『 S.W.RPGリプレイ 子供たちの冒険2 』
プレイ日:2004年1月18日
GM+文章:雪島琴美
◆ キャラクターデータ ◆
これ。
前回から変わった場所は、色文字を参考にするか、リプレイ内でも宣言しているので、そちらを見てください。
◆ レベルアップタイム ◆
雪島「は〜い。それじゃあ、第2回です」
ほずえ「わー。ぱちぱちぱちぱち」
由佳里「こうしてすぐ次ができるって言うのは、とっても幸せです」
雪島「私は暇だから」
水原「任せろ。俺は忙しい」
由佳里「時間の都合がついてよかったですね」
水原「ついたというか、つけたというか」
雪島「じゃあ、前回は経験点が1,500点入りました。お楽しみのレベルアップタイムです」
由佳里「経験点の表は……」
水原「完全版の141ページだな」
由佳里「よく覚えてますね」
水原「おう。なぜかこの表、後ろのチャート集に載ってないんよ。だから、覚えた」
雪島「あー、そういえばないよね」
水原「かなり不便」
雪島「さてと、じゃあ経験点を何に使うか、一応宣言してねー。リーダーは?」
ほずえ「うん。エルはセージを2取ります。前回、知名度チェックが寂しい限りだったから」
水原「魔晶石がわからんかったのは恥だな」
ほずえ「うん。致命的な感じがした」
雪島「言語はー?」
ほずえ「言語?」
雪島「セージを1取ると、言語をどれか1つ、会話か読文のどっちかができるようになる」
ほずえ「言語はどんなのがあるんですか?」
水原「完全版の170ページだな。エルは下位古代語を読めないから、まずこれを覚えないといけない」
雪島「え? それ、何?」
水原「知らん。完全版の126ページに書いてある」
雪島「うわ! こんな制約、知らなかった」
ほずえ「じゃあ、下位古代語の会話と読文にします」
雪島「了解♪」
水原「ジェイクはシーフを3にする」
由佳里「なんだか一気に強くなった感じがしますね!」
水原「シーフ技能と冒険者レベルが上がったからな。攻撃や回避の他に、抵抗値までアップした」
雪島「これでもう、ゴブリン・シャーマンなんて3匹くらい平気だね」
水原「いや、それは勘弁してくれ……」
由佳里「私はどうしようかなぁ。ファイターを3に上げたいけど、プリーストも2にしたい」
ほずえ「う〜ん。回復が弱いから、プリーストかな?」
水原「そうだな。短いキャンペーンだし、もらった経験点はなるべくすぐ使っていこう」
ほずえ「そう言うお兄ちゃんが、最初に残してたけどね」
水原「お前(エル)を守るために強くなりたかったんだ」
由佳里「もう役に入ってるし(笑)」
雪島「内容は微妙だけど」
水原「うるさいなぁ。キャンペーン中にエルとキスする誓いを立てるぞ?」
ほずえ「嫌な誓い……」
由佳里「じゃあ、プリーストを2にします」
ほずえ「冒険者レベルが変わらないと、あんまり強くなった気がしないね」
雪島「いやいや、エルはセージを取って確実に賢くなったのよ」
水原「シーフしかない(笑)」
雪島「うん、まあ……。このシナリオはシーフがちょっと欲しいから……」
由佳里「洞窟ものですね?」
雪島「いい? 宣言しておくよ?」
水原「おう」
雪島「君たち、アンロックがないから、ジェイクが鍵開けを失敗したら、そこで終了の可能性もあるからね?」
ほずえ「ええっ!?」
水原「マジで?」
雪島「まあ、私はそういうシナリオは作らないけど、あくまで可能性の話で……」
水原「どっちなんだよ!」
雪島「さてと、じゃあ、前回を思い出す時間です。思い思いに語って下さい」
水原「なんだそりゃ」
ほずえ「えっと。まず、テディンさんの依頼を受けた」
由佳里「別荘がゴブリンに乗っ取られたって話で、別荘に行く途中の森で、オイスっていう冒険者に会った」
ほずえ「わたしたちから見たら、だいぶお兄さんだよね」
水原「お兄ちゃん?」
ほずえ「それはいいから!」
由佳里「オイスたちは右の道を行って、祭壇がどうのって言ってたね。あと、<キコーロ・モリゾヌ亭>」
雪島「何度聞いてもいいかげんな名前ね」
水原「自分で言うなよ」
ほずえ「で、テディンは実は悪者で、息子のワードを実験台に使っていた。わたしたちはワードを助けた! 偉いなぁ」
由佳里「偉いね、私たち。で、町に戻ったら、テディンは娘のエリーヌと一緒にどっか行っちゃってた」
水原「恐れをなしたんだな」
ほずえ「そこは難しいところだよね。どうしたんだろう」
雪島「はい。じゃあ、そっからはプレイとして進めていきましょう」
◆ テディンを追え ◆
エル「(GMに)今、どこにいるんですか?」
GM「例の小さな冒険者の店だよ。完全に前回の続きで。あー、でも生命点と精神点は全快してくれていいよ」
ティーユ「大サービスですね」
GM「っていうか、ここに来るまで3日かかるし、ぼちぼちキュアー・ウーンズかけながら来れば、それくらいは……」
ティーユ「私じゃ微妙ですけどね(笑)」
ジェイク「ところで、この店はなんて言う名前なんだ? 今後拠点になるかも知れないし、名前が欲しい」
GM「えっと……じゃあ、<ニホンピロラブラブ亭>で……」
ジェイク「なんだよ、それ!」
ティーユ「この前、京都走ってた馬じゃないですか」
GM「なんとなく頭に残ってて……」
ジェイク「最低だ。拠点にしたくなくなった」
GM「『まあ、そう言うな』おじさん苦笑」
エル「とにかく、テディンを追わなくちゃ」
ジェイク「そうだな。マスターに別荘であったことを話して、テディンについてなるべく詳しく聞こう」
GM「そうするとマスターは、『生憎5日前に出て行ったことと、娘さんが泣いていたことしかわからんな』と、ちょっと唸り気味」
ティーユ「何が起きたんだろう。エリーヌがワードを助けてって言ったのがバレて、テディンが怒った?」
エル「その可能性が高いね」
GM「マスターは人体実験のことを聞いて不安そうだよ。『お前ら、できるならあの娘を助けてやってくれよ』」
エル「善処します」
ジェイク「依頼じゃないのが残念。あー、そうだ。マスター、ここにワードを置いておけないか?」
GM「置いておくっていうのは、一時的? 永続的?」
ジェイク「永続的。ここでなくても、働き口があればどこでもいいんだが」
GM「マスターは、『姉の方なら考えるんだが……』と。『じゃあ、あの娘を無事に助けたら、姉弟二人とも引き受けよう。ただし、屋根は無理だぞ?』」
ジェイク「十分だな。屋根は俺たちの家で……」
エル「そうだね。大きいし」
ティーユ「大きかったんだ(笑)」
ジェイク「しかし、そんなに言うほど、エリーヌは可愛かったのか?」
GM「うん。『鬼畜王ランス』のエレナ・フラワーみたいな……」
ジェイク「何ぃっ!」
GM「な、何?」
ジェイク「具体的なイメージを与えるな! めちゃめちゃ萌えてきた!」
エル「びょ、病気だ……」
ティーユ「どんな子ですか? その、エレナって」
GM「(『鬼畜王ランス公式設定資料集』を出して)はい、これ」
ティーユ「あ、可愛い♪」
GM「でも髪は金髪ね。背は低めで、父親があれだからいつも疲れた顔をしてるけど、笑うとすっごい可愛いの」
ジェイク「わかった。何としても助けよう。なあ、エル! ティーユ!」
エル「う、うん……」
ティーユ「複雑……」
ジェイク「くそぅ。女の子たちめ」
GM「で、どうするの?」
ジェイク「とりあえず、ワードは一時的に預かってもらって……」
GM「あー、ダメ。帰ってくる保証がないから。金品ならいいんだけどね。帰ってこなかったらそのまま利益になるから」
エル「家に置いておこうよ」
ジェイク「それがいいな。えっと、テディンの似顔絵って描ける?」
GM「記憶術かな? シーフ+知力で」
ティーユ「へ〜。そんなのもあるんだ」
ジェイク「出目10は14」
GM「さらに、絵は冒険者+器用度で振ってもらおうか」
ジェイク「二段構えか。でもいい目。13」
GM「じゃあ、それなりにいい似顔絵が描けたね。マスターも、『なかなか似てる』と頷いてるよ」
エル「じゃあ、それを持って町で聞き込みだね!」
ティーユ「その前に、<キッコロ・モリゾー亭>に行ってみない? オイスたち、帰ってるかも知れないし」
ジェイク「<キコーロ・モリゾヌ亭>だな。ゾヌの響きが非常に嫌だ」
ティーユ「嫌なんだ……」
エル「それはすぐにわかるの?」
GM「マスターが知ってる。『<キコーロ・モリゾヌ亭>は同じ旧市街だけど、だいぶ離れてるな』でも、簡単に地図を描いてくれるよ」
エル「ありがとう。じゃあ、聞き込みしながらそこまで行こう」
GM「ちなみに、君たちの家とは反対方向だ」
ジェイク「ワードには聞かせたくないようなこともあるかも知れないし、まず家に戻って、ワードを置いてこよう」
ティーユ「あと、そうだ! 石とダガーの他に、お金になりそうなものが入ったんだよね?」
エル「そう言えばそうだったね」
GM「お金の管理はしっかりしないとね。今日が終わると、いよいよ400ガメルになるよ」
ティーユ「ひゃー。とりあえずマスターに見せて、どんなぐらいになるかとか、どこに持って行けばいいか聞こうよ」
エル「賛成」
GM「じゃあ、全部ひっくるめて、マスターが500ガメルで買い取るよ。本当は直接買い取ってくれる店に持って行くんだけど、君たちじゃ信用もないしね」
エル「ありがと〜。これで900ガメル」
ジェイク「つーかまあ、依頼料が入っただけって感じだな」
エル「うっ……」
ティーユ「まあまあ。じゃあ、一旦家に帰ろう。go home るんるん♪」
エル「ど、どうしたの?」
ティーユ「べ、別に」
ということで、エルたちは一旦家に帰り、ワード少年を置いていく。
それから似顔絵を手に再び外に出て、<キコーロ・モリゾヌ亭>を目指しながら聞き込みをする。
その中で、以下の2つの情報が入った。
一つ、エリーヌが泣きながら、「私は嫌っ!」と叫んでいた。
一つ、二人は町の北の方に歩いていった。
ジェイク「う〜ん。一応、後から北の方で情報収集をし直す必要がありそうだけど、どうもエリーヌがワードの代わりに使われそう」
エル「北の方にいるってこと? 町から出て行ったってこと?」
ティーユ「別荘に向かったんじゃない?」
ジェイク「俺もそう思う。それは門兵に聞くなり、その周囲で聞き込みをすればわかりそう」
エル「どっちにしても、急がないと嫌な感じだね」
ジェイク「まあ、久しぶりに行った別荘にワードがいたってくらいだから……」
ティーユ「ああ、ワードはかなり長いことあそこで寝てたってこと?」
エル「でも、テディンが急いで何かするかも知れないし」
ティーユ「慎重なエルっぽくなってきた。確かに、急ぐに越したことはないね」
