エリックとエルメス 第11話『偏愛』
◆ 4ヶ月ぶり ◆
前回、番外編1『外界』をプレイしてから、実に4ヶ月ぶりにホルウェン、ドラフの登場です。
さらに今回から、第5話『離別』以来、ずっと登場していなかったエルメスも復活。いよいよ待望のエルメス編が始まります。
さて、いつも通りPCたちの成長ですが、エルメスは第5話で入手した経験点、1,100点をそのまま貯めました。
ホルウェンも、獲得した経験点1,000点をそのまま残し、次はソーサラー3か、シャーマン4を狙います。相変わらず回避はなし。
そしてドラフですが、前回第9話『怨恨』で懲りたのか、やはりシーフがないのはきついと判断。1レベル持ちました。
なお、初めに断っておきますが、この第11話以降、しばらくの間は、第10話よりも先にプレイしております。ご了承ください。
水原(GM)「ということで、第9話やったの、ついこないだだけど、一応こっちのメンバーではお久しぶりってことで」
ほずえ(エルメス)「あう〜。エルメスだよ〜。“ほずえ”だよ〜(笑)」
琴美(ドラフ)「ずっと“ほずぴー”だったもんね」
由佳里(ホルウェン)「私も“由佳里”に戻った。ちなみに、ふと思ったんだけど、最終パーティーがエリックとエルメスとリーザになったら、プレイヤーは、“雪島”と“ほずえ”と“ゆかりん”になるのかな？」
水原「そうなるだろうね」
由佳里「げふっ！」
琴美「しかし、こっちのパーティー、バランスがいいね」
ほずえ「そう？」
由佳里「私、回避ないですよ」
琴美「相変わらずそれは痛い」
由佳里「ドラフが守ってくれるらしいし。でも前回、なんだかやたらと生死判定をやった覚えが(笑)」
ほずえ「ああ、番外編面白そうだったにゅ。私も参加したかった」
琴美「生理で苦しんでた」
水原「いつものことだね」
琴美「慣れれないのが嫌なところだ」
由佳里「私、それで苦しんだことないから」
ほずえ「たまに痛いときがある」
水原「っていうか、ほずえにも生理が来るんだね……」
ほずえ「……私もう、15だよ」
琴美「ロリロリ♪」
ほずえ「先輩が言わないで……」
由佳里「あはは」
水原「ところで、キャラ個性の方は大丈夫かな？ 覚えてるかな？」
由佳里「初めてプレイしたキャラだから、大丈夫です。思い入れもありますし」
琴美「基本的に、平凡な『おじさん』を演じるだけだから楽。エリックは自分と全然違ったから、結構大変だった」
ほずえ「だから、Ｈなところは先輩そのもの……」
琴美「くすん」
ほずえ「基本的にエルメスは大丈夫です」
由佳里「“にゅ”とか言えないよ(笑)」
水原「ロリロリじゃないよ？」
琴美「大丈夫なの？ ほずえちゃん」
ほずえ「……しくしく。みんな私を誤解している」
琴美「ミーシュはほずえちゃん、そのまんまだったから、すごく楽だったよね？」
ほずえ「“にゅ”とか言わなくちゃいけなかったから、大変だったよ」
由佳里「ほずえ、学校でもよく“にゅ”って言ってるじゃん」
水原「マジっ！？」
由佳里「誰も気にしてませんけどね。っていうか、『ほずえだし』で終わります」
琴美「すごいねぇ、ほずえちゃん」
ほずえ「そ、そういう先輩は、大学で『にゅい』とか『くくく』とか『しくしく』って言わないんですか？」
琴美「いや、あんまり」
由佳里「あんまりでも、言うには言うのか……」
水原「俺は普通」
ほずえ「お兄ちゃんは、話す内容が飛び抜けてるから、それだけでもうお腹いっぱいだよ」
水原「これ以上はもう入らない？」
ほずえ「そうそう」
琴美「絶対に今、水原君、違うこと考えながら言った気がする」
ほずえ「……えっ？」
水原「くくく」
由佳里「先輩、Ｈですよね」
琴美「っていうか、変態」
水原「健全だよ。純粋だよ。純心だよ。純ボーイだよ」
ほずえ「私、純ガール！」
琴美「いや、違うだろ」
ほずえ「にゅ〜」
由佳里「うわ、ほずえっぽい」
水原「なんだか脱線しまくり」
由佳里「前回(第9話)が、会話的に盛り上がらなかったから」
水原「こっちのメンバーの方が個性派揃いで、トーク的には面白いだろうね」
琴美「そうか……。リウスのあの歯の浮く台詞を聞き続けるのか(笑)」
由佳里「ドラフが怒り出しそう」
琴美「いや、俺大人だし」
ほずえ「嘘くさい」
水原「まあ、とりあえず会話も全然大丈夫そうだから、サクッと本編に入りましょう」
琴美「今回、シナリオは？」
水原「大丈夫。5分で作った」
ほずえ「5分……」
由佳里「まあ、前回(番外編1)ノンプロットだったし。それよりはまし」
水原「では、第11話『偏愛』の始まり始まり〜♪」
◆ 宿 ◆
GM(水原)「んでは始めましょう」
エルメス(ほずえ)「にゅい」
ホルウェン(由佳里)「結局、“にゅ”なのね？」
エルメス「そうそう」
ドラフ(琴美)「でも、序文から実際にプレイを始めるまでに4日くらい空いたのは、リプレイじゃわかんないだろうね」
GM「わわわ。それは内緒の話だよ」
ドラフ「くくく……」
エルメス「今どこにいるの？」
GM「そうだねぇ。前回、プルーグっていう街で冒険……っていうのか、プレイしたんだけど、今回はそこからさらにザインに近付いた、カナンっていう町が舞台」
ホルウェン「どんな町なんですか？」
GM「一応ザインの領土内だから、やっぱり魔法嫌いの色は強い？」
ホルウェン「わわわ。ドラフ。こんな魔法の勉強の役に立たなさそうなところは、さっさと去りましょう」
ドラフ「ヤツらの目的地がザインなんだからしょうがないだろう。まあ、別に“魔鏡”を取り返したところで、慌てて森に帰る必要もない。魔法の勉強は、全部済んでからにしな」
ホルウェン「イヤよ」
ドラフ「じゃあ、苦痛にのたうち回ってくれ。俺はイヤだね」
ホルウェン「うぅ。意地でもザインでも魔法の勉強してやるんだから」
エルメス「ホルウェンは今まで森から出たことがないんでしょ？」
ホルウェン「そうよ」
エルメス「だったら、きっとどこの町に行っても、勉強はできると思うわ。いくら魔法が嫌いだからって、別に魔法を使ったら殺されるわけじゃないと思うし、魔術師ギルドの一つくらいはあるでしょう」
ホルウェン「そ、そうね」
GM「んじゃまあ、そんなことを話ながらカナンに入ると、リウスが言います。『ところで、ドラフさんたちはお金はお持ちですか？』」
ドラフ「ああ、リウスって居たんだ？(笑)」
GM「いるよ。ちなみに16歳、最年少だ」
エルメス「じゃあ、今度からリウスは呼び捨てにしよう」
ホルウェン「お金？ お金は……」
ドラフ「生憎、持ってないんだが」
GM「『そうですか……』呟いてから、リウスが神妙な顔で言います。『実は……これはエルメスにも言ってないのですが、僕もお金をあまり持っていないのです』」
ホルウェン「えっ！？ じゃあ、期待の眼差しをエルメスに」
エルメス「困ったように首を振ろう。っていうか、お金持たずにエリックのところから飛び出してきたし」
ホルウェン「むっちゃがっかりしよう。っていうか、怖がろう」
エルメス「どうしたんですか？ 怖がってるから聞いてみる」
ドラフ「いや、実は……」
ホルウェン「わーわーわー！ エルフのプライドが許さないわよ！ そんな、まさかお金がなくて、食べ物につられて問題起こしたなんて言えない。ドラフの口を押さえて、にっこり笑おう」
エルメス「首を傾げながら、私たちは冒険者ですから、働けばいいだけですよ。ねぇ、リウス」
GM「『そうですね。先を急ぐ身ですが、現状ではザインまではもちません。お二人も、手伝って下さいますね？』」
ドラフ「おっ、付加疑問だ。もちろんだ」
ホルウェン「しょ、しょうがないわね」
