『 S.W.RPGリプレイ 子供たちの冒険1 』

                                プレイ日:2004年1月10日
                                GM+文章:雪島琴美

◆ 体裁についての言い訳 ◆

 めんどくさいのと、容量削減のため、<PRE>テキストになっています。
 読みにくいかも知れませんが、ご容赦ください。
 一応、各行に80%の空行を挟みました(汗)。

◆ キャラクターデータ ◆

 これ。
 こいつは気合入ったTABLEになってます。
 っても、雛型のTABLEを作ったのは水原君だけれども。

◆ キャラクター作り ◆

雪島「みゅ〜」
由佳里「わーい。琴美さんのマスターです!」
ほずえ「わーい」
水原「わーい」
雪島「あんたはいいって」
水原「うぐぅ」
雪島「じゃあまあ、適当に……」
ほずえ「や、やる気ないし……」
雪島「そんなことないよ? 漲ってる」
水原「何が? 性欲?」
雪島「睡眠欲」
水原「だ、だめだ……」
由佳里「キャラはどうやって作るんですか?」
雪島「(完全版を取り出して)ここにルールが書いてある」
由佳里「い、いえ、そうじゃなくて」
水原「だぁめだー」
雪島「ほずえちゃん初めてのエルメスは+8,000点からだったし、由佳里ちゃんのホルウェンは+10,000。たまには0からやろうか」

※昔水原君のGMでやっていたキャンペーンのキャラです。

水原「そうだな。ほずえと由佳里ちゃんにも、レベル1とか2の弱さを」
ほずえ「わかった。ダイスは?」
雪島「んー、みんな人間?」
由佳里「私は人間です」
水原「その台詞、面白いな」
由佳里「そ、そんなこと言われても……」
水原「みんな子供でやろうか」
ほずえ「うわ! なんかまた奇抜なことを言い出した!」
雪島「悪くないね。やったことないし」
由佳里「年齢が低いとどうなるんでしたっけ?」
雪島「うん。完全版300ページ、18.2『冒険者の年齢と能力値変化の指針』を参考のこと」
由佳里「ふむふむ。13〜14歳で5/6ですか〜」
水原「一人くらい15歳がいてもいいかな」
雪島「まあ、この際だから全員その幅でいいんじゃない?」
水原「じゃあ、俺は14歳の男の子をやろう。せっかく俺がプレイヤーだし、みんな(プレイヤーと)同性の方向で」
ほずえ「じゃあ、14歳の女の子♪」
由佳里「長いキャンペーンにはならないんですよね? じゃあ、13歳で」
雪島「ダイスは……ちょっと甘くしようか。2D6を10回振って、その内の8つをA〜Hの好きなところに当てていいよ」
水原「確かに大サービスだな。んじゃ、振るか」
由佳里「振ろう振ろう」

 ってことで、振った結果は以下。括弧書きは破棄した2回の出目。
 水原→10, 9, 8, 6, 6, 5, 4, 4, (2), (2)
 ほずえ→11, 9, 8, 8, 8, 7, 7, 6, (5), (5)
 由佳里→11, 10, 9, 9, 7, 7, 7, 6, (4), (3)

水原「帰っていい?」
雪島「ダメ」
ほずえ「すごい強いキャラになりそう」
雪島「まあ、所詮子供だし」
水原「帰っていい?」
雪島「ダメ。じゃあ、能力値決めてね」
水原「うぐぅ。君らは何やりたい?」
ほずえ「リーダー誰にする? お兄ちゃん?」
水原「俺、パス。君らのどっちかがやりゃ」
ほずえ「じゃあ、由佳里?」
由佳里「ほずえのキャラの方が年上」
ほずえ「自信ないよ」
雪島「エルメス見てる限り、大丈夫そう」
水原「時々暴走する雪島より、遥かに安心だな」
ほずえ「そ、そう? じゃあ、わたしがやろう。エルメスがファイターだったから、シャーマンにしようかな」
由佳里「じゃあ、リーザと同じくファイター」
水原「戦闘要員多い方がいいかな。ソーサラーとシーフ、どっちがいい?」
ほずえ「んー、でも、わたし、(シャーマンが)3まで行かないから、回復がないよ?」
由佳里「じゃあ、私がプリースト取る?」
水原「まあ、好き勝手やるか。シナリオはGMがパーティー構成見て上手く考えてくれるでしょう」
雪島「くくっ」
ほずえ「あ、怪しい……」
水原「このダイス目じゃ、魔法は厳しそうだから今回はシーフやろっと」
由佳里「じゃあ、神官戦士」
水原「ああ、そういえば、生まれって?」
雪島「貴族が良ければ一回振って。それ以外は何でもいいよ」
ほずえ「じゃあ、呪い師」
水原「悪党だな」
雪島「ああ、悪党って感じ」
水原「何がだよ!」
雪島「いや、別に」
由佳里「じゃあ、傭兵で」
雪島「ん。所持金はちょっと後回しにして、とりあえず(キャラクターシートの)武器防具以外を全部埋めちゃって。ああ、5/6の端数は切り上げでいいから」
水原「了解した」
雪島「じゃあ、できたら一応宣言してね〜」
水原「にゅい。名前はジェイク。修正した能力値が15、13、8、13、13、9。シーフ2で、1,000点はストックしておく」
ほずえ「残すの?」
水原「キャンペーンだよね?」
雪島「その予定。数回できたらいいなぁ」
水原「そういうわけだ」
ほずえ「了解。名前はエルで、能力値が14、16、15、12、15、15。シャーマンを2にしたら、経験点が0になった」
雪島「回避がないリーダー」
水原「後ろで応援するリーダー」
ほずえ「うぅ……」
由佳里「最後私ですね。名前はティーユで、修正値が12、15、15、15、17、15。ファイター2、プリースト1です」
ほずえ「えらく(修正前の値に)17が多いね」
由佳里「どうせ15になるし」
ほずえ「大人になったとき、エルとティーユで決定的に差が出るよ」
由佳里「そう言えばほずえは18が多いね」
ほずえ「一応大人になったときのことを考えた」
由佳里「へぇ〜」
雪島「由佳里ちゃん、信仰は? 今回はみんな弱いからチャ・ザがオススメ」
水原「珍しいな。ラックだけのためにチャ・ザ取るの、嫌いなくせに」
雪島「うん。さすがに今回はねぇ……不安いっぱい」
由佳里「じゃあ、チャ・ザにしておきます」
雪島「了解。完全版107ページにチャ・ザについて書いてあるから、ざっと読んで、それっぽく行動してね」
由佳里「わかりました」
雪島「武器防具、その他の道具は適当に持っていいよ。ただし、銀とか魔法の品はなしね」
水原「無難に必要筋力7のショートソードとソフト・レザー」
ほずえ「武器は、(戦闘技能がないけど)一応形だけでも14のブロードソードを持っておくよ。鎧は13のハード・レザー」

 GM注:エルは筋力が12なので、これはミスです。第4回で気が付いたので、第4回以降は12に直してあります。

由佳里「じゃあ、私は……たまにはロングスピアとか持ってみようかな」
雪島「うん。それ基本は両手持ちで、片手で攻撃するときは攻撃力-1ね。打撃力は+5」
由佳里「はい。鎧はスプリント・アーマーで」
雪島「らじゃ。回避に-1、防御力+5で」
由佳里「はーい。そういうのはどこに書いてあるんですか?」
雪島「完全版の285ページから。まあ別に覚えなくてもいいよ」
水原「じゃあ、一応ざっと個性とキャラの背景でも決めよう」
由佳里「明るいキャラにしよう。脳天気、前向き」
ほずえ「リーダーだし、慎重すぎるくらい慎重にしようかな」
水原「じゃあ俺は……」
雪島「みなりんはスケベなシーフね」
水原「なんでやねん!」
雪島「演じやすいでしょ? っていうか、演じる必要もないし」
水原「なんてことみ。人間不信のシーフにするか」
雪島「ふむ。で、この子供たちはなんで冒険者やってるの?」
水原「出身どうしよう」
由佳里「あ、(キャラシに)ベルダインとか書いちゃいました」
水原「じゃあ、全員ベルダインで、なんかあって冒険者にならざるを得なくなった方向で」
ほずえ「じゃあ、孤児」
雪島「シャーマン持ってる孤児院育ちってのも不気味ね」
ほずえ「じゃあ、大震災」
水原「ベルダイン大震災?」
雪島「コリア湾沖地震みたいだ」
水原「そんな大げさなもんじゃなくてもいいが……」
由佳里「みんな旧市街地の住民で……大火事とかあったことにしようか?」
水原「まあ、そんな感じで、とにかく親兄弟逝っちまって、しょうがないってことみ」
雪島「なるほどね。その直後から? それとも、しばらく経ってから?」
ほずえ「冒険らしい冒険はしてないけど、なんとか働いてお金を稼いでることで」
雪島「定職は?」
水原「それは厳しいな」
雪島「ん。大体了解しました。じゃあ、そういうことで始めましょうか」
由佳里「はい♪」
ほずえ「わくわく」