GM「は〜い、じゃあ、君たちがそうやって話してると、不意に一人の女性……というか、女の子に話しかけられます」
ジェイク「おおっ、女の子? 何歳くらい?」
GM「君たちよりちょっと上。ショートカットで、修道女っぽい格好してるけど正式な修道女じゃなさそう。右手の中指に赤い石の填った指輪をしてる」
ジェイク「はいはい、なんですかー?」
ティーユ「あー、またジェイクが鼻の下伸ばしてる! ぷんすか」
エル「あ、今の可愛かった。ほら、ジェイクは引っ込んで。ここはリーダーの私が対処します。なんですか?」
ジェイク「ちぇっ」
GM「女の子は君たちのやりとりを見て笑うけど、その微笑みは悲しそう。心配事があるんだね」
エル「心配事?」
GM「『あの、こういう男の子を見ませんでしたか?』と言って、似顔絵を見せてくれる。カラーだ。赤毛で、利口そうな顔付きをしてる」
エル「(GMに)見た?」
ジェイク「また記憶術で振る?」
GM「見てないよ。女の子は続ける。『あの、私の弟で、ユネスって言います。14歳で、指にメイジリングを填めています』」
ティーユ「ソーサラーなんだ」
ジェイク「っていうか、ちゃんとした名前も決まってるし、複雑になってきた。エリーヌ、オイス、そしてユネス」
GM「ちなみに、この子の填めてる赤い指輪はメイジリングじゃないから」
ジェイク「わざわざ言われると気になるなぁ」
エル「残念だけど、見てないです。えっと、お名前は?」
GM「『あ、リナって言います。リナ・ジョーラスです』」
エル「ジョーラス? (GMに)知ってる?」
GM「これはセージで振ろう」
エル「やった! セージ取ったばっか♪ 10が出て14♪」
GM「じゃあ、知ってる。ベルダインの有力貴族の一つだ」
エル「ほえ〜。あの、ジョーラスさんって、貴族のジョーラスさん?」
GM「『え? あ、はい……』いきなり貴族の、とか言われてびっくり」
ティーユ「えっと、もし見かけたら報告したいから、詳しく教えてくれませんか? あ、でも、あまり期待はしないでくださいね」
エル「そうそう。依頼じゃないし、それに力入れてる余裕もないし」
GM「じゃあ、リナによると、ユネスがいなくなったのは7日前。兄二人と一緒に森に行って、兄だけ帰ってきたらしい」
ティーユ「だいぶ前だね。っていうか、その兄怪しいじゃん。何日後に帰ってきたの?」
GM「リナは少し考える素振りをしてから、意を決したように話し始めるよ」
ってことで、長くなるからまとめます。
ジョーラス家の主はヌイアル・ジョーラス。
長男はコリュー、22歳。次男はドドイ、19歳。ユネスは三男で、リナは長女で16歳。
ただし、コリューとドドイは妾の子供で、リナとユネスが正妻の子供らしい。
と言って、コリューとドドイが、ユネスと仲が悪かったようには、少なくともリナには見えなかった。
3人が家を出て行ったのは7日前。二人が帰ってきたのは昨日。
自分たちは森に狩りをしに行ったが、ユネスは途中で帰ったと言う。
エル「う〜ん。なんだか、かなり深いところまで足を踏み入れた感じ」
ティーユ「オイスの件も、テディンの件も、全部森だね」
GM「くくく……」
ティーユ「琴美さんっぽい笑いだ……。それにしても、いきなりこんなに話してもらって」
GM「君たちは歳も近いし、親身になって聞いてくれたから。今まであんまり相手してもらえなかったみたいだね。リナはとっても嬉しそう」
エル「それは良かった。私たち、これから森に行くかも知れないし、できるだけ協力します」
GM「『ありがとう、エルさん』そいえば……」
エル「ん?」
GM「いや、ジェイク、静かだね」
ジェイク「え? いや、ほずえと由佳里ちゃんのプレイを見てる(笑)」
GM「な、何ー!?」
ティーユ「見てるって(笑)」
ジェイク「いやいや。俺がやると、こういうシーンにはこういう質問、みたいな型にはめちゃうからさ。それにまあ、人間不信だし」
エル「女の子だーって喜んでたくせに」
ジェイク「本質的にはエルだけだよ」
ティーユ「本質的……」
エル「ティーユも可愛いよ?」
ジェイク「ティーユは、エルを落としてから」
エル「うわ!」
ティーユ「なんてひどい人。でも好きなの」
エル「えー!」
GM「じゃあ、そろそろリナは撤退するね〜。『それじゃあ、よろしくお願いします』ぺこり」
エル「は〜い」
◆ オイスからの依頼 ◆
ティーユ「さっきの子の話は、どうなんだろう」
エル「う〜ん。犯人はあからさまにコリューとドドイだと思うけど。奥さんの子供じゃないって言ってたし」
ジェイク「もし殺されてないとしたら、森でどうなっているか」
エル「人体実験」
ティーユ「あー、コリューたちとテディンは知り合いで、ユネスが人体実験の犠牲に?」
ジェイク「日にちが若干合わんがな。3人が出かけたのは7日前。つまり、俺たちが別荘に向かった日とほぼ同じか、次の日」
ティーユ「じゃあ、例の祭壇絡み?」
ジェイク「どっちかというとそっちの方が怪しいと思うが」
エル「じゃあ、<キコーロ・モリゾヌ亭>に行ってみよう♪ 着いた?」
GM「着いた着いた。森な感じの店だね」
エル「森だね〜」
ティーユ「うん。森だね」
ジェイク「わけわかんねー。さくさく入ろう」
GM「『いらっしゃい!』と、威勢のいい少年の声」
エル「先輩がマスターやると、ちゃんと男の子も出てくるよね。ワードも男の子だったし。お兄ちゃんがマスターやると、女の子しか出てこない」
ジェイク「任せろ。その方がいいだろ」
エル「バランスが悪いよ」
ティーユ「店内にオイスたちはいます?」
GM「見当たらないねぇ」
ジェイク「じゃあ、聞いてみるか。少年でもいいけど、奥に入ってマスターに」
エル「すいませ〜ん。オイスさんと……さんと……さんと……」
ティーユ「ダメじゃん(笑)。ファリンさんとメリック」
ジェイク「グラスランナーは呼び捨てかよ」
ティーユ「うーん。なんとなく」
エル「で、その人たちは、帰ってます?」
GM「『知り合いかい?』」
ジェイク「名前を知ってるくらいだからな。森で出会った」
エル「リーダーのエルです」
GM「『お嬢ちゃんがねぇ……』疑わしそう」
ティーユ「私たち、こう見えて結構やるんですよ! ついこないだ、ゴブリン退治をしてきたばかりなんです!」
GM「それは自慢になるかどうかは知らんが、まあマスターはどうでも良さそう。『オイスたちなら、部屋にいるんじゃないかな。2階の、階段から数えて2つ目の部屋だ』」
エル「は〜い。行ってみよう」
ティーユ「コンコン」
GM「ノック? 奥から声がするよ。『開いてるぜ』」
エル「お邪魔しまーす」
ティーユ「こんにちは」
GM「オイスたちは何やら話し合いの最中だったようだけど、君たちを見て嬉しそうにするよ。『ああ、良く来てくれたね』」
エル「いえいえ。話し合いの最中じゃなかったですか? よかったですか?」
GM「『いいよ。実は君たちのことを話してたんだ』」
ティーユ「私たちのこと?」
エル「何かありました?」
GM「『うん……実は……』と、オイスが言いかけてから、ファリンが口を挟む。『先に確認したいんだけど、エルたちは、私たちからの依頼を受ける気はない?』」
エル「依頼? 冒険者から冒険者へ?」
ジェイク「って言うか、あんたらのレベルで無理な仕事は、当然俺らにも無理だぞ?」
ティーユ「威張って言うことでも……」
GM「メリックが首を振るよ。『君たちにしかできないのさ。この僕でもできなかったからね』」
エル「どういうこと?」
GM「『受ける気はある?』」
ジェイク「内容次第だけど、気はある。なあ」
エル「うん。せっかくだし」
GM「じゃあ、オイスが切り出すよ。『実は、祭壇の下に迷宮があるんだ』」
エル「迷宮?」
GM「『まあ、迷宮ってほどのものじゃないらしいが、とにかく地下に空間があるのは間違いない。で、祭壇からそこに行けるのが、子供だけなのさ』」
ジェイク「あー、なるほど。すごくわかりやすかった」
ティーユ「だから、いくら外見が子供でも、グラスランナーは年齢制限を受けたのね?」
GM「『そういうことだね〜』とメリック。『どうも、呪いのせいらしい』」
エル「呪い? その祭壇はどういう祭壇なの?」
GM「オイスたちが調べた内容によれば、アムグンド教とかいうマイナーな宗教の宗教家たちが造ったものらしい」
エル「セージで振ろう」
GM「超マイナーだから、目標値18ね」
エル「6ゾロしかダメか。3とか振ってるし」
ティーユ「4とか振ったし」
ジェイク「8だな。ダメだな」
GM「オイスはさも当然というふうに頷く。『うん。かなりマイナーらしい。で、その宗教家が、そこに子供を生け贄に捧げたらしいんだ』」
エル「何のために?」
GM「『時は新王国歴430年、コリア湾沖地震のときに、そいつらはあれは海の神の怒りだとか言って、それを鎮めるためって話だ』」
ティーユ「また、もう、可哀想に」
GM「『で、それをふまえて、俺たちの受けた依頼内容なんだが……』」
ということで、以下はオイスたちが受けた依頼について。
依頼主はマグニットという鍛冶屋の社長さん。妻は亡くなり、ナトリーっていう17歳の息子と、タンツァっていう12歳の息子がいる。
ナトリーはもう働いていて、鍛冶屋の現場を学んでいる。
で、10日ほど前に、マグニットはタンツァと召使い数人と一緒に、森で狩りをしていた。そして、タンツァが祭壇付近で行方不明になったのだ。
GM「『タンツァを探して、連れて帰るのが依頼なんだけど、今のままじゃ、俺たちには解決のしようがないからな』」
ティーユ「う〜ん。依頼料は?」
GM「『俺たちは2,000ガメルもらっている。もらうことになっているって言った方がいいかな』」
エル「私たちには?」
GM「『成功したら、ほとんどが君たちの手柄だ。半分の1,000ガメルでどうだ?』」
エル「う〜ん。でも、実際危険を冒すのはほとんど私たちだし、もうちょっと多くならない?」
GM「『でも、もし初めからあなたたちが行っていたら、依頼は受けられなかったと思うわ』と、ファリン」
ジェイク「それはもっともだな。キャンペーン第1回で嫌というほどわかった」
エル「じゃあ、戦闘が発生したら、危険手当でもう200」
ジェイク「エルが交渉してる(笑)」
エル「だって、瀬戸際なんだもん!」
GM「『よしわかった。じゃあ、戦闘が発生したら1,200だ。その代わり、タンツァが生きて帰るのが絶対条件だからな。じゃないと、俺たちも金をもらえない』」
エル「それはもう、了解だよ。急がないとね」
ティーユ「そうだよね。もう10日も経ってるし。これから私たちが祭壇まで行ったら、もう2週間……」
