エリックとエルメス 雑談


◆ 雑談を交わしてみる ◆

 正方形のテーブルを囲むようにして、水原渉、雪島琴美、水原ほずえ、岸川由佳里の4人が座っている。
 テーブルの上には開かれたポテチとテープレコーダー。一見TRPGのセッションでもやるかのように見えるが……。

水原「にゅい。じゃあ、始めるからテープポチって」
雪島「もう動いてるよ」
由佳里「ポチる……。TRPG用語ですか?」
水原「そうそう」
雪島「嘘だよ。んで、今日はついに第9話?」
ほずえ「っていうか、できるの?」
水原「できない」
雪島「ダメじゃん」
水原「前回、第8話『改変』をやってから、俺がシナリオを思い付かないまま3ヶ月以上の時が流れてしまった」
ほずえ「さらさら」
水原「…………」
由佳里「…………」
雪島「今の、何?」
ほずえ「いや、時の流れる音……」
雪島「…………」
水原「で、だ」
由佳里「はい!」
ほずえ「しくしく」
水原「GMがどんなシナリオだったか全然覚えてないから……」
雪島「ダメじゃん」
水原「今日はみんなで思い出そうと。ちなみに、みんなはどれくらい覚えてる?」
ほずえ「エルメスが……誰だっけ? 忘れた。男の子とどっか行っちゃった」
由佳里「それなりに覚えてます。リーザやってました。あと、ホルウェン」
雪島「すごいねぇ。私、全然覚えてないよ。エリックって誰だっけ?」
水原「おいおい」
雪島「ああ、エルメスの旦那さん!」
ほずえ「違うし」
由佳里「あっ、ほずえの突っ込みが」
雪島「くすん」
水原「というわけで、第1話からみんなで見直しながら、思い出そうというわけです」
由佳里「らじゃりました」
ほずえ「らじゃったのだ」
雪島「ぶらじゃったのら」


◆ 第1話『二人』 ◆

由佳里「私、当分出番ないです」
ほずえ「ちょっと待って! 『発端』の私がすごく可愛い♪」
雪島「…………」
水原「…………」
由佳里「今日のほずえ、なんか変」
ほずえ「そんな日もあるよ……」
雪島「確かに、初心者って感じだよね」
水原「まさかこんなにはまるとは」
ほずえ「げに良きものは、私がすれどもいと楽し……」
由佳里「…………」
水原「……っていうか、お前、誰?」
ほずえ「じょ、冗談だよ」
雪島「ほずえちゃんは、死んでしまったのね……しくりん」
ほずえ「い、生きてるよ。僕はま〜だ生きてるよ、まだ生きてるよ♪」
水原「今日は実に珍しく、ほずえが壊れてるってことで」
由佳里「貴重なテープになりましたね、これ」
ほずえ「くくく。今晩こっそりと破壊してやる」
雪島「その前に私が食べてやる」
水原「おお、よく言った。食えよ、雪島」
雪島「うっ……」
由佳里「子供の喧嘩かい、先輩方」
ほずえ「はぁ。これだからお子様は」
水原「やっぱりこいつほずえじゃない! 偽物だ」
雪島「ほずえちゃんを返して」
ほずえ「くくくっ」
由佳里「なんか、笑い方が琴美さんみたい」
雪島「し、心外な!」
水原「はぁ。ほずえを壊したのは雪島琴美、と」
雪島「ち、違う。私じゃない」
ほずえ「実は私、先輩に壊されたんです……」
由佳里「ああ、なんて可哀想なほずえ」
水原「よしよし」
ほずえ「えへへ」
雪島「あっ、戻った」
水原「それはともかく、第1話だけど……」
ほずえ「とにかく読み直すにゅ。なんか、エルフの女の子が出てきた記憶しかない」
雪島「そんな記憶すらない」
由佳里「なんでもしっかりとメモを取る琴美さんらしくない」
水原「……とりあえず読んだ」
雪島「にゅ」
ほずえ「エルメスだ〜♪」
水原「イムランの森って森に住むフレミンっていうエルフの女の子が、イルウィンっていう男と恋に落ちて、一緒に逃げるお手伝いをしたんだな?」
雪島「……って、あんたが考えたシナリオじゃんか」
水原「いや、懐かしすぎて」
ほずえ「まあ、とりあえず本編とは関係ないシナリオだね」
水原「まずはほずえにTRPGを知ってもらおうと思って作ったシナリオだから」

