『 キノの旅 』 感想




■DVD『キノの旅』

2005/01/03『人の痛みが分かる国』
なんだかとてもいい感じだ。小説は読んだことがなく、雰囲気に惹かれて予備知識なしで見始めたのだが、キノの淡々とした感じがとても良い。時々台詞を復唱するように出す演出は要らないと思うが、まあ何か意味があるのかも知れないから我慢しよう。キノは女の子なんだな。自分は男だから当然その方が萌えるが、こういうのは少年なら少年でもいいと思った。人の痛みが分かる国。視聴者に問題提議をして、キノは何も答えを出さなかったところがまた奥ゆかしい。
2005/01/03『人を喰った話』
面白い! 今回はそれほど難しい話ではない。前回「ちょっと微妙」と言った演出はぐんと少なくなった。指輪を填めてエルメスに「どう?」と聞いてたキノが素晴らしく可愛いかった。なんだかんだ言って、連中を殺したときも填めていたし、きっとすごく気に入っていたのだろう。あと、「怖かった。終わってしまうかと思った」が著しく萌えた。なるほど、こういうのに萌えるためには、女の子である必要があるな。キノは恐怖を感じない子なのかと思った。違った。
2005/01/04『予言の国』
面白いなぁ。なるほど、悲しい国の方から見ると、予言の国に滅ぼされて予言は現実となるわけか。しかし、今回は完全にキノが傍観者だったな。元々キノは視聴者の「目」みたいなものであって、物語を自分の意思で変えようとか作ろうとは思ってないから仕方ないが、『人を食った話』のとき程度には絡んでくれると面白いが。『伝統』はまあ「なるほどね」と思ったくらい。『悲しい国』は、キノには悲しみが沸かなかったのかが少し疑問。人間の精神を超越してる?
2005/01/04『大人の国』
キノが歌っていた歌のメロディーはカノンか? 今回はキノの過去の話だな。なんていうか、よくこういうストーリーを思い付くなぁ。羨ましい。それにしてもすごい手術だ。社会人のくせにどうにも「大人」の言動・発想・我慢ができない自分としては、画期的で素晴らしく思うが、やっぱり必要ないかな。「大人」と「子供」しかいない没個性的な国だ。元々キノは少年でもいいと思っていたが、女の子なキノには果てしなく違和感を覚えた。中性的なのがキノの魅力?
2005/01/04『レールの上の三人の男』
『仕事をしなくてもいい国』はなんだかわかりにくかったな。誰も仕事をしなくても機械が全部やってくれるが、結局富が分配されるときに仕事をした量で決まるなら、やっぱり仕事をしなくちゃいけないんじゃないのか? 仕事をしないと富が分配されないように見えたが。『多数決の国』は随分極端な国だった。別に最後に友人を死刑にしなくても良かったと思う。ただ、レールの3人の男は面白かった。まあ、あれも50年も、というのがちょっと極端ではあったが。
2005/01/04『コロシアム(前編)』
面白くなってきた! しかし、キノって強いんだなぁ。まともに戦っているのは初めて見た。なかなかカッコいいではないか。「嬢ちゃん」は萌えだ。それにしても、キノって何歳なんだろう。大人の国を飛び出したのが12歳で、その後はまったく不明だな。15歳くらいだろうか。その割には胸がぺったんこだが。シズという男が出てきた。どうやら強いようなので、キノは負けてしまうかも。怪我→手当て→裸→萌えの流れだな。このアニメに限っては有り得ないが。
2005/01/04『コロシアム(後編)』
キノが恐らくやると思った行動に出てくれた。このアニメにしては珍しいことだ。シズはラストで不思議そうな顔をしていたし、「彼」と呼んでいたから、キノを少年だと思ったようだ。しかし、王様はすぐに女の子だとわかった。俺にはわかる方が不思議なんだが。あの女の人が殺されてしまったのが残念だったな。それにしてもキノは強いなぁ。一体これまでどんな鍛錬を受けてきたのだろう。その内明らかになるかな。最後の「知らない男の人に〜」の台詞が萌えた。