ジェイク「飢え死にしてるんじゃないのか?」
GM「『ある程度の保存食は持っていたって話だが……でも、2週間は厳しいだろうな……』オイス、ちょっと渋い顔」
エル「とにかく、行ってみるしかないね。あー」
ティーユ「あー?」
エル「ううん。それは、ここを出てから話そう。他に何かなかった?」
ジェイク「オイスたちは祭壇まで来るのか?」
GM「う〜ん。う〜〜〜ん」
ジェイク「なんだなんだ?」
GM「来て欲しい?」
ジェイク「そりゃ、まあ」
ティーユ「少なくとも戦闘は楽になるし」
GM「『じゃあ、祭壇まで』」
エル「なんか、ものすごく嫌そうでしたね」
GM「別に。ちょっと予定が違ったから。でも大丈夫だよ」
エル「あー、でもちょっと待ってね」
ジェイク「ん? GMの味方?」
エル「いや、そういうわけじゃないけど。ちょっと外で相談」
ティーユ「了解」
ジェイク「で?」
エル「エリーヌはどうするの?」
ティーユ「(GMに)別荘行ってから祭壇だと、どれくらいロスします?」
GM「結構たくさん。1日は」
エル「痛いなぁ。先輩はシビアだから、きっときっちり時間計算してて、選択によって間に合ったり間に合わなかったりするんだよ」
ジェイク「あり得る。先に別荘に行けばタンツァが死に、先に祭壇に行けばエリーヌが死に……」
GM「そういうシナリオは作らないって(笑)」
ティーユ「そういえば、ふと思ったんですけど、テディンの実験って、どういう実験なんでしょうね」
っていうか、GM的には、それ今まで誰も疑問に思わなかったのが不思議なんですが。
ワードにも確認しなかったし。
もちろん、しても「わからない」って言っておしまいだったけどね。
ジェイク「そういえば聞いてなかったな。エリーヌはどうなるんだろう」
エル「やっぱりワードも待ってるし、エリーヌを守らないと」
ジェイク「でも、3件あって、金が出るのはタンツァだけだ」
エル「ワードはうちに住むことになるだろうし、もう知らない他人じゃないよ。エリーヌはむしろ身内って考えてもいいと思う」
ティーユ「それは賛成。ちなみに、ユネスは祭壇の中にいると思う。ユネスとタンツァは同件かと」
エル「あー、なるほど」
ジェイク「エリーヌも同件かと」
どきっ(笑)。
エル「えー。エリーヌは別荘だって」
ティーユ「祭壇と関連が見えないから。もちろん、テディンの研究がアムグンド教とかに関係してたら別だけど」
エル「先輩なら、そういう複雑なシナリオも考えられるね」
ジェイク「いや、先輩は案外適当だぞ?」
GM「うるさいなぁ。しかも先輩とか言うな」
ジェイク「先輩♪」
GM「同い年なのに……」
ティーユ「とにかく、私はエリーヌ家族説に賛成」
エル「私も〜」
ジェイク「確かにエリーヌは可愛いけど……リナも可愛かったな」
エル「エリーヌは一緒に住むことになるんだから!」
ジェイク「そうか。じゃあ、エリーヌだな」
うにゅう。
実はさっきのジェイクの発言がどんぴしゃで、あまり別荘には行って欲しくなかったりする。
別に寄ってもらっても問題はないのだけれど、一応軽く忠告してみることに。
GM「ちなみに、先に別荘に寄るなら、オイスたちは来ないから。っていうか、オイスたちに別荘の話はできないでしょ」
エル「あー、うん。元々私もそれを言おうと思って口を挟んだの」
ジェイク「レンジャーないからなぁ。こいつ(GM)のことだし、次にまた熊が3体も出てきたら、今度こそ終わるな」
エル「う〜ん。でもエリーヌが……」
ジェイク「エルはエリーヌ。ティーユは?」
ティーユ「私もエリーヌが……」
ジェイク「ティーユもエリーヌ。ジェイクは?」
GM「俺は……」
ジェイク「ジェイクは俺だ。まあ、多数決でも、リーダー尊重でも結果は同じか。じゃあ、俺らだけで先に別荘だな」
エル「そうしよう♪」
うにゅう……。
まあ、オイスたちが行かずに済んだのは当初のシナリオ通りになったけど、「依頼」より別荘を優先させたのは意外。
この1日のロスは、なんらかのペナルティーを課すことにしよう。
◆ 別荘へ ◆
エル「じゃあ、別荘へ向けてLet's go!」
GM「あー、ちょっと待って」
エル「出足をくじかれた」
ティーユ「どうしたんですか?」
GM「いや、3分ほど時間ちょうだい」
ジェイク「なんだ? トイレか?」
GM「違う違う」
いや、実は別荘というのはまったく予定になく、エルたちが行ってもやっぱり何もない予定だった。
けれど、本筋とは関係ない民家のたんすをあさっていたら、小さなメダルが出てくるような楽しみもあっていいのでは?
ってことで、即興でちょっとしたイベントを用意してみることに。
まあ、使う使わないは別問題にして。
GM「はい、オーケーよん」
エル「じゃあ、3日後、別荘に着きます」
GM「ちょい待ちって」
ジェイク「トイレか?」
GM「なんでそうなるのよ! 森に入ったところで、危険感知して」
エル「うっ……」
ティーユ「熊が……」
ジェイク「熊か……? (ころころ)出目2」
エル「10点?」
ジェイク「いや、どうだっけ?」
GM「構わないよ。技能があるときだけだった気もするんだけど、まあいいや」
エル「6」
ティーユ「同じく」
GM「じゃあ、君たちは何事もなく……」
ジェイク「絶対熊だ! やばいって! やっぱりオイスたちを……」
エル「今更遅いよ……」
GM「っていうか、気付いてないんだから、変な会話はしないの! はい、次の危険感知♪」
エル「7」
ジェイク「3だな。すごい出目だ」
ティーユ「8です」
GM「ふ〜ん。じゃあ、やがて別荘が見えてくる」
ジェイク「なんだなんだ?」
GM「隊列は前と同じ? ティーユ、エル、ジェイク?」
エル「うん」
ティーユ「リーダー先頭」
エル「えー!」
GM「じゃあ、一番後ろのジェイク、不意打ちで行きます。10、11の2回攻撃」
ジェイク「回避-4だったよな? (ころころ)後ろもらい」
GM「10発」
ジェイク「強いなぁ。3点もらい(残り生命力10)」
1ラウンド目。
エル「で、相手は? (知名度チェックは)1ゾロ……。もらっていい?」
GM「んー? どうなんだろう。まあいいや。持ってって」
ティーユ「セージのエルがわからないなんて! さてはすごいレアモンスターね! (ころころ)出目6」
GM「じゃあわかるね。タイガーだね。虎だね」
ティーユ「わ、私には虎に見えるけど、でも……」
エル「あれはレッサー・バンパイアね!」
ティーユ「うわ! 強そう!」
ジェイク「マニアックなところ持ってきたなぁ」
GM「10、11、11で攻撃。打撃は11、10、10。回避は11。敏捷度21だからこっちから行きます。ジェイクの前にいるから、ジェイク避けて」
ジェイク「(ころころ)出目はいいが、最後の1発もらってまた3点(残り生命力7)」
エル「威力倍がけシェイド。10と言って14」
ジェイク「ちょっとマニアックな攻撃方法を覚えたな?」
GM「10レートでどうぞ」
エル「(ころころ)うぅ……と、もう一回♪」
ティーユ「面白い(笑)」
エル「あ、回った。13発」
GM「じゃあ、ぶっ倒れたよ」
ジェイク「じゃあ、とどめを。ざくざく」
ティーユ「ざくざく。(ジェイクに)回復はどうする?」
ジェイク「お願い。前回、放っておいて痛い目見たし」
ティーユ「じゃあ、7点」
ジェイク「うむ。全快じゃ」
エル「じゃあ、別荘に行きます〜」
ということで、別荘。
もう地下への入り口は知っているから、真っ直ぐその部屋に向かいます。
GM「ちなみに前回、床は閉めた?」
ジェイク「(エルに)閉めた?」
エル「えっと、閉めてないんじゃないかな? ワードを助けて上に上がってきたし、わざわざ閉めるとは思えない」
ジェイク「だそうだ」
GM「じゃあ、床は開いてるよ」
ティーユ「じゃあっていうのが気になる。じゃあ……」
エル「下の方から音とか声とかは?」
ジェイク「聞き耳は12」
GM「しないねぇ」
エル「あれー? エリーヌ、いないんじゃない?」
ジェイク「下りていこう」
GM「ドアも開けっ放しだよね? じゃあ、部屋は前来た時のままになってるよ」
ティーユ「ここに来てない?」
GM「あ、いや、違う」
ジェイク「どっちだよ!」
GM「あー、もう全然違う。ごめんごめん。ちょっとテープ巻き戻していい?」
ジェイク「ダメ」
GM「えっと、床とドアは開いてたけど、中はちょっと散らばってる」
エル「さっきと全然違うじゃないですか!」
GM「ごめんごめん」
ティーユ「じゃあ、エリーヌたちは一度ここに来たんだね」
ジェイク「散らばり方は? えっと、争った跡とか。それとも、あさられた感じ?」
GM「争った感じだね。注射器が落ちてて、中に濃い緑色の液体が入ってる」
エル「うわ! 満タン?」
GM「ううん。残り少し」
ジェイク「刺された後なんじゃないか? その薬は……」
GM「ヒーラーだねぇ」
エル「じゃあ、出目で……」
GM「うんにゃ、わからないよ」
エル「おやや? どうして?」
GM「う〜んとねぇ、完全版読み返してたら、148ページにその辺のことが書いてあってね」
ジェイク「どれどれ?」
GM「要は、知らないことは考えてもわからないってこと。罠解除とは違うから、テディンのオリジナルの薬を、君たちが知ってる可能性はないよ」
エル「なるほど。じゃあ、これは町に持っていってもわからない?」
GM「それはまた別」
ちょっとこの辺、解釈曖昧です。
ヒーラーならわかる可能性があるけど、ヒーラーでない人間には可能性がない、と言いたかったんです。
まあ、プレイが面白ければ、元々そこまで厳密にルールにこだわるタチではないので。
ジェイク「というか、本棚とかあされば何か書いてあるものが出てきたりしない?」
GM「あさる?」
ティーユ「あさる〜♪」
GM「じゃあ、しばらく探すと、それっぽいのがでてきた」
エル「読もう。もう下位古代語でも大丈夫♪」
GM「共通語だよ(笑)。詳しい調合方法は書いてないけど、原材料は書いてある。後、効果は森の属性がどうのこうのって、よくわからないことが書いてある」
ティーユ「森の属性?」
ジェイク「キッコロになるのか?」
エル「えー!(笑)」
GM「今のちょっと面白かった」
ジェイク「とりあえず、この本と注射器は持って帰ろう」
エル「で、エリーヌはどこに行ったのかな? テディンも」
ジェイク「やっぱり祭壇だって。冗談で言ったけど、エリーヌもユネスもタンツァも、みんなそこにいるんだって」
ティーユ「どうもそうっぽいですね。じゃあ、急いで行こう」
エル「うん」
◆ 子供にしか入れない祭壇 ◆