◆ 第2話『兄弟』 ◆

水原「雑談はせんぞ〜」
由佳里「はい」
雪島「りょーかい」
ほずえ「ちっ」
水原「ちって何だー!」
ほずえ「別に」
雪島「なんだか、不良娘」
水原「今夜こっそりおしおきしなくては」
由佳里「な、何するんですか?」
水原「ひみちゅ」
雪島「ちゅ、言うな!」
ほずえ「雑談しないんじゃなかったの?」
雪島「あんたのせいだよ」
水原「ヨード卵」
由佳里「??」
雪島「水原ワールドが炸裂した」
水原「わかんなかった?」
由佳里「あいにく」
雪島「とりあえずわかった」
ほずえ「にゅい」
由佳里「今のにゅいはどっちなの?」
ほずえ「にゅ」
雪島「同じじゃん」
水原「とりあえず、エリックがエルメスと二人で、レイドに住もうと考えたんだな?」
雪島「そうそう」
ほずえ「で、レイドで誘拐事件が起きてた」
雪島「被害者が、兄の婚約者のミンフと、メラード、ユル」
由佳里「アジトを突き止めたら、イェルザムっていう男が出てきて戦闘に」
水原「ふむ」
雪島「で、イェルザムが死に際に言った台詞が、『すいません、クリーナ様。私が死んでも、どうか……どうかシルファ様をお助けください……』」
ほずえ「もうシルファもクリーナも大体わかったけど、とりあえず現段階では不明。シルファに至っては、性別もわかんない」
水原「クリーナもね」
雪島「クリーナは後でシドランから、『アノスの女神』の話を聞かされてる」
水原「ああそうか」
ほずえ「う〜ん。ラストがラブラブ。どうして別れちゃったんだろう……」
水原「その秘密は、確か第4話くらいに」
雪島「(苦笑)」
由佳里「とりあえず、シルファとクリーナだけを手がかりに、ミンフたちの心を取り戻すために旅立った、と」
水原「そうですな」

◆ 第3話『計略』 ◆

雪島「メイムウェインが出てきた話だ」
ほずえ「それだけはしっかりと覚えてる」
水原「よほど嫌いなんだね?」
雪島「あれを好きになる人はいないよ」
由佳里「なんか、序盤で私が定義付けされてる」
雪島「怪しすぎ(笑)」
ほずえ「変な会話」
水原「じゃあ、シナリオを見ていこう」
雪島「……読めば読むほど腹立ってきた」
由佳里「こいつ、嫌い」
ほずえ「っていうか、死ね」
水原「わわっ! みんなのアイドルほずえちゃんは、そういう言葉を使っちゃダメだよ!」
ほずえ「何だなんだ?」
雪島「とりあえず、メイムウェインが人間の心を欲しがってることを知る。これが、イェルザムの行動とまったく同じだった」
ほずえ「ああ、このお兄ちゃんの迫真の演技見たかったなぁ」
由佳里「いや、私は見たくないけど」
雪島「っていうか、ものすごく怖かったんだけど」
水原「気のせいだよ」
雪島「とても痛いらしい」
ほずえ「痛いんだ……」
由佳里「わかんない痛みだ」
雪島「ちなみに、読み進めていくと、あなたたちの会話がすごく怖いんだけど」
ほずえ「プレイ中は気にならなかったけど、改めて見てみると、私すごく品のないこと言ってるね」
由佳里「まあ、ほずえに限らないけど」
水原「心外な」
雪島「あなたが一番卑猥なのよ!」
水原「しくしく」
ほずえ「とりあえず、ニィルスレイトに救われる」
雪島「シルファを知ってるようだったね。『誤解してもらっては困るが……。私にとって、お前も周りにいる豚どもも、所詮は薄汚い人間にすぎない。私がお前を助ける理由もなければ、お前に話すこともない』」
ほずえ「メイムウェインのやり方が気に入らないみたいだった」
由佳里「っていうか、あれが気に入る人って……」
雪島「シルファは様付け。まあ、姫様だからね。クリーナは殿付け」
ほずえ「それから、メイムウェインとニィルスレイトの会話。どうやらニィルスレイトはメラクリウスのやり方が気に入らないらしい」
由佳里「メラクリウスは、シルファの父親でしたね?」
水原「そうそう。第8話で明らかになる」
雪島「だいぶ思い出してきたぞ」
由佳里「しかし、反省でほずえがTRPGの厳しさを教えられてるのが、妙にいい」
ほずえ「まだ若かったんだよ」
雪島「プレイヤーも成長しないとね」

