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■ 食事に挑戦!
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いよいよ、メルボルンで初めての、我々だけによる食事である。正直なところ、この時小生は、随分ナーバスになっており、「もうマックでいいよ」とさえ思っていた。と言うのは、非常に不安だったからである。
結局これは最終日まで同じで、毎回新しい店に入る時は同じような状況になっていた。そして同時に、入ってしまえば実に余裕だったことも付しておく。要するに、一発目の度胸が出ないのだ。
Michaelにも背中を押されて、結局は小生が率先して入ることになったのだが、入った店はサウスゲート内(?)にある、LA CAMERAという店。メルボルンには、どことなく大人な雰囲気の漂う飲み屋が多く、日本の居酒屋みたいに、わーっと騒げるところはないかと探した末に行き着いたのがここである。
しばらく他の客が入っていくところを確認した後、入り口のところに立っていると、店員さんがやってきた。そして何かを言った。
まったく聞き取れないので、とにかく我々が3人である旨を伝える。指を3本立てて、
"Three."
完璧じゃないか。その後店員さんは、"inside"か"outside"かを聞いてきた。ここで小生、初めて店内で食べることを"inside"と表現することを知る。
ちなみに、"outside"とは、文字通り外で食べることであって、別に"Take away"のことではない。メルボルンでは、店の外にテーブルがある店が非常に多いのだ。今回はinsideにしたが、2日目の夜はoutsideで食べている。これもまたなかなか良いもの。
さて、無事にテーブルに案内された我々は、とにかくものすごい達成感に満たされていた。そこで、メルボルンで最初のビールを投入することにする。まずは『Victria Bitter』だ。ここから先、後5本のビールが出てくるが、飲んだ6種類の中では、こいつが一番飲みやすかった。
後はパスタ2つと、サラダを1つ頼む。正直、別に美味くなかったが、満たされていた我々には味など関係ない。とにかく、「日本語の通じない海外で、まったく英語が話せない我々が、こうして食事をしている」というのが嬉しいのだ。
そうそう。そう言えば、初めに店員さんが注文を取りに来た時、とっさに"Sorry. Not yet."と出たことで、Michaelに感心された。それまでの音読による勉強の成果だろう。
さて、食べ終わると、次に会計の問題にぶち当たった。よくわからないので、店員さんを捕まえて、
"Can I pay here?"
と尋ねると、店員さんは何かペラペラと言い返してきた。さっぱりわからない。
困っていると、店員さんはしばらく頑張った後、あきらめて、"Wait"だか"OK"だか言って戻っていった。よくわからないが、ここで会計をしてもいいようだ。
やがて勘定書が持ってこられ、我々は金を支払った。こうして、我々の一つの冒険は終わったのである。
店を出てから、Michaelと固く握手を交わした。