GM「ふぅ。やっと本題に入った」
ジェイク「なんだそりゃ!」
GM「いや、実は別荘に行く予定なかったから」
エル「そうなんですか? でも、エリーヌのことを考えたら、先に別荘じゃない?」
GM「まあ、そういう発想もあるね。ただ、私がその可能性を考えてなかっただけで」
ジェイク「その辺は、ほずえもGMをやってみればわかる。プレイヤーは、結構自分には思い付かないことを思い付く」
エル「そうだね〜。その内やってみたい」
ティーユ「でも、琴美さんと先輩の二人をプレイヤーに……」
エル「うっ……」
GM「大丈夫だって。ちゃんとフォローするから」
ジェイク「18禁になるけどな」
GM「ならないならない。じゃあ、祭壇です」
エル「そんなにあっさり着くんですか?」
GM「すでにオイスたちが一度行ってて、地図も描いてもらったからね。その代わり、途中から道なき道だったよ」
ティーユ「ふぅ。やっと辿り着いたー」
ジェイク「草木をかきわけ、かきわけ、かきわけ」
エル「祭壇はどんな様子ですか?」
GM「こう、祭壇って言うより、ただの石の台みたいな感じ。一辺は3メートルくらい。柱とか屋根とかはない」
ジェイク「柱がなくて、屋根だけあったら怖いけどな」
ティーユ「古代の技術で」
ジェイク「かなり無駄な技術力だな」
GM「で、その台の脇のところに、見覚えのある人が倒れてる」
エル「エリーヌ!?」
GM「ううん。そのお父さん」
ジェイク「テディン? 駆け寄ろう。生きてる?」
GM「死んでる」
ティーユ「えー! し、死亡推定時刻は?」
GM「また、変な用語を。そんなに前じゃないよ。ほんの数時間前」
エル「え? あれ? じゃあ、別荘に寄ってなかったら……」
GM「間に合ってたねぇ」
間に合ってました、はい(笑)。
ティーユ「死因は? 衰弱死?」
GM「まさか。クマに殺られたみたいだよ?」
エル「エリーヌはいないんだよね?」
GM「いないねぇ」
ティーユ「えーっと、つまり、薬を打たれたエリーヌは、ここまで逃げてきて、祭壇に入ったと」
エル「もう何日も前の話になるね。で、テディンは入れずに、ウロウロしてたらクマに殺されたと」
ジェイク「う〜む。やるなぁ、雪島琴美」
GM「え? 何が?」
ジェイク「俺は、今回のキャンペーン、テディンか、その関係者がラスボスになると思ってたんよ」
エル「あー、そう言えばそうだね。あっさり死んじゃったね」
ジェイク「俺の場合、一つの事件を起こすと、その事件を延々と引っ張って、大きくしていくんだよね。こういう、色んな出来事が連続して起こるってのは、結構すごいなぁ」
GM「キャラクターのレベルにもよるよ。レベル3〜5くらいなら、私も一本の壮大なシナリオを考えるよ。でも、この子たちじゃねぇ」
エル「どうせ弱いもん!」
GM「さてと。じゃあ、テディンが死んだから、これでキャンペーン終了ね」
ジェイク「うっそ!」
ティーユ「そんなバカな(笑)」
GM「ちなみに、ラスボスはエリーヌだから、テディンの関係者」
ジェイク「マジでー?」
GM「…………」
ティーユ「その沈黙は何ですか? 嘘って言ってください」
GM「じゃあ、台に乗る?」
ティーユ「うわ! 流された!」
エル「しくしく。エリーヌ……。キッコロになっちゃったんだね?(笑)」
ジェイク「次会うときは、きっと大木になってるんだって」
ティーユ「ラスボスですよ? きっとエクスデスみたいな……」
ジェイク「それだ!」
GM「それ面白いね! ネオエリーヌ。よし、それで行こう!」
ジェイク「行くな」
エル「じゃあ、そろそろ台に乗ろうか」
ジェイク「よし、手をつないで、せーので」
ティーユ「うん。ジェイクと手を……きゃっ」
ジェイク「なんて純粋な! 今時珍しい」
エル「じゃあ、乗りました」
GM「はい。じゃあ君たちは、一瞬ふっと目眩がして、気が付くと洞窟の中にいました」
☆ B1F ☆
エル「わくわく。洞窟はどんな感じ?」
GM「壁は石壁だねぇ。三方が壁で、前方に通路が続いてる。しばらく先が左に直角に折れてる」
ティーユ「あれ? 出口は? 上は?」
GM「洞窟だねぇ。上も塞がってるよ」
ティーユ「えー! じゃあ、出られないですね。出られないよ、エル」
エル「困ったなぁ。あ、明かりは?」
GM「私も思った。実は真っ暗で何も見えない」
エル「だ、だめじゃん(笑)。頑張って松明を」
GM「じゃあ、松明をつけたらさっき言ったことがわかった方向で。一応、図で描くとこんなふうね」
│ │
│ │
┌────┘ │
│始 │
└──────┘
|
ティーユ「なるほど。わかりやすいですね」
ジェイク「じゃあ、隊列は俺、エル、ティーユで」
エル「先に進もう」
ジェイク「何か声とか音とかは?」
GM「しないね」
ジェイク「足跡とか……いやまあ、それはきっと見つかるだろうからいいや。進もう」
GM「じゃあ、進むと左に折れてからさらに右に折れる。そこは太い通路になっていて、少し歩くと十字路になってるよ」
ジェイク「とりあえず、ドアとかなしで行けるところは全部回ってみる方向でオーケー?」
エル「そうだね」
GM「開いてるドアに関しては、中に入る?」
ジェイク「罠感知はした上で。必要なら振るよう言って」
GM「開いてるドアに関しては別に感知しなくていいよ。じゃあ、こんな感じ。一番奥に下り階段があって、そこまで別に何もなかった」
┌──┬ ┬──┐ ┌──────┐
│ 扉 扉 │ │ 下│
│ ┌┴ ┴┐ │ │ ┌────┘
│ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │
┌──────┘ └──────────────────┘ └────┘ │
│ │
│ │
│ ┌────┐ ┌──────────────────┐ ┌──────┘
│ │ │ │ ┌──────┐┌──────┐ │ │
│ │ │ │ │ ││ │ │ │
│ │ │ │ │ ││ │ │ │
│ │ │ │ │ ││ │ │ │
┌────┘ │ │ └┬┘ ││ └┬┘ │
│始 │ │ ○ ││ ○ │
└──────┘ └──┴───────┘└───────┴──┘
|
ティーユ「上の方も、下と同じような造りになってそうだね」
ジェイク「下の二つの部屋には、何もなかったのか?」
GM「んー、古びた燭台とか、奇妙な絵とかはあったけど、値打ちのありそうなものはなかったね」
エル「すでに値打ちのあるものは誰かに持って行かれたとか。そういう跡はなかった?」
GM「なかったねぇ」
ジェイク「一応、上の扉も開けてみるか?」
ティーユ「でも、今の感じからすると、上にも何もなさそうじゃない? エリーヌが心配だし、先に進まない?」
ジェイク「聞き耳だけしよう。閉じこめられてる可能性もあるし」
エル「それは賛成」
ということで、ジェイクは上の2つの扉を聞き耳したけれど、中からは音は聞こえなかった。
ちなみに、鍵はかかっていたから、罠感知や鍵開けはせずに先に進むことに。
エル「じゃあ、下り階段で下りよう」
ティーユ「賛成♪」
◆ 閉じ込められた子供たち ◆
☆ B2F ☆
GM「下りると、こんな感じ。壁の質とかは変わってないよ」
ティーユ「今度は右上から左下なのかな?」
エル「とりあえず、左に真っ直ぐ行ってみよう」
GM「じゃあ、そうすると、すでに空けられた扉の向こうに部屋があるね」
┌─────────────┬──────┐
│ ○ 上│
│ ┌───┴────┐ │
│ │ │ │
│ │
│ │
│ │
└─────────┘
|
エル「部屋には何かありますか?」
GM「燭台はまたあって、古びた剣とか、槍とか、矛とか」
ティーユ「何か使えそうなのはない?」
ジェイク「個人的には錆びた剣ってのは惹かれるのだが。某ゲームのように、磨けば立派な剣になったりしない?」
GM「今にも折れそう」
ジェイク「だ、だめか……」
エル「じゃあ、下の方に行こうか」
ジェイク「またさっきみたいに、行けるところは全部行く?」
エル「賛成♪」
GM「んーーー、わかった。じゃあ、こんな感じで、奥の下り階段があるよ」
┬─────┐┌─────────────┬──────┐
扉 ││ ○ 上│
┴───┐ ││ ┌───┴────┐ │
│ ││ │ │ │
┌─────────────────┬───┘ ││ │ ┌─┬────┘ │
│ ○ ││ │ │ ○ │
│ ┌───────────────┴───┐ ││ │ └─┴────┐ │
│ │ │ │└─────────┘ │ │
│ │ ┌────┬───┘ └──────────────┬────┘ │
│ │ │ ○ 扉 │
│ │ ┬┘ ┌──┴────────────────────┴────┐ │
│ │ 扉 │ │ │
│ │ ┴┐ └──┬────────────────────┬────┘ │
│ │ │ ○ ○ │
│ │ └────┴────────────────────┴────┐ │
│ │ │ │
│ └───────────────┬────────────────┐ ┬────┘ │
│ ○ 下│ 扉 │
└─────────────────┴────────────────┘ ┴──────┘
|
エル「あれー? また階段まで行けちゃったんですか?」
GM「うん」
ジェイク「あー、一番初めに言ってたやつか」
ティーユ「初め?」
ジェイク「鍵開け失敗したら終わるようなシナリオにはしないって言ってたから、基本的には扉は開けなくても、一番奥まで行けるんじゃないのか?」
エル「あー、なるほど。でも、ちょっと味気ないよね」
GM「実は……」
ジェイク「実は?」
GM「秘密」
ティーユ「こ、琴美さん……」
エル「とりあえず、一番右下の扉の先は、何もなさそう」
ジェイク「右の列、上から2行目の開いた扉の先には、罠とかなかったのか?」
GM「ん? 調べるなら振って。別にそこまで行かなくても道自体は見ればわかるじゃんね」
ジェイク「行かないでおこう。一番左の扉の先は怪しいなぁ。聞き耳は? (ころころ)10と言って14」
GM「じゃあ、何かバサバサ飛ぶような音がする」
エル「気味悪いよぅ」
ジェイク「大丈夫だぞ? エル。俺が守ってやるからな」
エル「うん」
ティーユ「いいなぁ。気味悪いよぅ」
ジェイク「大丈夫だぞ? ティーユ。俺が守ってやるからな」
ティーユ「うぅ。あんまり嬉しくない」
ジェイク「鍵は?」
GM「かかってるよ」