◆ 市場の前の犬騒動 ◆

GM「じゃあ、エルから攻撃して」
エル「だ、誰に!?」
GM「いや、まあそれは冗談として、一体子供3人がどれくらいの強さなのか、戦闘してみたいなぁ」
ジェイク「それは是非、プレイ内で」
GM「そうそう。だから、まず簡単な依頼を受けたことにして……」
ジェイク「どんなん?」
GM「シードラゴン退治とか……」
ジェイク「それ、20秒以内に全滅する自信がある」
ティーユ「強いんですか? っていうか、名前からして強そうだけど」
GM「牙の攻撃が、打撃点19と言ってる」
ジェイク「俺は死ぬ。少なくとも」
ティーユ「私は大丈夫♪ とりあえず一撃目は……」
GM「大丈夫。牙、尻尾、締めの三段攻撃だから」
ティーユ「やっぱり死にます」
GM「じゃあ、旧市街のとある一角で、大型の犬が暴れていて、それをやっつける依頼を受けたことにしよう」
エル「それはすぐ見つかるの?」
GM「うん。依頼主は市場の組合で、市場の前で暴れてるからなんとかして欲しいそうだ。大至急の依頼で、そこには君たちみたいな頼りないガキんちょしかいなかった」
ティーユ「頼りなくないもん!」
ジェイク「まったくだ。失礼な連中め」
エル「しょうがないよ。私たち、子供なんだし」
ティーユ「あ、そうだ。じゃあ望み通りラックは常にかけてる方向でお願いします」
GM「いいよ。じゃあ、市場の前、暴れる犬」
ジェイク「知名度チェック?」
GM「ただの犬だよ。データはウォードッグのを使うけど」
ジェイク「ほう」
ティーユ「どんなんですか?」
ジェイク「ML3だな」
ティーユ「なるほど〜」
GM「じゃあ、犬は君たちを見てうなり声を上げる。がるるるる」
ジェイク「可愛い犬だな」
エル「うん」
GM「可愛くないって。凶暴そうな顔をしてる。がるるるる」
ジェイク「いや、お前のその『がるるるる』が可愛いって話」
GM「そんなこと言われても……」
エル「じゃあ、とりあえずやっつけよう!」

 ということで、実験的戦い。
 1ラウンド目。

GM「こっちは(敏捷度が)16だから、エルから」
エル「じゃあ……火は燃えてる?」
GM「燃えてない。ここは水辺の魚市場」
エル「じゃあ、ウィスプで。出目8は12と言ってウィスプ」
ジェイク「その言い方が、随分慣れてきたプレイヤーって感じだな」
GM「(ころころ)」
ジェイク「うわ! たかがウォードッグにダイス振ってやがる」
GM「GMのささやかな楽しみ。12は抵抗ね」
エル「えー。じゃあ、(ころころ)3とか振っちゃったし。4発」
GM「ん(ML3なので1点受けて残り生命力15)。じゃあジェイクに攻撃は13」
ジェイク「高ぇな。(ころころ)ダメ」
GM「10点。打撃は固定値なんで」
ジェイク「防御は、(ころころ)……」
エル「…………」
ティーユ「…………」
GM「いきなり死なれたら怖いから、そういうの振らないで」
ジェイク「早くも死にそう(1ゾロは貫通の残り生命力3)」
ティーユ「じゃあ、死なれるとシャレにならないから回復させます。(ころころ)成功の6点」
ジェイク「助かる(残り生命力9)。じゃあお返しは、13と言って攻撃」
GM「どうぞ」
ジェイク「3とか振っちゃった。4発」
GM「それはもらわないねぇ」

 2ラウンド目。

GM「市場の人たちがハラハラしながら見てるよ」
エル「うぅ……」
ジェイク「なんて弱いんだ、俺たち」
エル「ウィスプ……(ころころ)はぅ」
ティーユ「終わった……」
GM「もうやめようか、このシナリオ」
ティーユ「えー!」
エル「とりあえず10点もらっておこう」
GM「面倒だから固定値にしよっと。攻撃力10、打撃点10ね。ティーユに」
ティーユ「出目で回避。お返しは11」
GM「回避も固定値で。回避力11」
ティーユ「じゃあ当たりましたね。(ころころ)9発」
GM「うん(残り生命力12)」
ジェイク「斬って11、打撃は7発」
GM「う〜ん。全然減ってかないなぁ(残り生命力11)」
ジェイク「こいつ強いぞ!」
エル「わ、私たちが弱いのよ……」
ティーユ「うぅ。視線が痛い」

 3ラウンド目。

エル「倒れるまでウィスプ。出目5は9」
GM「あー、抵抗値は固定値10ね」
エル「げふぅ。じゃあ……(ころころ)また4とか振っちゃったよぅ。魔力のみ4発」
GM「(残り生命力10)。もうダメだね。逃げたら?」
ジェイク「いや、そういうわけには(笑)」
GM「攻撃はジェイクに」
ジェイク「11振って回避。お返しは(攻撃点の)12は当たって7発」
GM「はぁ……(残り生命力9)」
ジェイク「なんだよ、そのため息は!」
GM「ちっとも減っていかないから。もうダメだよ、逃げなよ」
ティーユ「そ、そういうわけには(笑)。11と言って攻撃は10点」
GM「あー、ちょっと減った(残り生命力5)」

 4ラウンド目。

エル「倒れるまで……本当に倒れそう。(ころころ)3とか振っちゃった」
GM「エルは冒険者より、パン屋さんでアルバイトした方がいいよ」
エル「そ、そういうわけには(笑)」
ティーユ「さっきからそればっか」
エル「8振って6点」
GM「(残り生命力2)。じゃあ、ティーユに攻撃ね」
ティーユ「11は……回避成功」
ジェイク「そろそろとどめかな。10と言って攻撃は……避けられた……」
ティーユ「14と言って攻撃は6点」
GM「えー! 次のラウンドまで行くんだ」
ジェイク「うるさいなぁ」

 5ラウンド目。

エル「もう打ち止め(笑)」
GM「弱い……。じゃあジェイクに」
ジェイク「(ころころ)出目11で回避」
GM「さっきから、回避ロールと攻撃ロールはいいね。打撃ロールが悪すぎ」
ジェイク「今度こそ。(ころころ)当たんねー」
ティーユ「私は当てました。7発です」
GM「まだ残ってるし……(残り生命力1)」

 6ラウンド目以降、ちょっと端折ります。
 犬の攻撃をティーユは回避するも、ジェイクの攻撃もティーユの攻撃も当たらない。

 7ラウンド目、犬の攻撃をジェイクが受けて7点(残り生命力2)。
 ジェイクの攻撃は当たらず、ティーユはジェイクを回復(残り生命力7)。

 8ラウンド目、犬の攻撃をティーユは回避。
 ジェイクの攻撃は当たるも通らず。
 その後、ティーユの攻撃が2点通して、ようやく犬は撃退された。

エル「はぁ〜」
ジェイク「やっと倒したぜ……」
GM「じゃあ、組合の人がお金を渡してくれるよ。『ありがとう……大丈夫かい?』とても心配そう」
ジェイク「あったりまえよ! 俺たちにかかればこんなヤツ!」
エル「1分20秒もかかったけどね……」
ジェイク「それは言いっこなしだって(汗)」
GM「じゃあ、報酬は100ガメルだ」
ティーユ「とりあえず、これで数日分の食事代は出たね」
エル「なんて情けないんだろう……」
GM「まったくだ。君たち、もう冒険者やめた方がいいよ」
ジェイク「ま、待ってくれ〜」
GM「(シナリオに書いてある)このゴブリン・シャーマンとかやめた方がいいかなぁ。思った以上に弱かった」
エル「うぅ……」
ジェイク「出目が悪かっただけだって、うん」
ティーユ「そうそう。大丈夫大丈夫!」
GM「ほんとかなぁ……」