◆ 第4話『確執』 ◆

ほずえ「この頃のペースが懐かしい」
水原「シナリオが本格化して、なかなか思うようにできなくなってきたんだよ」
雪島「この回は闇市シナリオにして、とうとうラブラブだった二人の間に溝が」
由佳里「っていうか、『入れ歯が飛び出る』って……」
水原「その時はつまんなかったけど、今見ると面白いな。バカで」
ほずえ「そうだにゅ。バカで」
雪島「いいから忘れてくれ」
水原「とりあえず読もう」
ほずえ「あっ、媚薬登場」
雪島「そうそう。思い出した。私、媚薬使ったんだ」
ほずえ「完全に忘れてたにゅ」
由佳里「ほずえさっき、『どうして別れちゃったんだろう』とか言ってたもんね」
ほずえ「じわじわと思い出してきた」
雪島「んで、それからムーンドリアにロダの実を……」
ほずえ「ふ〜む。この辺のエルメスの怒り方を、今こうして冷静に見直してみると、まだまだエリックと仲直りする余地がありそうだね」
雪島「第5話次第」
ほずえ「ああ、そうだね。私も全然覚えてないから」
水原「同じく」
由佳里「この人たち……」
雪島「最後はちゃんと仲直りしてるね」
ほずえ「これで一安心」
水原「って、あんたら次に別れてるじゃん!」
雪島「一体何があったんだろう」
ほずえ「ドキドキ」
水原「うむ。気になるなぁ」
由佳里「何で……? 何で自分たちで作った物語なのに、この人たちは、今それを楽しみにしながら読んでるの?」
ほずえ「気にしちゃダメだよ、由佳里」
由佳里「うぅ……」
雪島「さぁ、続き続き♪」