ジェイク「とりあえず無視しよう。一番上の扉は? 聞き耳。あ、6ゾロ」
GM「聞こえないねぇ。完璧に聞こえない」
エル「もったいない」
ジェイク「鍵は?」
GM「かかってなさそう」
ティーユ「あ、珍しい」
ジェイク「じゃあ、罠感知。あー、出目がいいなぁ。13」
GM「ないと思った」
ジェイク「ないな。ないという手応えがあった。(エルに)開けてみる?」
エル「う〜ん。まあ、罠もないし、鍵もかかってないし」
GM「じゃあ、開けた。真っ直ぐ道が続いてる」
ティーユ「さっきの地図から察するに、極めて行き止まりっぽいけど、一応先に進もう」
GM「正解。ずばり行き止まりだね」
ジェイク「落とし穴とかあるといけないから、行き止まりとわかったところで引き返そう」
エル「じゃあ、下に下りようか」
GM「了解」
☆ B3F ☆
ジェイク「また同じように」
GM「ちょっと待ってね。この階は慎重にやろう。シナリオもできてないし」
エル「えーっ!」
ジェイク「なんだそりゃ!」
GM「とりあえず、左に真っ直ぐ続いてるよ。まあ、左っていうのは、図の話だから、君たち的には真っ直ぐ前」
──────────────────┐
上│
──────────────────┘
|
エル「行くしかないねぇ」
GM「じゃあ、しばらく歩くと、通路の先から人の声が聞こえてくる」
エル「あ、子供たちだね」
ティーユ「私たちも子供だけどね」
ジェイク「エリーヌ、ユネス、タンツァ」
エル「名前呼ぶ? (GMに)なんて話してるか聞こえます?」
GM「ちょっと遠い」
ジェイク「忍び足で近付くか」
ティーユ「エリーヌたちなのは確実だよ。むしろ声をかけていくくらいのつもりで」
エル「慎重に行った方がいいよ。ひょっとして、何かに捕まってるかも知れないし」
ジェイク「そうだな。じゃあ、ちょっと一人で行ってみよう。忍び足はまた10とか振って15」
GM「まあ、道はこういう感じで、(図を見せながら)この下の突き当たりに三人の子供がいる。二人は見覚えがあるね」
エル「二人?」
GM「あー、ごめん。結局、エリーヌとはまだ会ってなかったね。じゃあ、ユネスだけはわかる。似顔絵の子だ」
ジェイク「なるほど。エリーヌは可愛いか?」
エル「うわ!」
GM「可愛いよ。ベリー・プリチー」
ジェイク「なるほど!」
ティーユ「ち、力がこもってた」
ジェイク「気のせいだよ。で、彼らはそこで何をしてるんだ?」
GM「石壁を崩して、穴を掘ってるようだね」
│ └───────────────────────┐
│ジェイク エル ティーユ 上│
│ ┌───────────────────────┘
│ │
│ │
│三│
│人│
│ │
└崩┘
|
ジェイク「穴を……。っていうか、ひょっとして、出られないのか?」
ティーユ「それは入ったときから……」
エル「エリーヌは元気なの? キッコロにはなってない?」
GM「元気ではないけど、それはみんな同じ。特別他の二人と変わったところはないよ。ちなみに、キッコロにはなってない(笑)」
ジェイク「じゃあ、驚かしたくないから、一度戻ってから、音を立てて近付こう」
エル「じゃあ、歌いながら」
ティーユ「呼べばいいのよ。エリーヌーー!」
ジェイク「ユネスやーい!」
エル「エリーヌ!」
GM「白々しい……。じゃあ、そうして例の角まで来ると、子供たちはみんな驚いた顔で君たちを見てる」
ジェイク「おお、みんな、こんなところに!」
ティーユ「白々しい……」
GM「ユネスが二人をかばうようにして立って、何か言いかけるけど、先にエリーヌが顔を綻ばせる。『あ、あなたたちは!』」
エル「やあ、エリーヌ」
ジェイク「初対面のくせに、妙に馴れ馴れしい」
GM「エリーヌがユネスとタンツァに、君たちがワードを助けに行ってくれた冒険者だって話すよ」
エル「じゃあ、自己紹介してから、こっちも色々なことを話そう」
GM「色々? 全部? テディンのことも?」
ジェイク「それはやめよう。ワードのことと、リナのことと、マグニットのことだな」
ティーユ「マグニット?」
ジェイク「おいおい。タンツァの父親。面倒だから、オイスたちのことは黙っておこう」
GM「じゃあまず、エリーヌが不安げな眼差しで聞いてくるよ。『あの、父を見ませんでしたか?』」
ティーユ「見ませんでした」
ジェイク「こらこら。(エルに)どうするべ?」
エル「話そうよ。かくかくしかじか」
GM「じゃあ、エリーヌは深いため息をつく。『そうですか……。でも、ワードを助けてくれてありがとう』」
ジェイク「おう。無事に帰れたら、<ニホンピロラブラブ亭>の親父が、ワードと一緒に雇ってくれるそうだ」
エル「家は宛てがなければ私たちの家を使ってくれていいからね♪ 家族家族」
GM「それを聞くと、エリーヌはちょっと安心した様子だ。『ありがとう』と涙目」
ティーユ「照れるね」
ジェイク「一人一人に色々聞きたいけど、まずはエリーヌの件を片付けよう。別荘に寄って注射器を見たんだけど、大丈夫なのか?」
エル「キッコロになっちゃうの?」
ティーユ「不安げに見よう」
GM「エリーヌは困ったように首を横に振るね。『私にもわからないの。今のところは大丈夫みたいだけど……』」
エル「テディンは、どういう薬かって言ってなかったの?」
GM「『キッコロとか、森の属性がどうのって……』」
エル「やっぱりキッコロ(笑)」
ティーユ「ラスボスはキッコロね」
ジェイク「ユネスは? やっぱりコリューたちの仕業?」
GM「ユネスは大きく頷くよ。『あいつら、俺と姉さんが嫌いなんだ。姉さんの前じゃ、仲いい振りしてるけどな』」
エル「それにしたって、殺そうとするなんて……」
GM「『貴族だからな……。権利とか財産とか名誉とか、色々鬱陶しいものが多いのさ』」
ティーユ「やっぱり正妻の子供が権利を持ってるの? 色々な」
GM「『そうらしい。でも、俺は興味ないね。魔法の研究をしていた方が面白い』」
エル「ああ、ソーサラーだったね。ソーサラーだけ?」
GM「その予定だったんだけど、生まれが貴族だから、ファイターもある。NPCになるから言っておくと、ソーサラー1とファイターが1、セージとレンジャーが2ね」
エル「ああ、魅惑のレンジャー!」
ティーユ「有力な仲間ね」
ジェイク「町に帰ったらどうするつもりなんだ? 家に戻るのか?」
GM「ユネスはちょっと考えてから、『ごたごたは嫌いだし、冒険者になるのも悪くないな。金だけ持って』」
エル「リナさんは?」
GM「『それが問題だ。姉さんも一緒に家を出るって言い出したら、どこかに居を構えて働いてもいい。どっちにしろ、貴族なんてのはまっぴらだ』」
ジェイク「なかなかいいヤツだ」
エル「じゃあ、二人も引き取ろうか。家、大きいし」
GM「ど、どこまで大きな家なのよ!」
エル「あはは」
ジェイク「タンツァは、何か特別なこと、あるか? 単に狩りの最中に誤って飛んできただけ?」
GM「『実は……』と、タンツァは表情を暗くするね」
ジェイク「何かあるのか?」
GM「タンツァは悲しそうに首を振る。『何もないんだ。それが残念で……』」
ジェイク「なんてことみ……」
エル「なんてことみ先輩」
ティーユ「なんてことみさん」
GM「それ、前回も聞いた」
ジェイク「それで、出られないのか? どうしてここに穴を掘ってるんだ? 一番上から、上に掘った方が良くないか?」
GM「説明しよう。ユネスによれば、ここを真っ直ぐ掘れば、いつかベルダインの地下迷宮に出るはずだって」
ティーユ「地下迷宮?」
GM「マバーロっていう、昔の王様が作った大きな迷宮」
ジェイク「それはラバンだぞ? not ベルダイン」
GM「…………」
ジェイク「…………」
GM「バローマっていう、昔の金持ちが作った大きな迷宮」
ティーユ「ほ、本当にあるの? 不安そうに……」
エル「きっとないよ。やめなよ。無駄だよ」
GM「『あ、あるはずなんだ……』ユネスは泣きそうだ。私も泣きそうだ」
エル「きっとないよ!」
ジェイク「奥には何があったんだ?」
GM「奥には祭壇があっただけだよ。これが全貌」
┌───┐
│┌─┐│
││ ││
││ ││
││ ││
││ ││
┌───────────────────────┘│ ││
│┌───────────────────────┘ ││
││ ││
│└─────┐ ┌───────────────┐ ││
└─────┐│ │┌─────────────┐│ ││
││ ││ ││ ││
││ ││ ┌─────────┐ ││ ││
││ ││ │┌──────┐ │ ││ ││
││ ││ ││ │ │ ││ ││
││ ││ │└────┐ │ │ ││ ││
││ ││ │┌───┐│ │ │ ││ ││
││ ││ ││ └┘ └┬┘ ││ ││
││ ││ ││祭壇 ○ ││ ││
││ ││ ││ ┌┐ ┌┴┐ ││ ││
││ ││ │└───┘│ │ │ ││ ││
││ ││ │┌────┘ │ │ ││ ││
││ ││ ││ │ │ ││ ││
││ ││ │└──────┘ └─┘│ ││
││ ││ └────────────┘ ││
││ ││ ││
││ │└────────────────┘└─────┐
││ └───────────────────────┐│
││ 上││
││ ┌───────────────────────┘│
││ │┌───────────────────────┘
││ ││
││ ││
││ ││
││ ││
│└─┘│
└───┘
|
ティーユ「おおっ! なんだかカッコいいですね」
ジェイク「とりあえず、祭壇まで行ってみよう。ああ、そうだユネス」
GM「『なんだ?』」
ジェイク「上の階の扉は? 穴掘り始める前に、開けようとは思わなかったのか?」
GM「『中から音がしたからな。戦えるのが俺一人じゃ、分が悪い。今なら開けに行ってもいいぞ』」
エル「分が悪くても……穴を掘るより可能性が……」
GM「『自信があったんだ……。まさかラバンだったなんて……』」
ジェイク「こいつ、ダメだ。お前はソーサラーやセージより、ファイターやレンジャーになった方がいいぞ?」
GM「『考えておくよ……(´・ω・`)』」
ジェイク「うわ、しょんぼりしてる!」
エル「じゃあ、みんなで祭壇の方に行こう♪」
◆ 子供たちの呪い ◆
GM「さあ、いよいよ『子供たちの呪い』の章だ!」
エル「なんだかカッコいいですね」
GM「任せて! 見て、ここから先のことが何も書いてない、このシナリオ!」
■森の祭壇は?