◆ 仕事が受けられない ◆

GM「みんなはどこに住んでるの?」
ジェイク「(エルに)どこ?」
エル「えっと……どこかの空き家を拝借して……」
ティーユ「じゃあ、旧市街のスラムの方のボロボロの家を」
ジェイク「だそうだ」
GM「ふむ。じゃあ、食事代以外はかからないね」
エル「うん」
GM「じゃあ、今の100ガメルと合わせて、所持金は1D6×100ガメルにしよう」
ジェイク「少ねー」
ティーユ「エルが振って。リーダーだし」
エル「は〜い。(ころころ)4と言って400ガメル」
GM「じゃあ、今君たちの所持金は500ガメルね。装備は亡くなった親兄弟が残していた方向で」
ジェイク「ふぅ。とりあえず今日は仕事にありつけたけど、すぐに次の仕事をしないと」
エル「そうだね。冒険者の店に行ってみる?」
ティーユ「でも、エルはもう精神力ないでしょ? また明日にしない?」
エル「さんせー」
ジェイク「ってことで、今日は休むことにしよう」
GM「食事は一人一回5ガメルとして、まあ、一日に約50ガメル減っていくから」
エル「ふえ〜。毎日瀬戸際」
ティーユ「どうしよう」
GM「私は煙突掃除とかオススメ」
ジェイク「俺たちは冒険者だ!」
ティーユ「そうだそうだ」
GM「じゃあせいぜい働いてくださいませ。残り450ガメルね」
ジェイク「嫌なカウントダウン」
エル「行きつけの冒険者の店とかは?」
GM「ないでしょう。どっか適当に入ってください」
エル「じゃあ、入ろう」
GM「店の規模は?」
エル「中規模で」
GM「じゃあ、店は朝から繁盛してる。席はちらほら空いてるね。朝だし、それほど酒臭くもないよ。店のウエイトレスが君たちを見てやってくる。『いらっしゃい』」
ジェイク「食事にしながら仕事を探そう」
ティーユ「どんな仕事があるんですか?」
GM「ベルダインだからね。たっくさんあるよ。ボードに紙が貼ってあって、依頼が金額ごとに分かれている」
エル「へー。高いのだと?」
GM「報酬100,000ガメル。海底に沈んだ神殿探索。高レベルのシャーマンが2人以上いるパーティー求む!」
ジェイク「俺たちには、エル一人しかいないからダメだな」
エル「それ以前にダメだけどね。安いところは?」
GM「安いところは多いよ。家出した息子を連れ戻して欲しい、500ガメル。ザーンまでの護衛、1,000ガメル。土木工事の従業員募集、一日100ガメル」
ティーユ「それもう、全然冒険者じゃないです……」
エル「とりあえずマスターに、何か私たちにもできそうな仕事がないか聞いてみよう。『すいませ〜ん』」
GM「マスターはいかつい顔のおっさんだ。君たちを見て怪訝な顔をするよ。『なんだ?』」
エル「何か私たちにできる仕事はないですか?」
GM「『うちは間に合ってるよ』」
エル「いえ、その、冒険者のお仕事……」
GM「『冒険者? お前らが? その歳で?』」
エル「うぅ……。そうです」
ジェイク「ダメっぽ」
GM「笑い飛ばそう。『ないない。ガキのお遊びとは違うんだ。子供なんかに頼んだら、俺の名がすたる』ああ、冒険者の店では、冒険者を紹介すると仲介金がもらえるのよ。そのことね」
ティーユ「そんなこと言わずに、何かないですか?」
GM「『他を当たってくれ。うちにはガキを欲しがるような依頼はないね』」
エル「うにゅう。困った、どうしよう」
ジェイク「しょうがないから、他を当たるか」
ティーユ「しょうがないね。でも、実際こんなもんかも知れないですね」
ジェイク「恐らく」
エル「しょうがないから、違う冒険者の店に行きます」
GM「結果は一緒だと思うよ? 煙突掃除の方が良くない?」
エル「良くない!(笑)」
ティーユ「次は小規模の冒険者の店に」
ジェイク「案外大規模の方が良くないか? 小規模だと、危ない仕事とか多そう」
ティーユ「そういう仕事しかもらえないかも知れないよ?」
ジェイク「じゃあとりあえず小規模で」
GM「まあ、小規模って言っても、定食屋じゃないからね。それなりに大きいし、仕事もあるよ」
エル「同じことを聞こう。何か仕事はないですか?」
GM「『仕事?』さっきの店の店主よりは随分人のよさそうな顔つきをしてる。『お前ら、見た目以上に強いか?』」
ティーユ「もちろんよ。昨日も暴れてたこーんな大きな犬を退治したわ」
エル「わ、私は見た目通りだと……」
GM「『見た目より強い自信があるなら、遺跡探索チームに入るといいな。あそこなら何人でも人を取ってくれる。ただし、ワイトくらいは倒せないと厳しいぞ?』」
ジェイク「ワイト? (ころころ)出目で8」
エル「知名度チェック? 出目で7」
ティーユ「誰もセージがない……。出目11」
GM「知名度12ね」
ティーユ「ワ、ワイトって?」
GM「店主はあきれ顔。『それじゃあ、ちょっと厳しいな』」
エル「他には何かないですか?」
GM「『厳しいな……』もうないようだね」
エル「うぅ……」
ジェイク「しょうがない。他を当たろう」
GM「そうして、他を当たり続けて、15日が経過しました」
ジェイク「待ってくれ」
ティーユ「困ったね。町をぶらぶらしてても、そうそう犬は暴れてないだろうし」
ジェイク「それはまあ、そうだろうな」
GM「じゃあ、君たちが困ってると、一人の中年の男が近付いてくる。『お前さんたち、簡単な仕事を引き受けんかね?』」
エル「どんな人?」
GM「学者風。緑に染めた髪に、緑の服、全身緑ずくめ。その点は怪しいけど、顔は温和だよ」
ジェイク「まあ、学者なんてこんなものか?」
ティーユ「どんな仕事ですか?」
エル「いいのかなぁ。大丈夫かなぁ」
ティーユ「背に腹は〜」
GM「『うむ。実は、東の森の別荘が、しばらく来ない間にゴブリンどもに乗っ取られてしまってな』」
ティーユ「あー、さっき言ってたゴブリン・シャーマン(笑)」
ジェイク「GM的にはこっちに行って欲しそうだ」
GM「べーつにー。もしダメだったら、次は青ずくめの学者が出てくるだけだよ」
ジェイク「なんだそれ!」
GM「で、どうする? 依頼はゴブリン退治だけど」
エル「今、他に冒険者っていないの?」
GM「いるよ」
エル「なんで私たちなの? 逆に気になる」
GM「『それは、金の都合ってもんだ。任務遂行中の食費は出すが、報酬は300ガメル』つまり、あまりにも安い依頼は、そこそこの冒険者は受けないってことね」
ジェイク「確かに安い……」
ティーユ「リーダー、どうする?」
エル「でも、受けないと他に仕事がないし……」
GM「『じゃあ、やってくれるか!?』素直なプレイヤーたちに、GMも満面の笑み」
ジェイク「なんだそりゃ」
エル「一応、詳細を聞いてから。手に負えない可能性もあるし……その可能性は高いし……」
ティーユ「ゴブリン退治もできない冒険者……」
GM「まあでも、ゴブリンっても、レベルの低いパーティーには十分強い相手だよ。まして数が多くなれば」
エル「今回は?」
GM「ああ、とりあえず依頼主だけど、テディンさん、人間・男・35歳」
ティーユ「セージですか?」
GM「セージはあるねぇ。詳しい技能は秘密」
ジェイク「まあでも、ゴブリン退治を依頼するくらいだから、自身はそんなに強くないんだろう」
ティーユ「ああ、なるほど」
GM「森はここから2日ほど行ったところ。君たちも知ってる。森から別荘までは半日。入り口のドアが開けっ放しになってて、ゴブリンが行き来してるのを見て引き返してきたそうよ」
ジェイク「別荘の見取り図とかある?」
GM「あるよ〜。一応、これで」