エルメス「町の中はどんな感じ？」
GM「ん？ そうだねぇ。町の程度としては中規模なんだけど、今ひとつ活気が足りない。あと、冒険者かどうかはわからないけど、武装している人が目立つね」
ドラフ「これは事件の匂いがする」
エルメス「そういう町かも知れませんよ」
ホルウェン「事件じゃないと困るわ」
ドラフ「事件を求めなくちゃいけないなんて、嫌な職業だ」
ホルウェン「お金さえあれば、私は冒険者まがいのことなんてしたくない」
ドラフ「どんな経緯があれ、ここでは俺たちも一応冒険者だからな」
エルメス「明るくていいなぁ。エリックと二人のときは……と思いつつ、エリック今頃何してるかなぁって」
GM「今頃、村人相手にライトニングとかぶっ放してるとこじゃない？(笑)」
ドラフ「(汗)」
ホルウェン「例の、経験点が500点しかもらえなかったヤツですね？」
ドラフ「一応、600点だった」
エルメス「まあ、そういうこともあるよ」
GM「じゃあ、しばらく行くと、宿が見える」
ホルウェン「どんな感じのところ？」
GM「そうだねぇ。レンガ造りのしゃれた感じの宿だよ」
ホルウェン「じゃあ、宿は決まりね。リウスに、宿賃くらいはあるの？」
GM「『大丈夫です』本当なら別に君たちの分まで払う義理はないけど、嫌な顔はしないよ」
エルメス「人間ができてるんだね」
ドラフ「プレイヤー発言だけど、やっぱりバレーツィンの人間には思えないなぁ」
ホルウェン「どうだろう。何かわけがあるのかも」
エルメス「まあ、その内わかるでしょう。宿に入ろう」
GM「『いらっしゃい』おじさんの声で迎え入れられる。鼻の下にヒゲを生やしたおっさんだ」
ドラフ「店の中は？」
GM「真ん中にカウンターがあって、それを囲むようにして大小さまざまなテーブルが並んでる。奥の方に二階への階段がある。ちなみに、カウンターが真ん中にあるだけで、厨房は奥だぞ」
ホルウェン「ふ〜ん。しげしげと眺めよう。私、こういうところ初めてだから」
ドラフ「優しくしてあげるよ」
ホルウェン「な、何のことですか？」
ドラフ「いや、なんかそういう系統の発言に聞こえた」
エルメス「きっと先輩の頭がやばいからですね」
GM「恐らく」
ドラフ「嘘つけ！ 仲間のくせに」
GM「俺の耳には、言葉通りにしか」
ドラフ「くそぅ。いじけてやる」
エルメス「じゃあ、カウンターに行こう」
GM「『宿？ 飯？』」
エルメス「宿です。えっと〜〜〜、一部屋？ 二部屋？」
ホルウェン「私は細かいことはこだわらない」
GM「『リウスは男の子だから、女の子と一緒の部屋で嫌なわけないよ』」
エルメス「一応、リウスもそういうことに興味があるのね？」
GM「っていうか、好きな人いるし」
ドラフ「ちなみに、俺は当然一緒でいいぞ。エルメス可愛いし」
エルメス「じゃあ、二部屋ね」
ドラフ「あれ？」
エルメス「二部屋でお願いします」
GM「男女の別？ それともパーティーの別」
ドラフ「パーティーの別だと、ちょっとＨっぽいな」
エルメス「う〜ん」
ホルウェン「琴美ちっく？」
ドラフ「はうぅ」
エルメス「ホルウェンは分けるならどっちがいい？」
ホルウェン「エルメスは嫌いじゃないけど、ドラフの方が安心できるかな？」
エルメス「じゃあ、パーティーの別で。別にホルウェンたちと出会う前に、すでにリウスとは一緒に寝てると思うし」
ドラフ「一緒に寝てるの！？」
エルメス「い、意味が違う……」
ドラフ「いや、今のは普通に解釈したらそうなるぞ」
ホルウェン「さすがにそう思った」
GM「リウス、実は手が早い？」
エルメス「しくしく。私はエリックさんの……ものでもないけど(汗)」
ドラフ「入れたし……」
エルメス「まだ処女だって」
ドラフ「入れたもん」
エルメス「むぅぅ」
ホルウェン「子供のケンカだ」
GM「内容は大人だけど」
ドラフ「まあ、当事者同士が話してるわけじゃないし」
エルメス「じゃあ、とりあえずパーティーの別で部屋をとります」
GM「にゅい」
◆ 冒険者として ◆
エルメス「じゃあ、一息吐いてから、下に仕事がないか聞きに行きましょう」
ホルウェン「そうね。どんなふうにするのか、興味津々に見ていよう」
ドラフ「実は俺も知らない。伊達に年くってるし」
エルメス「伊達に年取っちゃダメじゃん」
ドラフ「素敵だろ？」
ホルウェン「まったく！」
エルメス「でも、実は私は冒険者っぽいことしたことなかったり(笑)」
ドラフ「ああ、そうか」
ホルウェン「どうして？ 聞いてみよう」
エルメス「いつも仲間に任せていたから……。エリックだけど」
ホルウェン「その人は今どうしてるの？ 別れちゃったの？」
エルメス「えっと……村人相手にライトニング？(笑)」
ドラフ「忘れてくれ」
エルメス「言葉を濁そう。ちょっとわけありで、別行動をしてるの」
ホルウェン「ふ〜ん。まあ、聞いてみただけで、特に興味があるわけじゃないし」
エルメス「私、魔法じゃないしね(笑)」
ドラフ「んで、どうするんだ？」
エルメス「私が聞きます。さっきのおじさん、いる？」
GM「当然いるよ」
エルメス「あの、すいません」
GM「『どうした？ トイレなら奥の階段の下だ。うちは珍しく女性用のトイレもあって、左側がそうだ。結構昼間は普通のご婦人方が飯を食べにくるからな。芳香剤もおいてあって、人気の一つだぞ』」
エルメス「えっと……そうじゃなくて(汗)」
ホルウェン「今の、わたし的にかなりうけました」
ドラフ「面白かった。男子用のトイレにも芳香剤はあるのか？」
GM「『あるわけないだろう』」
ドラフ「残念」
エルメス「あ、あの、お仕事を探してるんですが……」
GM「『わかってるよ、んなことは』」
エルメス「いい人なのか嫌な人なのかわかんないにゅ」
ドラフ「出た、“にゅ”！」
エルメス「いいの！ ほずえちゃん用語なんだから」
ホルウェン「学校でも使うしね」
GM「困った娘だ」
エルメス「にゅ〜〜」
ドラフ「こりゃ、ダメだ」
エルメス「それで、何かお仕事はないですか？ 手軽で簡単、しかもお金ががっぽがっぽ入って、危ない橋を渡らずに済むヤツ」
ドラフ「君、人生ナメてるだろ？」
エルメス「私はいつでも真面目です！」
GM「天然系か？ じゃあ、親父もそのノリで答えるか。『お嬢ちゃんは可愛いから、冒険者やめてうちで働くっていうのはどうだ？ 三食夜寝付き。そっちのおじさんも、力仕事を任せるし、若いのも詩人なら客も引ける。全員まとめてうちに来るか？』」
エルメス「えっと……(困)」
ドラフ「それはいいかも」
ホルウェン「ダメよ。魔法の勉強しないと」
エルメス「あの、困ります……。あ、実は私の場合、それはそれで良かったり」
GM「じゃあ、リウスが真面目に言おう。『僕にはしなくてはいけないことがあるからできません。素敵なお誘いなので、すべてが終わってからなら考えてもいいかも知れませんが、今は普通に冒険者としてのお仕事を紹介していただけると嬉しいです』」
ドラフ「おお、真面目だ」
GM「そんなこと、GMに言わせるなよ」
エルメス「だって、別に冒険する理由がないんだもん。エリックいないし」
ドラフ「今頃マーメイドの女の子を海に放流してる」
ホルウェン「放流！(笑)」
GM「とりあえず仕事を教えてくれるよ。『実は今、一件しかないのだが、これはこの村全体として早急に解決して欲しい仕事でな』」
ホルウェン「村全体でって言うと？」
GM「『村の危機ってことだ』」
ドラフ「面白そうだ」
ホルウェン「不謹慎よ、ドラフ！」
エルメス「今の台詞はどっちかと言うと逆ね」
ドラフ「確かに。ホルウェンなら同調してくるかと思ったが」