2005/01/05『魔法使いの国』
旅人さん、旅人さん、旅人さん! ハァハァ。ニーミャ主体で、旅人さんの出番が少なくてとても残念。相馬光子風に、とても残念。元々キノは主体であって主体でないような話ばかりだが、前回の『コロシアム』はかなりキノの登場が多かっただけに、物足りなさを感じずにはいられない。個人的には、「ばーんって」が萌えたな。最後の「でもさぁ、飛ぶもんだね」も、どうでも良さそうでキュート。この、なんとも言えないやる気のなさがキノの魅力だな……魅力か?
2005/01/05『本の国』
おおっ。なかなか奥深くて面白い話だった。若干、じっくり見ないとわからないところがあって、じっくり見てないからわからないが、まあそこは考えるものではなくて、感じ取るものだと解釈しよう。そういえば、ふと思い出したが、昔は物語を現実逃避がてら書いていた気がする。すべてがそうではないが、そういう頃もあった。現実に何も不満のない人は、きっと自分のために物語を書いたりはしないのだろうな。もちろん、他人のためには別だが。おっと、大脱線。
2005/01/05『機械人形の話』
おばあさんが技師で、家族の方が人形だってのは早い段階でわかったが、最後はちょっぴり後味が悪かったな。おばあさんは幸せに逝けたが。キノは冷淡だな。何か抽象的な指示でも与えてやればよかったのに。まあ、キノは自分はあくまで傍観者であって、自分の意思で何かを動かそうとはまったく考えていないから仕方ないが、今回はそれが裏目に出た感じ。ああ、ベッドで気持ちよさそうにしていたキノと、嬉しそうに食事していたキノが萌え……というか、可愛い♪
2005/01/05『彼女の旅』
短編の集合は内容が盛りだくさんな感じがしてイイねぇ。欲望の種か、なるほど。ちなみに俺は他人より多く欲望の種を持っている気がする。あるいは、他の人たちは俺よりも多く持っているが、それを抑制する術もまた持ち合わせているのだろう。しかし、またキノのせいで、あの賢者は最後に苦しんで死ななくてはならなくなった。女の子も殺してあげればよかったのに。今回師匠が登場した。結構優しそうな人だったな。そう言えば、森の中の小さなキノがラブリー。
2005/01/06『平和な国』
ラストが見事だったな。キノがただ平和な国を出て終わっていたら、視聴者の中に彼らのタタタ人に対する残虐さが残るが、弱く哀れなだけの存在だったタタタ人が旅人さんを襲ったことで、悲しみの終点をキノに持って行った。まあ、平和な連中はどうかとは思うし、タタタ人が可哀想なことには違いないが、タタタ人がただの弱者にならなかったことで多少はすっきりした。しかし、最後のキノはちょっと意外。キノは無感情なわけではなくて、ただ強いだけなんだな。
2005/01/06『優しい国』
すげぇ。壮絶なラストだ。一体これを作った人は何を考えているんだろう。キノの旅は終わらないが、『キノの旅』というアニメはひとまずここで終わるというのに、なんでこんなにも後味が悪い話を持ってきたんだろう。必ずしも逆も真だとは言わないが、終わりが悪ければ作品全体が悪くなることもある。あー、残念だ。この話自体は素晴らしいが、ラストに持って来ちゃいけない。とにかく終わり。師匠のこととか、若干残った疑問は原作を読んで解消するとしよう。
2005/01/08追記
ふと思ったのだが、優しい国でもらったパースエイダー『森の人』を、キノは人の痛みが分かる国に入ったときに持っている。要するに、形式上最終話となる『優しい国』は、第1話である『人の痛みが分かる国』よりも前ということだ。もしも時系列に従って見ると、『優しい国』は最終話にはならない。もちろん、だからと言って『優しい国』が最終話であるという事実に変わりはないが、あの後もキノが元気に旅をしていることがわかって、随分救われた思いがする。