◆ 第5話『離別』 ◆

雪島「ああ、なんか読む前にちょっと思い出した」
ほずえ「にゅ?」
水原「どんなだっけ?」
雪島「確か媚薬がバレて、エルメスが謝りにこようとしたときに、ミーシュと抱き合ってた気がする」
ほずえ「ああ、そういえばそうだったかも」
水原「答えはこの中に!」
由佳里「だから、先輩が書いたんじゃん……」
水原「気にしちゃダメだよ、由佳里ちゃん」
ほずえ「そうそう。ここはこのノリが支配する空間なんだから」
雪島「いや、そんなことないけどね。私はいたって普通だよ」
由佳里「琴美さんが普通だったら、私は……異常ですか?」
雪島「……ぐすっ」
水原「くくく」
雪島「『彼は石にあらず。かの者に失われし物を与え、武器を取らせよ。さすれば闇は切り裂かれ、必ずや新しき時代は訪れん』」
ほずえ「そんな言葉もあったね」
水原「すっかり忘れてた。で、彼って誰?」
雪島「…………」
ほずえ「…………」
由佳里「…………」
水原「えっと……ま、まあ、頑張って思い出すよ。ははは」
雪島「ダメだこの人」
ほずえ「しくしく」
雪島「とりあえずプレイ読む〜」
由佳里「なにか、キスしてますけど、マジですか?」
ほずえ「マジです。この人、私の唇を……」
雪島「にはは」
水原「あっ、にはは笑いでごまかしやがった」
由佳里「変な人たち」
水原「ここではこれが普通らしい」
由佳里「なるほど」
雪島「しかし、読めば読むほどGMが下手」
水原「言うな……」
ほずえ「うにゅ〜。私は別に良かったけど」
雪島「長いこと水原君とはTRPGやってたからねぇ。かなり滅茶苦茶なのがわかる」
水原「反省してます」
雪島「そして破局を迎える二人……。美しい……」
ほずえ「美しくない。でも、やっぱり冷静に考えれば、なんとかなりそう。月日は人の心を穏やかにするにゅ」
水原「だといいね」
雪島「私はミーシュに連れられて、フェアリーの村に行く。んで、ダークエルフに村が襲われたことと、何かを奪われたことを知る」
ほずえ「私の方は……すごいね、私って」
由佳里「突然どうしたの?」
ほずえ「いや、『傷心』の章読んでたら、私ってばひょっとしてすごい? って感じぃに……」
雪島「なんか、ギャルっぽい」
水原「やっぱりほずえじゃない」
ほずえ「とりあえず、歯の浮く少年参上」
水原「っていうか、シロッコって誰? とか思っちゃった(爆)」
雪島「ジュピトリスに乗ってた人」
水原「ああ、なんかわずかな記憶が……」
ほずえ「とりあえず今読み返して思ったけど、距離をおいて見つめ直そうっていうだけで、心が完全に離れちゃったわけじゃなかったんだね。すっかり忘れてたよ」
雪島「まだ何とかなるな」
水原「っていうか、『エリックとエルメス』なんだから、何とかしてくれ」
ほずえ「別れさせたのはお兄ちゃんだよ」
水原「そういう話もある」
由佳里「あはは」
雪島「で、私も旅立ち〜っていうか、生命力に57点がさりげに面白い」
水原「ちなみに読み返して思ったけど、エリックの方は、エルメスのこと絶望的なんだけど」
雪島「キャンペーンが終わるまで無理そう」
ほずえ「大丈夫なの?」
水原「まあ、その辺は……これから考えます」
由佳里「怪しすぎ……」

◆ 第6話『水檻』 ◆

雪島「新プレイヤー、ほずぴー登場」
ほずえ「っていうか、私わたし」
由佳里「ほずぴー」
水原「ほずぴー」
ほずえ「……ぐすっ」
水原「しかし、最初の方を読んでて思ったんだけど、ミーシュは妖精界に帰りたいんだよね」
ほずえ「そうらしい(爆)」
雪島「探してあげるべき?」
水原「ミーシュのことを思うなら」
ほずえ「プレイヤー発言だけど、エリックって、戦闘してないとカッコいいよね」
雪島「名言だよ、それ」
水原「雪島が真っ向から戦うタイプじゃない?」
雪島「そんなことはない」
水原「それにしてもこの回、君暴走してるね」
雪島「むかついたんだよ。人間は感情で生きてるんだ」
由佳里「そ、そうですか?」
雪島「さぁ」
ほずえ「説得力がないにゅ」
水原「とりあえずこの回は、ミーシュの様子見だから、特にないね」
雪島「私のダイス目記録があるけど、そういえば第8回はどうしたんだろう」
水原「そいえば、HTMLファイルに載せるの忘れてた。.jtdファイルには記録が残してあるから、後で直しておくよ」
雪島「にゅい」