ホルウェン「それで、危機って一体どんなことになってるの？」
GM「『端的に言うと、化け物騒ぎだな』」
ドラフ「詳細に言うと？」
GM「『初めは……ひと月くらい前だったかな？ ある冒険者のパーティーが、この町の中で人間の姿をした者に襲われた』」
エルメス「人間ではないのですね？」
GM「『わからん。それから、さらに数件、冒険者のパーティーが襲われるという事件が相次いだ』」
ホルウェン「襲われるのは冒険者のパーティーだけなの？」
エルメス「何か冒険者に恨みがあってとか……」
GM「『それがそうでもないんだな。そんなことがあったから、それから2週間くらいの間に、ほとんど冒険者が来なくなってしまった。別に町の人間が襲われてるわけじゃなかったからな』」
ドラフ「それでも、町の印象は悪くなるだろう」
GM「『結局、自分たちに関係なければ、人間なんてそんなものさ。だけど、そうもいかなくなった』」
エルメス「冒険者がいなくなったから、今度は町の人を襲い出したのね？」
GM「『そういうことだな。やがて町の人が襲われ出すと、これはいかんと感じたのか、とうとうレフリトさんが町の代表として冒険者に依頼をすることにした』」
ドラフ「レフリトって？」
GM「この町一の大富豪さ。依頼主はアルース・レフリトと、妻のメッシャ・レフリト。金額はじわじわとあがってるんだが、今が8,000ガメル』」
エルメス「8,000！？」
GM「『そうだ』まあ、日本でいう、約80万円ね」
ホルウェン「と、とりあえずすごさがわかった」
ドラフ「法外な値段だなぁ」
GM「まあ、大富豪だし」
エルメス「それで、町の人が襲われるようになってからの状況は？」
GM「『色々な冒険者が立ち向かっては、ことごとく返り討ちにあっている。だから高いのだが』」
ドラフ「どんなやつ？」
GM「『さっき話した通り、人間の形をしたヤツさ。正体はわからんよ』」
エルメス「危険ね。何か心当たりない？」
ドラフ「う〜ん。ダークエルフ・リーダー？(笑)」
ホルウェン「強いんですか？」
ドラフ「ML6だったと思う。あとは……バルキリー？(爆)」
エルメス「だんだん怪しくなってるにゅ」
ドラフ「私もそんなに知らない。騎士団長とか(笑)。ML7だよ」
ホルウェン「ただの人間なのかな？ おじさんに聞いてみよう。やられた冒険者たちの話はないの？」
GM「『一応、剣で切り裂かれたと言っている。他にはないが、歯が立たなかったらしい』」
エルメス「その人たち、冒険者レベルどれくらいなの？」
GM「3くらい」
ドラフ「じゃあ、それほど強い敵じゃないかもね」
ホルウェン「とにかく、やるしかないようね。ちなみに、事件の起こってる割合とか、発生場所、発生時間とかは？」
GM「『夕方から夜、明け方にかけてだが、最近はのべつまくなしという感もある。まるで、何かを焦っているかのように……』」
エルメス「焦ってる……」
ドラフ「なんだろうね」
エルメス「それで、依頼はどうやって受ければいいの？ レフリトさんのところに行けばいいのかな？」
GM「『いや、違う。アルースさんも何も話すことはないからな。倒したという証拠を持ってアルースさんのところに行けばいい』」
ドラフ「倒せなかった場合は？ 深手を負わせて逃げられたとか」
GM「『それはアルースさんと、お前たちの話し方次第だな』」
ドラフ「了解」
GM「もういい？」
エルメス「私は特にありません」
ホルウェン「そうね。何か特にわかった情報はない？ 敵についての」
GM「『ないな』」
ドラフ「単体？」
GM「『一応、常に相手は一人だったらしいが、そのすべてが同一人物かはわからない』」
ドラフ「なるほどね」
エルメス「まあ、一人だって考えればいいでしょう」
ホルウェン「じゃあ、私もいいです」
GM「にゅい」
◆ バトル ◆
GM「じゃあ、1ラウンド目」
ドラフ「おい！」
ホルウェン「(笑)」
エルメス「誰と戦ってたんだ……？」
GM「まあ、好きにしていいよ」
ドラフ「ちなみに、リウスはあと何日分のお金を持ってるの？」
GM「4日分くらい」
エルメス「結構、瀬戸際だったんだね」
ホルウェン「まあ、特に情報はないし、片っ端から襲ってるみたいだから、適当に町をぶらつけばいいんじゃないかな？」
ドラフ「そうだな。元々冒険者を狙ってたんだし、俺たちなら狙われやすいだろう」
エルメス「町の様子は？」
GM「最初に言ったとおりだよ。規模の割には人の数は少なくて、外に出ている人も集団でいる場合が多い。あと、武装してる人が目立つね」
ドラフ「ああ、武装って、なるほどそういうことか」
ホルウェン「なんだか、今の『なるほどそういうことか』が、和訳チックでした」
エルメス「うんうん」
ドラフ「『なるほど〜だがしかし……』？」
エルメス「なにそれ？」
ドラフ「なんかそんなのなかったっけ？」
GM「全然覚えてない」
ホルウェン「It is ture 〜, but …….じゃないですか？」
ドラフ「ああ、そうそう。そんなやつ」
エルメス「由佳里、すごいね」
ホルウェン「ほずえ、現役でしょうが」
エルメス「違うよ」
ホルウェン「ええっ！？」
ドラフ「んじゃまあ、適当に歩きましょう」
GM「リウスには何かして欲しいことある？」
ホルウェン「ん〜〜。何か歌ってもらおうか？」
エルメス「何が歌えるの？」
GM「内緒」
エルメス「内緒って……」
ドラフ「確か、呪歌って、聴くことができれば相手にも影響を及ぼすんだったよね？」
GM「そうだよ」
ホルウェン「相手が人間だったら、あんまり意味がないなぁ」
ドラフ「こっちが耳栓して、ピース使ってもらうとか」
エルメス「ああ、聞こえなくするのね？」
ドラフ「そうそう。でもまあ、そのまま行けばいいか」
GM「じゃあ、君らがぼけたーんと歩いていると、やがて薄暗くなってくる。この頃になると、もう人気はほとんどない。例の事件のせいだろうね」
エルメス「出るならそろそろ出てもおかしくないですね」
ドラフ「そんな簡単に出てくるのかな？」
ホルウェン「話を聞く限り、出てきそうだったけど」
ドラフ「とりあえず、どんなヤツであれ、一人で近付いてくる者は警戒しよう」
エルメス「ああ、そうだね」
GM「じゃあ、そろそろ出すか(笑)。君たちがやや暗めの道を歩いていると、前から戦士風の男が一人歩いてくる」
ドラフ「さっき言ったとおり、警戒してるよ」
エルメス「にゅん」
GM「んじゃ、危険感知を+2で」
ドラフ「レンジャーが3もある♪ 出目7は13」
ホルウェン「素で9」
エルメス「11？」
ドラフ「なぜ尻上がり？(笑)」
GM「じゃあ、ドラフは気が付いた。相手から敵意を感じる」
ドラフ「仲間にこっそり伝えられる？ 相手までの距離は？」
GM「10mくらい」
ドラフ「じゃあ、たぶんあいつがそうだ。かまえておけと言おう」
エルメス「……わかりました」
ホルウェン「ほんとなの？ 怪しいわね」
ドラフ「やられてからじゃ遅いぞ、ホルウェン」
ホルウェン「はいはい」
GM「じゃあ、すれ違い様、剣を抜いて斬りかかってくる」
ドラフ「通常戦闘でいいのかな？」
GM「おう」
エルメス「ちなみに、相手は人間なの？」
GM「人間に見えるねぇ」
ホルウェン「(琴美ちゃんに)何か心当たりはないですか？」
ドラフ「いや、まったく」
GM「ほほう！ 珍しい」
エルメス「うわっ！ 完全にモンスターだって言ったようなもの」
ドラフ「全部の敵を覚えてるわけじゃないよ」
GM「なるほど。かく言う俺も知らなかったからな。じゃあ、戦闘開始。こっちの敏捷度は15で、リウスは観戦させてもらうよ」