 【1F】              【2F】
 ┌──窓──┬─────────┐ ┌───────────────┐
 │     │ 上り階段    │ │      下り階段     │
 │     ├──────┐  │ │  ┌────────────┤
 窓     │      │  │ 窓  ド            │
 │ 部屋B │      │  │ │  │    部屋C     窓
 │     │ 部屋A  │  │ │  │            │
 │     │      │  │ │  ├────────────┤
 │     │      │  │ │  ド            │
 ├──ド──┴───ド──┘  │ 窓  │    部屋D     窓
 │               │ │  │            │
 ├──ド──────ド──┐  │ │  ├────────────┤
 │            │  │ │  ド            │
 │  リビング&     │  │ │  │    部屋E     窓
 窓   ダイニング    ド  │ 窓  │            │
 │            │  │ │  └────────────┤
 │            │  │ │               │
 └──窓──────窓──┴ドア┘ └──窓─────────窓──┘
GM「私は建築士じゃないから、細かいことは気にしないでね」 エル「ドアに罠とかは……」 GM「それはどんな別荘よ(笑)。『ゴブリンどもがかけてない限り、罠はないぞ?』とテディンさん」 エル「そ、そうだよね……あはは」 GM「テディンさん、ちょっと不安そう。まあ、リーダーが14歳の女の子じゃねー」 エル「誰だって初めは子供だよ」 ジェイク「お、今エルがいいこと言った」 ティーユ「そうそう。任せてください!」 GM「じゃあ、任せるよ。頑張ってね〜」 ジェイク「なんか投げ遣りなGMだなぁ」 ◆ 弟を助けて ◆ エル「じゃあ、さっさと森に行こう。何かしたいことある?」 ジェイク「俺……」 エル「俺?」 ジェイク「エルと……」 ティーユ「な、何か不穏なこと言い始めた(汗)」 ジェイク「いや、やっぱり俺(プレイヤー)っぽいプレイをした方がいいかと思って」 エル「わ、私と……どきどき」 ティーユ「エルも乗らない!」 エル「だってぇ」 ジェイク「キスを……」 エル「あ、ちょっと子供っぽいレベルだった」 ジェイク「いいだろ(笑)」 ティーユ「で、それは本当に言うんですか?」 ジェイク「いや、言わないけど」 エル「なーんだー。ちぇっ」 ティーユ「エルはジェイクが好きなの?」 エル「ううん。火事で死んじゃったお兄ちゃんが一番好きで……」 ティーユ「なんでそんなところまでプレイヤーっぽいのよ」 ジェイク「待て。俺は死んでない」 ティーユ「いや、そうじゃなくて。ちなみに私はジェイクに片想い……きゃっ」 ジェイク「何!? そうだったのか……。じゃあティーユでもいいや」 エル「うわ、最低!」 ティーユ「ひどいわ、くすん」 GM「あの、そろそろ進めていい?」 ジェイク「ちょっと待って。取り込み中」 GM「えー!」 ジェイク「しょうがないなぁ。進めさせてやるよ」 GM「ありがとう。そうそう。テディンさんから、家の中のものを盗らないように言われてるから。誤解を招かないよう、不必要に探り回らない。オーケー?」 エル「もちろん。でも私たち、泥棒なんてしないのにね」 ティーユ「もちろん♪ そういう信仰だし」 ジェイク「…………」 エル「その沈黙は何?(汗)」 GM「じゃあ、君たちが宿を出ると、不意に上から……ジェイクは回避して」 ジェイク「嘘っ!? (ころころ)8振って12」 GM「じゃあ避けた。ジェイクのいた場所に、丸めた紙くずが落ちてくる」 ジェイク「それは避けなかんようなものだったのか……?」 エル「まあまあ。飛んできた方向は?」 GM「今出てきた冒険者の店……つまり、宿屋の一室みたいだけど、特定できない」 ティーユ「エル、中に何が書いてあるの?」 エル「(GMに)なんて書いてあるの?」 GM「下位古代語だから、ちょっと……」 エル「ごめん、ティーユ。私、読めない」 GM「嘘。ごめん」 エル「サイテー。私、今信じたよ」 ジェイク「ひどいGMだ」 GM「『弟を助けて』とある」 ジェイク「助けよう」 ティーユ「た、助けようったって……」 エル「テディンさんの息子かな?」 ティーユ「息子さんがいるか聞いてくる?」 ジェイク「それはやめよう。加害者が誰がわからん」 エル「可能性1」 ティーユ「うん」 エル「いや、誰か言ってよ」 ティーユ「えー!」 ジェイク「とりあえず、『弟』はテディンの息子で、別荘の中にいてゴブリンに捕まってる」 エル「それだったら、テディンさんがそう言うでしょう」 ジェイク「なるほど。じゃあ、案2。『弟』はテディンの血縁ではなく、テディンに捕まっている」 ティーユ「血縁である可能性もあるよね」 エル「その3。まったく今回のミッションには関係なくて、キャンペーン第2回で登場」 GM「それはすごい可能性だね」 エル「GMに突っ込まれた……」 ジェイク「今のは面白かった」 GM「だが、あり得ないとも言い切れんな」 ジェイク「DAKARAのCMっぽ」 エル「とりあえず、『弟』は助ける方向で」 ジェイク「いや、俺たちが無事な方向で。大きな事件に巻き込まれたら、20秒ももたないかも」 ティーユ「シードラゴンですか?」 エル「そうだね。じゃあ、そろそろ旅立つ?」 ジェイク「エルと……」 エル「それはわかったから」 ジェイク「やったね☆」 エル「え? え?」 ティーユ「どきどき」 エル「えー! し、しないよ?」 ジェイク「エルとキス♪」 エル「しないってば、しないしない」 GM「進めていい?」 ジェイク「ダメ」 GM「じゃあ、そうこうしながら、君たちは森へ到着します」 ジェイク「嘘っ!?」 GM「2日もかかるから、1回くらい簡単な戦闘を……」 ジェイク「またかよ!」 GM「いや、正直まだ君たちの能力を測りかねてる……。ベルダインを出てから1日経った昼、前方から何か来る」 ティーユ「どんな感じ?」 GM「グレーター・デーモンだね」 エル「そういう冗談はいいから」 GM「ちぇっ。蛇。(知名度チェックをするから)振って」 ジェイク「素で6」 エル「出目7」 ティーユ「10です」 GM「じゃあ、ティーユはわかる。パイソンだね。ML4」 エル「えー! あの犬より強いじゃん」 GM「どうかなぁ。こっち、敏捷度9しかないから、どうぞ」  1ラウンド目。 エル「ウィスプ〜。(ころころ)」 GM「抵抗値11固定ね。ちなみに回避は9、攻撃は12」 エル「じゃあ、成功の……あ、初めて回った」 ジェイク「子供たち、本領発揮?」 ティーユ「ついに実力を見せるときが!」 GM「誰も見てないけどね」 ジェイク「うるさいなぁ」 エル「11発」 GM「結構食らった(残り生命力13)」 ティーユ「じゃあ、攻撃〜」 GM「あれ? ティーユ? 犬と戦ってたとき、先にジェイクじゃなかった?」 ジェイク「気のせいだ(笑)」 GM「打順間違えはアウトだよ」 ジェイク「気付かれなきゃ大丈夫」 ティーユ「13と言って攻撃は6発」 GM「通らないねぇ。魔法じゃないと厳しいかも」 ジェイク「一応ML4ってわけだな。クリ値-1の強打。9と言って攻撃はギリギリ当たって、11が回って」 エル「実力発揮?」 ジェイク「惚れた? さらに10と言って回って、8が回って、8が回って……」 エル「ちょっと惚れてきた(笑)」 ジェイク「さらに12が回って、もう一発12が回って……」 GM「もう死んだ」 ジェイク「最後までやらせろ。これは記録的だ。次の9が回って、7で止まった。41発」 GM「大丈夫。それ、デュラハンでも一撃で倒せる」 ジェイク「見たか! これが俺様の実力だ!」 エル「すごいすごい!」 ティーユ「記録的ですね」 ジェイク「よし、二人ともキスしていいぞ?」 GM「このレベルなら、ゴブリン・シャーマンくらいは平気そうね」 エル「ま、待って。今のはまぐれ」 ティーユ「そうです! 本領発揮したまぐれ」 ジェイク「っていうか、キスは……?」 ◆ 森での出会い ◆ GM「じゃあ森です」 エル「どんな森なんですか?」 GM「鬱蒼とした森。タラントの方に広がってるけど、遥か先に山脈があるからタラントまでは続いていない。比較的太めの道が真っ直ぐ走ってる」 ティーユ「安全なんですか?」 GM「安全とは言い切れないけど、君たちの知識では比較的危険のない森」 ジェイク「別荘の場所は?」 GM「しばらく歩くと道がいくつかに分かれてて、まあ迷うことはないよ」 エル「じゃあ、歩いていこう」 GM「隊列は?」 ジェイク「そういうのを気にするのだね?」 GM「一応」 ティーユ「じゃあ、私が先頭?」 エル「私真ん中ー!」 ジェイク「なんてリーダーだ」 エル「だってぇ」 ジェイク「じゃあ俺は殿で、後ろ向きに歩こう」 GM「大変ね」 ジェイク「冗談だよ」 GM「じゃあ、1回目の危険感知。レンジャーは誰も持ってないから、素で振って」 ジェイク「結構いい。10」 エル「7」 ティーユ「6です」 GM「ふ〜ん。じゃあ、てくてく歩いてってね」 ジェイク「なんなんだよ!」 GM「はい、じゃあ道が二手に分かれたところで、次の危険感知を」 エル「なんだか不吉な予感。(ころころ)7」 ジェイク「同じく」 ティーユ「5です」 GM「じゃあ、どんどん別荘の方に向かって歩いていくと……」 ジェイク「危険感知はなんなんだよ!」 エル「なんだか、すごくすごく嫌な予感がする」 ティーユ「いきなり何か襲ってきそう。大群で」 GM「あー、いい勘してるね」 ティーユ「ええーっ!」 GM「知名度」 ティーユ「7です」 GM「じゃあいいよ。グリズリーだね。ML3。こいつが3体。牙、爪、爪の3回攻撃」 ジェイク「死ぬって」 GM「挟み撃ちだ!」 エル「嬉しそう……」  1ラウンド目。 GM「エル、ティーユ、熊、熊、熊、ジェイクね」 ジェイク「なんか戦闘の多いシナリオだなぁ」 エル「ウィスプ〜」 ジェイク「シェイドにしろ」 エル「ああ、そうか。