エリックとエルメス 第9話『怨恨』


◆ 3ヶ月ぶり ◆

 前回、第8話『改変』をプレイしてから、3ヶ月という長い長い月日を経て、『エリックとエルメス』、ここに復活であります。
 前回のラストで入った経験点は、エリックが1,370点、ミーシュが1,350点、リーザが1,360点。
 エリックとリーザはそのまま溜めましたが、ミーシュはファイター技能を1つ上げました。そのおかげで、回避力が8!
 これは驚異的な数字だけれど、防御力が1で、生命点が8しかないから、楯になるにはよほどの覚悟がいることでしょう。

水原(GM)「ということで、何度も言っているけれど、3ヶ月も空いてしまいました」
ゆかりん(リーザ)「お久しぶりです」
雪島(エリック)「おひさ〜」
ほずぴー(ミーシュ)「にゅん」
ゆかりん「ほずえは……ほずぴーは、毎日学校で会ってるけどね」
ほずぴー「だから、言い直さないでよ……」
雪島「But you are ほずぴー」
ほずぴー「由佳里にまで言われたら、私……」
ゆかりん「私、ゆかりん」
ほずぴー「ぐすっ」
水原「そろそろいい?(爆)」
ゆかりん「はい。どうぞどうぞ」
雪島「いつでもいいよ。来て……みたいな」
水原「……ごくっ」
ほずぴー「あっ、スケベな視線」
水原「男は、可愛い女の子の『来て……』という言葉に弱いらしい」
ゆかりん「へぇ〜。じゃあ、来て……」
ほずぴー「来て……」
雪島「来ないで……」
ゆかりん「さぁ、誰のところに……って!」
ほずぴー「何か、一人だけ違うこと言った人がいるような気がするにゅ」
雪島「気のせいだよ」
水原「ちなみに、3人が『来て』と言ったら、迷わず雪島のところに行くぞ」
ほずぴー「当然か」
ゆかりん「熱々ですね」
雪島「恥ずぃ……」
水原「ふふふ」
ゆかりん「それはやめましょう。可愛くないです」
ほずぴー「っていうか、気持ち悪い」
水原「しくしく。んで、3ヶ月空いちゃいました」
雪島「もう完全に没になると思ってた」
ゆかりん「すいません。実は私も、少しあきらめてた」
ほずぴー「私はお兄ちゃんを信じてたよ!」
雪島「……嘘くさ〜」
ほずぴー「ほ、ほんとだよ! ほんとほんと」
ゆかりん「とりあえず、復活して良かったです。私が初めてTRPGをやったキャンペーンなので」
ほずぴー「それは私も同じだにゅ」
水原「物語は大体覚えてるかな? こないだ雑談したから、もう大丈夫かな?」
ゆかりん「はい。ただ、物語は大丈夫なんですけど……」
水原「ん?」
雪島「前と同じように演じられるかが、かなり怪しい」
ほずぴー「確か、私の発言とミーシュの発言がごちゃごちゃになって苦しんでた覚えがある」
雪島「エリックって、どんな感じだっけ?」
水原「君みたいな感じ。情けない男の子。戦闘じゃないとかっこいい」
雪島「私みたいな感じじゃないのは確かね。演技が上手いんだ、私」
ほずぴー「Hなところなんて、先輩そのものだにゅ」
ゆかりん「…………」
雪島「ひどい言われようだ……しくりん」
水原「んで、実は今回、まだ大筋しか考えてないんだけど、エリックたちはどうするのかだけ聞いておきたい」
雪島「……と申されますと?」
水原「当初の予定通りに、さらにアノスを目指して東に行くのか、それともオランにとどまるのか」
ほずぴー「もうアノスに行ってもしょうがないよ」
ゆかりん「私もそう思います。もうクリーナの正体も、過去もわかったことですし、行ったところで、今持っている以上の情報は入らないと思います」
雪島「ってことで、オランで情報収集です。色々わかったし。メラクリウスのこととか、バレーツィンのこととか」
水原「なるほどね。そうしてもらえるとこっちも助かるよ」
雪島「さあ、アノスへ!」
ほずぴー「先輩は意地悪だにゅ」
雪島「うわっ! 裏切られた!」
水原「上辺だけの優しさは、いつか破綻するんだよ。最後には心から優しい人に、人はついていくものさ」
ほずぴー「……帰ろうか、ゆかりん。ここには優しい人はいないらしい」
ゆかりん「私、優しいよ」
ほずぴー「ぐはっ! 裏切られた!」
ゆかりん「あはは」

◆ あの後のこと ◆

GM(水原)「んでは始めましょう。頑張って感覚を思い出して下さい」
エリック(雪島)「今俺たちはどこにいるんだ? あの後どうなったのか教えて欲しい」
GM「え〜っと……何があったっけ?」
ミーシュ(ほずぴー)「ダメだこりゃ(笑)」
リーザ(ゆかりん)「チェムを助けたかったの」
エリック「チェムって?(爆)」
リーザ「ダメじゃん」
ミーシュ「リーザのお友達だにゅ」
エリック「ああ、その子がさらわれて、例の名言、『お前たち、悪者だな!』が」
リーザ「名言なの?」
ミーシュ「名言名言♪」
GM「んで、エリックがクリーナを追いかけて、町外れの教会に。そこでクリーナを犯そうとして恨みを買う」
エリック「してないしてない」
ミーシュ「抱きしめてたにゅ。エルメス、可哀想……」
リーザ「女の子を見ると抱きしめずにいられない性格とか」
エリック「GMと一緒にしないで」
GM「しくしく」
ミーシュ「っていうか、否定してよ、お兄ちゃん」
GM「くくく」
エリック「魔法陣があって、それからだね」
GM「君たちが事件のことを、誰にどこまで話すかによってだいぶ変わるけど」
エリック「その前に、町の中でどんぱちやらかしたことで、何がどう変わったかが優先」
リーザ「ブーリアン……でしたっけ? あの人がどう出るかも気になるし」
GM「そうだねぇ。じゃあ、とりあえずイスカン他、バレーツィンメンバーは、ガンドと共に逝った」
エリック「死んじゃったのか」
GM「まあ、生きてたら、どう頑張っても全部吐かされるからね。ここはオランだ」
リーザ「アレクラスト一の都市だしたね?」
ミーシュ「そうそう。魔法で簡単に言っちゃうにゅ」
GM「結局、全員死んじゃったから、ブーリアンが君たちとヒースたちを呼んで話を聞くよ。『昨夜何があったんだ?』」
エリック「どこまで話そうか?」
ミーシュ「全部言っちゃうと、大変なことになる気がする。メラクリウスたちが騙されてるだけだとしたら、この人たちに言ったが最後、バレーツィン自体の存在がやばくなるかも。それは可哀想」
リーザ「でも、人さらいをしたのが事実なら、例え騙されていただけにしても、ちゃんと裁きを受けるべきです」
ミーシュ「う〜ん。難しい問題だなぁ」
GM「じゃあ、君たちが悩んでると、ヒースたちが、クリーナの話と、ガンドが姫がどうこう言ってた話をする」
エリック「ブーリアン側の反応は?」
GM「特にないけど。メモってるだけ。それほど有名じゃないらしい」
エリック「バレーツィンの話はしないで、簡単に事実だけ言って、協力してもらった方が賢いかな?」
ミーシュ「なんで?」
エリック「どうせ軍がは動かないと思うから、結局解決するのは冒険者の可能性が高い。だったら、任されるのは俺たちじゃないかなぁと」
リーザ「う〜ん。まあ、チェムが無事ならそれでいいし、下手に国が動くと、一人二人の生命よりも、悪を滅ぼすことを優先されそうで不安はある」
エリック「上手に情報だけもらって、俺たちが解決する流れにもっていこう」
GM「結局、何を言う?」
エリック「ヒースたちの話のあとに、そのクリーナを追いかけていたら、町外れの教会の魔法陣で消えてしまったという話はしよう。それ以外はノータッチ。たぶん、あいつらが誘拐事件の犯人で、クリーナの逃げていった先に女の子たちがいると思う」
GM「じゃあ、ブーリアンが、『では、その魔法陣も調べることにしよう』そう言って、報告書を書き始めるけど」
エリック「彼に聞こう。魔法陣から彼女の行き先が推測出来た場合、この事件はどうなるんだ?」
GM「『そうだな……』少し考えてから、『規模が規模だけに、上も黙っているわけにはいかないだろう』」
リーザ「冒険者任せにはならないのか?」
GM「『ないな』断言するよ」
リーザ「どうして!?」
GM「『さっきも言ったが、規模が大きすぎる。冒険者に任せておくわけにはいかない』」
エリック「じゃあ、国が動くのか?」
GM「『恐らく、特殊部隊が編成される』」
ミーシュ「まずいね、エリック」
エリック「でも、彼らの力を借りないことには、俺たちじゃ、絶対に何もわからない」
リーザ「出し抜くしかないだろうな」
エリック「そうだな」
GM「どうするの?」
エリック「彼らは?」
GM「そうだねぇ。翌日くらいから、魔術師ギルドの連中が魔法陣を調べにいくけど」
エリック「じゃあ、俺もソーサラーだし、唯一の目撃者としてその集団に混ざれん?」
GM「それは構わないよ」
ミーシュ「頑張れ〜」
GM「取り調べを受けた日は、何もしない?」
エリック「疲れた〜」
ミーシュ「リーザの家は使えるのかな?」
リーザ「私はOK」
GM「エドウィンも、別に構わないよ」
エリック「じゃあ、リーザの家でまったりするべ」
リーザ「エリックさん! のんびりしてていいんですか!? この間にもチェムは……」
エリック「焦ってもしょうがないぞ、リーザ」
リーザ「でも!」
エリック「休めるときに休む。冒険者の鉄則だな」
ミーシュ「くー」
リーザ「寝てるし」
エリック「ああでも、とりあえずミーシュはリーザの家においといて、シーフギルドに行きたい」
GM「バレーツィンのこと?」
エリック「そうそう。色々聞いてみることにする。俺、戦闘してないから、疲れてないし(笑)」
GM「了解」

◆ メラクリウス ◆

GM「オランのシーフギルド」
エリック「どんなとこ?」
GM「さぁ。まあ、エレミアのときと同じで、入り口が裏向きの、シーフギルド然とした建物にしよう」
エリック「んじゃ、早速、少し聞きたいことがあるんだが」
GM「ワンパターンながら、偉いさんが出てくるよ。『お前は?』」
エリック「レイドのエリックだ。シドランの下についている」
GM「懐かしいキャラを持ってきたなぁ」