ドラフ「まあしょうがないでしょう」
エルメス「エリックくらい観戦ばっかしてたら見限るかも(笑)」
ドラフ「しくしく」
＜1ラウンド目＞
ホルウェン「とりあえず、エルメスとドラフにファイア・ウェポン。(ころころ)成功です」
エルメス「いただきました。そのまま攻撃は13」
GM「(ころころ)」
ドラフ「おっ、固定値じゃない」
エルメス「ほんとにモンスターなのかな？」
GM「13は回避ね」
ドラフ「バッソ両手持ちで斬りかかる。10は16」
GM「どうぞ」
ドラフ「33レートの9は16点」
GM「う〜む(残り生命点13)」
ホルウェン「まだ生きてるの？」
GM「辛うじて」
ドラフ「そんなに強くないなぁ」
GM「まあ、ML5しかないから」
エルメス「弱いっ！」
GM「ドラフは15で回避して」
ドラフ「(ころころ)それは無理」
GM「じゃあ、12点」
ドラフ「ん〜。4とか振って6点もらった」
ホルウェン「攻撃力はそこそこですね」
ドラフ「いやいや。同じML5でも、いつぞやのフロア・イミテーターに比べれば……」
GM「エリック死にそうになってたもんね」
＜2ラウンド目＞
ホルウェン「試しにエネルギー・ボルト。10は15」
GM「いいよ」
ホルウェン「9は10点です」
GM「う〜ん。だいぶ減ってきた(残り生命点8)」
エルメス「斬ります。(ころころ)10点」
GM「回避だけど」
エルメス「いや、そうじゃなくて、1ゾロ」
ドラフ「(笑)。こっちは10は16でバッソ」
GM「うぐぅ。11振ってなお回避できない」
ドラフ「残念賞！ 33レートの8は8で15点」
GM「一応回ってきたか……(残り生命点2)。じゃあ、逃げ出そうかな。このラウンド全力ダッシュで……どうだっけ？」
エルメス「にゅい？」
ドラフ「敏捷度×3メートルだよ」
ホルウェン「へ〜。そんなルールあるんですね」
GM「うむ。じゃあ、45m進もう」
＜3ラウンド目＞
ホルウェン「届く魔法がないからあきらめる」
エルメス「追いかける」
ドラフ「同じく」
GM「じゃあ、逃げ切れないから、ドラフに攻撃。回避して」
ドラフ「7は13」
GM「んでは12点持ってってください」
ドラフ「避けれない……。8点減らして、残り7点」
＜4ラウンド目＞
エルメス「18で攻撃」
GM「それはよけれない」
エルメス「6ゾロは？」
GM「モンスターの6ゾロはないの」
エルメス「知らんかった。じゃあ、12点もらってね」
GM「(ころころ)ふ〜む。これで死亡かな？」
ドラフ「うむ。撃破したぞ。正体は？ 結局人間なの？」
GM「いや、死体は見る見る内にその姿を変えて、やがて真っ黒になる。そして、顔のところに、真っ赤な横線が入ってる。どうやら口のようだね」
ドラフ「う〜む。セージチェックは3と出た。6とか言ってる」
GM「6っていうのは、熊とか虎とかワニとかが、辛うじてわかるレベルだね」
ドラフ「ぐすっ」
エルメス「13です」
ホルウェン「11しかない」
GM「じゃあ、PCは誰も知らんね。プレイヤーには教えるけど、ダブラブルグっていうレッサー・デーモンのうちの一種だ。一目見た相手の姿をコピーできるっていう能力がある」
ドラフ「なるほどね」
ホルウェン「しかし、どうしてそんなヤツがこの町に？」
エルメス「『そんなヤツ』かどうかは私たちにはわからない」
ホルウェン「ああそうか」
ドラフ「とにかく、今はそのクラフトさん家とやらに、この死体を持って行くとしよう」
ホルウェン「いいけど、当然あなたが運ぶのよ」
ドラフ「はいはい。わかってますよ」
◆ 町の大富豪登場 ◆
GM「もう夜近いけど、すぐに行くの？」
ドラフ「常識外の時間になってる？」
エルメス「お食事とかさせてもらえないかしら」
ホルウェン「確かに、お腹は空いたわね」
GM「まあ、夕食くらいの時間ちゃう？」
ドラフ「じゃあ、行くか。ズリズリ」
ホルウェン「場所はわかるの？」
GM「大丈夫だよ。場所は聞いてるし、聞けば誰でも知ってる。その内、君たちの眼前に、4階建ての大きな屋敷が見えてくる」
ホルウェン「ほえ〜。大きな家」
エルメス「元私の家より大きい」
ドラフ「おっ、エルメスはお嬢様？」
エルメス「いえ、それほどでもないです。それに、もう昔の話ですから」
ドラフ「色々あったんだな」
ホルウェン「何があったの？ 何？ なに？」
ドラフ「おいおい」
エルメス「あはは。兄が借金を……」
ホルウェン「ふ〜ん」
ドラフ「こいつ、自分から聞きながら、関心なさそうな態度ばっかとってる」
GM「いやぁ、実に面白いよ。このキャンペーンで、一番個性的じゃない？」
ドラフ「かも」
エルメス「スケベになってからのエリックもなかなか」
ドラフ「ぐふっ」
ホルウェン「琴美さんが本領を発揮し始めてからのエリック？」
エルメス「そうそう」
ドラフ「違うにゅ」
エルメス「わわ。久々に先輩の“にゅ”を聞いた気が」
ホルウェン「初めてかも。違うかな？」
ドラフ「元々私が使ってたし……」
GM「とりあえず、屋敷についたよ」
エルメス「ごめんくださ〜い」
GM「夜遅くだから、警備の人が来るぞ。『冒険者が何の用だ？』」
ドラフ「今ここに冒険者が来る理由が、そういくつもあるのか？」
GM「『ほう！ それでは、化け物を退治したのか？』」
ドラフ「後ろに転がってるのがそうだ」
GM「『では、こちらへ』そう言って、中に案内される」
エルメス「ひょこひょこついていこう」
ドラフ「(ダブラブルグを指して)こいつは？」
GM「『ああ、そうだな。まあ、それは我々で見張ろう』」
ドラフ「任せた」
ホルウェン「中はどう？」
GM「どうって言われると困るけど、豪奢な造りだ。客室に案内してから、彼は去っていく」
ホルウェン「待つ」
GM「じゃあ、やがて一人の女の子が、2回ノックしてから入ってくる」
エルメス「誰？」
ドラフ「メッシャとかいう人？」
ホルウェン「誰？ それ」
エルメス「覚えてないし！」
ドラフ「この家の主の奥さん」
ホルウェン「ああ、なるほど」
GM「ちなみに、その人じゃない。もっと遥かに若い。15歳くらいの女の子で、かなり可愛い子だ。好奇の瞳で君たちを見て、高い声で言うよ。『いらっしゃいませ。この家の娘のポミア・レフリトです』」
エルメス「こんばんは。こんな夜遅くに押しかけてすいません」
ホルウェン「遅いのかなぁ。どう思う？ ドラフ」
ドラフ「俺は別に」
エルメス「人間界では十分遅いんです！」
ホルウェン「ふ〜ん。じゃあ、頭を下げよう」
ドラフ「ペコッ」
GM「ポミアは慌てて首を振って言うよ。『とんでもないです。町の危機を救ってくださったのですから。今、父と母が来ると思いますので、お口に合わないかも知れませんが、どうぞケーキでも召し上がっていてください』なんか、言葉遣いが微妙に怪しい気がするなぁ」
ドラフ「まあいいんじゃない？ 細かいことは」
エルメス「礼儀正しいのはわかった」
GM「にゅい。じゃあ、そう言ってから、ポミアは君たちの前にケーキと紅茶を置くよ。ケーキは手作りのようだ。美味しそうだけど、少し店で出すのはどうかと思う」
ホルウェン「へぇ。これはあなたが作ったの？」
GM「『あっ、はい。今夜の食事のデザートにと思って私が作りました。たぶん、父が依頼しました一件のせいだとは思うのですが、最近父も母も元気がなくて。何か少しでも元気が出ればと思いまして……』暗い面持ちでそこまで言ってから、はっと気が付いたように顔を上げて謝るよ。『ああ、すいません。私ったら、お客様に変な話を』」
エルメス「あ、いいんですよ。お優しいのですね」
GM「『いえ……』恥ずかしそうに俯いて謙遜する」