■『キノの旅−記憶の国』 ISBN4-8402-2525-7

2005/01/08『記憶の国』
『キノの旅』という作品にアニメから入った自分は、これが初めて読む小説になる。絵本を意識したのか、文体が丁寧語だが、作品の性質を考えると普通の文体の方がいいと思われる。全体的にアニメの雰囲気に近くて、映像が目に浮かぶ感じだ。まあ実際には、アニメが小説の雰囲気に忠実である、というのが正しいのだろうが。ただ、オチは微妙。別に感動系のままでよかったと思う。これならいっそ、キノがその猟奇的な犯罪猥褻映像を見てくれた方が萌えたのだが。


■電撃h、電撃p

2005/01/11『キノの旅第四部・学園編第二話』
なんだか限りなく間違った順番で読み進めている気がするが、気にしない。第一話は知らないが、『学園キノ』の第二話。アニメから入ったから、キノは無感動なイメージがあるのだが、この話に出てくる木乃は、結構アクティブに見える。全体としてそれほど面白くなかったが、部分的に笑った。「食べ物の話以外分からないのに」と、「終点が職員室とは上出来ではないか」「ここが職員室ですって?」が大ウケ。そこは職員室だろう。あー、なんだかラピュタな気分。
2005/01/11『水球木乃&籠球木乃』
先に黒星さんの絵があって、それに時雨沢さんが文をつけたらしい。う〜ん、文章の方は大して面白くない。木乃がエッチな想像をするというシチュエーションには萌えるが、それだけ。時雨沢さんは、確かに『キノの旅』の発想とテーマは面白いが、読ませる文章を書くという点では、著名な人たちより随分落ちる感じがする。まあ、文は練習次第でどうにでもなるが、発想は半ば天性だから、先は決して暗くない。それにしてもスクール水着の木乃は萌えだ。キノぺた。


■ドラマCD『キノの旅』 MNCA-9001

2005/01/12ドラマと『嘘つき達の国』
久川綾さんのキノは、平常時のキノに関してはアニメよりマッチするが、『キノの旅』が持つ殺伐とした部分には合わない感じがする。エルメスはあらゆる点でドラマの方が良い。内容は基本的には小説に沿っているので割愛する。付属の小説だが、これは完成度が高い。これこそ『キノの旅』という感じのする短編だ。最後の男の告白が好きなのだが、こうなるといっそ男も王女も、互いに白状した方が幸せな気もする。まあ、そうすると何かが壊れてしまうのだろうが。


■『キノの旅−とっておきの話』 MWDV-0003

2005/01/13『塔の国』
旅人さん、旅人さん、旅人さん! ああ、これじゃあ、『魔法使いの国』と同じだ。先にアニメを見たせいもあるだろうが、やっぱりキノの声は前田愛さんの方がいいな。やる気なさそうな感じがいい。無表情で銃を突き付けていたキノが萌え。もちろん、その少し前のあくびしてたキノも萌えだ。んー、「萌え」と言っても、何かが屹立する類の萌えではないが。ちなみに、あれだけの塔が崩れ落ちたら、国ごと消滅すると思うのは俺だけ? キノのいた位置はやばそう。
2005/01/13『間違いの多い料理店』
料理店の方、物語のテンポがよい。食べ始めました。食べ終えました。この流れがキノの食いっぷりを何よりもよく表している。最初の、なんか撃ちたくなってるキノも萌えるなあ。すさんだり、食ったり、笑ったり。時々どこにでもいる普通の女の子みたいになる。ああでも、泣きはしないが。今のところ見たことがない。見てみたい。最後に出てきた、文句を言いながら食う人々は、素直ではないだけと考えるのが妥当の予感。やはり味のあるものが食いたいのだろう。


■『キノの旅−ブックカバー』

2005/01/17『はずれ』
ブックカバーについている小冊子。キノがお祭りで射的をやっている。なんかめっちゃ可愛い。狙っているのがぬいぐるみだったらなおさら萌えたが、有り得ないな。オヤジの、「はい外れー。残念だね少年!」がいいなぁ。その子供は少年ではない。ちょっとムキになって反抗してるキノが可愛い。融通が利かないっていうか、頑固っていうか、そういうところがまた魅力的だな。後ろについている公式設定資料はとても役に立つ。が、取り立てて書くような感想はない。


■『キノの旅−何かをするために』 PCBG-50824

2006/11/28『何かをするために』
小説の10巻が出たことで、随分昔に買ってそれっきりになっていた本作品をようやく視聴した。髪が長いキノ萌えだな。可愛い♪ キノの言う通り、なんだか師匠はとても優しく思える。エルメスは疑問視していたが。小説を読む限り、確かに優しいイメージはあまりなかったと思う。結局キノが殺したあの人は、旅人キノの母親だったのだろうか。それはわからないが、毒を盛られてなおあまり苦戦することなく殺した。たまにはキノの苦戦する姿も見てみたいものだが。
2006/11/28『塔の国』
これ、前にも見た! くうぅ。前と言っても2年くらい前だからすっかり忘れていた。いや、見始めたらすぐ気が付いて、内容は覚えていたが。それにしても、あれだけの塔が崩れ落ちたら、あの国ごと御陀仏しそうだが。って、前にも同じことを書いている。2回見たことで新しい感想が生まれるような話でもないし。最後のキノの提案は「それでいいのか?」と思う内容だが、まああの男はそれでいいようなのでよしとするか。それにしてもどこまでも冷淡なキノ萌え。


■個人的なメモリンク



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