 第2話参照。レイドのシーフギルドの一員で、エリックの上官。

エリック「聞いてもいい?」
GM「はいはい」
エリック「とりあえず、バレーツィンという国を知らないか?」
GM「『バレーツィン? 聞いたことないが』」
エリック「ほんと?」
GM「首を傾げてるよ」
エリック「ほんとくさい? 嘘くさい?」
GM「ほんとっぽい」
エリック「そうか……」
GM「『それはまたどうしてだ? どこで聞いた?』」
エリック「う〜ん。詳しくは話せないが、人間嫌いの者の集まる国らしい。王はメラクリウスという男らしいが、そいつは?」
GM「『メラクリウス……』しばらく考えてから、『昔、オランに住んでいて、問題を起こしたダークエルフの名前が、確かメラクリウスだったが』」
エリック「そいつかな?」
ミーシュ「ダークエルフって辺りが、いかにもって感じがする」
リーザ「じゃあ、シルファもダークエルフ?」
エリック「そうなるね〜。そいつに、じゃあ、その男について教えて欲しい、と言おう」
GM「『金〜〜金〜〜』」
エリック「別に渡すけど……。どれくらい?」
GM「適当……に戻した」
ミーシュ「計算しないにゅ?」
GM「依頼受けたし、リーザがいる以上、金銭的には問題ないでしょう」
リーザ「貴族」
ミーシュ「お金持ちなんだね?」
リーザ「そうだぞ。えっへん」
エリック「貴族……エルメス……ぐすっ」
ミーシュ「でも、あの子はもう、お金ないにゅ」
エリック「路頭に迷ってるところを俺が助けたからな!」
GM「なんか今、偉そうだった」
ミーシュ「助けてくれたのがエリックだったのは、良かったのか悪かったのか……。でも、好きになったのは事実……」
リーザ「キスもしたしね」
エリック「っていうか、入れた」
ミーシュ「まだ処女だもん!」
エリック「むうぅ」
リーザ「ああ、またHな会話に……」
GM「雪島だし」
エリック「わ、私なの?」
GM「今回俺、ノータッチ」
エリック「うぐぅ」
GM「んじゃ、メラクリウスについて。彼の話では、メラクリウスは、今から18年前の春、この街にやってきたダークエルフだ」
エリック「何しに来たの?」
GM「それは定かじゃないが、そこでエリンという女性と出会った。当時21歳」
ミーシュ「この世界では、結構年だね」
エリック「っていうか、俺24歳」
リーザ「なんでそんな年齢で始めたんですか?」
エリック「なんとなく。多少大人びるかと思ったら……」
ミーシュ「全然だったね。エルメス、可哀想に……」
リーザ「ドラフは大人だった」
エリック「あれはあれで、やっぱりどこか常識知らずだし」
ミーシュ「常識知らずと子供なのは違うよ」
GM「お〜い(汗)」
エリック「ああ、ごめんごめん。で、エリンって?」
GM「エリンはただの街娘だ。メラクリウスは彼女のことを好きになり、エリンもまたそれを受け入れた」
ミーシュ「ダークエルフを好きになるなんて、ただものじゃないね」
GM「どうかなぁ。人と魔物にどれだけの差があるというのだと、キースは言っている」
ミーシュ「……誰?」
リーザ「イースIIに出てきた人じゃないかな?」
エリック「さすがゆかりん」
GM「とにかく二人は恋に落ちた。けれど、周りはそれを許さなかった」
エリック「お約束の展開」
ミーシュ「追い出されたんだね?」
GM「結果的には。ただ、この時ちょっとした戦いになって、エリンが足にひどい怪我を負った。しかも、恐らく偶然なんだろうけど、それをやったのがエリンの兄だったらしい」
エリック「お兄ちゃん……」
GM「はうぅ」
リーザ「な、何ですか? 今の……」
GM「い、いや、気にしないで」
エリック「この人、妹に『お兄ちゃん』と呼ばれるのに弱いらしい」
GM「いや、それは妹属性。お兄ちゃん属性もある俺としては、別に妹じゃなくても、可愛い女の子に『お兄ちゃん』と呼ばれても、十分『はうぅ』な感じになるぞ!」
ミーシュ「そんな力説しないで……。妹として、ものすごく恥ずかしい」
GM「照れてるのか?」
ミーシュ「きっと、そういう意味で恥ずかしいんじゃないと思うよ。っていうか、絶対」
リーザ「変なお兄ちゃん」
GM「くうぅ」
エリック「痺れてる」
GM「まあいいや」
ミーシュ「よくないけどね」
GM「んで、エリンが怪我を負って怒ったのはメラクリウスだけじゃなく、すでに彼の仲間だったカナルファスとメイムウェインも然り」
ミーシュ「むっ! 天敵の名前が聞こえた」
エリック「でも、実はミーシュは彼とは会っていない」
ミーシュ「ちらっと見ただけだね」
リーザ「じゃあ、メイムウェインやカナルファスが人間嫌いになったのは、その時?」
エリック「それはどうかなぁ。エリンと会う前にメラクリウスが何をしてたかによって変わると思うよ。カナルファスもダークエルフだし、メイムウェインはああだし」
GM「ああって……」
リーザ「そうですね。とりあえずエリンはすごい人だったんですね。色んな意味で」
エリック「木村の奥さん」
GM「レベル木村の奥さん……」
ミーシュ「わけわかんないこと、ハモらないで……」
リーザ「っていうか、あずまんが……」
GM「うおっ! そっちがわかったか!」
エリック「意外っていうか、意外っていうか……」
ミーシュ「な〜かまは〜ずれ〜〜」
リーザ「今のメロディーは一体……」
エリック「まあ、後でそこにあるマンガ読んどき」
ミーシュ「にゅいっす」
GM「まあ、メラクリウスの話は大体それくらい。小競り合いになって、数人の死者を出した後、3人はエリンを連れて逃走。その後の行方はまったくわかっていない」
エリック「ふむ。その後、どこかにバレーツィンって国を作ったんだね」
ミーシュ「で、メラクリウスとエリンの間に、シルファが生まれた。16歳か17歳か、それくらいだね」
リーザ「ハーフ・ダークエルフ?」
エリック「そうなるねぇ」
ミーシュ「とりあえず、そのメラクリウスが人間嫌いの国、バレーツィンをどこかに作って、そこにクリーナとかリウスとかも行った」
リーザ「それなら、ニィルスレイトの言葉もわかりますね。でも、リウスはいまいち納得いかない。なんで彼が人間を嫌ってるんだろ」
エリック「まだリウスのことは全然わかってないから、それはエルメスの方に任せよう」
ミーシュ「えっへん」
エリック「……はい?」
リーザ「今の何? ほずぴー」
ミーシュ「い、いや、エルメスが任されたから」
エリック「…………」
リーザ「…………」
GM「…………」
ミーシュ「しくしく」
GM「ちなみに、エリックが聞き込みに行ってる間、二人は何かする?」
ミーシュ「私、寝てるにゅ」
リーザ「とりあえず、エリックさんが戻るのを待ってます。でも、その間に寝ちゃってそう」
エリック「じゃあ、戻ると二人とも寝てるのか。う〜ん。女の子二人が、安らかな寝息を立てて……」
GM「スケベ」
エリック「あなたに言われたらおしまいだよ」
GM「じゃあ、おしまいだね」
エリック「そうじゃなくって……」
ミーシュ「(笑)」

 ちなみに、何か違和感を覚えたと思ったら、エリックたちはリウスのことも知りません。まあ、特別状況に変化はないと思うけれど、ただエリックの口からリウスの話が出るのに違和感を……。

◆ 魔法陣のこと ◆

GM「んでは翌日……またエリックだけだね?」
エリック「そうだね」
リーザ「暇です! というか、じっとしていられません」
エリック「う〜ん。じゃあ、リーザは……」
リーザ「私は?」
エリック「ん〜〜と」
ミーシュ「絶対にくだんないこと言いそう」
GM「俺もそう思う」
エリック「むぅ。絶対に真面目なこと言ってやる」
リーザ「わくわくします」
エリック「でも、特にないんだよなぁ。エリンが住んでた場所にでも行ってもらって、色々聞いてもらおうとか思ったりもしたけど、あんまり意味がないように思えるし」
リーザ「でもします!」
エリック「にゅい。じゃあよろしく」
リーザ「はい! ミーシュも来る?」
ミーシュ「うん。行く行く〜♪」
エリック「むっちゃ不安だ」
ミーシュ「わっ! エリックひどい」
エリック「今の『わっ、○○ひどい』が、ひどく栞チック」
GM「わっ、往人さんひどい?」
エリック「それ、違うゲーム」
GM「なるほど」
エリック「じゃあ、行きませう」
GM「うん。魔術師ギルドから来たメンバーは、10人くらい。トップはガルガン・ルーというお偉さんだ」
リーザ「なんのひねりもなくFF9」
エリック「しかも、人名じゃないし」
GM「『君がエリック君かね?』」
エリック「そうっす」
GM「『まあ、よろしく頼むよ』頼りなさそうだが、すごい手腕だ」
エリック「ふ〜ん」
GM「じゃあ調べ始めるんだけど……ちょっとダイスでも振るか」
エリック「にゅ。何で振る?」
GM「そうだね〜。ソーサラー+知力。朝、昼、夕方の3回振って」
エリック「7、10、8は、14、17、15。今日はダイス目がいいぞ」
GM「いや、違うね」
エリック「何が?」
GM「ダイスは振れば振るほど、その平均が7に近づいて行くんだ。だから、出目が良ければ良いほど、悪い出目の出る勢いが強くなる。今日は君、肝心なところでへぼへぼな数字を出す日なんだよ、きっと」
エリック「うっ……」
ミーシュ「にゅ〜? そうなのか?」
リーザ「たぶん……。1,000回も10,000回も振れば、だんだん期待値に近付いて行くはず」
ミーシュ「難しいにゅ〜」
リーザ「……そう?(汗)」
GM「じゃあ、出目が良かったから、調査の最中、君自身が色々と発見できた」
エリック「で?」
GM「1.魔法陣はレイドの街や、ロマール近郊の盗賊たちのアジトで見たものと同じ形をしていて、イェルザムらがそれによって物質をどこかに送り届けていた。2.まだわずかに残った魔力が、北の方を向いていること。そしてその魔力が、どこかで寸断されている」
エリック「2番目の、ガルガンは気付かないの?」
GM「気付いてるよ」
エリック「じゃあ、意味ないじゃん」
GM「1番目のは言う?」
エリック「言わない。プレイヤー的にはわかり切ったことだし」
GM「まあ、今のは適当に考えたものとして、君の出目によって、結果を少し変えられた」
エリック「ほぅ。具体的には?」
GM「まず彼らの調査の結果わかったことが、魔力はレックスから流れていたこと。んで、彼らはそれだけしかわからなかったけれど、君は自分で調べた分と合わせて、さらに細かい位置がわかった。それは言う?」
エリック「もちろん、言わない」
GM「だろうね。それから、特殊隊を編成して、兵を出せるだけの具体的な計画書を書くために必要な項目の内、いくつかは君が握った。それはどうする?」
エリック「黙ってる」
GM「非協力的だね(笑)」
エリック「当然」
GM「じゃあ、結果的に彼らの出発を1週間遅らせられたことにしよう」
エリック「1週間か」
ミーシュ「なんか、この数字が、後々ものすごく重要になってくる予感がする」
リーザ「バレーツィンの存続に関わってくるかもね」
エリック「適当に振らせたダイスのくせにね」
GM「ばれてたか」
エリック「ばればれ」
GM「まあいいや。とにもかくにも、ガルガン・ルー率いる特殊隊が、レックスに来るのは……正確には、そのためにオランから兵を派遣するのは、1週間後、まあ、明日すぐここを経ったとして、君たちの行程より1週間遅れで彼らが来る」
エリック「しっかり頭の中に入れておこう。絶対に後悔することになる。忘れてると」
GM「まあ、頑張ってくれい。ちなみに、君はかなり具体的な位置を把握したから、その分も多少プラスになる。出目に救われたね」
エリック「適当だったくせに、出目が低かったらと思うと、ぞっとするよ」
GM「にはは」

 ちなみに、リーザとミーシュの方のリプレイは端折るが、彼女たちは特に問題なくエリンの情報を集めた。
 現存する彼女の友人たち(もうみんな、すっかりおじさんおばさんだ)の意見をまとめると、エリンはすごく気立ての良い娘で、心優しかった。けれど、気の強いところもあって、美人で、非常に人気があったらしい。
 実際、情報を集めたおじさん連中の中には、昔彼女にプロポーズした者も何人かいた。
 メラクリウスは、案の定悪さをしており、娘をさらってはそれを犯して、奴隷商に売りつけていた。そしてこのオランでエリンを狙った際、カナルファス、メイムウェインも含めて、3人ともエリンに諭され、悪事から足を洗った。
 エリンすごいぜ! エリンばんざーい!
 そんなわけで、メラクリウスはしばらくエリンと一緒に暮らすのだが、それを黙っている世間ではない。特に彼女の血族が許さなかった。
 彼らは城の兵士たちに訴え、そして逮捕しようとした彼らとメラクリウスたちとの間に小競り合いが起きた。
 その際、エリンは怪我を負い、メラクリウスたちは逆上。彼女に怪我を負わせた兄に瀕死の重傷を負わせた上で逃走する。彼を殺さなかったのは、恐らくエリンのためだろうというのがもっぱらの噂だ。
 ちなみにエリンの兄は今でも生きていたが、エリンに会いたい反面、メラクリウスのことを恨んでいる。なお、彼がエリンに怪我を負わせたのは、やはり偶然の事故だったらしい。
 以上の情報を集めた後、二人はリーザの家でエリックと合流した。