かつて、コリア湾沖地震の際、一部の宗教家が、これは「海の神の怒りだ」と言って、子供を捧げた。
宗教家は洞窟を掘り、その奥で子供を殺した。
その子供たちの呪いで、今は子供にしか入れなくなっている。
アムグンド教。
××××××××××××。
××××××××××××。
×××××有力貴族ヌイアル・ジョーラスの長女リナ(16)××××××××××××××××。
ヌイアルには他に三人の息子がいて、三男がユネス(14)。
実はリナとユネスが正息。長男コリュー(22)とドドイ(19)は妾の息子。
この二人がユネスを謀殺しようとする。→祭壇を利用
悲しむリナがユネスを探しているところを、エルたちと出会う。
■オイスたちへの依頼
依頼主はマグニットという、人間の男。42歳。
妻はいない。17歳の息子ナトリーと、次男タンツァ12歳がいる。
ナトリーは家業(鍛冶屋)を手伝っている。
マグニットがタンツァと召使い数人と狩りをしていたら、タンツァが祭壇付近で行方不明になった。
■テディン
テディンはエリーヌに無理矢理人体実験を施そうとする。
エリーヌは注射を一本打たれ、抵抗して逃げる。そのまま祭壇へ。
テディンは祭壇でエリーヌを取り逃し、ベアに襲われて死亡する。←死亡間際にエルたち登場
|
エル「…………」
ティーユ「…………」
ジェイク「所々の×が気になるな」
ティーユ「森の属性って、アドリブだったんだ……」
GM「さ、じゃあ、君たちが祭壇に行くと、地上で見たのと同じくらいの大きさの祭壇があるね」
エル「おおー」
GM「周りにはいくつかの白骨死体」
エル「お、おぉ……」
ティーユ「トーンが下がった。ジェイク、気持ち悪いよぅ」
ジェイク「よしよし、大丈夫だぞ。俺がついてるからな。エリーヌも、心配しなくていいからな」
ティーユ「うわ!」
GM「『は、はい……』エリーヌ、ちょっと頬が赤い」
ジェイク「よしよし。で、白骨サイズは?」
エル「白骨サイズ……」
GM「子供だね。アムグンド教の話聞いてた?」
ジェイク「確認しただけだよ。確かに、子供たちが生け贄にされたようだな」
GM「ユネスが呟くね。『アムグンド教は、ある目的を持った宗教だったんだ』」
ジェイク「シナリオの×の部分か?」
エル「それは?」
GM「『それは、わからない』シナリオにも書いてないし」
ティーユ「だ、だめだ。ユネスって、きっとギャグキャラなのよ」
ジェイク「俺もそんな気がしてきた。雪島っぽい」
エル「ユネスは、アムグンド教を知ってるの?」
ティーユ「あ、そういえば」
GM「ユネスは頷くよ」
ジェイク「またなんかギャグを言うぞ?」
GM「うるさいなぁ。『うちの神棚に、アムグンド教の変な像が置いてあるんだ。兎に絡まる三匹の蛇を、一匹のペンギンが……』」
ジェイク「雪島って、ちゃんと考えてる場所はちゃんとしてるけど、アドリブの場所は、とことん滅茶苦茶だよな」
ティーユ「あはは(笑)」
GM「う、うるさいなぁ。とにかく、『兎に絡まる三匹の蛇の像が置いてあって、昔アムグンド教に入っていたらしい』」
ジェイク「関係者か。じゃあ、何か脱出方法は聞いてないのか? 昔の連中は、子供をここに閉じこめてから、どうやって出たんだ?」
GM「ユネスはわからないと首を振るけど、『きっと昔は出口があって、子供たちの呪いがそれを一方通行にしてしまったんだ』と言う」
エル「なるほど。あり得るね」
ジェイク「思うに、雪島はこの時点でまだ、脱出方法を考えてないんじゃなかろうか」
GM「ぎくっ」
ティーユ「えー! ほんとですかっ!?」
GM「『穴を掘るつもりだったんだ。こうなったら一緒に考えよう!』とユネス。私もユネスになって、一緒に考えるね!」
ジェイク「なんだこのGMは!(笑)」
エル「と、とにかく上の階に行こう。あの扉を開けば、きっと答えがある!」
ジェイク「そうだな。あの扉を開けば、きっと答えを思い付く」
GM「思い付かなかったらおしまいだね。飢え死にするしかないね。実はユネスたち、もう食料が限界なのよ」
ジェイク「が、頑張って思い付けよ、ユネス」
GM「『が、頑張る……』」
エル「ものすごく不安になってきた」
GM「エリーヌも不安そうだ。『ああ、ワード。もう会えないの?』」
ジェイク「大丈夫だぞ、エリーヌ。俺がきっとお前をワードのところに帰してやるからな」
GM「『ジェイク……』」
ジェイク「エリーヌ……ひしっ」
GM「きゃあ!」
ティーユ「うわ、抱きついた! ジェイクひどい!」
ジェイク「いや、プレイヤーが抱きついただけで、PCは抱きついてない」
エル「面白い……」
ジェイク「ジェイク少年は純粋なのだ」
GM「プレイヤーと違って……」
エル「うん……」
ティーユ「ジェイクも、プレイヤーみたいにもっと積極的なら……ぽっ」
ジェイク「めちゃめちゃ言われた。さ、じゃあ、いよいよ上だな」
この部分です。
┌──────────────
│
│ ┌───
│ │
│ ┬┘ ┌─
│ 扉 │
│ ┴┐ └─
│ │
│ └───
│
└──────────────
|
エル「あきらかに部屋がある構造だね」
ジェイク「罠感知。5振って9」
GM「わからない」
ジェイク「解錠は13」
GM「会場?」
ジェイク「錠を解くだって。錠前の錠」
GM「ああ、いきなり文語っぽい単語使わないで。ソードっぽく、『鍵開け』って言って」
ジェイク「今のは、前回の『開扉』よりはわかるだろ」
エル「で、開きました?」
GM「開いたねぇ」
ティーユ「臨戦態勢取ります?」
ジェイク「(何かを巻く格好をしながら)臨戦態勢?」
GM「何を巻いてるの?」
ジェイク「クロス・ボウ」
エル「そんなのないし……」
GM「で、どうするの?」
ジェイク「エンチャントだな。俺とティーユに」
GM「それだけ?」
ジェイク「(ユネスの精神点は)いくつ残る?」
GM「9だね。元は15。(子供の修正受ける)もっと前は18」
ジェイク「エネルギー・ボルトぶっ放して、4残るな。残しといてもしょうがない数値だ」
エル「でも、ひょっとしてアンロックとか必要になるかも知れないし」
ジェイク「ないな」
エル「かも、だよ。慎重な私」
ティーユ「リーダーの意見を尊重しよう、ジェイク」
ジェイク「うむ。じゃあ、そういうことで、突撃」
GM「了解。(完全版をめくりながら)ちょ〜っと待ってね」
ティーユ「何してるんですか?」
エル「ルール調べてるのかな」
ジェイク「敵を決めてるに100ギル」
エル「えー!」
ティーユ「ふ、普通、先に決まってません? そういうもんなんですか?」
ジェイク「俺は先に決める。(GMに)バサバサ飛ぶようなヤツは見つかったか?」
GM「任せて。ところで、みなりん。フレッシュ・ゴーレムとか、倒せそう?」
ジェイク「倒せなさそう」
GM「じゃあ、シナリオに書いてある通りで」
ジェイク「書いてねーじゃん」
ティーユ「わ、私も突っ込みたかったけど、私が突っ込んでいいものかどうか」
GM「それじゃ、蝙蝠みたいなのが2匹と、ガーゴイルみたいなのが1匹。知名度チェック」
エル「ガーゴイルみたいなのって……。前者が13、後者が14です」
GM「いい出目だね。蝙蝠がジャイアント・バット。ガーゴイルはガーゴイルね。(完全版を見せながら)能力値は固定値使うから、メモって」
ティーユ「ガーゴイル、そのまんまだし……」
ジェイク「まったくだ」
1ラウンド目。
GM「蝙蝠、蝙蝠、エル、ティーユ、ジェイク、ガーゴイル、ユネスかな。蝙蝠はジェイクとティーユに」
ジェイク「11、12、8。最後の1発受けた。防御で7は6点引いて0だな」
ティーユ「あ、出目がいい。13、11、7で、防御は6の6点軽減。0ですね」
GM「ダメだ。蝙蝠、弱い……」
エル「シェイドで蝙蝠倒す?」
ジェイク「こいつら弱いから、ガーゴイルに火矢でも放って」
ティーユ「でも、回避が面倒だから倒しちゃわない?」
ジェイク「それでも可」
エル「じゃあ、確実に一匹を仕留めよう。ジェイクの方のヤツにシェイド倍がけ(ダメージの拡大のこと)。5は9」
GM「抵抗だねぇ」
エル「うっ……。その後が3と8か。8の方で2の6発」
GM「倒せなかったね(蝙蝠Aの残り精神点3)」
ジェイク「やっぱりガーゴイルだったか」
ティーユ「結果論だよ。Bに攻撃は当たって10発(蝙蝠Bの残り生命力5)」
ジェイク「Aに攻撃は当たって、10レートで6ゾロって……」
エル「最近出目がいいね」
ジェイク「実力だよ、エル。もう1発6ゾロって……」
エル「出目がいいね」
ジェイク「実力だってば。もう1発6ゾロって……」
GM「今、46656回に1回しか起きないことが起きなかった?」
ジェイク「そういうこともある。次が11」
ティーユ「前回の記録(41発)を更新しそうですね♪」
ジェイク「でも次が6で終わり。36発」
GM「うにゅぅ。敵が弱すぎた。ガーゴイルはジェイクに」
ジェイク「14と13で回避」
GM「はぅ。ユネスは何もしないね」
2ラウンド目。
蝙蝠Bの攻撃をティーユはすべて回避。
エルは何もせず、ティーユはBに反撃してこれを黙らせる。
ジェイクの攻撃は当たるも削れず、ガーゴイルの反撃を1点受ける(ジェイクの残り生命力12)。
3ラウンド目。
ティーユの攻撃は当たらず、ジェイクは打撃で1ゾロ。
ガーゴイルの攻撃はジェイクが両方回避。
4ラウンド目。
ティーユの攻撃は当たらず、ジェイクは今度は攻撃で1ゾロ。さっきの6ゾロの反動ではなかろうか。
ガーゴイルの攻撃は的確に回避する。
5ラウンド目。
ティーユの攻撃がようやく当たり、3点通る(残り生命力13)。
ジェイクは1回クリティカルで12発(残り生命力9)。
その裏、ジェイクはガーゴイルの攻撃を3点もらう(残り生命力9)。
6ラウンド目。
ティーユ、ガーゴイルの攻撃は当たらず、ジェイクの攻撃は通らず。
7ラウンド目。
ティーユの攻撃が当たり、2点削る(残り生命力11)。大振りだが、当たれば通るティーユ。
ジェイクも攻撃は当てるが通らず。的確にヒットはするが、回らないと通らないジェイク。
その裏、ジェイクはガーゴイルの攻撃を両方受ける。防御の出目は良かったが4点(残り生命力5)。
8ラウンド目。
ティーユは早めのキュアー・ウーンズでジェイクを7点回復(残り生命力12)。
ジェイクの攻撃は1回回って13発。5点通して残り4。
ガーゴイルの攻撃は回避。
このキャンペーン初の9ラウンド目。
ティーユの攻撃は通らず、ジェイクとガーゴイルは互いに当たらず。
10ラウンド目。
ティーユの攻撃が2点通して、残り2。
その後、ジェイクが2回回して18発。ようやくガーゴイルを沈黙させた。
エル「長い戦いだった……」
ジェイク「まあ、魔法を使ってないからな」