じゃあAに、9と言ってシェイド」 GM「それは抵抗ね」 エル「じゃあ、6発」 ティーユ「Bに13と言って攻撃は8発」 GM「1点しか通らないねぇ」 ジェイク「死ぬって」 エル「なんか、逃げる方法とか考えた方が……」 GM「とりあえずBがティーユに、Cがジェイクに攻撃するから回避して。前から10、11、11」 ティーユ「2回受けました」 ジェイク「真ん中の1回」 GM「打撃点は12、11、11」 ティーユ「7点受けました。残り10」 ジェイク「6点減らして5点もらい。残り8」 GM「じゃあ、ジェイクのターン」 ジェイク「つーか、戦っても負けるぞ? ここは死んだ振りで……」 GM「みんなで?」 ジェイク「少なくとも俺は……。ほら、エルもティーユも!」 ティーユ「ほんとにー!?」 エル「しょうがない。ばたっ!」 GM「攻撃受けてないエルが倒れるのは不自然だね」 エル「そんなこと言われても……」  2ラウンド目。 GM「2ラウンド目。グリズリーが攻撃しようとすると、奥からエネルギー・ボルトが飛んでくる」 ジェイク「新手か!?」 エル「援軍でしょ?」 ティーユ「でも、こんなところに誰かしら」 GM「見ると、男1人、女1人、グラスランナー1人の3人パーティーだねー。グリズリーは君たちが死んだ振りしてるから、向こうに向かっていく」 エル「援護する?」 ジェイク「いや、死んだ振りをし続けよう。そいつら、若い?」 ティーユ「えー! 気になるのは年齢なんですか?」 ジェイク「もちろん」 GM「リーダーの青年は19歳、女性は21歳。若いよ。ちなみにあんまり強くなくて、グリズリー3体相手に苦戦中」 ジェイク「細かい設定のあるキャラたちなんだな」 エル「助けなきゃ」 ジェイク「じゃあ、1体は受け持とう」  戦闘は省略。  結局エルたちが受け持った1体は、エルのシェイドで気絶させられた。 GM「戦闘が終わると、リーダーの青年が苦笑いでやってくるよ。『大丈夫だったかい?』」 エル「はい。助かりました。ありがとう」 ティーユ「なんで苦笑いなんですか?」 GM「そりゃ、彼らも苦戦したからだね。青年が名乗るよ。『僕はこのパーティーのリーダー、オイス。まだまだ未熟なんだけどね』」 ジェイク「任せろ、未熟さなら負けない」 ティーユ「そうそう。私はティーユです」 エル「リーダーのエルです」 ジェイク「ジェイクだな。俺だな」 GM「そ、その挨拶は何? ちなみに他は、女性がファリン。グラランがメリック。ファリンが聞いてくるよ。『こんなところで何をしていたの? 冒険?』」 エル「えっと、ゴブリン退治です」 GM「『大丈夫なの?』心配そう。別に皮肉めいたところはないよ」 エル「な、何とかします……」 ジェイク「大丈夫。状況に応じて逃げるから」 ティーユ「オイスさんたちはここで何を?」 GM「『僕たちも冒険だよ。この道を右に行った奥に、祭壇があるらしい。詳しいことは話せないけど、その祭壇に向かっているんだ』」 エル「(GMに)私たちもそっちに行くの?」 GM「うんにゃ。君らは左」 エル「じゃあ、せっかく会ったのに、ここでお別れですね」 GM「『出会ったのも何かの縁だ。僕たちはベルダインの<キコーロ・モリゾヌ亭>に泊まってるから』」 ジェイク「なんだそりゃ。それだけ即席って感じ」 GM「うるさいなぁ。『君たちは?』」 ティーユ「どうしよう」 エル「私たちはベルダイン生まれ、ベルダイン育ちなので、宿には泊まってません。旧市街のスラムの方で住んでいます」 GM「オイスはちょっと考えてから言うよ。『そうか。じゃあ、もしよかったら訪ねてきてくれ』」 エル「はい」 GM「じゃあ、彼らは手を振って右へ旅立っていく」 ジェイク「じゃあ、俺たちも行こう」 エル「うん」 ◆ 乗っ取られた別荘 ◆ ジェイク「ちなみに、さっきの戦闘は、1ラウンド目で死んだらどうする気だったんだ?」 GM「どうもしないけど。それまでのことじゃん」 ティーユ「シ、シビアだ……」 GM「実際、君たちみたいな冒険者が、そう簡単に生き残れるはずないのよ? 別荘にはゴブリンしかいなくても、森にはレッサー・ドラゴンとか、フォレスト・ジャイアントとかが出てきても……」 ジェイク「出てこない出てこない」 GM「つまり、それだけ冒険には危険が伴うってことよ。無茶な敵は出さないけど、その辺は私のマスタリングはシビアだからね?」 ティーユ「肝に銘じます……」 GM「じゃあ、そんなこんなで別荘が見えてきました。ああ、精神点は回復してくれていいから」 エル「遠くから様子を見よう。どう?」 GM「ありゃりゃ、乗っ取られちゃってるね〜」 エル「えー!」 ティーユ「そんな一目瞭然なんですか?」 GM「それほどでもないけど」 ジェイク「どっちだよ!」 GM「入り口の扉は開けっ放しになってる。リビングの窓は割られてる。中は見えない」  一応、もう一度載せておきます。
 【1F】              【2F】
 ┌──窓──┬─────────┐ ┌───────────────┐
 │     │ 上り階段    │ │      下り階段     │
 │     ├──────┐  │ │  ┌────────────┤
 窓     │      │  │ 窓  ド            │
 │ 部屋B │      │  │ │  │    部屋C     窓
 │     │ 部屋A  │  │ │  │            │
 │     │      │  │ │  ├────────────┤
 │     │      │  │ │  ド            │
 ├──ド──┴───ド──┘  │ 窓  │    部屋D     窓
 │               │ │  │            │
 ├──ド──────ド──┐  │ │  ├────────────┤
 │            │  │ │  ド            │
 │  リビング&     │  │ │  │    部屋E     窓
 窓   ダイニング    ド  │ 窓  │            │
 │            │  │ │  └────────────┤
 │            │  │ │               │
 └──窓──────窓──┴ドア┘ └──窓─────────窓──┘
ジェイク「2階の窓は?」 GM「ここから見える、南(図の下側)向きの窓は無事」 ティーユ「声とかは聞こえますか?」 GM「いいや」 エル「どうしよう」 ジェイク「ウィンドボイスだな」 エル「ああ、そうかそうか」 ティーユ「魔法、覚えないとね」 エル「じゃあ、使おう。(ころころ)成功ね」 GM「じゃあ、物音とか声とか聞こえるね」 エル「数はわかりますか?」 GM「時間をかければ。まあ、1時間も持続するから大丈夫でしょう。繋がっている箇所だけで、8匹いそう」 エル「繋がってる?」 ジェイク「つまり、締め切られた部屋とかの音は聞こえないってことだな。風が通らないとダメ」 エル「なるほど」 ティーユ「でも、あのドアや窓の感じからして、彼らには『閉める』っていう概念がなさそう」 ジェイク「それは面白い発想だ。敵は8匹と見ていいな」 エル「ところで、私たちって、ゴブリンは知ってるの?」 GM「さすがに知ってるでしょう。知名度5だし。知らなかったら、ゴブリンとホブゴブリン、ゴブリン・シャーマンの3体については、テディンが教えてくれたことでいいよ」 ジェイク「ちなみに、ゴブリンはML2、ホブゴブリンはML3。一気に相手したら負けるぞ?」 ティーユ「こういうとき、ソーサラーがいれば眠らせるんだけどね」 エル「何か魔法ないかなぁ。デストラクション?」 ジェイク「いまいちだなぁ。ゴブリンたちは、リーダーをやっつければ他は逃げていくかな?」 GM「そんなことはないんじゃない? その代わり、いざとなればリーダーを置いて逃げたりもするでしょうね」 エル「とりあえず、大回りに一周回ってみようか」 ジェイク「目で見たものと、さっきのウインドボイスとで、どこに何匹いるか、わかる範囲で教えてくれ」 GM「いいよ」  ということで、ぐるっと回った結果、リビングに4匹、部屋Bに2匹、部屋Dに2匹とわかる。  ちなみに、部屋Bの窓は両方とも割れており、部屋Dの窓も割れていた。 ティーユ「私としては、部屋Cの窓から入って、部屋Dの2匹を倒す。万が一仲間が上に上がってきても、階段の上から攻撃できるから、ちょっと有利そう」 エル「その窓が一番リビングや部屋Bからも遠いもんね。私もそれでいいよ」 ジェイク「う〜む。部屋Eや部屋Cに敵がいない可能性は否定できない」 ティーユ「ああ、そうですね」 エル「ドアを閉める可能性?」 ジェイク「ドアが勝手に閉まるかも知れない。自動ドアじゃなくても、そういうドアってあるじゃんね」  と、色々考えた末、結局「彼らは窓が割られていることからわかる通り、閉鎖空間が苦手で、ドアは閉まっていない」という結論に達した。  つまり、部屋Cと部屋Eにはいないということで、部屋Cの窓から侵入することにする。 GM「で、どうやって入るの? 窓は閉まってるよ?」 ジェイク「割るしか……」 エル「でも、それはすごく大きな音がするよ」 ティーユ「それはまずいね」 ジェイク「そういうときはだな、窓ガラス一面にガムテープを貼って、すこしずつ割ればいい」 エル「ほんとに?」 ジェイク「試したことないけど、なんか大丈夫そうじゃない?」 GM「テープはないけどね」 ジェイク「ゆっくり割っていけば大丈夫だろう。問題はあの高さにどう行くかだな」 GM「レビテーション」 ジェイク「誰も使えねーよ」 GM「はしごを作る」 ティーユ「そんなのんきな……」 エル「近くに樹はないですか?」 GM「いくらでもあるけど、窓に届きそうな枝はないね」 ジェイク「じゃあ、すでに割れているDから入るか。ロープかけて」 エル「それはとても危険だよ!」  さらに考える。  たかがゴブリン退治にこんなに慎重にならなくちゃいけないレベルのパーティーってのも、随分久しぶり。  結局持久戦に。