◆ レックスへ ◆

エリック「やっぱりS.W.RPGでキャンペーンやると、出てくるのね、堕ちた都市」
リーザ「私、レックスについてあまり知りません」
ミーシュ「多少しか知らない」
エリック「元々、カストゥール時代の都市で、空中に浮かんでいたの。作ったのはブランプっていう人だけど、それを知ってたらかなりマニアック」
GM「っていうか、俺は知らなかった」
エリック「そうか。んで、やがて混沌の精霊アトンが暴走して、人々はこれを倒すために魔力を結集して剣を作った」
GM「ファーラムの剣っていうかっこいい名前が付いてるぞ。これによってアトンを倒したけど……って、違う違う」
エリック「あり?」
ミーシュ「たぶんそれ、カストゥール王国の滅亡する理由であって、レックスが堕ちた理由じゃないよ」
エリック「ああ、ごめんごめん。レックスは、地上に石を並べて、それによって作った無重力場によって浮かんでたんだけど、これが蛮族によって壊されちゃったんだよ」
GM「で、ヒュー……ストンと堕ちてしまった」
リーザ「結構単純でしたね」
エリック「そんなもんだよ」
GM「んじゃあ、すぐに出発する?」
エリック「魔力の流れを感じる場所までは、オランからどれくらい?」
GM「3日かなぁ。ちなみに、中央部とは言わないけれど、それなりに中の方だぞ」
エリック「うむ。レックスまでは安全?」
GM「君たちを脅かすレベルの魔物は出ないんじゃないかなぁ」
エリック「じゃあ、夕方からでも出発しようかなぁ。今、夏だっけ?」
GM「夏だよ。8月」
ミーシュ「そうだったのか……」
リーザ「初めて知りました」
GM「話した覚えない」
エリック「適当に言っただけ」
ミーシュ「なるほど」
エリック「夏なら、夕方頃出発してもいいでしょう。時にリーザ」
リーザ「はい?」
エリック「お父様から、魔晶石かなんかもらえない?(爆)」
ミーシュ「あ、私も欲しいにゅ〜」
リーザ「頼んでみます。お父様」
GM「エドウィンさんだ。『どうした? リーザ』」
リーザ「これからいよいよ出発するんだけど、魔晶石をもらえないかなぁ」
GM「『魔晶石? それはお前には必要ないものだろう』」
リーザ「連れの二人は魔術師です」
ミーシュ「厳密に言うと、私は違うけどね」
GM「『それは、彼らが自分のお金で揃えるものだろう』」
リーザ「すごくもっともだ」
エリック「いくらだっけ? 買うと」
GM「今見てたんだけど、よくわからん。『蓄えられている精神点×精神点×100ガメル』なんだけど、この2つ目の『精神点』って何だ?」
エリック「持つ人の精神点?」
GM「そんなバカな」
ミーシュ「元の精神点かなぁ。例えば、元が15点で、残りが5点だったら、5×15×100=7,500ガメル」
エリック「高いだろ、それ」
リーザ「昔は通貨のごとく使われてたっていうくらいだから、もっと安いんじゃ」
ミーシュ「でも、今ではそれを作る技術は失われてるから、貴重品には違いないよ」
GM「う〜む。わかった。じゃあ、これの売買はされてないことにして、しょうがないから、10点の魔晶石を二人に一つずつあげよう」
エリック「にゅい。ありがと」
ミーシュ「わ〜い♪」
リーザ「ありがとう」
GM「『構わんよ』と言いながらも、ちょっと渋い顔」
エリック「まあ、しょうがないでしょう。冒険者ってのは、そういうもんだ」
GM「んじゃ、まあ、今さら遭遇チェックなんてやって、猿とか熊とかライオンとか出てきてもしょうがないから、レックスまで飛ばすね?」
エリック「いいよ」
ミーシュ「問題なし」
GM「んじゃレックス。結局エリックも来るのは初めてかな?」
エリック「そうなるな」
GM「無数に散らばった巨大な石の塊と、ところどころに生えた草木。中央部に行けば行くほど、建物っぽいものが増えていく。もちろん、魔物の量や質も、中央に近いほど強くなる」
ミーシュ「不気味なところだにゅ。精霊たちが泣いてるにゅ」
リーザ「このどこかにチェムが?」
エリック「いや、ここさえさらに、どこかへの通過点かもしれない」
リーザ「チェム……」
エリック「魔力の流れは?」
GM「内部に続いている。細くて、今にも見失いそうな感じだ」
エリック「減ってるの?」
GM「そういうわけじゃない」
エリック「とにかく、警戒しながら進もう」
GM「じゃあ、3回ほど遭遇チェックして」
エリック「ちなみに、遭遇チェックは、GMがするんだよ」
GM「……失敬」
ミーシュ「(笑)」
GM「(ころころ)1戦闘くらいしようかな?」
リーザ「どんなだろう。対魔物戦は初めてだ」
GM「まずは不意打ち判定」
ミーシュ「昔先輩が6ゾロ出したやつだね」

 第6話の序盤参照。

エリック「言うな」
GM「レンジャー+知力だよ」
リーザ「出目で5」
ミーシュ「レンジャーないから、同じく5」
エリック「3とかいって7」
GM「全然ダメだね」
リーザ「案の定、出目が悪くなってますね、琴美さん」
エリック「っていうか、期待値に近付いていく……」
GM「最後尾は?」
リーザ「私……かな?」
エリック「俺が先頭だろうね」
GM「じゃあ、リーザが-2で回避して」
リーザ「7は14-2で12です」
GM「んじゃ、回避成功」
エリック「何者?」
GM「足と尻尾がトカゲのそれで、人間ほどある大きな鳥だ」
エリック「コカトリスだけど知名度チェック(笑)。9は15」
GM「じゃあ大丈夫。っていうか、それでもギリギリ」
エリック「あれはコカトリスだ。くちばしには、石化の毒があるから気を付けろよ」
リーザ「は、はい」
ミーシュ「にゅん♪」
リーザ「楽しそうだね」
ミーシュ「比較的ね」

<1ラウンド目>

GM「こっち、敏捷度が11だから」
ミーシュ「じゃあ私。コカトリスの前に出て、回避専念かな?(笑)」
GM「なんてやつだ」
エリック「回避力10とかいってるよ」
GM「そういうやつは、1ゾロって死ぬがいい」
ミーシュ「そんなの、36回に1回しか起きないよ」
エリック「36回に1回は起きるんだと考えた方が賢明だけどね」
リーザ「とりあえず殴ります。9は15」
GM「どうぞ」
リーザ「(ころころ)あっ。6ゾロ!」
エリック「いいなぁ」
ミーシュ「羨ましいにゅ」
リーザ「打撃ロールでは、滅多に出ませんものね」
エリック「でも、本当においしいところでは出るんだよね」
ミーシュ「そうそう。カナルファスとか(笑)」
GM「ええい、言うな!」
リーザ「1クリは14点です」
GM「にゅい。エリックは? 相変わらず傍観?」
エリック「その『相変わらず』ってのがヤだなぁ」
ミーシュ「エリックさんは、何もしないんですね」
エリック「ああ、ごめんよ、エルメス」
リーザ「あはは」
GM「それ、エルメスの名言」
リーザ「っていうか、第4話のその辺り、面白すぎです」
エリック「あれは、ほずえちゃんの勝利だよ」
GM「というか、助かった。平凡なシナリオがかなり面白くなった」
ミーシュ「いやいや」
リーザ「あっ、照れてる」
エリック「んじゃ、期待通り傍観(笑)」
ミーシュ「なんてやつだ」
GM「じゃあ、偶数振ったらミーシュ、奇数だったらリーザで……3だからリーザね」
リーザ「げふっ。回避は14です」
GM「じゃあOK」

<2ラウンド目>

ミーシュ「攻撃してもしょうがないから傍観」
リーザ「エルメスの気持ちがわかってきた(笑)。攻撃……8は14」
GM「固定値11以上はOKだよ」
リーザ「打撃が9点です」
GM「まだまだあるねぇ」
エリック「とりあえず、あの時の二の舞だけど、この調子でいけば勝てそうだから放っておこう」
ミーシュ「反省の色がない」
エリック「恨まれても最後に勝つ方が大事。あのときエルメスに嫌われたのは、君のせいだよ、ミーシュ」
ミーシュ「エリック……」
エリック「いや、そんなことは言わないけどね」
ミーシュ「っていうか、自分の責任は感じてないのか?」
エリック「そんなことはない」
GM「じゃあ、今度はミーシュが回避して」
ミーシュ「にゅい。(ころころ)4とか振ったけど、14」
GM「あっ、ていうか君の場合、1ゾロ以外は全部避けられる(笑)」

<3ラウンド目>

リーザ「じゃあ、攻撃します」
GM「どうぞ」
ミーシュ「ひらひらひらひら〜(謎)」
リーザ「攻撃……は8は14で」
GM「いいよん」
リーザ「打撃が……10は1クリ」
エリック「よく回るなぁ」
ミーシュ「いいねぇ」
リーザ「再び……は11で(笑)」
エリック「おっ! 2クリはもう、最高ダメージ目指して頑張るしかない!」
ミーシュ「今のところ、最高はテティスの28点」
リーザ「それ、無理。もう1回回らないとダメ。(ころころ)でも回ったり(爆)」
エリック「(爆笑)」
ミーシュ「もったいないというか、もったいないというか……」
リーザ「ここまでで追加ダメージ入れて23点だから、次は9以上でタイ」
エリック「厳しいね」
リーザ「頑張ります。うおりゃぁぁぁぁぁっ! 6か……。26点」
GM「いや、コカトリスはすでにダメなんだけどね(笑)」
リーザ「(爆笑)」
エリック「今キャンペーン最多ヒット数4ね」
ミーシュ「気持ちいにゅ」
GM「そうか……気持ちいいか……」
エリック「たぶん、意味が違う」

◆ 初ダンジョン ◆

GM「さて、そうして君たちがコカトリスを粉砕しながら進むと」
ミーシュ「(微笑)」
GM「やがて、魔力の流れが下に落ちる場所があって、その先にぽっかりと洞窟が口を開けている」
エリック「あーーーん」
リーザ「…………」
ミーシュ「先は真っ暗?」
GM「洞窟だからね」
リーザ「松明を灯して行きましょう」
エリック「っていうか、無視しないでよ(涙)」
ミーシュ「だって。あまりにくだんないんだもん」
リーザ「すいません。そのレベルはもう、水原先輩しか……」
GM「っていうか、俺にも無理」
エリック「しくしく。これはいじめだ」
GM「とりあえず、明かりをどうするのかと、隊列だけは決めて」
エリック「幅は?」
GM「3mくらい」
エリック「まあまあかな? 結構広いかも」
ミーシュ「広いんじゃないかなぁ」
エリック「しかし、ダンジョンか……」
リーザ「シーフないです」
エリック「俺だけ。っていうか、エルメスたちの方を合わせても俺だけ」
ミーシュ「ついでに、レンジャーもエリックだけ」
リーザ「しかも1」
エリック「きっと罠にかかって死ぬな、俺たち」
ミーシュ「怖いよ〜」
エリック「隊列はさっきと同じかな? 松明は2つ点けておいて、俺とミーシュが持つ。さらにウィスプも飛ばしておこう。いざというときぶつけれる」
ミーシュ「わかったよ。じゃあ、魔晶石で(笑)」
エリック「それが賢明だよ」
ミーシュ「じゃあ、成功判定……は、6ゾロった」
リーザ「そっちの方がもったいないというか、もったいないというか」
エリック「可哀想に。出目は期待値に近付くんだよ」
GM「それ、俺の台詞」
エリック「それはこっちの台詞だ!」
GM「こっちでいいんだよ!」
ミーシュ「な、何?」
リーザ「っていうか、あずまんが」
GM「じゃあ、とりあえず進入しましょう」

