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■雑文3 『 ブログについて 』 −2009/08/19−
ものすごく久しぶりに更新するのだが、大したことを書くわけでもなければ、あまり洗練された内容でもないので、まあ流し読みしていただければと思う。それにしても、普通「ものすごく久しぶり」と書いても、せいぜい数ヶ月、長くて1年だと思うが、この雑文の更新は5年ぶり。世の中にはそもそも5年もHPやブログを運営していない人も多く、One of the Starsもすっかり古いサイトの1つになったのだなと思う。まあ、古いだけで、「知る人ぞ知る僻地のサイト」であることに変わりはないが。
そんな僻地のサイトであるからして、このサイトで書く内容など、元々名も無き一個人の感想の上、ほとんど誰にも読まれていない、まったく影響力のないものだと考え、更新自体、管理人のオナニーみたいなものだと考えている。実際、このLaLaDXのページ、実はかなり力を入れ、更新にも時間をかけているのだが、5年もやっていて反応らしい反応は皆無である。ごくごく稀──正確には5年で2回だけ、「昔投稿していたのですが、このサイトを読んで励まされました」みたいな感想を匿名でいただいたことがあるが、基本的には管理者のオナニーの域を出ていないのが実状。
それを自覚しているから、感想もまあ人目を気にせず思ったことをそのまま、いいことも悪いことも書き殴っているのだが、ただできるだけ「公平に」とは思っている。確かに贔屓の作家さんがいるのは事実だが、基本的には「作家さん」と「絵柄」と「物語」は切り分けて、どれかがどれかに引きずられることのないようにしている。絵が好きでも話がつまらなければそう書くし、絵が好みでなくても、話が面白ければ内容だけ絶賛することもある。前の作品が面白くても、次の作品をけなすこともあれば、その逆もある。
ところで、上に書いた3つの中で、絵柄は見ればわかるし、話は読めばわかる。しかし、作家さん自身がどういう人かという情報は、実はほとんどまったく入ってこない。せいぜい「4分の1」と「おたよりください」の数行で、しかも実はこの「4分の1」を、私はほとんど見ていない。話の途中に挿入されているから、そのまま読むと流れを阻害されるし、わざわざ遡って読むほど作家さんに思い入れがない。読まないから思い入れが生まれず、ますます読まない悪循環に陥っている。
ただ、「公平に」と考えた場合、作家さんの情報は入ってこない方がいいのかもしれない。例えばものすごく純粋な学園もので、ましてや主人公が死んでしまうような話に涙ぐんでいる最中に、4分の1におちゃらけたことが書いてあったら、まったくもって幻滅する。作品に罪はないが、作品自体も悪く感じてしまう。作家に言わせれみれば、「自分と作品は別」なのだろうが、読者は作品に作者を投影する。
このギャップはもちろん逆の場合もある。絵柄は合わないし、話は面白くない。しかし、姿勢(ひたむきさとか)が好きだったり、マンガに対する想いに共感したり、あるいは同じ地元民だったり、何かを見たときの感じ方が同じだったり、感性が近かったり──言ってみれば、作家さんに対してある種の恋に落ちてしまうようなことになると、作品も2割増しに良く感じるし、そうでなくても悪いことを書きたくなくなる。万が一作家さんと知り合いにでもなろうものなら、完全に思ったままのことは書けなくなるだろう。
で、ブログの話なのだが、これは本当に意外なことに、思いの外多くの作家さんがブログを書いている。ブログというのは、せいぜい4分の1でくらいしか得られなかった作家さんのリアル(生活とか趣味とか趣向とか文章とか(文章というのは性格が強く反映される))が詰め込まれている。読むとLaLaDXだけでは有り得なかった、作家さんへの共感・感情移入が発生する。好き・嫌いも生じる。
もちろん、4分の1と同様に、読まなければいいという意見もあるだろうが、マンガを目的として購入したLaLaDX上の文章と、ブログという媒体では話が異なる。ネットサーフィン(死語か?)の最中に見かけた、まったく知らない人の文章ですら読むことがあるくらいなので、LaLaDXの作家さんの文章ならとりあえず読んでみようという気になる。この時点では、「○○という作品の作家さんだから」ではなく、むしろその人個人に対する興味の方が強い。そして個人に惹かれると、思考が逆転する。作品→作家の順が、作家→作品の順になる。こうなるともう、公平な感想は書けない。
だから、つまり、何、という話ではない。いや、ここまで長々と書いておいて、結論が何もないというのは読んでくれた人に申し訳なく思うのだが、だからブログが善だとか悪だとか、そういう話ではない。ただ、ある作家さんのブログを見て、なんだかとても一生懸命で、文章からも人の善さが滲み出ていて、曲の趣味も合ったりしたものだから、偶然にもその作家さんは今の時点では私の好きな話しか世に出していないが、もし今後微妙な話が掲載された時、さてどうしたものかな思ったのである。
作家さん自身がこのサイトを見ているわけではないと思うから(たぶん)、別に「つまらん」「わからん」でもいいのだが、やはりどういう形であれ「いいなぁ」と思った人に対してそういうことは言いたくない。作家さんを知らなければ、「作品に対して言っているのだ」と割り切れるが、少しでも作家さんを知るとそうはいかない。映画の感想だって、「二度と見るか!」という映画も、もし知り合いがその制作に携わっていたら感想も見る姿勢も異なるはず。
だから、つまり、何、という話ではないのだが、One of the Starsではこれからもできるだけ公平な感想を書いていきたいと思う。100対1くらいの竜頭蛇尾な文章だが、ご勘弁を。
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