「リビングに多いのは、そこに食い物があるからで、部屋Dのゴブリンたちはいつかいなくなるか、その内寝るだろう」ということ。  まあ、夜まで待つっていうのは常套手段よね。 エル「じゃあ、夜まで待って、ウィンドボイスで寝たかを確認」 GM「んー、じゃあ、2回目(のウィンドボイス)で全部寝たのを確認したことにしよう」 ティーユ「エルー、私も眠いー」 エル「が、頑張って! 私だって……」 ジェイク「寝よう」 エル「ダメ! さっ、行くよ?」 ◆ ゴブリン暗殺計画 ◆ ティーユ「じゃあ、結局入り口から忍び込む?」 ジェイク「そこで俺は考えたんだが、俺一人で行こう」 エル「えー!」 ジェイク「いや、もちろん、すぐ後ろに待機してもらうけど、俺がまず一人で上に行って、暗殺する」 エル「みんなで行けば?」 ジェイク「シーフの方がいい」 ティーユ「ああ、なるほど」 ジェイク「失敗したらすぐに合流。エルたちはリビングの手前で待つ」 エル「う〜ん。なんだか一抹の不安があるけど……(GMに)暗殺って、どうやるの?」 GM「(ジェイクに)どうやるの?」 ジェイク「頭狙いの強打」 ティーユ「おおっ」 エル「確実じゃないんだよね?」 ジェイク「まあな。でも、他が起きるまでに時間もかかるだろうし」 エル「みんなで忍び足は?」 ジェイク「ティーユは金属鎧だし、もし起きられたら全員危険の真っ直中になる」 エル「わかった。じゃあ、気を付けてね」 ジェイク「エル。無事に戻れたら俺と……」 エル「無事に戻ってきてね」 ジェイク「いや、だからね?」 ティーユ「あはは。頑張ってね、ジェイク」 ジェイク「はぁ……。とりあえず忍び足(シーフ+敏捷度)。8と言って12」 GM「大丈夫だよ」 ジェイク「じゃあ、2階に。部屋のドアはどうなってる?」 GM「全部開いてる」 ジェイク「意外だ。ああ、そういえば、夜までの間に、奴らの場所って変わってないよね?」 GM「同じでいいよ」 ジェイク「じゃあ、部屋Dに。いるのは何ゴブリン?」 GM「ただのゴブリン2匹。ぐっすり」 ジェイク「じゃあ、1匹に頭狙いの強打。追加ダメージ+2で」 GM「攻撃は1ゾロ以外は命中ね」 ジェイク「(ころころ)ふぅ。ダメージが……あ、回った」 エル「(笑)」 ティーユ「事はいい方向に進み出した」 ジェイク「11と言って回って、もう一発11」 GM「急に出目が良くなったね」 ジェイク「さらに10。追い込まれて、使われてなかった脳が使われ始めたか? さらに11」 GM「リアルなダメージになってきたね。実際、寝てるゴブリンくらい、即死させて欲しいし」 ジェイク「7で止まった。強打で29発」 GM「声もなく臨終」 ジェイク「くぅぅ。俺のこのカッコいいところを、エルに……」 エル「寝てるゴブリンやっつけただけじゃん」 ティーユ「身も蓋もないよ、それじゃ……」 ジェイク「まったくだ。じゃあ、もう一匹にも同じことみ。攻撃は6ゾロで成功。うぐぅ」 ティーユ「もったいない」 ジェイク「まったく。次の出目は5。7発」 GM「ちょっと待ってね。気絶判定は、(完全版290ページを読みながら)受けたダメージをペナルティーにして?」 ジェイク「ゴブリンの防御点は?」 GM「5」 ジェイク「じゃあ、2点受けるから、生命力抵抗-2が10じゃない?」 ※生命力抵抗の目標値が12ということです(笑)。 GM「なるほど〜。固定値使うから、気絶だね」 ジェイク「じゃあ、さらに同じことを。2発回って15点」 GM「逝きました〜」 ジェイク「じゃあ、エルたちと合流で」 エル「あ、ジェイク。どうだった?」 ジェイク「余裕だよ」 ティーユ「さっすがジェイク! じゃあ、その調子で全部お願いね」 ジェイク「任せろ!」  ってことで、ジェイクはさらに部屋Bでも同じように暗殺を敢行。  2匹とも殺してしまうけれど、このままではつまらないと、2匹目が死んだときに絶叫。  リビングの4匹が起きます。 ジェイク「じゃあ、急いでエルたちと合流だな」 GM「いいよ〜」 ティーユ「やっと戦える。わくわく」 エル「ティーユ、好戦的。私は怖いわ」 ジェイク「大丈夫。初めは優しくするから」 エル「何を言ってるの? ジェイク」 ジェイク「え? いや、なんでもないよ。ははは」 ティーユ「ジェイクは初めは優しくしてくれるんだ……ぽっ」 エル「わー! ティーユが赤くなってる!」 ティーユ「えー! そ、そんなことないもん!」 エル「赤くなってる赤くなってるー!」 ティーユ「違うってばぁ!」 GM「楽しそう」 ジェイク「まったくだ。相手は全部ゴブリン?」 GM「一番初めにゴブリン・シャーマンがいるよって言ったじゃん」 ジェイク「シャーマン1匹、ゴブリン3匹?」 GM「うん。ちなみに、ゴブリンからエルに斬りかかれないし、ジェイクたちもシャーマンには斬りかかれない」 エル「しょうがないね」  対ゴブリン戦、1ラウンド目♪ エル「じゃあ、Aにウィスプ〜♪」 ジェイク「待って。構わんから、拡大してA、B、Cに一発ずつたたき込んで」 エル「拡大?」 GM「完全版69ページ参照」 ジェイク「69……いい響きだ……」 エル「変態さんだ」 ティーユ「いきなりエルが倒れちゃいますよ?」 ジェイク「どうせ2ラウンド目も3ラウンド目もウィスプ使うなら、さっさとぶっ放した方がよくない?」 ティーユ「それはそうかも」 ジェイク「その後暇になるけどね」 エル「いいよ。じゃあ、ウィスプ3つ。なんか、イメージ的にカッコいいよね」 ジェイク「そうだな」  これを、Aは抵抗失敗で6発。残り生命力9。  Bは抵抗成功も、その後のロールが冴えて7発。残り生命力8。  Cは抵抗に失敗したけど、ロールが悪くて5発。2点通って残り生命力10。 エル「うえ〜ん。出目が悪い……」 ジェイク「正直、俺もショック」 ティーユ「じゃあ、Bに攻撃。15は当たって7発」 GM「う〜ん(残り生命力6)」 ジェイク「俺もBに行ける?」 GM「ジェイクもBに行ったら、ゴブリンがエルに行く」 ジェイク「じゃあAに。12と言って攻撃は当たって、次が……クリティー」 エル「おおっ!」 ティーユ「まだ出目がいいままですね!」 ジェイク「惚れそう?」 ティーユ「うん」 エル「別に……」 ティーユ「冷たい……(笑)」 ジェイク「3連続10の後4が出て20発」 GM「逝った。出目に救われたね」 ジェイク「いや、実力」 GM「なんかほざいてる人にストーンブラスト」 ジェイク「待って。死ぬ」 GM「抵抗して」 ジェイク「鬼だ……。(ころころ)11」 GM「12発」 ジェイク「ひでぇ。3しか残ってないぞ? 死ぬぞ? マジで逝くぞ?」 GM「Bはティーユに、Cはジェイクに。回避して」 ジェイク「マジで死ぬぞ?(汗)」 ティーユ「12と言って避け!」 ジェイク「(ころころ)ぐあっ! マジで逝くぞ?」 エル「ジェイク!」 ティーユ「ああ、あああ……」 GM「7発ね」 ジェイク「お前には血も涙もないのか」 GM「シビアでしょ。っていうか、回避で3とか振る方が悪い」 ジェイク「(ころころ)おお! 防御で6ゾロ! 8点軽減でノーダメージ!」 エル「はぁ……助かった」  2ラウンド目。 エル「残しておいてもしょうがないから、Cにスネアで倒れます。(ころころ)8は12」 GM「こてっ」 ティーユ「Bに追加ダメージ+2の強打。当たれぇぇっ! (ころころ)10」 GM「ぎりぎり当たった」 ティーユ「お願いだからいい目、出て! (ころころ)げふぅ。6発」 GM「君の攻撃にはがっかりしたよ(残り生命力5)」 ジェイク「やばい、負けるかも。Cは転んでたよな? 強打、追加+2で13と言って攻撃の後……あ、また回った」 エル「よしっ!」 ジェイク「16発!」 GM「おおっ、やっつけた!」 ジェイク「うしっ!」 GM「そしてそれが、少年ジェイクの最後の攻撃になりました……」 ジェイク「うっそ!」 GM「死なないでね」 ジェイク「死ぬ! 絶対に死ぬ自信がある」 GM「だとしたら、戦略ミスよ。ここで撃たなかったら、あまりにもリアリティに欠ける」 ジェイク「それはまあそうだが」 GM「初めにエルがやったやつ、やります。全員抵抗して」 エル「6は10」 ティーユ「10は14」 ジェイク「その出目くれ。お、でもいいの出た。9は12」 GM「エル抵抗、ティーユは……14か。抵抗ね。ジェイクもギリギリ抵抗」 ジェイク「ふぅ……」 エル「なんだかもう、すごく緊張する戦い」 GM「6発、9発、7発」  これで、エルが残り生命力11、ティーユが10、ジェイクが-2。  生死判定は目標値が9なので、出目5以上でセーフ。 ジェイク「あー、嫌だ。死ぬ」 エル「…………」 ティーユ「替わってあげたい」 エル「彼が死ぬなら私が?」 ティーユ「ラックがあるから」 エル「ああ、なるほど」 ジェイク「替わって」 ティーユ「できるなら」 ジェイク「うりゃあぁぁぁっ! 南無さん! (ころころ)10だっ!」 エル「助かったー……」 ティーユ「あー、汗かいた」 GM「よかったねー」 ジェイク「淡々としてるなぁ。こっちは文字通り生か死かだったのに」  ちなみに、あそこでもう一発ジェイクにストーンブラストをかけるのは、良いマスタリングとは言えません。  ほぼ確実に死ぬからです。  ただし、比較的易しい生死判定をさせるくらいの攻撃は、思い切ってするべきです。  例えばジェイクたちは、先に何が寝てるかをチェックして、部屋Bより先にリビングに入り、シャーマンを暗殺することもできました。  また、ティーユはゴブリンを攻撃に行ったけれど、町で犬と戦っていたときみたいに、ジェイクを回復させることもできたはず。  プレイヤーのあらゆる行動に対して、常に死ぬことのない、リアリティのないマスタリングをしていては、かえって面白みがなくなってしまいます。  3ラウンド目。 ティーユ「起きているのは私一人。どうしよう」 ジェイク「Bを倒すべき」 エル「でも、シャーマンはまだ魔法を使えるんじゃ」 ジェイク「いくつ残ってる?」 GM「知名度チェックってどこまでわかるのかな? まあいいや。初めは15」 ジェイク「じゃあ、ストブラ1発と、ウィスプ3発で、レベルが3だから……」 ティーユ「まだ5も残ってる?」  ここから、プレイヤーは不思議な計算を始める。  Bを倒すためには、攻撃で6以上、打撃で8以上を振る必要がある。  