 ということで、先に地図をお見せします。
 ちなみに、当然のことながら、地図は彼女たちには自分で作ってもらいました。
 ああ、たぶん気が付くのはごく一部の人だけだと思うけれど、これは上の方にある、D、G、Iの3フロア以外、WIZの狂王の試練場のB10Fのマップです。

fig.1 ダンジョンマップ


エリック「とりあえず、警戒しながら進む。この一言は定番だけど、絶対に言っておかないと」
GM「どこを警戒するの?」
エリック「床、両方の壁、天井、前。後方はリーザにお任せ」
リーザ「じゃあ、後方警戒」
ミーシュ「精霊の気配をずっと気を付けてます」
GM「よいでしょう。視界は前方10mです」
ミーシュ「ウィスプが飛んでるよ」
GM「ああ、忘れてた。じゃあ、全然問題なし。しばらく直進が続いた後、右に90度折れてます。ちなみに、しばらくってのは、40m」
エリック「分岐点がないなら行くしかないですね」
GM「じゃあ、そこを折れると、今度は50m先左折」
エリック「その間、魔力とかは?」
GM「感じたらダイス振ってもらうよ」
ミーシュ「ここ、土は?」
GM「あるよ」
リーザ「剣は抜いておこう」
エリック「進む」
GM「左折した後、40m先再び左折がある」
エリック「分岐点か何か変化があるまで……今後すべて、道だけ教えてくれれば、一々確認しなくていいよ」
GM「了解。じゃあ、40m先のその左折を折れた後、さらに40m先が右折。そこを曲がって20m先に扉がある」
リーザ「いよいよ扉!」
ミーシュ「ここまでか……」
エリック「まだ生きてるよ(汗)。調べましょう。まず、どんな扉」
GM「ああ、ごめん。ここの扉、開いてる(爆)」
ミーシュ「げふっ!」
エリック「面白い冗談だったよ、GM」
リーザ「じゃあ、ウィスプを先行させて、中を見てみよう」
ミーシュ「ふわふわふわ」
エリック「ゲマみたい」
GM「じゃあ、中だけど、30m×30mのばかでかい空間があって(図のA地点)、ここから一番遠いところの床が黄色く光っている」
エリック「魔法陣かな?」
GM「近付いてみないとわからない。ウィスプはゲマと違うから見えないよ」
エリック「ふ〜む。じゃあ行くか」
GM「ああ、あと、中央部に何かの残骸」
リーザ「残骸? どんなのですか?」
GM「剣とか落ちてますなぁ。あとは、骨が散らばってる。知名度チェックして」
リーザ「10は17」
エリック「9は15」
GM「じゃあわかるね。ボーン・サーバントの壊れた跡だ」
リーザ「ボーン・サーバントって? プレイヤーが知らない」
エリック「骨で作った魔法生命体。これが死んでるってことは、中に誰かいる可能性大。そいつらはもう死んでるかも知れないけれど、一度は誰かが来たことあるってことだな」
GM「じゃあ、光る床に行く?」
エリック「行く」
GM「床が光ってる」
ミーシュ「それはさっきから何度も聞いたよぉ」
GM「冗談冗談。魔法陣じゃないね。のっぺりとした、今でいうタイルみたいなの。巨大なタイルが光ってる」
リーザ「どうしましょう。乗ってみますか?」
エリック「とりあえず離れて石でも投げてみる」
リーザ「なるほど」
エリック「ダンジョンは、基本行動が大体一緒だから、慣れてくると、GMがひねったことしない限り、あんまり面白くなくなってくるんだよ」
ミーシュ「へ〜」
GM「すると石は、吸い込まれるようにして消えた」
エリック「まあ、転送装置だろうね」
ミーシュ「乗るしかないよね。ここで止まっててもしょうがないし」
リーザ「行きましょう」
エリック「じゃあ、行く」
GM「じゃあ、期待通りワープするよ。ワープ先は、右、左、後ろが壁で、前に進むしかない一本道」
エリック「じゃあ、さっきと同じようにお願い」
GM「了解。直進40mのあと右折、直進30mのあと右折、直進70mのあと右折」
ミーシュ「右折ばっかで戻ってきそう」
エリック「(地図を描きながら)いや、ちゃんと考えてあるねぇ」
リーザ「ほえ〜」
GM「そのあと、50m先右折、直進40mのあと左折、同じく直進40mのあと左折で、20m先に扉がある。今度は閉まってるよ」
エリック「聞き耳と罠感知。12と15」
GM「じゃあ、君は聞こえなかった。罠も感じなかった」
リーザ「ああ、そういう表現になるのか」
GM「そうだよ。あとは自分の達成値と比べて、どうするか悩んでもらう」
リーザ「素人も可?」
GM「出目でどうぞ」
リーザ「6と3とか言ってます(泣)」
ミーシュ「一応。1ゾロと9だけど、この1ゾロはOKだっけ?」
GM「とりあえず構わないよ。ひょっとしたら、公式ルールでは、技能使わないとダメかもしれないけど、気にしない」
ミーシュ「じゃあ、10点もらい♪」
GM「でも、聞き耳失敗すると、聞こえないはずの音が聞こえたりするのかな?」
ミーシュ「音がするよ! とか言って、しかも自分で変に自信持ってて、みんなを惑わすんだね」
エリック「君にシーフ技能があれば、惑うかも知れないけど、今は自分を信じるよ。開けます。鍵は?」
GM「かかってない。引き戸だから、こっち側に開く」
エリック「ウィスプ飛ばす」
GM「中は、また広いぞ。20m×40mの部屋で(図のB地点)、長い方の辺に出てきた」
リーザ「はい?」
ミーシュ「つまり、40mある方に出てきたってことで、見た目横長の部屋に見えるわけだね?」
GM「そうそう。んで、右端の方がやっぱり光ってる」
エリック「その他には?」
GM「特に何もないよ」
エリック「じゃあ行きます」
GM「にゅい。んでは、危険感知」
エリック「やな感じ。レンジャー+知力だから俺だけ。3とか振ってるし」
GM「二人も出目でどうぞ」
リーザ「6」
ミーシュ「3」
GM「やる気ないね。じゃあ、-2で回避して」
エリック「誰?」
GM「全員」
エリック「凶悪だ! (ころころ)ふぅ。10点もらおう」
ミーシュ「8は14」
リーザ「6は11かな?」
GM「じゃあ、エリックとリーザは13発」
エリック「軽減〜。5とか振って、9発ももらったんだけど」
リーザ「9点減は4発もらった」
エリック「っていうか、やばいっす」
GM「知名度チェック」
エリック「形状は?」
GM「床」
エリック「フロア・イミテーターか!? 14」
GM「じゃあ、君はわかった。床に化けた人工生命体。ドラクエのミミックの床バージョンだと考えてくれればいい。床に乗ってるやつは全員攻撃できる。ちなみに、締め付けられるらしい(爆)」
エリック「っていうか、マジで死ぬ」
GM「そんな貧弱なレンジャーレベルで来たのが間違いなんだよ」
エリック「だって〜(悲)」
GM「容赦なく行きたいと思います」

<1ラウンド目>

ミーシュ「飛ぶ。飛んで、エリックにヒーリング。(ころころ)また6ゾロった。もったいな〜」
エリック「助かる……が、やばいことには変わりないな」
リーザ「脱出……どうやるの?」
エリック「冒険者+筋力」
リーザ「13」
GM「いいよ」
エリック「同じく。脱出は12」
GM「基準値、13。エリックは再び14発」
エリック「本気で死ぬ……。8発もらって、残り6」

<2ラウンド目>

リーザ「ええと、エリックさんを助けるには、どうすればいいんですか?」
GM「にゅい? イミテーターを倒す」
リーザ「いや、そうじゃなくて(汗)」
GM「冗談。組み合いっていうのを使う。攻撃力-2で攻撃してくれればいいけど、ラウンドの最後になる」
リーザ「じゃあ、最後に回します」
ミーシュ「死なれると困るから、エリックを回復。魔晶石、なくなったにゅ」
エリック「死ぬよりはまし」
ミーシュ「ちなみに、こいつの生命力は?」
GM「24」
ミーシュ「ウィスプぶつけても無駄か。逃げるしかないね」
エリック「ということで、脱出。8は13で逃げ出したぞ!」
GM「偉い偉い」
リーザ「じゃあ、部屋の外に退避」
エリック「凶悪だった……」
GM「んじゃ、一旦抜け出した。どうする?」
エリック「ミーシュに運んでもらう」
ミーシュ「にゅ〜。エリックは大丈夫だけど、リーザは難しいよ」
リーザ「わっ! 女の子にとって、今の発言ほどショックなのはない」
ミーシュ「いや、鎧と剣」
エリック「そういったものだけ、あとで運ぼう」
ミーシュ「ワープ先に危険があったら」
エリック「あきらめる」
ミーシュ「いつか死ぬな。このパーティー」
エリック「っていうか、さっきので死ななかったのは奇跡に近い」
GM「じゃあ、時間かけて、そうやって先に進んだということで」