◆ 第7話『狂気』 ◆

雪島「この回から、いよいよ本格的に物語が見え始めたんだよね」
由佳里「私、まだ出てきてないです」
ほずえ「しょうがないよ」
由佳里「しくしく」
水原「ああ、とうとう由佳里ちゃんまで『しくしく』と泣くように……」
雪島「いいことだ」
ほずえ「そうかなぁ」
雪島「最初で最後のカナルファスとメイムウェインが登場」
由佳里「結局カナルファスは何をしてたんでしたっけ?」
ほずえ「とりあえず、メラクリウスの命令……かどうかはわかんないけど、シルファ王女を助けるために動いてたのは間違いない」
雪島「でも、その方法が“心”じゃなかったから謎。色んな方法があるのかな? ニィルスレイトもそんなようなこと言ってたし」
由佳里「反省でまとめてますね」
水原「毎回反省でまとめてるよ」
雪島「そういえば読み飛ばしちゃった。クリーナのことが書いてあったね」
ほずえ「アノスの女神。フィレニアム修道院の女の子。お兄ちゃんに犯された」
由佳里「可哀想に」
水原「違う……俺じゃない……」

◆ 番外編1『外界』 ◆

由佳里「初登場です!」
雪島「おめでとー」
ほずえ「この回、私は1回休み」
水原「とりあえず、俺の一番の問題は、こっち側の話をまったく覚えてないことだな」
由佳里「そんなぁ! 私の初めてのセッションだったのに」
水原「悪い悪い」
雪島「小説読んだ〜。そうそう。“魔鏡”を取り戻そうと……」
由佳里「そうそう。汚名挽回」
ほずえ「いや、だから汚名を挽回しても……」
由佳里「冗談だよ、ほずえ」
ほずえ「うじゅ〜」
雪島「なんだか、とりあえず生理痛で苦しんでる、私」
水原「それはもう、君のキャラ個性の一つだよ」
由佳里「そんなにひどいんですか?」
雪島「きっと女に生まれたのは間違いなんだよ」
ほずえ「なるほど」
水原「俺は、君が女の子で良かったけどね」
由佳里「どうしてですか?」
水原「Hできるからさ」
雪島「…………」
ほずえ「…………」
由佳里「…………」
水原「まあ、それはともかく、ドラフとホルウェンは捕まった」
由佳里「町の偉い人、モンテローザの娘、アンナさんが、ムオー教団の教祖、ブロンズについていってしまった」
雪島「で、ブロンズを倒し、アンミラを助ける使命を課せられた」
由佳里「だから、アンミラって」
ほずえ「にゅ? 制服が可愛い、パイの店だよ」
由佳里「……えっ?」
雪島「そうそう」
由佳里「ああ、そうだったんですか」
水原「っていうか、なんでほずえが知ってんの?」
ほずえ「色々あったんだよ」
雪島「やたら気になる台詞だ」
水原「同感」
ほずえ「くくく」
水原「お前は雪島琴美か!」
ほずえ「違う! 先輩と一緒にしないで!」
水原「ああ、ほずえほずえ。お兄ちゃんが悪かったよ。雪島なんかと一緒にしてしまって」
ほずえ「ひどいよお兄ちゃん。私、もう死ぬしかないかと」
雪島「っていうか、あんたらなぁ!」
由佳里「あはは。相変わらず面白い人たち」
雪島「とりあえずムオー教団。今回、かなり重要になると思われる」
ほずえ「リプレイに詳しく書いてあるから、そっちを読んでおこう」
水原「うむ。そうしてくれ。そして俺も完全に忘れてしまったから読まなくては」
由佳里「せんぱ〜い……」
ほずえ「それにしても、ドラフいいよね〜。エリックもこうだったら喧嘩しないで済んだのに」
由佳里「っていうか、琴美さんすごいです。よくここまで演じ方を変えられますね」
雪島「にゅい。キャラが勝手に動いてくれるから」
水原「個性派だからね〜」
雪島「リウスがブロパを知ってた」
由佳里「だからブロパって……」
ほずえ「女の子の制服が可愛いレストランだよ」
由佳里「ああ、そんなんだ……」
雪島「…………」
水原「…………」
ほずえ「何?」
水原「いや、別に」
雪島「で、とりあえずリウスがブロパを知っていた。リウスの目的がよくわかんないなぁ。とりあえずシルファを助けようとしているらしいけど」
ほずえ「う〜ん。心は関係ない」
由佳里「っていうか、だからメラクリウスはだまされてて、心はマルショシアスを復活させるために必要なんじゃないかって、第8話で」
水原「じゃあ、そのまま第8話に持ち越そう」