ドラフ「う〜む。いい子だ」
ホルウェン「いい子ですね」
GM「じゃあ、そんな話をしていると、やはりノックの後、二人の人間が入ってくる」
エルメス「人間って(汗)」
ドラフ「アルースさんとメッシャさんかな？」
ホルウェン「琴美さん、よく名前覚えてますね」
ドラフ「ちゃんとメモしてるから」
エルメス「メモ係」
GM「そうだよ。二人は君たちに頭を下げると、それぞれ名乗ってからポミアを下がらせる」
エルメス「初めまして。エルメス・フィレンです」
ホルウェン「私たちの常識がないから、すっかりリーダー(笑)」
エルメス「エリックさんもいないしね」
ドラフ「今頃……もういいや(汗)」
GM「じゃあ、アルースさんから話を切り出す。厳格そうな人だぞ。『化け物を退治してくれたと言うことだが……』」
エルメス「はい。証拠と言いますか、退治した魔物を警備の方にあずけてあります」
GM「『ふむ。それで、どうだったかね？』」
ドラフ「どうって……何が？」
GM「『ああ、そいつの様子とか。一応、本当にその化け物なのかどうか、話と照らし合わせたいし、しばらく様子も見たい』」
エルメス「まあ、しょうがないかな？ あったことはすべて話そう」
ホルウェン「特に問題もないと思うし」
ドラフ「かくかくかくかく」
エルメス「にゅ？ しかじかしかじか？」
ドラフ「そうそう」
ホルウェン「そ、そうなの？」
エルメス「琴美チック」
GM「じゃあ、頷いてから言う。『一晩だけ様子を見させて欲しい。最近は頻繁に起こっていたから、今夜これ以上何もなければ大丈夫だろう』」
エルメス「一晩くらいなら構いませんが……」
ドラフ「飯くれ〜」
ホルウェン「こら！」
GM「『そうですね。それでは、ポミアに用意させましょう。今呼んできますから、それまでここでくつろいでいてください』そう言ってから、一礼して部屋を出て行くけど、何か話したいことがあればどうぞ」
ドラフ「俺はない」
エルメス「ないにゅ」
ホルウェン「右に同じ」
ドラフ「えっ！？ ホルウェンも“にゅ”？」
ホルウェン「ち、違います」
エルメス「っていうか、エルメスも違う……」
◆ 富豪の娘 ◆
GM「んでは、ポミア再登場だ。『お食事ですが、今作ってもらってますから、先にお部屋に案内します。荷物をおいてから、食堂にご案内します』」
エルメス「ありがとう」
GM「『生憎、部屋は一部屋になります。もしまずかったらすいません』」
エルメス「いえ、お構いなく」
ドラフ「全然OK。エルメスと同じ部屋」
ホルウェン「こら！」
エルメス「怖いにゅ」
ドラフ「“にゅ”言うな！ お前はミーシュか(笑)」
GM「じゃあ、部屋に案内されて、そこでしばらくくつろいでから食堂に案内されるよ」
ホルウェン「ご飯ご飯」
ドラフ「恐らく、生まれて初めて食べるような、素晴らしい料理の数々が！」
エルメス「わくわく」
GM「まあ、そうだね。豪勢だけど、時間のかかる料理はないよ」
エルメス「いただきます」
ドラフ「がつがつ」
ホルウェン「マナーもなしで食べよう」
エルメス「……私は常識人ですから」
GM「なるほど。君たちがある程度食べてから、ポミアがみんなに……って言っても、主にエルメスに言うよ。『あの、もしよろしければ、冒険のお話とか聞かせていただけませんか？』」
ドラフ「ホワイ？」
エルメス「誰？」
ドラフ「それはホワット」
ホルウェン「フーです(汗)」
エルメス「いや、ホワイって誰？ と思ったんだけど、W、H、Yのことだね？」
ドラフ「そうそう」
ホルウェン「あまりにも美しい英語でちょっと……」
ドラフ「しくしく」
ホルウェン「っていうか、ドラフのイメージと違いすぎたかも」
GM「とりあえず答えよう。『いえ、単に私の好奇心です……。その、ほとんどこの家から外に出たことがないので……』」
エルメス「あらあら。可哀想に」
ホルウェン「でも、私たちもそれほど話すことはないよ。私もドラフも、エルフの村の話しかできない」
ドラフ「うむ」
GM「それだけでも、十分ポミアには楽しいだろうし、いくら平凡でも、君たちの人生を一晩では語り尽くせまい」
ホルウェン「それもそうだ」
エルメス「じゃあ、私なんてなおさらね」
ドラフ「ちなみに、リウスの様子は？」
GM「静かなもんさ」
ホルウェン「なんだか、悪いことした子供の様子を聞いたみたいな感じだった」
GM「今は大人しくしてるよ？(笑)」
ドラフ「またいつ暴れ出すか……」
ホルウェン「お母さんが泣いてるぞー」
エルメス「しくしく」
ドラフ「どうしたの？」
エルメス「いや、お母さん」
ドラフ「なるほど」
エルメス「わかってて聞いたくせに」
ドラフ「まあね」
GM「とりあえずリウスはノータッチ。君たちが聞いたところでうまく誤魔化すから、聞かないように。プレイが面倒」
ホルウェン「こらこら」
エルメス「じゃあ……何話そう。自分も貴族の出だけど、潰れた話はこの子には痛すぎるだろうし」
ドラフ「かなりね」
ホルウェン「兄とかいて」
ドラフ「しかもあまり素行良くなくて」
エルメス「それは痛い。じゃあ、冒険の話なんかを……」
GM「冒険ってほど、冒険してないじゃん。何を話すだ？」
エルメス「う〜む」
ドラフ「無難に、街の話でもすれば？ ロマールとか、レイドとか」
エルメス「無難だね、確かに。プレイではそれほど語ってないけど、エルメスは確実にその街の空気に触れてるわけだし、話すことはいくらでもあるか」
GM「捕まって脱がされた話とか、連れに犯されそうになった話はしないんだね？(笑)」
ドラフ「うわっ！ 人聞き悪い！ 別にエリックは犯そうとしたわけじゃないぞ」
エルメス「危うかった」
ドラフ「だから、挿れたってば！」
エルメス「まだ処女なの！」
ドラフ「むぅぅ。再会したら今度こそやってやる」
ホルウェン「大人の会話だ」
GM「じゃあ、君たちの話を、ポミアは実に真剣に、実に楽しそうに聞いている」
エルメス「じゃあ、ついつい長話に……」
ドラフ「女の子だしね」
ホルウェン「そうそう」
GM「でも、琴美ちゃんは結構淡泊じゃない？」
ドラフ「た、淡泊言うな！ 言葉の使い方が間違ってる」
ホルウェン「そうか……。琴美さんは淡泊なのか……」
ドラフ「だから、何の話なの？(泣)」
エルメス「Ｈ」
GM「セックス」
ホルウェン「Ｈなこと」
ドラフ「ぐふっ！ 由佳里ちゃんにまで言われた……」
ホルウェン「あはは」
GM「ああ、ちなみに琴美ちゃんの名誉のために言っておくけど、実際は全然淡泊じゃないから」
ドラフ「変なこと言わんでよろしい」
ホルウェン「へー。どんな感じなんですか？」
ドラフ「そこ！ 聞かんでよろしい」
エルメス「面白〜。先輩がさりげに照れてる」
ドラフ「にゅ〜。Ｈなこと言われたら、誰でも恥ずかしいにゅ」
エルメス「なるほど」
GM「で、どこまで言ったっけ？」
エルメス「先輩が淡泊じゃないとこ」
ドラフ「違うって！」
ホルウェン「あはは」
GM「んでは、その日はまあ遅くまでポミアの相手をしていたってことで。最後にお礼を言われるよ。『今日はありがとうございました。遅くまですいません。また、機会がありましたら聞かせて下さいね』」
エルメス「そうだね〜」
ホルウェン「うん。OKよ」
GM「それじゃあ、時間を翌朝にして可？」
ドラフ「可」
エルメス「にゅ」
ホルウェン「うん」
GM「ふぅ。ホルウェンだけ2文字以上で答えてくれた」
エルメス「文字にしたら2文字だよ」
ドラフ「シフトJISにすると、89C2って半角4文字になるよ」
ホルウェン「ふ、普通はしないって……」
GM「っていうか、君はシフトJISコードを全部覚えてるのか……？」