◆ 母親 ◆

 図のピンク色のワープ地点から出てきた3人は、同じようにしてC地点の部屋の前の扉まで来ます。

GM「ということで、扉がある」
エリック「聞き耳、罠感知。ワンパターンだけど……9と12」
GM「12は際どいなぁ。まあ、わかったことにしよう。扉に触れると、電撃が流れる罠だ」
エリック「……だ! 触れるなよ」
リーザ「了解」
ミーシュ「でも、どうするにゅ? 扉はどんなふうなの?」
GM「少なくともこっちから施錠は見えない。取っ手もない」
エリック「向こうに押す扉らしいな。何か棒ないか?」
リーザ「エストックの鞘ならあるぞ」
エリック「いや、金属は危険」
リーザ「じゃあ、鎧を脱いで、その鎧で鞘を押すとか」
ミーシュ「時間かかるけど、それでいこうか」
エリック「そうだな。まあ、時間もかかるってほどかからないし」
リーザ「じゃあ、それでいく」
GM「なら、ドアは開くね」
エリック「向こうの様子は?」
GM「20m×30mの縦長の部屋」
ミーシュ「床は?(笑)」
GM「大丈夫……というか、少なくともイミテーターじゃない」
エリック「調べるか」
GM「いや、いいよ。君は常に警戒してるから、何かあれば言うよ」
エリック「じゃあ入ろう。光ってる床は?」
GM「直進するとある」
エリック「ワープ」
GM「ブィィン。ワープしました」
リーザ「今度はどんなところ?」
GM「直進50m先に光が見える。ただ、25m先、いわゆる、出てきたワープ地点と、向こう側の光の中央部に、右に折れる分岐がある」
エリック「とりあえずそこまで行こう」
GM「行った、右を見ると、20m先が突き当たりになっていて、左右に道が伸びている」
ミーシュ「20m歩くにゅ」
GM「じゃあ、突き当たり」
エリック「左の先はどうなってる?」
GM「左って……いうのは、壁に向かってだよね?」
エリック「そうだけど?」
GM「いや、こっちの話。左の先は、20m向こうで右折、右の先は、やはり20m先で左折」
エリック「どっちから行く?」
リーザ「左手の法則」
ミーシュ「左かな?」
エリック「ということで、左に行きます」
GM「じゃあ、左に行ってそこで右に曲がると、20m先に鉄格子が見える」
エリック「ほう」
GM「錠前のない鉄格子だ。そして、その向こうには20m×20mの正方形の部屋があるんだけど、これが今は緑色に光っている」
ミーシュ「魔法系?」
GM「明らかに。で、中にはたくさんの女の子たちが、放心状態で座っていたり転がっていたりする」
エリック「さらわれた女の子たちだね」
リーザ「チェムは!?」
GM「探すといるよ」
リーザ「チェム! 言いながら駆け寄ろう」
エリック「鉄格子には触れるなよ」
リーザ「もう遅い(笑)。がしっと鉄格子を持って、しきりにチェムを呼ぶ。チェム! しっかりしてチェム! 助けにきたよ!」
GM「ダメだね」
エリック「やめておけ、リーザ。そう言って、そっと肩を持とう」
リーザ「どうして!? チェムはどうなっちゃってるの!? 泣きながら叫ぶ」
エリック「落ち着け! 大丈夫だ。心を失くしてるだけだ」
リーザ「それは十分大ごとよ!」
エリック「俺の義姉となるはずの人も今、チェムとまったく同じ状態でいる。俺はその人の心を取り戻すためにここまで来たんだ。だからリーザ、決してチェムを殺したりしないから、俺を信じてついてこい」
リーザ「……エリックさん……」
ミーシュ「っていうか……」
エリック「わかってる。みなまで言うな」
リーザ「でも言わせて」
ミーシュ「何度も何度も言ってるけど、エリックって、戦闘してないとかっこいいよね」
エリック「うぅ……」
リーザ「涙を拭って頷こう。わかった……信じる……」
エリック「うっ……また抱きしめたい衝動が……」
ミーシュ「病気だ」
GM「基準値14で精神力抵抗かな?(笑)」
エリック「えいっ! (ころころ)」
リーザ「本気で振ってるし」
エリック「出目9! 助かった。すんでの所で思いとどまって、頭をなでてあげた」
リーザ「照れ臭いけど、まだまだ子供だから嬉しいよ」
ミーシュ「いいなぁ。私もなでて欲しいにゅ」
エリック「はいはい。なでなで」
ミーシュ「っていうか、別にプレイヤーがなでてもらっても」
リーザ「琴美さん、それ面白いです」
エリック「ありがとう」
ミーシュ「にゅ〜」
エリック「とりあえず、リーザは無事だったの?」
GM「平気だよ」
エリック「周りに解除装置か何かありそう?」
GM「探して」
エリック「9は知力で15」
GM「見当たんないね」
エリック「ここじゃないか」
ミーシュ「魔法的な力が働いているってことは、きっともっと複雑な何かがあるんだよ」
リーザ「今はエリックさんを信じて、黙っていよう」
エリック「じゃあ、逆の方にも行こう」
GM「にゅい。行くと、部屋の形状、魔法の光の色、鉄格子などはまったく一緒。ただ、こっちには入っているのは一人だけ」
エリック「誰? まさかエルメス」
GM「まさか」
エリック「リーミア?」
ミーシュ「その人、もういない」
リーザ「っていうか、誰?」
エリック「昔の恋人。レイチェルみたいなもんだよ」
ミーシュ「じゃあ、私がティナで、エルメスがセリス?」
リーザ「わかりやすい。でも、さらに私も抱きしめようとして、クリーナにいたっては、実際に抱きしめた」
ミーシュ「ダメじゃん」
エリック「うぅ……」
GM「ああ、そうそう。当然レイチェル……じゃなくて、リーミアじゃないよ。中にいるのは、美しいフェアリーだ」
ミーシュ「フェアリー? 心は?」
GM「まだあるようだけど、ぐったりしてる」
ミーシュ「フェアリー語で声をかけよう。おーいおーい」
GM「じゃあ、気が付いたようにちらっと君を見る。そして驚きの顔」
ミーシュ「知り合いだにゅ?」
GM「君のお母さんだ」
ミーシュ「なぬ!?」
エリック「そうきたか、水原渉!」
リーザ「なるほど」
ミーシュ「お、お母さん……?」
GM「彼女は君の名前を言いながら近付いてくる。『ああ、何とか何とか』」
エリック「っていうか、『何とか』って何だ?(笑)」
GM「いや、だって“ミーシュ”って、君たちが勝手につけた名前じゃんか」
ミーシュ「そういえば、えらく悩んでつけた覚えがある」
GM「君たちにはわからないってこと言ったね。でもまあ、白けるから、とりあえず“ミーシュ”ってことにしておこう。『ああ、ミーシュミーシュ』」
ミーシュ「お母さん。どうしてこんなところにいるの?」
リーザ「話し方が普通だ」
エリック「きっと、“にゅ”はフェアリーが話す共通語なんだよ」
GM「嘘くせぇ」
ミーシュ「もう! 今いいところだにゅ!」
エリック「はいはい」
リーザ「エルメスのときは出番が多かったけど、ミーシュは出番が少ないから、ほずえのフラストレーションが……」
GM「んじゃ、母親は言うよ。『村を滅ぼされて、彷徨っていたら、小さな妖精族に捕まってしまって……』ちなみに、グラスランナーのことね」
エリック「メイムウェインか。殺されなかっただけましだな」
ミーシュ「そうだったんだ……」
GM「『今、仲間たちがここに入っています』ここって、このダンジョンね。『でも、私が捕まっているために、彼らも動けないの。どうすればこの鉄格子を上げられるのかもわからないし』」
ミーシュ「うん。それで?」
GM「『フェアリー・ストーンを取り返せれば、私たち、妖精界に帰れるのよ、ミーシュ。だから、何としてもあれを取り返さないと……』」
リーザ「なるほど。でも、フェアリー・ストーンって、ここにあるのかな?」
エリック「ああ、そういえば、フェアリー・ストーンと魔鏡を盗んだのは、教団の仕業ということに結論付けたんだっけ?」
ミーシュ「でもそれが難しいところで、私たちは教団の存在も、魔鏡のことも知らないから、メラクリウスがダークエルフとわかった時点で、私の村を襲ったダークエルフがメラクリウス本人である可能性が出てきたんだよね」
エリック「ああ、それは確かに」
リーザ「冴えてるね、ほずぴー」
ミーシュ「にゅ〜。さっき『ほずえ』って呼んでくれたから、忘れてるかと思ったら」
リーザ「さっきのは、エルメスのプレイヤーを強調したかったから」
ミーシュ「しくしく」
エリック「とりあえず先に進もう。今は、行くしかない」
ミーシュ「そうだね。じゃあお母さん、必ず助けるから、ここで待っていて。そう言って、エリックの後を追う」
GM「『わかりました。お願いね、ミーシュ』」

◆ フェアリーたち ◆

 それから一行は、水色のワープ装置を使って、図のE地点を含むフロアに来ました。

GM「じゃあ、警戒しながら歩いているわけだが、危険感知」
エリック「通路の途中でか。珍しいのぉ。(ころころ)高い。11は15!」
GM「じゃあ、左折の向こう側に生き物の気配を感じる」
エリック「それって、危険感知なの?」
GM「じゃあ、その気配が、息を殺して殺気を漂わせてるとしたら?」
エリック「う〜む。向こうは、こっちが気付いたことに気付いてないから、それをうまく使ってやれば……」
ミーシュ「っていうか、フェアリーの可能性がない?」
エリック「ふむ」
リーザ「それもそうだな。さっき仲間たちがどうのって言ってたし」
エリック「でも、もしこっちから呼んだりして違ったら、せっかくのチャンスを無駄にするぞ」
ミーシュ「それはそれ。不意打ちじゃないし、大丈夫だよ」
エリック「う〜ん。まあ、ほぼ95パーセント、俺もフェアリーだと思うから」
ミーシュ「っていうことで、フェアリー語で呼びかける。そこにいるのは誰?」
GM「すると、しばらくの沈黙の後、フェアリー語で返ってくる。『お前こそ誰だ!?』殺気は消えない」
ミーシュ「自分の本名を名乗ろう。それから、母親の名前も言って、自分がその娘であることを伝える」
GM「じゃあ、フェアリーの一人が、角からちらっと顔を出す」
ミーシュ「見覚えは?」
GM「あるねぇ。仲間だよ。向こうも君を見てほっとしたような顔をする。けれど、すぐに周りにいる人間を見て警戒」
ミーシュ「ああ、この人たちは大丈夫。いい人たちだよ。私を助けてくれたの」
GM「『本当か?』」
ミーシュ「すごく優しくしてくれたよ。お母さんもこの人たちが助けてくれる」
エリック「そうそう。助けるぞ! と、フェアリー語で」
リーザ「ちんぷんかんぷん」
GM「じゃあ、フェアリーたちは、『わかった。ついてこい』と言って、君たちを手招きする。そこには3人のフェアリーがいるね」
エリック「ついていこう」

 端折ります。
 図のE地点から緑のワープ装置を使って、Fのあるフロアに出ます。そのあと、F地点に来るのですが、そこの扉は開かれていて、罠も解除されていました。
 そしてその部屋には2箇所ワープ装置があったのだけれど(図の黄色と茶色)、フェアリーは迷わず入って右手(茶色)のワープ装置に入りました。

エリック「おい。向こうの装置(黄色)はどこに繋がってるんだ?」
GM「一人が答える。『その向こう側に、どうも罠を解除すると思われる装置があるのだが、俺たちにはわからなくて、手も足も出ないんだ』」
エリック「なるほどね」
GM「『文字が……読めないからな』」
リーザ「それにしても、好戦的なフェアリーですよね」
GM「その理由も、ワープした向こうで話される。ワープ先からしばらく歩くと部屋があって(図のG地点)、そこに15匹くらいのフェアリーがいる」
ミーシュ「むっ! “匹”じゃなくて、“人”!」
エリック「15体?」
リーザ「15個?」
ミーシュ「しくしく」
GM「彼らは皆、一同に憤っているよ。友好的な彼ららしくない。男もいれば女もいるが、みんな怒ってる。イライラしてる」
ミーシュ「どうしたの? みんな」
GM「『どうしたの、じゃないぞ、ミーシュ! 村を滅ぼされ、石を盗まれ、仲間を捕らえられて、平気でいられるものか』と、男のフェアリー。『そうよ! 仲間の仇は私たちが討つの! ミーシュ。あなたも手伝って!』これは女のフェアリー」
エリック「なるほどね」
ミーシュ「う〜ん。ここからさらに先の状況がわかんないことには、何とも言えないけど、できれば仇討ちとかはして欲しくないなぁ」
GM「そう言うの?」
ミーシュ「言わない。答えずにうまく話をはぐらかす。ところで、この人たちがお母さんを助けてくれるの。みんなにも手伝って欲しいんだ」
GM「すると、疑いの眼差しを向ける者も中にはあったけれど、如何せん、自分たちだけでは助けられない状況にあるからか、しょうがなくって感じで教えてくれる。『さっきそこの人間が聞いていた装置の先に、部屋がある(図のH地点)。その部屋にも2つの装置があるのだけれど、部屋に入って真っ直ぐ行った方の装置(紫色)の先に、その解除装置と思われるものがあった』」
エリック「なるほどね」
GM「『ただし、その部屋には魔物がいたから気を付けてくれ。俺たちはそいつを倒していない』」
エリック「了解。じゃあ、フェアリー2、3人についてきてもらって、早速その部屋に行ってみよう」

 それから3人は、言われるままに図のH地点までやっきた。部屋には鍵はかかっておらず、ドアにも罠はなかった。
 そしてその部屋の中で……。

GM「知名度チェック」
エリック「にゅい。4とか振ったから全然だめ」
リーザ「5とか振っちゃって、12」
GM「……ミーシュもやって」
ミーシュ「(ころころ)出目5だよ」
GM「ダメなヤツら。完全武装のスケルトンが2体」
エリック「スケルトン・ウォリアーだって、プレイヤーはすぐにわかるけど、まあ特別知らなくても支障のない相手でしょう」
GM「じゃあ、やりましょう。こっち、敏捷度18で、フェアリーたちも18ね。ちなみに、フェアリーは×3。行動はこっちでするから、何をして欲しいか宣告して」
エリック「にゅい」

 ちなみに、ソーサラーは必ずスケルトン・ウォリアーを知っているらしいので、この知名度チェックは誤りです。エリックは知っています。

<1ラウンド目>

 まずフェアリーが一斉にウィスプを飛ばすのだが、これがまず出目が9、9、10で、スケルトン・ウォリアーはすべて抵抗できない。まさに怒りのフェアリーたちと言った感じだ。
 そしてダメージのロールが11、3、8の計11点。魔力は相手側の抵抗力とイコールなので相殺。スケルトン・ウォリアーAの残り生命力を5まで削り取る。そしてそのAに斬りかかるリーザ。

リーザ「攻撃……5とか言ってる。11しかないです」
GM「そりゃ、回避だ」
ミーシュ「じゃあしょうがないから、Aに飛んでるウィスプをぶつける」
GM「ああ、それまだあったのか(笑)」
ミーシュ「6は13は抵抗?」
GM「13以上はOK」
ミーシュ「ダメージは……10とか振って……3の、1クリは13発」
GM「じゃあ、Aは撃沈。Bはリーザに攻撃」
リーザ「回避は14です」
GM「当たらない〜」
エリック「3点の魔晶石の方でエネルギー・ボルト。5とか振っちゃったよ」
GM「13未満は抵抗ね」
エリック「さらに5とか振っちゃったよ。7発」
GM「ぜ〜んぜん大丈夫」

<2ラウンド目>

 フェアリーたちは、一人がリーザにヒーリングをかけ(さきほどのフロア・イミテーターとの戦闘時に受けたもの)、残りの二人はウィスプ。
 今度は期待値7、7でともに抵抗され、ダメージも合計3点しか通らない。Bの残り生命力11。