◆ 第8話『改変』 ◆

水原「第8話。何度読み返しても最高傑作」
雪島「最後のクリーナのアドリブがちょっと弱いけどね」
水原「言うな」
由佳里「ここでもう一度意見を統合しますか? 私としては、第8話の『反省』を読めばそれでいい気もしますけど」
雪島「じゃあ、私がまとめる。対談形式じゃなくて、ざっと私たちの考えをまとめよう」

 ということで、琴美メモ。全部憶測だから、水原君の考えるシナリオ通りかはわかんないけど、一応今の私たちの考えはこんなところ。
 人間嫌いの人が集まるバレーツィンという国があって、メラクリウスはその国の王様。ある日、メラクリウスの娘であるシルファ王女が病気で倒れてしまった。メラクリウスはどこかで彼女を治すためには若い娘の“心”が必要であると知って、自分の配下である五指を筆頭に、シルファを助けるべく動き始める。
 けれど、シルファが倒れたのは、メラクリウスに“心”が必要であると教えた者の仕業で、それは恐らくムオー教団。“心”を集めてもシルファは治らないということを、メラクリウスに教えなくてはいけない。
 ちなみにムオー教団の目的は、武力の神マルショシアスの復活。憶測に過ぎないけれど、ミーシュの村からフェアリー・ストーンを強奪したのも、ホルウェンの村から魔鏡を盗んだのも、恐らくは教団の仕業。
 いつか出てきた、『彼は石にあらず。かの者に失われし物を与え、武器を取らせよ。さすれば闇は切り裂かれ、必ずや新しき時代は訪れん』の“彼”がマルショシアスで、“失われし物”が心であると考えられる。
 なお、メラクリウスの五指は、人差し指がカナルファス。中指がガンド。薬指がメイムウェイン。他の2本は、リウス、ニィルスレイト、クリーナの内の2人だと思われるけれど、今のところリウスが違う可能性が一番高い。彼だけまだ、バレーツィンと関係ない可能性が残っている。
 彼らは皆、それぞれの方法でシルファを助けようとしていた。クリーナとガンド、メイムウェインは“心”を集めることで、カナルファスは人々を惑わし、殺すことで。
 カナルファスのやり方と、“心”を集めるとの関連性がいまいちつかめないのだが、果たしてGMはちゃんと考えてるかどうか……。
 ニィルスレイトは別のやり方を思案していた。まだ思い付いていないのか、それともすでに行動に移しているかはわからない。
 そしてリウスだけれど、さすがに今さらシルファと無縁とは思えないわけで、彼女のために動いているとして、いち早くムオー教団の動きを察知し、彼らのことを調べていた模様。エルメスとパーティーを組んだのが言葉通りの理由なのかどうかは不明。シルファのために動いているなら、彼も人間嫌いのバレーツィンの国民であるはずだから、自分から積極的に人と触れ合おうとは考えないはずだから。

雪島「まあこんなもん」
由佳里「ご苦労様です」
ほずえ「にゅい。じゃあ、本来はエルメスはリウスは警戒すべきなのかな?」
水原「いや、そうでもないんじゃないかな? だって、エリックはミンフのことがあるから、この事件を追及、解決する必要があるけど、エルメスにはその必要がないから」
雪島「まあ、もしもメイムウェインやニィルスレイトとの接点が出てきたら、気にかけてくれると嬉しい」
ほずえ「っていうか、メイムウェインが出てきたら、頑張って殺します!」
由佳里「(笑)」
水原「そこまで嫌ってもらえれば、悪者キャラにした価値があるよ」
雪島「じゃあ、とりあえずこれくらいにしましょう」
由佳里「はい」
ほずえ「にゅい」
水原「んじゃ、なんとか頑張って第9話の構想を立てます。せっかくだから、完結させようね」
雪島「そうだね」
由佳里「頑張って下さい」


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