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■ 帰国
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最終日も快晴。そのままローマの市街観光をしたい気分だが、仕方ない。
この日は出発が7時と早いので、昨夜もらったホテルが用意したパンを腹に詰め込む。
ホテルから空港までは、観光で使っていたバスとは違うバス。観光でずっと一緒だった運転手さんとは昨日でお別れだったが、水を買った以外に絡むことはなかった。
ということで、ローマ空港。
添乗員さんがチェックインしてくれるが、ミラノから成田は通路側が取れなかったとのこと。
正確には、システムが発券しか対応しておらず、希望がまったく受け付けられなかった。夫婦でバラバラになった人たちも多数。
もっとも、本当にシステムのせいか、受付の人がめんどくさがったのかはわからない。
ローマ発は10時20分なので、空港に到着してから3時間近くあった。
本旅行初マック。
ミラノは予定では4時間あったが、到着の遅れもあって少し待ち時間が短くなった。
もちろん、ローマで待つか、機内で待つか、ミラノで待つかの差でしかないが。
空港をぶらぶらしてからピザを食べる。空港ですら、大きくて安くて美味い。
みんなで集まって、出国ゲートをくぐる。
中でさらに待ち時間。
ここで添乗員さんが座席の交渉をしてくれるのだが、結局自分は窓側のままだった。
ただし、隣の席が空いたので、他の人が入って来なければ隣が空いた状態になる。それは嬉しい。
そうそう。ローマからずっと、待ち時間は『陽炎、抜錨します!』を読んでいた。2冊未読だったが、空港や帰りの機内で読破。
帰りの飛行機。初めての雨だが、空港で良かった。
やがて、飛行機へ。
座席だが、同じツアーに一人で参加していたご婦人が通路側に座っていたのだが、「あら、窓側羨ましいわ」みたいなことをおっしゃったので、喜んで交代させてもらう。
奇跡だ。
しかも隣もおらず、行きに引き続き、とても快適に過ごすことができた。
まあ、快適と言っても、相変わらず飛行機では寝られないし、体中痛いし、「いつもよりはましな状況」というくらいでしかないが。
成田に到着。
もうすでにみんなとはバラバラである。今回の旅行でも、特に親しくなるような人はいなかった。
スーツケースを受け取ってゲートを出ると、すぐにバス乗り場があった。高いのか安いのか、速いのか遅いのかまったくわからないが、もう駅まで歩くのも面倒だったのでバスに乗り込む。
意外と満席の上、乗客は中国人ばかり。何故か家族でバラバラで座っていたりして、でかいお父さんと自分が相席するなど。
日本の常識がまったく通用しない。ここ、日本なのに。
東京に到着。スーツケースのまま金券ショップで新幹線のチケットを買い、ラーメンを食べる。
スーツケースは送るという手もあったのだが、荷物が後日届くのもなぁと思ってやめた。邪魔でしょうがない。ちょっと後悔。
ちなみに、イタリアから日本に戻って思ったのは、「水中みたい」という感想。やはり湿度が違う。
名古屋はさらにひどかった。元々湿度90%とか平気で行く場所だ。考えてみたら、湿度90%ってもう水だよな、水。
バスに乗り換えて自宅へ。
成田で何時間も待って飛行機を使うのが楽かは判断が難しいが、バス・新幹線・バスの乗り換えは、思ったよりも大変だった。
ヘトヘトになりながら帰宅。
今回の旅行の総括だが、良かった。
まず体調が良かった。クロアチアの反省から、飛行機の中で寝る努力をしたのが大きいだろう。
それから、天気が良かった。これは本当に、これまでの夏の海外旅行はすべて天気に恵まれている。
飛行機の座席が良かった。行きも帰りも通路側を確保できた上、自分の方から人が出ることのない配置でくつろげた。
ツアー客も良かった。勝手な行動を取る人、体調を崩す人、時間に遅れる人などなく、レストランでワインをシェアできるなど、大変良い人たちと旅行ができた。
意外と自由時間があったのも良かった。元々自由時間は少ないという注意書きまであったツアーだったが、サンマリノにしろサンジミニャーノにしろ、想像より遥かに好き勝手動けた。
後は、添乗員さんが良かった。なかなか難しいと思うが、是非次の旅行でもお願いしたいくらい、そつのない案内だった。
残念だった点としては、ホテルが郊外だったことだが、ホテルが市街地にあったら移動に時間がかかっていたかもしれない。今回のツアーの目的を考えると、大都市はスルーの方針も仕方ない。
それから、各観光地がこれと言って何もなかった。もちろん、これはそういう旅行なので、小さな街の風情は存分に味わえたと思う。
あとは、バスの座席が一人参加の人も含めて固定の日があったこと。公平だし、結果的に一人で座れたから良かったが、知らない人と一日ずっと座らなくてはいけないのは割と苦痛。
今書いた3つは、しいて挙げればというくらいで、アンケートに書いたのはローマのレストランに対する苦情だけ。
総じて楽しい旅だった。