リーザ「攻撃。また5とか振った。もう帰りたい」
エリック「チェムは?」
リーザ「ああ、そうだ。頑張らないと……」
ミーシュ「ウィスプ。6の13は8の11点」
GM「ふむ。じゃあ、リーザに攻撃。回避して」
リーザ「あっ、6ゾロ〜♪」
エリック「10点の方でエネルギー・ボルト。また5とか振った後で9。10発」
GM「ん〜と、これでちょうど倒れたかな?」
エリック「ああ、良かった」
リーザ「意外と楽でしたね」
エリック「っていうか、援護射撃がすごい。母親を助けたら、15人分の援護射撃があるんだよね? きっと……」
ミーシュ「GMもそれくらいは考えてるだろうから、きっとすさまじい戦闘になるよ」
エリック「わくわく」
GM「んでは、行きましょう」

◆ 解放 ◆

 スケルトン・ウォーリア2体を撃破した3人+3人は、図の紫のワープ装置で、I地点のあるフロアに飛びました。

GM「『ここが例の解除装置らしきもののある場所だ』と言って、フェアリーたちが足を止める」
エリック「どんな感じになってるんだ?」
GM「ちょうどフォークみたいな形で、道が3つに別れてる。それぞれはそれほど長くなくて、すぐ突き当たりになる」
リーザ「その突き当たりに、何か装置があるのかな?」
GM「上から順に、赤色のレバー、緑色のレバー、青色のレバーがついている」
エリック「なるほどね。じゃあ、今は緑色のレバーだけ下がってるのかな?」
GM「まあ、そういうことだね(汗)」
ミーシュ「ああ、お母さんのいた部屋、そういえば緑色に光ってたっけ?」
リーザ「なるほど。それじゃあ、さっき言ってた、文字が読めないがどうのってのは?」
GM「『これだ』と言って、壁を指差す。見るとそこに、プレートがはまっていて、下位古代語で何か書いてある」
エリック「読もう」
リーザ「読める」
ミーシュ「読めない(泣)」
GM「すご〜く単純なことが書いてるね」

 赤は火の色、生命を燃やす。
 青は火を消す水の色。
 黒は無の闇、心を閉ざす。
 白は輝き、闇をも溶かす。
 身体を縛るは紫の光。
 それを解くのは黄の奇跡。

エリック「ふむ」
リーザ「色は赤、緑、青の3色でしたよね? 全部混ぜると黒になるのかな?」
エリック「いや、光だから、全部混ぜると白くなる」
ミーシュ「よくわかんないにゅ」
エリック「RGB、レッド、グリーン、ブルーで、RGで黄色、RBで紫、GBで青紫、RGBで白になる」
リーザ「えっと、GがONだと緑なんですよね? つまり、全部OFFだと黒になるんですか?」
エリック「そうそう」
ミーシュ「なるほど。でも、とりあえず今、プレートの文字には緑だけのときってのがないんだけど(汗)」
エリック「GをOFFにして、RをONにすると、なんだか即死な予感」
リーザ「チェムぅぅ」
エリック「殺さない殺さない(笑)。とりあえず、赤と黒と紫じゃなさそうだね」
ミーシュ「緑だけが鉄格子なら、緑をOFFにすればいいのかな?」
エリック「そうすると黒になるから、シェイドが襲いかかる可能性もある」
リーザ「そう考えると、白は安全とは言えませんね。ウィスプかも」
ミーシュ「じゃあ、青も……ウンディーネのスピリットウォール?(笑)」
エリック「紫はブレードネット?」
GM「それ怖いな」
リーザ「ただまあ、常識に考えると、赤と青、黒と白、紫と黄色が対になってますよね。青、白、黄色は、赤、黒、紫の解除装置なんじゃないかな?」
エリック「妥当だ」
ミーシュ「じゃあ、緑は?」
エリック「ここに書いてないのは、きっと何も起きないんじゃないのか? 他で状態を設定して、あとは緑にしておく。車を駐めるときにレバーをPに入れておくのと同じで」
リーザ「それ、喩えがいいですね。運転して駐める。運転して駐める」
ミーシュ「じゃあ結局……」
エリック「……黄色?」
リーザ「しかないですね。紫の『身体を縛る』ってのが、あそこに閉じこめるってことなんじゃないのかな?」
エリック「んでは、赤色のレバーをONにしよう」
リーザ「で、その間に誰かがこっそり緑のレバーをOFFにして……」
ミーシュ「わあぁっ! お母さんが死んじゃうにゅ〜!」
リーザ「チェムが死んじゃうぅぅ!」
エリック「ダメだこいつら。とりあえずRレバーをONにします」
GM「じゃあ、ONにした。フェアリーたちがビクビクしながらその様子を見守っていたけれど、特別変化は起こらない」
リーザ「あれ?」
エリック「いや、ここでの話だろう。戻ればきっと大丈夫だろう」
ミーシュ「すぐ戻るにゅ。今すぐ行くにゅ」
エリック「ということです、GM」
GM「はいはい」

 ちなみに、少し簡単すぎたと反省。
 せめてあの部屋を闇に包んでおけば、一旦白にする必要とかあって面白かったかも。まあ、大差ないけど。
 レバーを同時に下げたり上げたりしなくてはいけないように、上手に機能を調整すればよかったかな?

GM「じゃあ、途中の過程は省略して、さっきの部屋(図のD地点)に来たよ」
リーザ「チェムは?」
GM「鉄格子は開いていて、部屋は黄色く光っている」
エリック「ああ、パーキングに入れ忘れた(笑)」
GM「部屋には入れるけど、チェムたちの様子は変わらないね」
リーザ「駆け寄ろう」
ミーシュ「じゃあ、私はお母さんのところへ。おか〜〜さ〜〜ん!」
GM「(エリックに)君は?」
エリック「他のフェアリーたちは、みんなミーシュの方に行ったんだよね?」
GM「そうだよ」
エリック「じゃあ、リーザと一緒にチェムたちの方に。ちなみに、ここにいる女の子たち、全員心を失ってるの?」
GM「イエス」
ミーシュ「お母さんは?」
GM「その人は無事。『ああ、ミーシュ。ありがとう』」
ミーシュ「ううん。お母さんが無事で良かった」
エリック「じゃあ、とりあえずこの子たちをここから出そう」
GM「……ん?」
エリック「何?」

 今のエリックの発言で、なんか面白いこと思い付いた。

GM「じゃあ、君たちが女の子を部屋から出そうとすると、突然鉄格子が閉まる(笑)」
エリック「何!?」
リーザ「わわ」
ミーシュ「なんか、すごいミスをやらかしたのでは……」
エリック「部屋の色は?」
GM「一瞬紫になってから、すぐに黒になる。君たちはどこからともなく生じた闇に包まれた」
エリック「シェイド?」
GM「いや、ただの闇。所詮は古代遺跡だから、精霊力を使った罠なんてそうはないよ」
エリック「そうか……。どうしよう(汗)」
リーザ「ゲマは?」
エリック「ああ、忘れてた。通れる?」
GM「鉄格子? 通れるよ」
エリック「じゃあ、慎重に行ってもらおう。ついでに、ミーシュの方に大丈夫だって一言声をかけてく」
GM「気が回るねぇ。エルメスのこととなると、途端にダメになるくせに」
エリック「言うな」
ミーシュ「わ〜〜。真っ暗だけど、ゲマの声がした」
エリック「『大丈夫ゲマよ。すぐ助けるゲマ』と言ってから、さっきの部屋(図のI地点)に戻る」
GM「すると、見張りが立ってるね。人間の男のようだ」
エリック「見覚えは?」
GM「ない」
エリック「ふ〜む」
リーザ「ついでに、逆側(図の灰色のワープ装置)にも行ってもらって、先がどうなってるか見てきたら?」
エリック「いや、それはダメ。ゲマは最後の砦だから、何かあったらまずい」
ミーシュ「じゃあ、ここでスリープ・クラウドとかもダメだね。倒れるし」
エリック「ということで、フェアリーたちのところに行こう。ああ、ちなみにさっきの人間、どんな感じ? 一人だよね?」
GM「一人だよ。戦士風の男だ。特にデータは決めてないにゅ」
リーザ「いわゆる“兵士”ってやつですか?」
GM「そうです」
エリック「でもそこは、せっかくだから何か言えばかっこよかったのに」
GM「それもそうだったね。アドリブが利かなかった」
エリック「じゃあ、フェアリーたちに簡単にことの次第を伝えよう」
GM「フェアリー語で?」
エリック「そうそう。『大変ゲマ』」
GM「『なんだ? この生き物は。フェアリー語を喋ったぞ』みたいな」
エリック「『さっきの人間たち、捕まったゲマ。ドジゲマ。ミーシュも捕まって、仲間も捕まったゲマ』」
GM「『な、何だと!?』慌てた様子だ。『これだから人間は!』」
エリック「『ああ、大丈夫ゲマ。捕まったけど、解除方法はわかるゲマ。だから、手伝って欲しい』」
GM「『よしわかった!』彼らは乗り気だ」
エリック「じゃあ、見張りがいるから、まずはそれをぶっ潰してもらおう」
GM「『わかった!』彼らは12人いるのだが、全員で行くぞ!」
エリック「マジっすか?」
GM「当然じゃないか!」
ミーシュ「今の、GM発言だった」
リーザ「まあ、どうせそこにいてもしょうがないし、人質がいなくなれば、もう止まってる必要もないしね」
エリック「じゃあ、任せよう」
GM「そんではフェアリーたちはパタパタと男のところに行って、これをあっさり倒します」
リーザ「敵ながら可哀想」
エリック「きっと、無惨に死んでいったのだろう」
GM「それからどうする?」
エリック「まず、レバーを全部ONにしてもらう」
ミーシュ「あっ、かならず緑色のレバーから上げてね(笑)。もし今、全部OFFになってる状態で、Rから上げられたら全滅……」
リーザ「気付かなかった」
エリック「じゃあ、G、R、Bの順で上げてくれ。そうすると一番手っ取り早い」
GM「じゃあそうやって上げた。すると、君たちの部屋の闇はなくなって、鉄格子も開いている。部屋は白く光っている」
ミーシュ「助かったにゅ」
GM「そして、上げたと同時に、彼らが鬨の声をあげる。『さぁ、これでもう大丈夫だ! 奥へ進もう!』」
エリック「止めた方が良さげな感じだ」
ミーシュ「復讐はよくないにゅ」
リーザ「すぐに行こう!」
エリック「ここは、一緒に来た3人のフェアリーたちに任せられる?」
GM「無理。彼らも行く気まんまん」
エリック「時間がない。突撃かければレバーを操作するやつもいないだろう。ちなみに、ミーシュの母親は?」
GM「ついていく気でいるけど。弱くはないよ」
リーザ「冷静?」
GM「大丈夫」
エリック「じゃあ、奥(図のJ地点のあるフロア)に進みます」
GM「らじゃりん」