ドラフ「適当に言っただけだよ」
GM「な、なんだ。びびった」
ドラフ「くくく……」
ホルウェン「怪しい笑いだ」
エルメス「っていうか、琴美チック」
◆ 新しい依頼 ◆
GM「翌日、アルースさんとメッシャさんが君たちに言うよ。『昨夜はそれっきり事件はなかったようだ』」
ドラフ「当然だろう」
エルメス「よかったです。これで報酬はいただけるのですか？」
GM「『ああ、ここに用意してある』と言って、確かに8,000ガメルあるね」
ホルウェン「へ〜。これがお金か(笑)」
ドラフ「なるほどなるほど」
エルメス「ポミアは？」
GM「ここにはいないよ」
エルメス「そっか。帰る前に挨拶しようと思ったんだけど」
GM「もう帰るの？」
エルメス「用事は済んだし」
GM「じゃあ、帰ろうとすると、アルースさんが呼び止めてくる。『少し、お話ししたいことがあるのだが……』」
エルメス「何かな？」
ドラフ「聞こうじゃないか」
GM「じゃあ、二人は一気に暗い顔になって言うよ。『実は、あなた方を高レベルな冒険者のパーティーだと思ってお願いがあるのだが……』」
エルメス「何でしょう」
ドラフ「実はポミアは重い病気を患っていて、あと数ヶ月の命？」
ホルウェン「えっ！？ そうなんですか？ バノアさん！」
エルメス「……だ、誰？」
ホルウェン「秘密」
GM「『実はポミアは重い病気を……』」
ドラフ「ダメじゃん」
GM「嘘だよ。『実は、今からおよそ1年ほど前、甲冑をまとった、首のない地獄の使者のような者が現れました』」
ドラフ「デュラハンだな？」
GM「セージチェックせい」
ドラフ「(ころころ)一体それは何者なんだ？(爆)」
エルメス「楽しい人だ。(ころころ)デュラハンですね？(笑)」
ホルウェン「楽しい子だ」
エルメス「何故に！？」
GM「『そうです。それで、先程申しました通り、そろそろ1年になります。けれど、冒険者たちはデュラハンの名前を聞いて逃げ出す者ばかり。どうか、あなた方で私たちを、ポミアを守ってはいただけませんか？』」
エルメス「ふむぅ」
ドラフ「ポミアは守りたいなぁ」
ホルウェン「同感」
エルメス「じゃあ、受ける？」
ホルウェン「問題なし」
ドラフ「にゅん」
エルメス「じゃあ、報酬はいくらですか？」
GM「んでは、君がそう聞こうとするや否や、リウスが言う。『エルメス』」
ドラフ「おお、喋った」
ホルウェン「珍しい」
ドラフ「いや。ライオネルの記憶とともに河に落ちた」
エルメス「……はい？」
GM「その時はまた、お父さんに尺八で殴ってもらえば？」
ドラフ「う〜ん。アティラ可愛いのぅ」
GM「可愛い可愛い。なでなで」
ホルウェン「よくわかんないんですが……」
ドラフ「気にしないのが一番いい」
エルメス「でも、私、意味不明に頭なでられてる……」
GM「いや、なんとなく」
エルメス「とにかく答えよう。何ですか？」
GM「リウスは続ける。『私たちは本来、冒険者ではありません。ザインへ行くだけの十分なお金を手に入れた今、もうこの町にいる必要はないでしょう』」
エルメス「えっと……マジ？」
ドラフ「っていうか、意外だ」
エルメス「う〜ん。でも、困っている人がいるのに、それを放っておくことはできません」
GM「『世の中には、困っている人はいくらでもいます。エルメスはそれを一人一人助けて回るのですか？』」
エルメス「それは無理だと思います。でも、現実にそれを知ってしまって、しかも私たちに協力を求めている人を、どうして放っておけましょう」
GM「『しかし、必要以上に他人のために自らの身を危険にさらすのはどうかと思います』」
ドラフ「まあ、確かに冒険者じゃないから、8,000ガメルあれば、当面お金はいらないけど」
ホルウェン「でもなんかヤだなぁ。デュラハンのMLは？」
GM「7だよ」
ホルウェン「う、う〜む……」
ドラフ「勝てるか？」
GM「チャリオット・オブ・デュラハンとか、攻撃点14、打撃点15」
ホルウェン「え〜と、高確率で即死します」
ドラフ「回避が8以上。結構きつい」
GM「『勝てるかも知れません。けれど、五分五分の戦いに挑むのは愚か者のすることです。ましてや、それが避けられる戦いなら、なおさら』」
エルメス「う〜ん……」
GM「夫婦は君たちのやり取りを黙って見ている。ただ、ものすごく不安げだ。当然だけど」
エルメス「ドラフとホルウェンの意見は？」
ホルウェン「戦わないことに賛成」
ドラフ「何とも言えない。でも、ホルウェンを守る必要があるから、ホルウェンのことを考えると反対」
エルメス「うっ……。他にあては……ないんですよね？」
GM「『ありません。お願いです。私たちを、娘を助けて下さい』」
エルメス「私は……この依頼は受けたいです」
GM「『どうしてもですか？』これはリウス」
エルメス「どうしてもです。私たちには、戦う力があります。絶望的な話じゃありません。頼られているなら、戦うべきです」
GM「『そういった正義を掲げて死んでいった冒険者はたくさんいます』」
エルメス「しかし、そのすべてが無駄になったとは思えません。どこかで誰かが命をかけて戦い続けたその歴史が、今の私たちを生んだのです。リウス。あなたの言っていることは確かに正しい。でも、時には命をかけて戦うことも知らないと、いつか、本当に守るべき人を守るべき時に、何もできないかも知れませんよ」
GM「ふむ……。じゃあリウスはしばらく目を閉じてから言う。『わかりました。いいでしょう。それでは、今回はあなたの正義に加担します。けれど、本当に危険な時は、この家も、ポミアも捨てて逃げること。あなたを助けるためなら、私はその労力は惜しみません。いいですね？』」
エルメス「わかりました。ありがとう」
GM「んでは、依頼は受けるんだね？」
エルメス「了解です。他の二人もいい？ なんだか巻き込んじゃったけど」
ホルウェン「構わないわよ」
ドラフ「平気」
エルメス「よかった」
GM「『では、報酬は10,000ガメル。この家のものは好きに使って下さい。死んでしまっては、もう使うこともできなくなりますから』」
ドラフ「何があるの？」
GM「エルメスとドラフが持ってるものよりいい武器はないよ。まあ、せいぜい消耗品として魔晶石があるくらいかな？」
ホルウェン「どれくらい？」
GM「うむ。じゃあ、二人に10ptずつあげよう。これは残ったら、そのまま持っていっていいから」
ホルウェン「やった」
エルメス「ありがとう」
GM「そんじゃ、頑張ってね」
ドラフ「……今のはGM発言？(笑)」
GM「そうだよ」
エルメス「アルースさんが言ったなら、面白すぎ」
◆ 新事実発覚 ◆
ホルウェン「そういえば、デュラハンのことは、ポミアは知ってるのかな？」
GM「知らないよ」
エルメス「そうなんだ……」
GM「だからポミアは嬉しそうだが不思議がっている。『どうして皆さんはここに残られたのですか？』」
ドラフ「あ〜〜、どうしてだろう」
エルメス「う〜ん。なんでかなぁ」
ホルウェン「居心地がよかったからとか」
エルメス「アルースさんたちは、何か言ってました？」
GM「特に何も」
エルメス「じゃあ、本当に町から魔物がいなくなったかどうか、しばらく様子を見るためだって教えよう」
GM「『そうなんですかー！』嬉しそうだ」
ドラフ「可愛いのぉ」
GM「『じゃあ、また冒険のこととか、色々お話しして下さいますか？』」
エルメス「いいよ」
ホルウェン「時間の許す限り」
GM「じゃあ、今回は基本的に考えたり行動したりするシナリオじゃなくて、受け身的なシナリオだから、進めちゃっていい？」