強打なら、攻撃、打撃ともに6以上。 ティーユ「強打で6以上が2回?」 ジェイク「確率は低いぜ?」 ティーユ「1回回復させようか? シャーマンがストーンブラストを使えるのは後1回だし」 ジェイク「よし、じゃあ、今回は回復で」  これが6で成功、その後3が出て4点回復。残り生命力14。  攻撃していたら倒せてなかったと胸を撫で下ろすプレイヤーたち(笑)。  シャーマンはティーユにストーンブラスト。  ティーユはこれを抵抗して5点に食いとどめる。残り生命力9。  ちなみに、どうしてウィスプではなく、ダメージの大きいストーンブラストを使ったかと言うと、前者だと2回使えてしまうからです。  後者1発より、前者2発の方が恐らくダメージが大きくなる計算。  ゴブリンBの攻撃は受けるもノーダメージ。  4ラウンド目。 ティーユ「じゃあ、心おきなくBに強打」 ジェイク「どうでもいいが、通常攻撃でもゴブリンよりシャーマンの方が強いからな。魔法がなくなってもピンチに変わりない」 ティーユ「うぅ……。7が出て、次が……6! やった!」 ジェイク「おおっ。2回連続で6以上が出たな」 エル「でも、勝負はここからだよ」 GM「その通りです。ティーユが負けたら全滅ね」 ティーユ「うぅ……」  4ラウンド目の裏、ティーユは攻撃を受けるも、防御で6ゾロってノーダメージ。ティーユ、残り9。  5ラウンド目、ティーユの攻撃が3点通る。シャーマン、残り9。  裏、シャーマンの攻撃は回避。  6ラウンド目、ティーユの攻撃は外れ、その裏に2点受けて、ティーユ、残り7。  7ラウンド目、ティーユの攻撃はクリティカルして18発。これでシャーマンを片付ける。 ティーユ「勝った……」 ジェイク「また壮絶な戦いだった。雪島って、モンスターの配置が上手いな」 GM「いや、正直こんなに苦戦するとは思ってなかった。ちょっと強かったかも」 ジェイク「まあ、こっちも無謀だったと思う部分が多々あるから、なんとも言えんが」 ティーユ「じゃあ、とりあえずジェイクを回復させます」 GM「了解」 ◆ 『弟』はどこに? ◆ GM「さて、こっからはちょっと慎重に。とりあえずティーユがジェイクを回復ね」 ティーユ「6点回復」 ジェイク「これで4だな」  ちょっとまとめると、ジェイクの生命力=4、精神力=9。  エルの生命力=11、精神力=0。  ティーユの生命力=7、精神力=4。 GM「どうする?」 エル「まだ夜だったよね?」 GM「君は倒れてるから喋るな(笑)」 エル「プレイヤー発言だもん!」 ジェイク「面白い」 GM「夜だよ」 エル「じゃあ、とりあえず寝ようよ」 ジェイク「お前は何もしなくても寝てるけどな」 エル「ジェイクまで!」 ティーユ「あはは。私も寝たいです」 GM「じゃあ、6時間寝て、朝ね。精神力は全快、生命力は1回復していいよ」 ジェイク「じゃあ、とりあえずティーユは俺と自分の怪我を治すか?」 ティーユ「そうすると、精神力が5になる」 GM「ラックは?」 ティーユ「あー、そうすると4」 ジェイク「いざと言うとき回復がないのは怖いなぁ」 エル「ティーユは回復させなくてもいいんじゃない? 最悪、生死判定でラックがあるし」 ティーユ「じゃあ、ジェイクに1回だけキュアー・ウーンズ。6点回復して」 ジェイク「もどかしいくらい治っていかない……」  これで、ジェイクの生命力=11、精神力=9。  エルの生命力=12、精神力=15。  ティーユの生命力=8、精神力=9。 GM「どうする?」 ジェイク「じゃあ、ゴブリン退治も終わったし、ベルダインに戻るか」 エル「そうしよう」 ティーユ「『弟』は?」 ジェイク「ああ、そんなのもあったな」 GM「忘れないで」 エル「でも、家の中を不必要に探り回らないよう言われてるし」 ティーユ「(GMに)窓が割れてるくらいだし、部屋もだいぶごちゃごちゃなんでしょ?」 GM「そうだね。使われてなかった部屋AとCとEはそれほどでもないけど、リビングとかはひどいもんだよ」 ジェイク「じゃあ、ちょっとくらい漁ってもばれないな」 ティーユ「探り回るな、なんて釘を刺す方がかえって怪しいよね」 エル「う〜ん。じゃあ、見て回ろうか」 ジェイク「そう来なくっちゃ! ってことで、物色開始♪」 GM「具体的にどれくらいの時間をかけて、どういうところを探索する?」 ジェイク「隅々まで」 ティーユ「棚とかはどかして」 エル「壁も床も天井も」 GM「それを全部屋?」 ジェイク「どれくらいかかる?」 GM「でもまあ、半日かな?」 ジェイク「じゃあ、半日かけよう。まず部屋Aから」  ということで、彼らは部屋Aから順番に探索を開始。  実は、秘密は部屋Aにあるのよね……。 GM「じゃあ、ジェイクが壁を見てると、長方形の線を発見する」 ジェイク「線? おーい、二人とも。来てみろよ」 エル「どれどれ」 ティーユ「何があったの?」 ジェイク「(GMに)何があったの?」 GM「回転するパネルみたいな感じ。長方形の真ん中に軸が入ってて、上とか下を押すとクルッと回るの」 ジェイク「一応、罠感知(シーフ+知力)。出目6は9」 GM「ないんじゃないかな?」 エル「一応、いきなり触らなかったのは誉めるけど、感知した結果もたいがい疑わしいよね」 ジェイク「任せろ。大丈夫だ」 エル「3歩離れよう」 ジェイク「ひでっ!」 ティーユ「私はいよう」 ジェイク「ティーユはいいヤツだ。じゃあ、上の方を押そう」 GM「罠はなかったよ。反転した裏側に、緑色のボタンがある」 ジェイク「これは怖い……」 エル「押すなら、遠くから」 ティーユ「スピアがあるよ」 ジェイク「一応、罠感知は13」 GM「罠感知?」 ジェイク「どういうものかってわかるのか?」 GM「んー、ボタンを押すと、その棚のある床が上に上がる」 ジェイク「わかりやすい」 ティーユ「押そうよ♪」 ジェイク「よし、ぽちっとな」 GM「じゃあ、押すとギギギギギッって棚ごと床が上がって、中から階段が出てくる。もちろん下り階段ね」 ジェイク「おおっ」 エル「怪しい……」 ティーユ「この下に『弟』が?」 ジェイク「やっぱりあのテディンってヤツは怪しかったか!」 エル「やっぱりって言うか、ジェイクは根本的に誰も信じられないだけでしょ?」 ジェイク「人間不信だからな」 ティーユ「行く? 他の部屋も全部見てからにする?」 ジェイク「う〜む。(GMに)これ、どうやると元に戻る? ボタンをもう1回押す?」 GM「押してみたら?」 ジェイク「押そう」 GM「じゃあ、元に戻る。ちなみに、階段の一番上のところにも同じボタンがあるよ」 ティーユ「間違って閉じこめられないようにするためですね」 エル「ここで時間をかけた結果、『弟』の身に何かあったりすると嫌だし、行こうか」 ジェイク「そうだな。じゃあ、俺、エル、ティーユの順に下りていこう」 GM「暗いよ?」 エル「私が松明を持つよ。これで火矢も打てるようになるし」 GM「じゃあ、しばらく下りると、ちょっと広くなってて、閉まったままの扉がある。扉の両側に石像が2体。知名度チェックして」 ジェイク「ガーゴイルか何かか? (ころころ)7」 ティーユ「11」 エル「それより低い」 GM「6ゾロ以外は、君たちにはわからないよ。じゃあ、ただの石像かな」 ジェイク「形は?」 GM「不格好な人型。目もあるし、今にも動き出しそう」 エル「これ、今にも動き出しそうだよ。ぶるぶる」 ティーユ「扉を開けたら動き出すとか……」 GM「ちなみに、扉のすぐ側に3つのボタンがある。赤、緑、青だね。赤ボタンの下に、共通語で『Open』とある」 ティーユ「怪しい……」 エル「Openってあるなら、開くんじゃない?」 ジェイク「俺も怪しいと思う。どれが開扉がわかる?」 GM「かいひ?」 ジェイク「ああ、扉を開ける」 GM「いきなり文語っぽい単語使わないで。(シーフ+)知力で振って」 ジェイク「9振って12」 GM「じゃあ、わかんない」 エル「今の、たぶん6ゾロ以外、何振ってもわかんなかった気がする」 GM「そんなことないよ。目標値17くらいかな? 完全版によると、『達人でも成功を確約することはできない』レベル」 エル「なるほど」 ティーユ「とりあえず、私は赤を押すのは反対」 ジェイク「同じく。っていうか、緑じゃないの?」 エル「ああ、テディンさんも緑ずくめだったし、さっきのボタンも緑だったし」 ジェイク「じゃあ、緑を押すか」 ティーユ「(GMに)一応、こいつらを紐で縛っておけます?」 GM「だいぶ慎重になったね。できるよ」 ティーユ「じゃあ、頑丈に縛って……」 ジェイク「そして緑を押下」 GM「おめでとう。ギギギギっとドアが開く」 エル「石像は?」 GM「そのままだね」 エル「やったね♪ 中はどうなってる?」 GM「むき出しの壁。一辺5メートルくらいの部屋。がらんとしてる。棚が一つ。中央やや奥よりに、祭壇みたいなのがあって、そこにぼんやりと光に包まれた少年。眠っているように見える」 エル「何歳くらい?」 GM「君らと同じくらい」 ティーユ「あれが『弟』ね。助けよう」 ジェイク「罠に注意して、近付こう」 GM「大丈夫。じゃあ、そこまで行くと、少年は血色は悪くないよ。息もしてるし。魔法の光は少年の周りが光っていて、ドーム状に少年を包み込んでいる」 ジェイク「何か……わからん?」 GM「何かって?(笑)」 エル「えっと、触っても大丈夫? 周りにスイッチとか、何かない?」 GM「触っていいかは不明。スイッチとかはなさそう」 ジェイク「棒で押してみよう。つんつん」 GM「別に何も起きない。少年も起きない」 ティーユ「…………」 エル「…………」 GM「べ、別にギャグじゃないよ? うん」 ジェイク「ギャグだったらどうしようかと思った。あまりにもつまらんかったから。じゃあ、そのまま棒で少年を向こう側に……」 エル「ま、待って!」 ティーユ「いいじゃん。やろうやろう」 ジェイク「ごろん」 エル「あうぅ。リーダーなのにぃ」 ジェイク「少年は好奇心旺盛なのだ」 GM「あーあ。向こう側に落ちた少年は、可哀想に、悲鳴を上げた後、見る見る溶け出して……」 ジェイク「うっそ!」 GM「嘘。別に大丈夫だよ。光は消える」 ティーユ「ひどいGMだ……」 ジェイク「大丈夫か? ゆさゆさ」  ちょっと端折ります。  