◆ 壮絶なる戦い ◆

 それから一行は、図の灰色のワープ装置を使って、J地点手前までやってきました。

GM「君たちが右折した先、30m向こうが行き止まりになってるんだけど、その右手に扉があって、今は開いている。そしてそこから音がする」
エリック「音? どんな?」
GM「剣の音とか、悲鳴とか、叫びとか」
ミーシュ「ああ、仲間たちが戦ってるにゅ!」
リーザ「いよいよですね」
エリック「ああ、じゃあちょっと待って。今回は、どうして今までやらなかったんだろというくらい、準備万端でいきたい」
GM「どうして今までしなかったんだろうね(笑)」
エリック「さぁ。とりあえず、リーザにファイア・ウェポンと、自分を含めた3人にプロテクション」
GM「一応、全部ダイス振ってね」
エリック「にゅい。10、2、7、7ね」
リーザ「…………」
ミーシュ「…………」
GM「なんか、さりげなく……いや、全然さりげなくじゃないけど、2とか入ってたのは気のせい?」
エリック「う、うるさい! 10点もらいつつ、再試行。(ころころ)8は成功ね」
ミーシュ「あとは、カンタマはどうする?」
エリック「クリーナがいれば、絶対に欲しいところだけど、正直精神点がもったいない」
リーザ「じゃあ、このまま行こう!」
ミーシュ「ということで、突撃〜♪ 中の様子はどう?」
GM「状況を説明しよう。まず部屋は40m×40mほどの広い部屋だ。奥の方によくわかんない装置があって、たくさんのビンが置いてある。今は装置は動いてないようだ。そしてその装置の前にはクリーナが立っていて、手にこう、ビーチボール大の玉を持ってる」
エリック「クリーナ……」
GM「その玉は、水晶玉みたいな感じなんだけど、奥の方に真っ赤な光の玉みたいなのがあって、光を発してるね」
リーザ「なんだか、すでに完成しちゃいました、えへ。みたいな感じですね」
ミーシュ「心、もう戻らないのかな?」
リーザ「それは困る!」
エリック「ミンフ〜〜」
GM「部屋の中には他に、フェアリーが12人いるけど、3人除いてみんな倒れてる」
ミーシュ「わわわ」
GM「所詮ML1だから、そんなもんだよ。でも、同時に7人くらいの人も倒れてる。男もいれば女もいるし、人間もいればエルフもいるね」
リーザ「立っているのは?」
GM「男が4人と、エリック君には非常に見覚えのあるグラスランナー」
エリック「殺さないと……」
ミーシュ「静かにすごいこと言ってる」
GM「何か言うことは?」
エリック「クリーナに呼びかける。クリーナ!」
GM「じゃあ、君に気が付いたように顔を上げる。『お前は……エリックとか言ったな』」
エリック「そうだ! エリック、人間、男、24歳だ!」
ミーシュ「それはもういいって」
GM「『また邪魔をしに来たのか?』」
エリック「違う。お前を助けにきたんだ」
GM「『助ける? 私は別にお前に助けられるような状態にはない。薬はすでに完成した。これでシルファ王女を治すことができる。また前みたいな生活が戻るんだから』」
エリック「違う。お前は騙されている。それではシルファは治らない!」
GM「『やってみなくちゃわかんないでしょ! もういい。メイムウェイン! あいつを殺しなさい! あいつはシルファ王女を助けるのを妨げるやつよ』クリーナが叫ぶように言うと、メイムウェインがそっちを向く。『ああ、いつかの間抜けな兄ちゃんか』」
エリック「お前は黙ってろ!」
GM「『黙っていろと言われるとわめきたくなるね。やーい、間抜け間抜け。目の前で人を殺されても何もできなかった雑魚、雑魚雑魚雑魚!』」
リーザ「え〜と、殺しましょう」
ミーシュ「うん。殺そう」
エリック「絶対に殺す」
GM「じゃあ、戦闘開始と行きましょう」

<1ラウンド目>

GM「今回、人数がバカみたいに多いから、フェアリー、そっちでやって」
エリック「わ〜い。じゃあ私がやる〜」
ミーシュ「データ取ってるから、ダイスが振りたいだけなんだよね?」
エリック「ギクッ」
リーザ「いや、別にいいんですけど」
GM「こっちの人間4人は、騎士、首領、兵士長、司祭という名前で呼ぶことにしよう」
エリック「強さにばらつきがあるね」
GM「フェアリーは1〜6と母親、ミーシュ」
ミーシュ「私はいいって(笑)」
GM「1はウィスプ1回とヒーリングを1回使ってる。2と3はウィスプを2回、4から6はウィスプを5回ずつ使っている。精神点修正しておいて」
エリック「了解。生命点は?」
GM「4から6は、それぞれ4点、3点、2点くらい減らしておいて」
エリック「らじゃ」
GM「敏捷度はフェアリーはみんな固定値18、こっちは騎士と司祭が14、兵士長が13、首領が12、クリーナが17、グラスランナーが24ね」
ミーシュ「さすがに速い」
GM「じゃあいきます」

 1. メイムウェインはフェアリー4に斬りかかる。これが4点通って、残り生命力が2。
 2. フェアリーたちは、7人全員がウィスプで、メイムウェインに3発。残りの人間達に1発ずつ。これが、メイムウェインに1点、首領、兵士長に2点ずつ与える。

エリック「司祭へのダメージロールが……11でクリって」
ミーシュ「おっ、珍しい」
エリック「(ころころ)さらに行って(笑)」
リーザ「目指せ一撃粉砕!」
GM「いきなり回復役が消えるのか……?」
エリック「3回目……も繋がって(笑)」
ミーシュ「さよなら司祭」
エリック「20点」
GM「え〜と、ダメです。轟沈」
エリック「にゅん♪」

 3. ミーシュはメイムウェインにストーン・ブラスト。これが4点通って、メイムウェインの残り生命力が12になる。
 4. リーザもメイムウェインに斬りかかるが、強大なダメージ減少の前に攻撃は弾かれてしまう。

GM「クリーナは……」
エリック「ドキドキ」
GM「エリックは後方?」
エリック「後方」
GM「母親も後方で、フェアリー1、2、3も後方。ミーシュも後方だよね?」
ミーシュ「実は前方(嘘)」
GM「じゃあ、そこら辺の人たちに、アレを使おう」
エリック「あ、あれってなんだー!?」
GM「と思ったけど、やっぱりやめて」
ミーシュ「なんなんだ?」

 えっと、アレってフォース・イクスプロージョンだけれど、出目うんぬん以前に、魔力分だけでミーシュ他、フェアリーたちが全滅することに事前に気が付いたのでやめました。

GM「エリックにカースとか面白いかも」
エリック「……マジ?(汗)」
GM「あ、今の引きつった笑いいいなぁ。すごくよかったよ雪ちゃん」
エリック「やめれ」
GM「17で抵抗して」
エリック「え〜っと、11以上?(汗) 無理です。9しか出なかった」
GM「じゃあ、クリーナはふっと笑って両手を下ろす」
エリック「えっと……何?」
GM「秘密」
ミーシュ「…………」
リーザ「エリックさん、可哀想……」
エリック「マジで怖い……。まだアレの方がよかった気が……」

 それは気のせい。全滅します。

エリック「じゃあ俺だけど、クリーナにライトニング……といきたかったけど、彼女はまもとに相手すると勝てないから、どうしても説得したいなぁ。けど、前はウーンズが不発に終わったけど、今回はきっちりカース使われたみたいだし(汗)。とりあえずメイムウェインにファイアーボール」
GM「巻き込むよ」
エリック「じゃあ、人間3人は?」
GM「このラウンドはOK」
エリック「じゃあ……10とか振った。17ね」
GM「そんなの抵抗できるの、この場には2人しかいない」
エリック「でも……そのあとがいかんね。まず騎士には9発」
GM「5発受けた」
エリック「首領には、10が回って18発」
GM「ダメ。倒れた」
エリック「最後、兵士長が15発」
GM「あうぅ。これも死亡」
エリック「ふむ。爽快じゃのう」

<2ラウンド目>

 1. メイムウェインはリーザに攻撃するもダメージ通らず。
 2. フェアリーたちは、4人がクリーナに、3人がメイムウェインにウィスプを飛ばす。これがクリーナに1発と、メイムウェインに2発通す。強い!
 3. リーザの攻撃はメイムウェインが回避。
 4. ミーシュのストーン・ブラストは、出目が奮わずメイムウェインに1発与えて終わった。

GM「じゃあ、クリーナはうざったいフェアリー×6にアレ。21で抵抗して」
エリック「えっと、無理です」
ミーシュ「っていうか、21ってどんな数字だ?」
エリック「とりあえず6ゾロは出なかった」
GM「じゃあ、こっちも1ゾロ振らなかったから、壊滅ね」
エリック「げふっ!」
ミーシュ「こんなのに勝てるのか……」
リーザ「敵強すぎです!」
GM「♪」

 実はクリーナ、限りなく打ち止め(笑)。

エリック「メイムウェインにエネルギーボルト。怒りの17」
GM「抵抗ね」
エリック「高い! ああ、10とか振ったのに。12発」
GM「十分痛いなぁ」

<3ラウンド目>

 1. メイムウェインの強打を、リーザが出目10で回避する。
 2. 母親はメイムウェインにウィスプを飛ばすが、ダメージは通らない。
 3. リーザの攻撃は回避。
 4. ミーシュは華麗に1ゾロを振って10点ゲットする。

GM「じゃあクリーナは、メイムウェインにキュアー・ウーンズを飛ばす」
エリック「また嫌な魔法を」
リーザ「まさにシドーのベホマ」
GM「そのあと、ガクッと膝をついて荒々しく息をする。『はぁ……はぁ……』」
ミーシュ「疲れてるね。打ち止めかな?」
エリック「クリーナ。もうやめろ! 冷静に話し合おうじゃないか!」
GM「戦闘中にそれは無理だろう。『黙れ!』と言って君を睨む」
エリック「しょうがない子だ。メイムウェインにエネルギーボルト。4とか振った」
GM「抵抗に決まってんじゃん」
エリック「そのあと、3とか振った。7点」
GM「なるほどね」

<4ラウンド目>

 1. メイムウェインの強打は1クリでリーザにいくが、ダメージ通らず。所詮はグラスランナー(泣)。
 2. 母親のウィスプは1点通す。メイムウェインの残り生命点が16。
 3. リーザの攻撃は当然のごとく回避。
 4. 打ち止め寸前、ミーシュのストブラはメイムウェインに4発通して、残り12とする。

GM「じゃあクリーナだけど、『ここにはもう用はない。メイムウェイン。あとは任せました』そう言って、転送ゲートに飛び込む」
エリック「転送ゲート?」
GM「今までの魔法陣より、ちょっと派手だね。まだメイムウェインがいるからだろうけど、光り続けてるよ」
リーザ「バレーツィンに行けそうな気配」
エリック「まずはこいつを倒さないとな。一応最後に、待て、クリーナ! お前は騙されてるんだ! と叫んでおこう」
GM「ちらっと君を見るけど、別に反応なしだね」
エリック「落ち着いたところで話さないと無理か」

 その後のエリックのエネルギーボルトは、メイムウェインに1点与えて終わった。

<5ラウンド目>

GM「リーザが固くてつまんないから、エリックにナイフでも投げよう」
エリック「先生、つらいからナイフ投げる?」
GM「そうそう。18で回避して」
エリック「そんなの無理っす」
GM「じゃあ、8点かな」
エリック「1点受けた」
GM「がふっ! やっぱりグラスランナーじゃ勝てない!」

 母親のウィスプはやはり通らず、リーザの攻撃も、当たりはしたがダメージは通らない。
 ミーシュ、最後のストブラは、メイムウェインに4発通す。これで残り7。
 エリックはエネルギーボルト。しかしこれがダメージが通らず、いよいよエリックの残り精神点も2になった。

<6ラウンド目>

GM「とにかくリーザを消すしかないでしょう。強打は13」
リーザ「あっ、6ゾロ」
GM「ダメだ〜〜」

 その裏、母親のウィスプがいつものようにノーダメージの後、リーザの攻撃がメイムウェインに5点通す。27レート恐るべし。
 ミーシュ、エリックは何もできない。エリックは最後にエネルギーボルトを打つことができたが、ここで倒れるわけにはいかないので、すべてをリーザに託して待機した。

<7ラウンド目〜>

 それから、ひたすらメイムウェインとリーザが振り合い続けて、やがて……たぶん13ラウンドくらいでついにリーザの攻撃が回った。

リーザ「27レートの1クリは23発!」
GM「じゃあ、完全に死ぬね。最後に、『うっ……。すまない、メラクリウス……。どうかお前だけは……シルファと一緒に……』そこまで言って倒れる」
エリック「そういえば、メラクリウスがエリンと知り合う前から、こいつはメラクリウスと知り合ってたんだっけ?」
ミーシュ「でも別に同情しないけどね」
GM「そこまで嫌われていたか」
エリック「早速エルメスに報告しに行かないと(笑)」
ミーシュ「私が倒したかったのに! みたいな」
エリック「うぅ。せっかく頑張ったのに」
リーザ「でも倒してのは私(笑)」