エルメス「私は構わない」
ドラフ「そうか。反省で言おうと思ってたんだけど、自分で受け身的なシナリオって知ってたんだね」
GM「というか、そういうシナリオにしたから」
ドラフ「なるほど。俺も構わんよ」
ホルウェン「デュラハン、カモーン」
GM「じゃあ、2日後くらいの晩、突然庭の方が騒がしくなります」
エルメス「すぐにいく」
ドラフ「ホルウェンに魔法を使ってもらおう」
ホルウェン「何いきますか？ ファイア・ウェポンのみ？」
エルメス「もう少し後でいいと思うけど。ちゃんと確認しないと」
ドラフ「そうだな」
GM「じゃあ、見に行くね？」
エルメス「いく」
GM「すると、庭の方で警備の者達が何かと戦っている」
ドラフ「わわわ。デュラハンだよね？」
GM「うんにゃ。前に倒したヤツだ」
ホルウェン「レッサー・デーモンの何とかさん？」
ドラフ「ダブラブルグ？」
GM「そうそう。そいつが2体」
エルメス「違うヤツか。一体どういうことだろう」
ドラフ「とりあえず行こう。ホルウェンはプロテクションお願い」
ホルウェン「エルメスとドラフだけでいい？」
ドラフ「いいよ」
ホルウェン「じゃあ、(ころころ)6ゾロと11で成功」
エルメス「もったいない……」
ドラフ「虚しいのぉ」
ホルウェン「しょうがないです……」
エルメス「じゃあ、突撃！」
GM「んでは、戦闘なんだけど、彼らは何やら言っている。下位古代語だが」
ホルウェン「わかります」
ドラフ「ただのわめき声」
エルメス「生憎習得してない」
GM「じゃあ、ホルウェンだけね。彼らはこう言っている。『よくも夫を！』ちなみに、あくまで日本語訳だから、別に日本的な『夫』という言葉の持つニュアンスは無視してくれていい」
ドラフ「そうだよなぁ。変なはずだ」
ホルウェン「下位古代語で言い放とう。お前たちの仲間を倒したのは私たちよ！ 文句があるなら、こっちに言いなさい！」
GM「じゃあ、君たちの方を見て言う。『約束が違うじゃないか！ 時が経てば、夫も子供も無事に帰すって！』」
ホルウェン「約束……？」
ドラフ「おい。なんて言ってるんだ？」
ホルウェン「そのまま伝えよう。以後、通訳」
エルメス「約束って何？ ホルウェンの通訳を介そう」
ドラフ「じゃあ俺も。俺たちはこの家の者に、町を襲っている化け物を退治してくれと言われただけだ。お前たちの子供のことなど知らん！」
GM「じゃあ、彼らの話を統合しよう。彼らが言うには、どうも少し前に彼らの卵、つまり子供をこの家の者に取られたらしい」
エルメス「あやや？」
ドラフ「人質だねぇ」
GM「それで、ある期間中、町を襲うよう命令されたんだそうだ。そして、時が経ったら子供を返すって」
ドラフ「う〜む」
ホルウェン「それで、子供は？」
GM「殺されたよ。卵は破棄されて、それを怒ってこいつらがきた」
エルメス「どうして……」
ホルウェン「あれ？ じゃあ結局、アルースさんたちは、自分たちで引き起こした事件を、お金を出して自分たちで解決するよう依頼してたわけ？」
GM「そうなるね」
ホルウェン「なんのために？」
ドラフ「少なくともこいつらを倒せるレベルの冒険者を探していたんだろう。見つかればこいつらは倒されるし、見つからなかったらデュラハンにこいつらをぶつけるまで」
エルメス「……なんかちょっと、どうかと……」
GM「リウスが呟く。『どうするんですか？ エルメス。これでもう、私たちがここにいる理由はなくなりました。そんな自分勝手な人たちを助ける必要など、どこにもないでしょう』」
ホルウェン「同感」
ドラフ「う〜む」
GM「でもまあ、とりあえずこいつらとは戦ってくれ。やる気まんまんだから」
エルメス「らじゃ」
＜1ラウンド目＞
GM「戦闘データは前と同じね。今度は固定値使うから、そっちは13以上で回避、攻撃は12以上、魔法は14以上で抵抗不可、ダメージは12点ね」
ホルウェン「魔晶石はまたもらえるのかな？」
ドラフ「もうもらえないだろう。この家は、この戦闘が終了し次第出るし」
ホルウェン「じゃあ、普通にストーン・ブラストをAに」
GM「どうぞ」
ホルウェン「7の13は抵抗されちゃって、(ころころ)10レートの7は9点」
GM「ふむ(Aの残り生命点16)」
エルメス「Aに斬りかかる。Bはドラフに任せるね」
ドラフ「了解」
エルメス「6の13は当たって、5は11点」
GM「うむ(Aの残り生命点14)」
ドラフ「(ころころ)とりあえず攻撃が外れた」
GM「じゃあ、エルメスとドラフは回避ね」
エルメス「6ゾロ〜♪」
ドラフ「同じく(笑)」
GM「珍しいなぁ」
＜2ラウンド目＞
ホルウェン「Aにストーン・ブラスト。出目5はまた抵抗されて、(ころころ)低い、3は7点」
GM「まだ半分以上あるぞ〜(Aの残り生命点12)」
エルメス「攻撃は1ゾロって10点ね」
ホルウェン「早くも2回目？」
エルメス「さっきの回避が6ゾロだったから……」
ドラフ「こっちの攻撃はまた外れ……」
GM「じゃあ、二人は回避」
エルメス「13で回避」
ドラフ「同じく15で回避」
＜3ラウンド目＞
ホルウェン「じきに精神点がなくなる。抵抗されないためには……8以上か。同じくAに……また5とか振っちゃって」
ドラフ「出目悪いね」
ホルウェン「ダメージロールで4とか振ってもうダメ。8点」
GM「ようやく半分削ったね(Aの残り生命点9)」
エルメス「出目が7、7、5、3、5、4？ 低いね」
ドラフ「っていうか、可哀想に」
ホルウェン「そんな日もあります」
エルメス「攻撃は……当たって、打撃ロールは……10でクリちゃん♪」
ドラフ「なんだかものすごくイヤらしく聞こえる」
GM「う〜む」
エルメス「えっ？ えっ？」
ホルウェン「わかんないの？」
エルメス「えっと……ああっ！ 違う違う！」
ドラフ「クリティカルは、クリットって言っておくのが無難」
エルメス「じゃあ、クリット(笑)。でもその後が悪くて16点」
GM「今のは効いたけど、まだ生きてるね(Aの残り生命点2)」
ドラフ「Bに攻撃は14でやっと当たって、7は13点」
GM「ついにダメージを受けた(Bの残り生命点16)」
＜4ラウンド目＞
ホルウェン「最後のストーン・ブラストはAに……」
ドラフ「Bにして」
ホルウェン「ああ、そうか。Bに5振って抵抗され……」
ドラフ「出目記録取ってたら、終わってたね。平均6.0くらいじゃない？」
ホルウェン「かも(汗)。次も6とか言ってる。9点」
GM「全然平気だな(Bの残り生命点12)」
エルメス「とどめ。攻撃成功は12点もらって」
GM「じゃあ轟沈」
ドラフ「続こう。攻撃成功だけど、3振って9点ちかない」
GM「それは、弾こう」
ドラフ「ぐふっ！」
GM「んじゃ、ドラフだけ回避」
ドラフ「(ころころ)それは大丈夫」
＜5ラウンド目＞
ホルウェン「見てる」
エルメス「Bに……10振って成功。打撃ロールが……やっぱり10振って(笑)」
ドラフ「いいなぁ」
ホルウェン「少し分けて欲しい」
エルメス「次が5。続かないなぁ」
ドラフ「贅沢言うな」
エルメス「18点」
GM「十分痛いよ(Bの残り生命点3)」
ドラフ「じゃあ、とどめ。12点です」
GM「うむ。死んだわい」
ドラフ「うしっ！」
エルメス「なんだか、すごく綺麗に片付いた」
◆ すべては娘のために ◆
GM「じゃあ、君たちがダブラブルグを片付けると、レフリト親子が出てくるよ」
エルメス「ポミアは？」
GM「もちろん、いる。父親の背中で震えてるよ。ダブラブルグの死体をなるべく見ないようにしてる」
エルメス「えっと……結局どうするの？」