GM「長いだけで、まったく苦戦してないよね。いまいちな配置」
ティーユ「そうですね。前回のゴブリン・シャーマンは本当に苦戦したから」
GM「モンスターの配置は難しい。一度模擬戦闘をやってみるといいんだろうけど、それはしたくないから」
ジェイク「面倒だしな」
◆ 子供たちの呪い2 ◆
エル「さてと、部屋の中はどんな感じですか?」
GM「いい質問ね。ふふん♪」
ジェイク「ふ、普通するだろ」
GM「燭台はあるね。もちろん火はついてないけど。四本の燭台に囲まれた石の台があって、その上に箱が一つ置いてある」
ティーユ「どれくらいの大きさですか?」
GM「んーとねえ、20cm、15cm、10cmくらい」
ジェイク「結構小さいな。聞き耳……8」
エル「うわ。あんな小さな箱に聞き耳してる!」
GM「滑稽だね。何も聞こえないよ……ああ、聞こえた方がいいかなぁ」
ジェイク「どっちだよ!」
GM「聞こえる聞こえる。すすり泣くような声。声というか、風を切る音のような」
ティーユ「箱の中で風が渦巻いてるのかな」
GM「表現は比喩よ?」
ジェイク「鍵は? 罠は? (罠感知は)11」
GM「かかってるねぇ。罠はなさそう」
ジェイク「(エルとティーユに)開ける?」
エル「敵の可能性は?」
ティーユ「エルにトランスする?」
ジェイク「回復優先。戦闘になったとしても、今よりいい状態にはならないな。もちろん、6時間寝れば別だが」
エル「さくさく開けようか」
ティーユ「あ、慎重なエルっぽくない」
エル「状況が切羽詰まってるからさ。食料もないし、みんな疲れてるし」
ティーユ「ああ、そうだった。忘れてた」
ジェイク「じゃあ、鍵開け。(ころころ)3とか振った、ごめん。8」
GM「開かないね。じゃあ、ユネスがアンロック使うね?」
エル「ほら、やっぱりアンロックを使う状況になったじゃない!」
ジェイク「うぅ。俺のせいで……」
ティーユ「6ゾロを3回も連続で振るからだね」
GM「じゃあ、鍵は開くよ。これでユネスの残り精神点は1ね」
ジェイク「かぱっ。中には何が?」
GM「指輪が入ってる。青い石が填った指輪だね」
エル「へぇー」
ジェイク「青い石?」
GM「おっと、ジェイク少年、何かに気が付いた模様です!」
ジェイク「なんだよ、それ!」
ティーユ「んー、ああ! ひょっとして、リナさんが填めていたやつ?」
GM「ぴんぽーん♪ ユネスも気が付いたみたいで、びっくりした顔付きになってる」
エル「すごいなぁ。先輩、ちゃんとシナリオ考えてたんだ」
GM「ああ、これはさっき見せたのの×××の部分に書いてあるのよ」
奥に青い石の指輪を捧げた。
この指輪は有力貴族ヌイアル・ジョーラスの長女リナ(16)の持っている指輪と対になっている。
ヌイアルには他に三人の息子がいて、三男がユネス(14)。
実はリナとユネスが正息。長男コリュー(22)とドドイ(19)は妾の息子。
この二人がユネスを謀殺しようとする。→祭壇を利用
悲しむリナがユネスを探しているところを、エルたちと出会う。
|
ジェイク「伏せ字箇所はもう一箇所だな」
GM「それは、一番最後に使うか、次回かな」
エル「えー! じゃあ、脱出方法って、本当に書いてなかったんですか!?」
GM「さぁ。で、どうする?」
エル「あ、誤魔化された」
ティーユ「私、実は琴美さんは、全部綿密に練り上げた上で、わざと冗談めかして言ってるんだと思う」
エル「そうかー。そうだよね」
ジェイク「(GMに)っていうか、お前、よかったな。随分いい人だと思われてるぞ?」
GM「日頃の行いがいいから」
ジェイク「一応、ユネスに聞こう。これはリナが持っていたものと対になってるみたいだけど、何か知ってるか?」
GM「ユネスは首を振るよ。『いや、知らない。俺の家の人間が昔アムグンド教の教徒だったのは知っていたけど……』」
ジェイク「そうか。何かあるのかも知れないな」
エル「対っていうか、二つとも限らないけどね」
ティーユ「シナリオに『対』って書いてあるし」
GM「あ、しまった」
エル「ダメじゃないですか(笑)」
ジェイク「で、音の正体は? 指輪からしてるのか?」
GM「そうだねぇ。じゃあ、しばらくすると、指輪から白い靄みたいなのが出てきて、うっすらと子供の形になるよ」
エル「おおっ……」
GM「知名度」
エル「出目8は12です」
GM「…………」
エル「わ、わからなかったですか?」
GM「他の二人は?」
エル「うぅ……」
ジェイク「だめ」
ティーユ「同じく、6ゾロじゃないです」
GM「じゃあ、エリーヌが……」
ティーユ「恋敵(笑)」
ジェイク「いやいや」
GM「『これは、スペクター……いえ、ファントムですね』」
エル「ファントム?」
GM「こういうとき、プレイヤーが知らないのは面倒だね。浮かばれない怨念みたいな存在で、物に束縛されてるの」
ジェイク「プレイヤー知識だが、未練を晴らせば成仏するぞ? スペクターだと、シェイドで倒せる」
ティーユ「じゃあ、これは子供のファントムってことね。さっきの白骨を埋葬すれば……」
エル「そうっぽいね」
ティーユ「さっきのところに戻ろう!」
ということで、一行はB3Fに戻ります。
そして、子供の白骨を丁寧に埋葬しますが、何も起きないし、ファントムも消えませんでした。
そう簡単に消してたまるか(笑)。
ティーユ「消えない……」
ジェイク「くそぅ。雪島琴美め、一番単純な手段ではダメだったか」
エル「困ったなぁ。ファントムの表情とかわかる? 悲しそう?」
GM「まあ、悲しそうと言えば悲しそう」
ジェイク「すすり泣く声のようなものが聞こえたしな」
エル「なんだろう。生け贄にされてすすり泣き」
ジェイク「色々考えられるな。痛み? 寂しさ? 悲しみ?」
ティーユ「恨みとか憎しみとか、妬みとか、そういう類じゃなさそうだね」
エル「じゃあ、キュアー・ウーンズとかかけると成仏したりして」
ジェイク「斬新な発想だ。遊び足りなかったとか、そういう未練でもなさそうだし」
この後3人はかなりあれこれ考え、指輪と一緒に遊んでみたりとか、指輪にものを食べさせてみたりとかします。
おいおい。
それでもどうにもならないので、とうとうジェイクが自分に憑依させれるか、とGMに。
GM「できるよ」
ジェイク「指輪に干し肉を食わせるよりはよさそうだな」
ティーユ「でも、危険よ! 私、ジェイクにもしものことがあったら……」
ジェイク「大丈夫だぞ、ティーユ。お前を置いて死んだりしないからな」
エル「あ、珍しくティーユに優しい」
ティーユ「ジェイク……ぽっ」
ジェイク「ってことで、GoGo」
GM「じゃあ、憑依しまっす」
ジェイク「ものしゃべれる? しゃぶれる? しゃぶる?」
GM「しゃぶらない」
ジェイク「しゃぶれて」
GM「男の子だよ」
ジェイク「くそぅ」
エル「なんの話だろう……子供だからわかんない」
ティーユ「私も子供だから」
ジェイク「俺も子供だからわからないな。GMの言うことは難しい」
GM「えー!」
ジェイク「で、ファントムは何を言う?」
GM「『怖いよー』」
エル「なるほど。すすり泣きの理由は、恐怖だったんだね」
ティーユ「それがわかった上で、どうすれば?」
エル「(ファントムって)こっちの言葉もわかるんですか?」
GM「と、推測される。説明文からは。まあ、正式ルールはどうでもいいや。できるできる」
エル「じゃあ、もう怖くないことを必死に訴えよう」
GM「『怖いよー』」
エル「だ、だめか……」
ジェイク「あきらめるのは早いって!」
エル「うぅ。怖くないよ?」
GM「『怖いよー』」
エル「もう怖くないよ?」
GM「『怖いよー』」
エル「怖くないんだってば」
GM「『怖いよー』」
エル「ほんとに怖くないの。信じて?」
GM「『怖いよー』」
エル「ほんとに言葉わかってる?(汗)」
ジェイク「頑張れ、エル!」
ティーユ「リーダー、頑張って!」
エル「うぅ。怖くないのよ? お姉ちゃんがついてるからね?」
GM「『怖いよー』」
エル「はぁ、はぁ……」
ジェイク「もう一息だ!」
エル「何を根拠に……。怖くないのよ?」
GM「『怖いよー』」
エル「5W1Hにしてみよう。何が怖いの?」
GM「『怖いよー』」
エル「……子供を相手にするときは忍耐だよね? 怖くないよ?」
GM「『怖いよー』」
エル「怖くないって」
GM「『怖いよー』」
エル「怖くないよ? ほんとに」
GM「『怖いよー』」
エル「大丈夫だってば」
・
・
・
エル「こ、怖くないよ……?」
GM「『怖いよー』」
エル「大丈夫。怖くないよ?」
GM「『……ほんとに?』」
エル「うわ! 違うこと言った!」
ジェイク「ついにやったか!」
ティーユ「なんだか感動しました」
エル「ほんとほんと。もう怖くないからね?」
GM「『……ほんとに?』」
エル「本当よ」
GM「『……ほんとに?』」
エル「…………」
ジェイク「……が、頑張れ、エル」
ティーユ「…………」
エル「本当、本当」
GM「『……ほんとに?』」
エル「ほ、本当……」
GM「『……ほんとに?』」
エル「はぁ……はぁ……」
ジェイク「雪島って、ことごとく変なヤツだな」
エル「本当だよ、もう成仏して……」
GM「『……ほんとに?』」
エル「本当だってばぁ」
・
・
・
エル「本当なの……そんなにお姉ちゃんのこと、信じられないかな?」
ジェイク「ちょっと難しいな」
ティーユ「弱いし」
エル「うぅ……」
GM「『……ほんとに?』」
エル「ほんとだってば」
GM「『ほんとなんだ! よかった!』」
エル「や、やっと……?」
GM「そうだね。子供のファントムはようやく消えてったよ。疲れた。アクエリアス取って」
ティーユ「あ、どうぞ」
エル「わ、私も飲む……」
ジェイク「壮絶な戦いだった……」
GM「ほら、対蝙蝠&ガーゴイル戦が楽だったから」
エル「ある意味、前回のゴブリン・シャーマンより苦戦したね」
GM「じゃあ、ファントムが消えると、洞窟全体を包み込んでいた禍々しさが消えてなくなるね」
ジェイク「っていうか、いつからそんなもんに包み込まれてたんだ?(笑)」
◆ そして次の事件に巻き込まれる ◆
エル「じゃあ、上に行ってみようか。入ってきたところから出られるかも知れないし」
ティーユ「そうだね。賛成♪」
ジェイク「その前に、上の階の開けてなかった扉を開けようぜ。何か宝があるかも知れない」
エル「でも、戦闘になったら嫌だよ。他の場所からして、何も出てこない可能性が高いよ」
ジェイク「もしあったらもったいないじゃん」
ティーユ「私はジェイクに賛成」
エル「ティーユはいつだってジェイクの味方だよ!」
ティーユ「ひどい! そんなことないよ!」
エル「あるある。ティーユはいっつもそう!」
ティーユ「そんなことないって! エルがそんなふうに思ってたなんて!」