気が付いた少年は、まず自分はワードだと名乗る。13歳。  姉か兄はいるかという質問に、エリーヌという15歳の姉がいるが、血は繋がってないと言う。  テディンは一度離婚しており、ワードは再婚した母親の連れ子だったそうだ。  そしてその母親も死に、ワードは何かよくわからない実験の実験台にされた。 エル「ひどいね」 ティーユ「テディンは、エリーヌには優しいの?」 GM「ワードは悲しそうに首を振るよ。『お姉ちゃんもよくいじめられてるけど、お姉ちゃんはご飯作ったり、役に立つから……』」 ジェイク「なんてことみ」 エル「なんてことみ先輩」 ティーユ「なんてことみさん」 GM「あ、あのね……」 エル「じゃあ、とにかくワードを連れて上に行こう」 GM「了解〜」 ◆ ベルダインへ ◆ エル「じゃあ、ワードを連れて戻ろう」 ジェイク「まあ待て、エル」 エル「なぁに?」 ジェイク「せっかくだから、他の部屋も回って、物色しよう」 ティーユ「盗みはよくないよ。チャ・ザ神もいけないって言ってる」 ジェイク「お前、さっき、乗り気じゃなかったか?」 ティーユ「うっ……。あ、あれからチャ・ザの声が聞こえて……」 ジェイク「なんてやつだ。別に構わないよな? ワード」 GM「『えっ? あ、うん。僕は別にどっちでも……』」 ジェイク「ほら! 家主の血族がそう言ってるし」 エル「でも、釘を刺されてるし」 ジェイク「っていうか、あいつはこんな少年を……っても、一つ下なだけだけど、閉じこめてたんだ。悪いヤツなんだ。そんな悪いヤツの言うこと、聞く必要ないって」 エル「う〜ん。(ティーユに)どう思う?」 ティーユ「私たち、ほら、お金ないし……。必要悪?」 エル「うぅ……そうだね。わかったよ」 ジェイク「よし。ということだから、探し回るぞ! ワードも何か知ってたら教えろよ」 GM「『は、はい』ちょっと内気な少年(笑)」  で、漁り回ったのだけれど、現金は出てこない。  代わりに、5点分の魔晶石が2つ、氷晶石が1つ、その他、金目のものがいくつかと、魔法の光を帯びたダガーが一本出てくる。  けれど、残念ながら、セージ技能のない彼らは魔晶石すらわからない。ソーサラーならと思ったけど、持っていない。  可哀想だから、ワードが魔晶石と氷晶石を教えてあげることに。 エル「なるほど。これがかの有名な魔晶石ね」 ティーユ「早速町に持って帰って売ろう」 ジェイク「そうだな。今は金の方が大事」 エル「えー! お金より命だよ。こういうのは、万が一のために取っておこう。それで、お金がどうしてもなくなったら売ろう」 ジェイク「まあ、リーダーがそう言うなら。で、ダガーは?」 GM「知名度失敗したし、まったく不明。魔法がかかってるのは、見た目にわかる」 ティーユ「でも、装備したら修正値がわからないと」 GM「あー、なるほどね。じゃあ、+1のダガーだよ。必要筋力は5。名前は勝手に付けていいよ」 ティーユ「ダガーなら、持ち主はジェイクね」 ジェイク「もらい受けよう。じゃあ、ジェイク・ダガー……」 エル「えー!」 ジェイク「言うと思った。お前だって、エルメス・ソードとか付けてたくせに」 エル「あれはあれ」 ジェイク「何がいいかなぁ……」 ティーユ「エクスカリバーとか」 エル「それは、名前負けな予感」 ジェイク「じゃあ、マンイーターとかに……」 GM「それは『ダガー』や『ソード』と同じだよ。種類の名前」 ジェイク「じゃあ、森で見つけたから、フォレスト・ダガー」 GM「森っぽいけど、全然森の属性ないけどね」 ジェイク「じゃあ、フォレストをもじるか。フォレスター」 ティーユ「森の人みたい」 エル「モリゾー?」 ジェイク「キコーロ・モリゾヌ亭?」 GM「それはいいから」 ジェイク「じゃあ、フォレスターにしておこう。その実態は+1のダガー」 エル「じゃあ、石は持っておく。他のものは売る。ダガーはジェイク。魔晶石は私とティーユ。氷晶石はジェイクが持つ方向でいい?」 ジェイク「氷晶石もエルが持ってた方がいいな」 エル「どうして?」 ジェイク「俺たちは戦えるけど、エルは戦闘技能がないから。魔法が尽きたときに使いたいかも知れない」 ティーユ「そうだね。私も戦えるし」 エル「わかった。じゃあ、私が持ってる」 GM「それじゃ、そろそろ帰る?」 エル「そうしよう」  再び3日かけて子供たちはベルダインに。  元々安全な森だし、途中は何にも襲われなかった。 ティーユ「このままワードを連れて行くのはまずいよね?」 ジェイク「困ったなぁ。報酬はもらわないといけないし。でも、テディンが別荘に行けばワードがいなくなったこともバレるだろうし」 エル「ワードも連れてって、はっきり言った方がよくない? 小細工するより」 ティーユ「ワードはどうしたいの? エリーヌは?」 GM「ワードは困ってるね。テディンとエリーヌと3人きりだし。もしテディンがいなくなったら、食っていけない。と言って、実験台にされて、まさか戻りたいはずもないし」 ジェイク「俺たちも子供だけで頑張ってるぞ?」 GM「『僕とお姉ちゃんも仲間に入れてくれる?』」 エル「え〜っと、能力値は?」 GM「値はあるけど、技能はないよ。エリーヌはセージ1。ワードは一般技能」 ジェイク「俺たちは養っていけるような金がないぞ?」 GM「『もちろん、働くよ』とワード」 ティーユ「(GMに)ベルダインでは、身寄りのない子供の働き口なんてあるの?」 GM「ないんじゃない? そこは君たちがうまく人脈を広げていかないと」 エル「どっちにしろ、ワードをテディンのところに返すわけには……」 ジェイク「そうだよな。じゃあ、こっそりエリーヌを助け出して、逃げるか」 ティーユ「でも、それじゃあ、平和な毎日にはならないね。常に怯えながらの生活に」 GM「ああ、いつあの金物屋がまた来るか。ああ、パトラッシュはずっと僕のそばにいられるんだろうか」 ジェイク「ネロ……」 GM「TRPGは、タイムリーな話題を盛り込むのがいいよね」 ジェイク「無理しなくても」 エル「やっぱり話を付けよう。相手は一人でゴブリン退治できないくらいのレベルなんだし、きっと大丈夫」 ティーユ「慎重すぎるほど慎重なエルが、『きっと』とか『たぶん』なんて使っていいの?」 エル「臨機応変」 ジェイク「そういう言葉を覚え出すと、また一つ大人への階段を上った感じ」 エル「それは嫌だなぁ」 ティーユ「じゃあ、リーダーがそう言うので、店に入ります」 GM「うむ。マスターが出てくるよ。もちろん、見知った顔だ。こうして顔なじみになっていくんだね。『おお、ガキども。生きていたか』嬉しそうだ」 ジェイク「なんとかな。テディンのおっさんは?」 GM「するとマスターは表情を曇らせる。『あの男なら、一週間くらい前……ちょうどお前らが出ていったすぐ後にいなくなったぞ? 娘を連れて』」 エル「ええーっ!?」 ジェイク「そう来たか。エリーヌの……娘の様子はどうだった?」 GM「『泣いてたぞ? 頬が腫れていたようだ』」 ティーユ「可哀想に。きっとバレたのよ、私たちにワードを助けてって言ったことが」 エル「あ、なるほどね」 ジェイク「う〜む。それは困ったことに……」 GM「っていう辺りで、キャンペーン第1回は終了です」 ジェイク「おっと、そう来たか」 ティーユ「わーい。本当にちゃんとキャンペーンだった!」 ◆ 恒例の反省 ◆ 雪島「そいじゃ、反省〜」 水原「うむ。少年は結構演じるのが難しいとわかった」 ほずえ「そうだね。エルメスとかミーシュに比べて、個性が出なかった」 由佳里「私の場合は……ホルウェンもリーザも、先輩がほとんど個性を決めてくれてたから」 雪島「そうだね。TRPGは、ちょっと大げさなくらいに演じるのがいいのよ」 ほずえ「うん。慎重にって決めたんだから、慎重に」 水原「でも、あんまりそれに囚われるとプレイが難しくなるしな。するべきところでできなかったり」 雪島「まあでも、ほずえちゃんが一番上手だったんじゃない? もちろん、ルールを使いこなすって意味では水原君だけど」 由佳里「私はまだまだ勉強しないと」 雪島「そうだね。もっとリプレイとか読むといいよ」 由佳里「はい」 水原「今回は、シナリオ通り?」 雪島「おおむね。ただ、ワードを見つける場合と、見つけずに帰る場合の、大きく二通りは考えてた」 ほずえ「ああそっか。あのまま帰ってる場合もあったんだね。それでも、テディンはいないんでしょ?」 雪島「秘密。っていうか、本当は行動によって過去を変えちゃまずいんだけど、ワードが見つからなかったら、テディンは出てくる予定だった」 水原「まあ、しょうがないわな」 由佳里「そういえば、途中で会った冒険者パーティーは……」 ほずえ「オイスさん。また出てきそうだね」 水原「祭壇がどうのこうのって言ってたな。次回、絡むかも」 雪島「まあ、それは次回のお楽しみに」 水原「後は戦闘か。手強かったな」 雪島「ああ、リプレイには地の文で書くつもりだけど、部屋Bの前に、リビング覗けば良かったのよ。そうしたらシャーマンがいるのわかるから、先にそっちを暗殺してさ」 ほずえ「なるほど!」 雪島「もうちょっと頭を使えば、戦闘は楽になってたはず。一応、ウィスプを三人にかけるって形で、ストーンブラストだけは避けてあげたよ」 水原「面目ない」 由佳里「でも、あの暗殺光景は良かったですね。勉強になりました」 ほずえ「由佳里、暗殺するの?」 由佳里「いや、そういう意味じゃなくて(汗)」 水原「S.W.RPGのルールをふんだんに使ったからな。忍び足、強打、頭狙い」 雪島「じゃあ、そろそろ締めよう。経験点は、今回ワードも助けたし、ちょっと多めに1,500点で」 水原「おおっ」 雪島「レベルアップは次回の頭でしよう」 ほずえ「はーい」 由佳里「じゃあ、次回を楽しみにしてますね」 雪島「もう二度とないかもよ?」 由佳里「そんなぁ!」 雪島「くくっ。だって、水原君、時間ないし」 水原「しょうがないだろ。っていうか、なんでお前は学生なんだよ!」 雪島「いいでしょ♪ 19歳だし」 水原「ぬぅ。ちゃんとシナリオ考えておけよ」 雪島「了解」 ほずえ「じゃあ、今回はお疲れ様でした〜」 由佳里「お疲れ様〜」

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