◆ それぞれの道へ ◆

GM「じゃあ、本日のラストへ向かいましょう」
エリック「装置を調べよう」
ミーシュ「フェアリーたちは生きてる?」
GM「いや、数人はやられた模様」
ミーシュ「しょうがないよ……。復讐なんて考えちゃ、ダメだったんだよ」
GM「じゃあエリックだけど、調べると、フェアリー・ストーンが見つかる」
リーザ「おやおや」
ミーシュ「もう必要なかったんだね」
エリック「っていうか、どうしてここにあるんだ?」
リーザ「あれ?」
エリック「フェアリーストーンを奪ったのって、教団……のことは俺たちは知らないけど、他の団体じゃなかったのか?」
ミーシュ「あれれ?」
GM「くくく」
エリック「うわっ! ひょっとして、俺たちの今までの仮説、全部違ってたとか!」
リーザ「GMにまんまとやられた?」
ミーシュ「ええっ! じゃあ、ムオー教団は無関係?」
リーザ「いや、待って。じゃあ、フェアリー・ストーンを奪ったのは、やっぱりメラクリウス本人だったんだよ」
エリック「もうそれしか考えられない」
GM「じゃあ、君たちがそんなことを言ってると、フェアリーたちが起き出して、最後の力を振り絞って言う。『さぁ、あそこからヤツらの居城に攻め入ろう!』」
エリック「待て待て」
ミーシュ「止めるにゅ。待って、みんな」
GM「『なんだ? ミーシュ』母親は心配そうに君を見ている」
ミーシュ「え〜っと、フェアリー・ストーンがあれば国に帰れるんだっけ?」
GM「じゃあ、君がそうやって母親に聞くと、彼女は大きく頷いて言う。『ここはフェアリー・ストーンを使うのに最適な魔力の流れがあるから、妖精界へのゲートも簡単に開けるでしょう』」
エリック「なるほど。だからクリーナもここで実験していたんだな」
ミーシュ「じゃあ、言おう。『みんな。フェアリー・ストーンは取り返したんだから、もう国に帰ろう。これ以上犠牲を増やしても、死んでいった仲間たちは喜ばないよ』」
GM「『しかしミーシュ、このまま黙って引き下がるのか?』」
ミーシュ「そうだよ。ううん、黙ってじゃない。ここから先は、エリックたちがしてくれるよ。きっといいようにしてくれるから、私たちは国に帰ろう」
エリック「ミーシュともこれまでかな?」
リーザ「寂しくなるよ」
GM「じゃあ、彼らは簡単なフェアリー語でエリックに問う。『仲間の仇を取ってくれるのか?』」
エリック「う〜ん。それは保障できないけど、ここでノーって言うと大変なことになりそうだから、イエスと言っておこう。任せておけ」
GM「じゃあ彼らはしばらく話し合ってから、『わかった。じゃあ、俺たちはここから国に帰ろう』そう決意する。それから母親がミーシュの方を見て言うよ。『ミーシュ、あなたはどうするの?』」
ミーシュ「どうしよう。困ったようにエリックを見上げる」
エリック「う〜ん。いて欲しいけど、ミーシュも帰った方がいいと思う。ここから先は、直接事件に関わった俺たちの役目だな。リーザを見よう」
リーザ「わっ。じゃあ、大きく頷いて、ミーシュに微笑みかけよう。私たちのことは心配しないで、国でお母さんと一緒に暮らして」
ミーシュ「わかったにゅ。エリック……さよならだよ」
エリック「くっ……抱きしめたい(笑)」
ミーシュ「じゃあ、こっちから飛び込もう。エリック!」
エリック「ミーシュ。ひしっ!」
GM「と、君が抱きしめようとすると、身体に激痛が走る」
エリック「ぐあっ! 何だなんだ?」
リーザ「さっきのカースじゃ」
エリック「うわ! なんてことだ」
ミーシュ「驚いたようにエリックを見上げる。どうしたの? エリック」
エリック「な、なんでもないぞ。頭をなでてやる。大丈夫?」
GM「それくらいなら」
エリック「なでなで」
ミーシュ「えへへ」
GM「じゃあ、そうしている間に、母親が国へのゲートを開く。仲間たちはそこから次々に国へ帰っていく。『さぁ、ミーシュ。もう行きましょう』」
ミーシュ「うん……。じゃあね、エリック」
エリック「じゃあ」
リーザ「さよなら」
ミーシュ「ありがとう、リーザ。お母さんと一緒に、帰ります」
GM「おう。じゃあ、君たちが通ると、すっとゲートは閉じた」
エリック「さよなら、ミーシュ。最後に呟いてから、リーザの方を見る。俺たちも行くか。戦いはこれからだ」
リーザ「うん! チェムを助けないと。今度は、私たちがみんなを助けよう!」
エリック「じゃあ、リーザと一緒にクリーナの後を追って魔法陣に飛び込もう」
GM「にゅい。じゃあ、君たちは一瞬眩暈がしたあと、どこかに出てくる。そこは一面の緑。遠くには山々が見えて、どこからか水の流れる音がする」
エリック「ここは……バレーツィン?」
GM「といったところで、第9話は終了です。続く……」
リーザ「わぅ。3話構成!」
エリック「いよいよ大詰めって感じになってきたな」

◆ 反省 ◆

水原(GM)「んでは、今回は経験点各人1,500点くらいあげよう」
雪島(エリック)「多いね〜」
水原「まあ、ちょっとクリーナと渡り合うためには、それなりに強くなってもらわないとまずいことが、今回判明した」
雪島「そうだね。アレ使われると、一撃粉砕するもんね」
水原「そうそう」
雪島「じゃあ、今回は私のロールで1ゾロが2回あったから、1,520点」
水原「プラス、いつものが70点ね」
雪島「じゃあ、1,590点」
ゆかりん(リーザ)「1ゾロりませんでしたから、素で1,570点」
ほずぴー(ミーシュ)「私も一応経験点もらっておこうかな? 出てくる可能性ある?」
水原「ないと思う。わかんないけど、とりあえず経験点はつけておいて。ひょっとしたら、なにかこう、すごくいいタイミングで帰ってくるかも……」
ほずぴー「にゅい。じゃあ、1ゾロ1回で1,580点」
水原「では、今回の反省をば」
ゆかりん「う〜ん。プレイは面白かったですが、会話は盛り上がりませんでしたね」
雪島「そうだね。読んでて思わず笑えるような会話はなかったね。これはでも、シナリオの都合っていうよりも、プレイが久しぶりすぎたからじゃないかな。ノリを忘れてしまってる」
ほずぴー「どっちにしろ、お兄ちゃんのせいなんだね?(笑)」
水原「マジっすか?」
雪島「いや、私はそうは言わないけどね」
ほずぴー「兄妹だから遠慮しないのだ」
水原「遠慮しろ」
ゆかりん「じゃあ、私も思ってないってことで」
雪島「(笑)」
水原「思ってんじゃん!」
雪島「それにしても、すでに10回もプレイしていて、初めてのダンジョンシナリオだったね。ある意味すごいと思うよ」
水原「このシナリオにかける想いが違うんだよ」
ほずぴー「その割には3ヶ月も空いたし、没りそうだったけどね」
ゆかりん「遠慮がない(笑)」
雪島「とりあえず、フロア・イミテーターがシャレになってなかった」
水原「いや、レベル5だから、大丈夫かと思ったら、思いの外強くてびっくりした」
ゆかりん「あの戦闘はやばかったですね」
雪島「メイムウェインの10倍くらい強かったかな?」
水原「いや、きゃつは、所詮はグラスランナーだから」
ほずぴー「最終戦は、クリーナがアレを使ってたら、一撃で死んでた」
水原「それを計算したからやめたの。ミーシュの場合、魔力だけで逝くから」
雪島「それでカースっすか」
ゆかりん「どんな呪いなんでしょう。結局」
雪島「女の子を抱きしめると身体に激痛が走るらしい」
ほずぴー「エルメスと再会する前に治さないとね(笑)」
雪島「まったくだ」
ゆかりん「どうすれば治るんですか?」
雪島「リムーブ・カースか、パーフェクト・キャンセレーションを使えばいいけど、他にも、何か呪いを解くための行動があって、それをすると解ける」
ほずぴー「なんだろうね」
雪島「女の子とHとか」
ほずぴー「じゃあ、リーザと(笑)」
ゆかりん「エルメスに殺されるよ」
ほずぴー「殺すよ」
雪島「怖い……」
ゆかりん「女の子関係なのは間違いなのかな? 案外、男の子を抱きしめると治るとか(爆)」
雪島「かなり嫌だ」
ほずぴー「あと、今回っていうと、さっきもちらっと言ったけど、とうとうミーシュがいなくなった」
雪島「まあ、こないだの雑談のときに、少しそういう話してたしね」
水原「今回は、とりあえずミーシュの母親という案を思い付いたところからスタートした。それから、ミーシュを国に帰す方向でシナリオを作った」
ゆかりん「なるほど」
ほずぴー「ミーシュがいなくなっちゃったのは寂しいけど、これで『ほずぴー』と呼ばれることはないと思うと、ちょっと嬉しかったり(笑)」
雪島「気に入ってないの?」
ほずぴー「全然」
ゆかりん「力一杯否定したね、今」
雪島「私は結構気に入ってたのに」
水原「じゃあ、そろそろまとめるかい?」
雪島「そうだね。今回、かなり意外なことがわかったし」
ほずぴー「フェアリー・ストーンをクリーナが持ってた話かな?」
ゆかりん「でも、たぶんそれは、薬を作るのに必要なのは、“心”だけじゃなかったってだけで、薬を作るためにメラクリウスがフェアリー・ストーンを奪ったのでは」
雪島「うん。それだけって気もするんだけど、案外もっと難しいかも……とか」
ほずぴー「ひょっとしたら、その薬でシルファが治ったりとか(笑)」
雪島「それ、一番たまらんね」
ゆかりん「そうなると、チェムもミンフも助からないけど」
雪島「効く、効かないは別にしろ、薬を使われたらおしまいなんじゃ……」
ほずぴー「どうなんだろう。でも、それ言っちゃうと、薬を作られた時点でやばかった気もするし」
雪島「結構複雑だねぇ。とりあえず、次にすることは、クリーナと接触するか、クリーナより先にメラクリウスを説得するか」
ゆかりん「でも、説得するにも証拠がないし」
ほずぴー「結局実力行使になりそう」
雪島「あと、1週間後にオランの……誰だっけ?」
ゆかりん「ガルガン・ルー?」
雪島「そうそう。そいつ率いる一団が来るから、そういうことも話さないと」
ほずぴー「ちなみに、次回は私の出番は? またお休み?」
水原「今のところ、ほずぴーの出番はもう考えてないです。ちなみに、次回は第10話を飛ばして、第11話をやるから」
雪島「ということは?」
ほずぴー「エルメス?」
ゆかりん「ホルウェン?」
水原「ということになるねぇ」
雪島「おお。でもそれはまたなんで?」
水原「にゅい? 第10話中、バレーツィンで判明する事実を、先に知っちゃうと第11話以降がつまんなくなるから」
雪島「それだけ大詰めってことだね?」
水原「まあ、そういうことだね。一応、エルメス編も5話やって、できればエリックとエルメスが合流してから……まあ、これは希望だけど、それからさらに5話の、全部で20話+前やった番外編の計21話構成を考えてる」
雪島「壮大だ」
水原「ただ、最後の5話は無理かも……とも思ってる。案外、合流してから、1、2話で終わっちゃうかも。わかんない」
ゆかりん「とりあえず楽しみです」
雪島「どういう構成になるのかな? とりあえずミーシュを外したのは、プレイヤーの問題だと思うし」
ほずぴー「ああ、エルメスと合流したときにミーシュがいると困るもんね」
ゆかりん「ということは、最終的にはエリック、エルメス、リーザかな?」
雪島「リーザは残りそうだけど、どうだろう。女の子はまずくないか?」
ほずぴー「エルメス的には嫌かも。でも、ハーフエルフだし、色恋沙汰は無縁そうだしね、リーザって」
雪島「どうなるかなぁ」
水原「んじゃ、そろそろお開きにしますか? 当分エリックの出番はないから」
雪島「3ヶ月くらい?(笑)」
水原「言うな」
ほずぴー「んじゃ、ほずぴーとしては、これでさよならです」
ゆかりん「お疲れさん」
雪島「お疲れ〜っす」
水原「お疲れさま」

  *  *  *

雪島「ダイス目です。今回はフェアリーたちの分があるから、たくさん振りました。6ゾロはなかったけど、極めて平均値」

セッション23456789101112合計平均期待値との差
第6回『水檻』1回0回2回2回5回2回3回2回6回2回3回28回8+1.00
第7回『狂気』0回2回2回2回4回1回2回1回3回0回0回17回6.47-0.53
第8回『改変』2回1回3回3回7回4回10回7回2回2回1回42回7.17+0.17
第9回『怨念』4回6回7回11回6回14回8回15回8回8回0回87回7.01+0.01
合計7回9回14回18回22回21回23回25回19回12回4回174回7.16+0.16


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