エル「だってそうじゃない!」
ティーユ「違うもん」
GM「(ジェイクに)っていうか、止めない?」
ジェイク「止める? 止めよう。こらこら、二人ともケンカは良くないぞ?」
エル「だって、ティーユが!」
ティーユ「だって、エルが!」
ジェイク「二人とも間違ってるから、二人とも謝って」
エル「えー! じゃあ、正しいのは?」
ジェイク「正しいのは俺だな」
エル「ええーっ!」
ジェイク「ってことで、聞き耳で何も音が聞こえなかったのは確認済みだし、罠がなければ開けよう」
宣言通り、ジェイクは上に戻って扉を開けるけど、何も出てきません。
本当は少しくらい何か置いておいた方が、プレイヤーも楽しいでしょうから、GMはなるべくつまらないものでもいいから見つかるようにしましょう。
今回は内輪でやってるセッションだし、エルたちをあまりリッチにしたくなかったので何も置きませんでした。
普通の洞窟なら、キュアー・ウーンズ1回分の石でも何でも置いておくといいんですけど、今回は子供を生け贄に捧げるためだけに作られた洞窟なので。
エル「ほら、何もなかったじゃない!」
ジェイク「結果論だよ。じゃあ、上に行こう」
ティーユ「っていうか、空いてます?」
GM「空いてるねぇ〜。良かったね〜」
エル「やったー! 外だ!」
GM「NPCたちも喜んでるよ」
エル「じゃあ、町に帰ろうか」
GM「ああ、その前に、テディンの死体ってそのままだよね?」
ティーユ「あー、そういえば」
ジェイク「いや、エルが食った」
エル「た、食べてない……」
GM「じゃあ、エリーヌが肩を落として突っ立ってるよ」
ジェイク「エリーヌ……。元気出せよ? な?」
GM「『はい……。別に悲しいわけじゃないんです……。別に、悲しいわけじゃ……ぐすっ』」
ジェイク「ああ、エリーヌ! ひしっ!」
GM「きゃあ!」
エル「うわ! また抱きついた!」
ジェイク「いや、プレイヤーだぞ?」
ティーユ「ほんとに? ほんとですか? ジェイク、抱きついてない?」
ジェイク「大丈夫大丈夫」
エル「じゃあ、みんなを連れて帰ろう!」
というわけで、ベルダインに帰ってきます。
ここでGMは最後のイベント用意していたのですが、PCたちは真っ先にそのイベントに向かいます。
エル「どこから行こう?」
ジェイク「エリーヌは一緒に家に帰るんだし、ユネスも少々ややこしそうだから、最初にタンツァだな」
ティーユ「賛成♪」
エル「じゃあ、オイスのところだね。ユネスもついてくる?」
GM「ついていくよ〜」
エル「じゃあ、<キコーロ・モリゾヌ亭>に」
GM「は〜い。じゃあ、<キコーロ・モリゾヌ亭>に着きます。マスターが声をかけてくるね。『よう、あんたたちか。しばらく見なかったな』」
ティーユ「冒険者だから。冒険してたのよ」
GM「『へぇ。どんな冒険か知らないが、仲間をたくさん連れてるとこ見ると、成功だったみたいだな』」
エル「お陰様で」
ジェイク「実力だな」
GM「『お前たち、どこにいるんだ? 子供に頼みたい依頼があったら、お前たちに頼むことにするよ』」
エル「わー、嬉しい!」
ジェイク「こうやって信頼を得ていくんだな」
ティーユ「なんか、いいですね、こういうの」
ジェイク「これは雪島のマスターが上手い」
エル「じゃあ、家はベルダインだけど、<ニホンピロラブラブ亭>を拠点にしようと思ってることを言うよ」
GM「『わかった。あそこか。ああ、オイスたちなら上にいると思うが……でも、ここんとこちょっと見てない気もする』」
エル「見てない?」
ジェイク「行ってもいいか?」
GM「『構わんよ』」
エル「見に行こう。ちょっと気になる」
GM「じゃあ、行くとエル宛てに手紙が置いてある」
エル「下位古代語? 読めるよ?」
GM「共通語だよ。『指輪を持って5番地に来い。大人しく来ない場合は、オイスの生命も、お前たちの生命もないものと思え』」
エル「…………」
ティーユ「何やら大変なことになってるね、リーダー」
エル「そうだね」
ジェイク「(GMに)書いたのは?」
GM「さあ。君たちはオイスたちの筆跡は知らないから」
エル「でも、私宛てなんだよね」
ティーユ「書かされたか何かじゃないかな?」
エル「5番地って?」
GM「人気のないところ。君たちは知ってるよ。スラムの方だね」
エル「行く?」
ジェイク「行くしか……。ああ、エリーヌは置いていこう。ユネスはどうする?」
GM「気になるからついていくって」
エル「気になる? オイスたちが?」
GM「いや、指輪のことだよ」
ティーユ「ああ、そういえば、この指輪はリナさんのと対になってましたね」
エル「次の事件の匂いが……」
はい、次の事件ですね(笑)。
エルたちはエリーヌを家に置いて、5番地に向かいます。
ちなみに、エリーヌとワードの再会シーンは割愛。
エル「状況はどうだい♪」
GM「そ、それは?」
エル「『ロストマン』」
ジェイク「Bump of Chickenの歌だな」
GM「状況は、ソーサラーみたいな人と、シーフみたいな人がいて、木にオイスが縛り付けられてる。ファリンとメリックはぐったりして地面に横たわってるね」
ジェイク「こ、殺すことはなかったんだ!」
エル「な、何? 何? 死んでるの?」
GM「いや、別に死んでないけど。カミーユの真似?」
ジェイク「そう。ちょっと言ってみたかった」
ティーユ「向こうは何か言ってきます?」
GM「『よく来たな』」
エル「よく来たよ。来いって書いたの、あんたらじゃん」
ティーユ「エルがスレてる」
GM「『指輪をこっちに投げてよこせ。さもなければ、こいつの生命はない』」
ジェイク「指輪を何に使うんだ?」
GM「『そんなことはお前たちには関係のないこと。渡すのか、渡さないのか?』」
エル「渡そう」
ティーユ「渡したら、本当にオイスたちを放してくれるの!?」
GM「『俺たちはこいつらの生命なんかには興味ないからな。構わんさ』」
エル「じゃあ、投げる。さあ、渡したよ。オイスを放して」
GM「シーフが拾って、ソーサラーに持っていく。ソーサラーはそれを見て、『確かに』と頷いてから言うよ。『これで指輪は二つ揃った。くはははっ』」
ジェイク「二つ? お前ら、リナをどうした!?」
GM「『リナ? ああ、あの女なら、ちょうどいいから、媒体に使うことにした』」
ジェイク「なんだって?」
GM「君より先に、ユネスが怒って斬りかかる。でも、ソーサラーがバリバリっと魔法使って、バタッと倒れるよ」
エル「エネルギー・ボルト?」
GM「うんにゃ。ライトニング」
ジェイク「(レベル)3以上か……」
GM「彼らは満足そうに去っていくよ。どうする?」
エル「どうもしない。ユネスに駆け寄ろう」
ティーユ「じゃあ、オイスの縄を切りに」
ジェイク「行き場所がないなぁ。ファリンとメリックの様子でも見に行こう」
GM「オイスは『すまない』って謝るよ」
エル「何があったんですか?」
GM「オイスは苦しそうに言うよ。『長くなるから、それはまた次回に……』」
ジェイク「なんだよそれ!」
ティーユ「また先輩チックに……」
GM「じゃあ、一旦病人怪我人を連れて<ニホンピロラブラブ亭>に帰る方向で、次回はそこからのスタートにしよう」
ジェイク「なるほど、次はこうやってつなげてきたか」
ティーユ「面白いですね♪」
ジェイク「そして次回、またいきなりソーサラーが死んでるんだな?」
エル「えー! 今度はちゃんとボスでしょう」
GM「それはまた次回のお楽しみ♪ まだ何も考えてないけど」
エル「だ、だめじゃん……」
◆ 反省会 ◆
雪島「それじゃ、反省です」
水原「っていうか、お前、シナリオ考えてなさすぎ」
雪島「うぐぅ……」
ほずえ「ほんとに考えてなかったんですか? 脱出方法とか」
雪島「ああ、脱出方法はシナリオに書いてなかっただけで、ファントムを使うアイデアは初めからあったよ」
由佳里「穴のヤツは、本当に間違えてたんですか?」
雪島「あー、うん。まあ、どっちにしろ、みんなで穴掘りになることはないと思ってたし、そうなったら積極的にファントムを出していく予定だったから」
水原「敵の配置は先に考えようぜ」
雪島「敵をあそこで決めたのは悪かったけど、場所は臨機応変でもよくない?」
水原「でも、例えば前回、後に入った部屋にゴブリン・シャーマンがいる、とかだと嫌じゃんね」
ほずえ「ああ、なるほど」
雪島「まあ、それは言えるか」
由佳里「でも、今回は敵が弱かったですね」
雪島「バランスが難しい」
ほずえ「わたしにはすごく強かった……」
水原「ああ、あれも適当だよな(笑)」
雪島「まあ、うん。ほずえちゃんが頑張り出したから、まああれでいいやって思って」
ほずえ「えー! じゃあ、埋葬してダメだった時点ではまだ、どうすれば成仏させられるか考えてなかったんですか?」
雪島「そういうわけじゃなくて、答えがあるより、何か私にも気付かない、『なるほど〜』って思えることをしたらって考えてたのよ」
ほずえ「ああ、なるほど」
由佳里「色々参考になるね」
水原「お前らがマスターやるとき、雪島のいいところだけを抽出しろよ? 顔とか」
雪島「うわ!」
水原「胸とか」
雪島「しくしく」
ほずえ「エリーヌは大丈夫だったのかな? 森の属性が……」
水原「あれも適当だよな。大丈夫そうだったから、敢えてセッション内で深入りしなかったけど。深入りされたら困ってただろう」
雪島「困ってた(汗)。とりあえず無事だったみたいだね」
由佳里「ほんとですか〜?」
水原「いや、それは恐らく第4回」
雪島「バレた。もっと複雑なのに変えよう」
水原「ああ、そうしてどんどん面白くしていってくれ」
ほずえ「次はユネスとリナの話だね」
由佳里「ユネスは次回、NPCとして入りそうだね」
雪島「ライトニング打たれたから、ベッドで寝てるかもね」
水原「それはそれでありだが」
雪島「戦闘ができるNPCって、あんまり好きじゃないのよね。エリーヌとかはいいんだけどさ」
水原「面倒だしな。自分で作った敵に、自分でダイス振って攻撃するのは、ちょっと虚しい」
雪島「じゃあ、そろそろ締めようか」
ほずえ「はーい。経験点は?」
雪島「今回は1,300点で。あと、オイスたちからの報酬の1,200ガメルも加算しておいてね」
ほずえ「これで1,900ガメル?」
雪島「だいぶ外に出てたし1,500ガメルくらいかな?」
由佳里「ちっとも増えていかない……」
水原「よほど大当たりしないと、当分金は大変そうだな」
雪島「じゃあ、今回はこれくらいで。お疲れ様でした〜」
水原「お疲れ〜」
ほずえ「お疲れ様です」
由佳里「次も期待してますね〜」
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