ」
ほずぴー「しかし、今回は色んな情報が出たね」
ゆかりん「そういえば、最後にクリーナが言っていたバレーツィンって?」
水原「オリジナルの国名。シルファはそこの王女で、メラクリウスが王様」
雪島「だね。あとは、クリーナがダークプリーストになってたのと、リウスが指じゃなかったってことか……」
ほずぴー「それはまだわかんないよ。クリーナやニィルスレイトが指じゃない可能性も残ってる」
雪島「確かにね」
ゆかりん「ニィルスレイトが出てきませんね、全然」
雪島「一番謎な人だ。でも、エルメスの命の恩人」
ほずぴー「エルメスか……。プレイしたいにゅ」
雪島「予定は?」
水原「う〜ん。第10話までこっちをやってから、第11話から第15話までをエルメス編にする予定だったけど、先に第11話をやってもいいよ」
ほずぴー「なんか、先輩のエリック見てたら、むっちゃエルメスを演じたい気分になった」
水原「じゃあ、考えておくよ。ホルウェンも出たいだろうし」
ゆかりん「はい」
水原「他、話とかまとめなくていい?」
雪島「やる。確認始め〜〜」
ほずぴー「バレーツィンの王女シルファが病気にかかった。それを治すために若い娘の心が必要だと、何かで知った王メラクリウスが、心集めを部下に指示」
ゆかりん「その内の、メイムウェイン、クリーナ、ガンドは素直に従って、カナルファスは人を殺すことでシルファを治そうとした」
雪島「方法は幾つかあると考えられる。メラクリウスは誰かに操られていて、きっとそいつが心を欲しがっている……待て」
ほずぴー「ん?」
雪島「繋がった。例の『彼は石にあらず。かの者に失われし物を与え、武器を取らせよ。さすれば闇は切り裂かれ、必ずや新しき時代は訪れん』の“失われし物”が心で、それを目的としているのがムオー教団か?」
ほずぴー「見えてきたね」
ゆかりん「なるほど!」
雪島「じゃあ、心を集めてもシルファは治らない。それを彼らに伝えたいなぁ。どうするか……」
水原「それはまた次回のシナリオで。転送ゲートから、彼らの居場所に近付くようにするから」
雪島「なるほど」
ほずぴー「じゃあ、とにかくなるべく彼らを敵に回さないようにしないと」
ゆかりん「でも、相手は人間嫌いの集団」
雪島「どうしてクリーナがそんな国に……」
ほずぴー「謎が多いね」
ゆかりん「楽しくなってきました」
水原「じゃあ、今日はこんなもんで」
ほずぴー「お疲れだにゅ〜」
ゆかりん「お疲れさまでした」
雪島「お疲れ〜〜」
水原「お疲れさん」

  *  *  *

雪島「恒例のエリックのダイス目。今回は平均7.17。極めて期待値に近いです」

セッション23456789101112合計平均期待値との差
第6回『水檻』1回0回2回2回5回2回3回2回6回2回3回28回8+1.00
第7回『狂気』0回2回2回2回4回1回2回1回3回0回0回17回6.47-0.53
第8回『改変』2回1回3回3回7回4回10回7回2回2回1回42回7.17+0.17
合計3回3回7回7回16回7回15回10回11回4回4回87回7.47+0.47


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