■ サンジミニャーノ

 いよいよ旅行も後半戦。この日と翌日はこれまでとは違い、のんびりした行程になる。
 この日も8時半出発だったかな。のんびりするのはホテルではなく、観光地の自由時間を増やしてほしいが、大人の事情もあるようで難しいところ。
 昨日スーパーで買ったテーピングテープを巻く。手で切れないタイプだったから、持って行ったハサミが役に立った。
 こんな感じ。シエナの観光の終わり頃に撮った写真なのでだいぶ汚れている。親指の付け根にティッシュが入れてあり、ふかふかクッションになっている。


 何人かに心配されたが、大袈裟に見えるがただのカメラの補助だと笑って説明した。
 本当は割とリアルに痛かったが、同情を誘ってもしょうがない。
 さて、この日は前半はサンジミニャーノ。写真のタイムスタンプを見たら、11時20分くらいに到着しているので、3時間近く?
 いや、渋滞した記憶はないので、9時出発だったかもしれない。それでも2時間半のドライブ。
 車窓の写真はほとんどないので、ずっと『ひとりぼっちの地球侵略』を読んでいたと思われる。あまり覚えていない。
 サンジミニャーノは画像検索すると、塔がにょきにょき生えた、遠くから見た街の写真がたくさん出てくるが、残念ながらそういう写真は車窓からは撮れなかった。
 いつも通り、最初はツアーで街の中心部まで行く。この日は昼飯時間も含めて、2時間半の長い自由時間が与えられるので、写真は無理しない。


 この写真のさらに奥、ドゥオモの広場で解散。
 サンマリノ同様、添乗員さんが要塞跡まで案内するとのことで、ツアーのみんなはそれについて行った。
 自分は要塞跡にすごく興味があったからこそ、一緒には行かなかった。人の少ない時に写真を撮りたい。
 あまり地図を気にせず、ぶらぶらと歩く。街は観光客でいっぱい。


 もっとも、メインストリートから外れれば閑散としている。
 相変わらずの快晴。かなり暑かったと思うが、写真に残っていない情報は、これを書いている8月現在、だいぶ記憶が薄れてきている。
 ああ、バスを降りた時に、この旅行のそれまでのあらゆるシーンより暑かったのを思い出してきた。


 街に入ったのと反対側の門に到着。
 そのまま外に出て、見下ろした風景。


 しばらく眺めを楽しんでから街に戻る。時間に余裕があるのは良いことだ。
 ぶらぶらと裏道から要塞に向かう。治安とかはまったく問題ないが、念のためバッグにだけは常に手を添えて歩いていた。これはサンジミニャーノに限らず。
 要塞は広場になっていて、スクリーンなどが設置されていた。夏はイベントとかやるのだろう。
 見晴らし台?へ上がる階段はこんな感じ。すれ違えない程度には狭くて急。


 街側の景色。
 写真中央やや右寄りに、かつて塔だった建物がちらほら見える。
 老朽化して危なくなった塔は取り壊される。もっとも、残っている搭はすべてが大丈夫だったというわけではなく、中には取り壊す費用がなくてそのままにしてあったおかげで残り、現在の技術で保存してあるケースもあるらしい。


 さて、街に戻り、ツアーのみんなと解散したドゥオモの広場へ。
 ちなみにドゥオモは有料で、結局入らなかった。好きなのだけれど、すでに大聖堂の類はこのツアー内でも何度も見ているし、同じようなものを見てもなぁと。
 もちろん、詳しい人に言わせたら全然違うのかもしれないが、そこまでの造詣はない。
 隣の塔に登る。こちらも有料だが、塔には登る。
 写真は階段の途中。高いところは怖いので本当にダメ。何も考えずに登って行く。こういう写真も下を見ずに撮っている。


 てっぺんでち!
 特徴的な2本の塔も下に見える。


 塔を降り、併設の小さな博物館(美術館?)を見てから外へ。
 事前に添乗員さんから見晴らしが良いと言われていた場所から景色を見たり、行きにスルーした広場を散策したり。
 13時過ぎ、そろそろ何か食べねばと、生ハムとワインの店に入ってみた。


 この店、オススメなので、自分みたいなスタイルで食事をしたい人は、行ってみると良い。
 カウンターの様子。
 色んな種類のハムとチーズ。入口にはたくさんのワイン。


 メニュー表がまったく読めないので、無難に一番上に書いてあったプロシュートのパニーノと、トスカーナの白ワインを注文する。
 サンジミニャーノはイノシシのサラミも有名なのだが、たぶんいわゆる普通のプロシュートだと思う。
 目の前で肉をスライスして挟んでくれる。ワインもたっぷり注いでくれて、合わせてたったの5.5ユーロ。


 表のテーブルに座って食べる。
 ものすごい直射日光で、遮るものもなく、死にそうになりながらワインを飲んでいると、隣の店からおじさんが出てきて、「ここはうちの店のテーブルだ」と怒られた。
 なんてことだ。トレイでもらったが、一体どこで食べるのが正解だったのだろう。
 ワインを飲みほして、パニーノを持って歩きながら食べることにする。
 ぶらぶらしていると集合時間が近付いてきた。
 事前に添乗員さんが言っていた、ピーチというパスタをお土産に買う。写真右側。


 ちなみに、これを書いている8月4日現在、まだ食べていない。
 左のパスタは整体の先生にプレゼントしたが、すでに家族で食べて、美味しかったという感想をいただいた。
 そんなこんなで、このツアーで最も長い自由時間が終了。そろそろ駐車場に戻らないと間に合わないので街を出る。
 振り返った門。


 行きは少し迷いそうかなと思った道も、迷うことなく駐車場に到着。
 良い街だったが、十分満喫したので、次はまあ当分いいかな。
 やはりこれくらい自由時間があると楽しめる。