ホルウェン「助ける必要ナッシングだと思うけど」
ドラフ「同感だが、ポミアは可哀想かも」
エルメス「私もそれが……。リウスは？」
GM「もちろん反対だけど、どうするの？ 君たちからレフリトさんに何か言うなら言って。特にないならリウスが言うけど」
エルメス「じゃあ、事実を淡々と……と思ったけど、ポミアは何も知らされてないんだよね？」
GM「うん」
ドラフ「う〜む。でも言わないとな。この化け物たちが、どうしてここに来たかは知ってるな？」
GM「じゃあ、顔をしかめて言おう。『知らない、と言ったら？ 仲間を倒されて、怒ってここに攻め寄せてきたんじゃないのか？』」
ホルウェン「彼らの卵をどうしたの？」
GM「『何のことだ？』」
ドラフ「正直に言わないなら、俺たちも何も言わずにここを去ろう」
GM「すると、黙り込む。それからアルースとメッシャで顔を見合わせてから、ポミアに言う。『家の中に戻ってなさい』けれど、ポミアはそれに従わない。『い、嫌です……』気丈に振る舞ってるが、怯えたように震えている」
エルメス「ポミアもこの家の人間です。娘さんを大切にする気持ちはわかるけれど、何も聞かせないのはどうかと思いますが」
GM「じゃあ、アルースさん。『娘を想う気持ちがわかるというのなら、私たちのした行動はわかってはくれないのかね』」
ドラフ「娘のためなら、町の人は犠牲になってもいいっていうのか？ こいつらだって、こっちからちょっかいかけなけりゃ、何もしなかっただろうに」
GM「『むざむざと殺されるわけにはいかない』」
ホルウェン「それは身勝手よ！」
GM「『そんなことはわかっている！ だが、ならどうしろと言うんだ！』半狂乱のアルースと、わけがわからず泣いているポミア。リウスが静かに言う。『もう行きましょう。僕たちがここにいる理由はなくなった……』」
ホルウェン「そうね。正義を取り違えた人たちにかける情けはないわ」
エルメス「待って」
ホルウェン「エルメス？」
GM「リウスも立ち止まって、静かに君を振り返る」
エルメス「それでも、ポミアに罪はないわ」
GM「『それでは、ポミアのためにここに残って戦うのですか？ これだけ汚い人間の心を見て、何故そんなことが言えるのですか？』」
エルメス「汚い……かもしれない。でも、この人たちの娘を想う気持ちは本物でしょう。それに、この人たちだって、デュラハンに睨まれるまではきっと真面目に生きていたはず」
GM「『この人たちは、デュラハンが自分たちにしたことと同じことを、ダブラブルグたちにした。自分たちがされたなら、その辛さはわかるはずなのに』」
エルメス「ホルウェンとドラフは、最終的にはどうしたい？」
ドラフ「戦ってもいい」
ホルウェン「リウスに賛成」
エルメス「そう……。とりあえず続けよう。突然平穏な生活が乱されて、冷静に対処できるって言うの？ 自分たちの死が宣告されて、それでも他人のことを思って、その理不尽な死を受け入れるの？ そんな聖人君子みたいな考えは自然じゃない。生にすがりついて、必死にもがく方がより自然な人間だって思わないの！？」
GM「ふむ」
ドラフ「…………」
ホルウェン「どうしたんですか？」
ドラフ「いや。リウスがメラクリウスの部下なら、どんな反応をするかなって思って。アルースもメラクリウスも、規模は違えど、立場は同じでしょう」
エルメス「ああ、なるほど」
GM「じゃあ、しばらく考えてから、リウスが言う。『ポミアは……？』」
エルメス「ポミアの考えかな？ 聞いてみよう。ポミアに簡単に今までの粗筋を話してから、それでも生きたいと思うか聞こう」
GM「じゃあ、かなり困ったような素振りをしながら、『私……死にたくないです』って言う。泣きながら、それでも必死に叫ぼう。『私は……私たちは殺されるようなこと、してません。なんで……なんで殺されなくてはいけないの？』」
エルメス「アルースさんに言おう。もしも、私たちがここを去ったら、あなたたちはどうしますか？」
GM「『どんなことをしてでも、どんな手段を使ってでも、娘は守る』」
エルメス「じゃあ、もしも私たちが戦い、デュラハンを倒したら、あなたたちはどうしますか？」
GM「『どうする、とは？』」
エルメス「娘を守るために、町の人たちや冒険者にしてきたことに対する償いです」
GM「『……善処しよう』」
ドラフ「(笑)。もうちょっと、具体的に」
GM「そうか。『しかし、真実を言えば叩かれるだろう。町の事件は君たちが解決した。それで十分じゃないのか？』」
ホルウェン「ほんとにそう思ってるのかしら？」
ドラフ「う〜む。ポミア以外、助ける価値なし」
エルメス「叩かれるだけのことをあなたたちはしました。ちゃんと話して、詫びるべきです」
GM「『そんなことをしたら、私たちはここにいられなくなる。それに、もともとデュラハンがいけないのだろう。私たちには他に手段がなかったんだ』。ちなみに、リウスは冷酷な瞳でアルースを見ている」
エルメス「ポミアは……それでいいと思う？」
GM「『えっ……？』ポミアはいきなり話しかけられて、びっくりしたような顔をしてから、オドオドと言う。『お父さんのしたことは許されることじゃないと思う……。だから、責められても、ちゃんと謝って、ゆっくりと時間をかけてその罪を償っていかないと……』」
エルメス「娘さんはそう言ってますが」
GM「『……わかった』渋々と言った感じで、アルースさんは頷くよ」
エルメス「じゃあ、みんなも良かったかしら？ 私が勝手に巻き込んでしまったけれど。もしも納得がいかなければ、私は構わないから、今のうちに逃げて下さい。リウス、あなたもです」
ドラフ「ホルウェンが逃げても、俺は残る」
ホルウェン「じゃあ、しょうがないわねぇ、と言って残ろう」
ドラフ「本当は、一人で行くのが嫌なだけだろ？」
ホルウェン「う、うるさい！」
GM「じゃあ、リウス。『加担しましょう。私は、あなたの答えを最後まで見届けたい』ちなみに、答えっていうのは、エリックのことも含めて、すべてね」
エルメス「なるほど」
GM「じゃあ、その時、遠くから馬車の音が聞こえてくる」
エルメス「ええっ！ 今戦うの？」
ドラフ「ヤな感じだ」
GM「ちなみに、同時にホルウェンは風の精霊を強く感じた」
ホルウェン「っていうと？」
GM「誰かが、音をウィンドボイスで伝えたようだね」
ドラフ「誰だろう」
エルメス「リウスを見よう」
GM「特に反応はないよ。笛を手に取り、静かにモラルを奏で始める。みんな、攻撃力+1ね」
エルメス「じゃあ、今は深いことは考えずに、魔晶石をホルウェンに渡す」
ホルウェン「助かる。本人の精神点が、残り1だったから」
ドラフ「じゃあ、ファイア・ウェポンとプロテクションを俺とエルメスに」
ホルウェン「えっと……16ptある魔晶石が、残り2ptになっちゃうけど(爆)」
ドラフ「う〜む。じゃあ、エンチャントでいいや」
ホルウェン「わかった」
ドラフ「じゃあ、エルメスも打撃力+5に、ダメージ減少+1ね」
エルメス「了解」
GM「んでは、いよいよデュラハンの登場です♪」
◆ 対デュラハン戦 ◆
GM「デュラハンについて説明しよう。デュラハンは、チャリオット・オブ・デュラハン、以下単に『戦車』というが、その戦車に乗っている」
エルメス「ふむふむ」
GM「戦車は、ヘッドレス・ホース、以下単に『馬』というが、二頭の馬によって引かれている」
ホルウェン「はい」
GM「戦車が攻撃するときは、馬もデュラハンも攻撃できない。デュラハンが倒されると、馬も戦車も動かない。馬を倒されると戦車は動かない」
エルメス「つまり、デュラハンだけ倒せばいいのね？」
GM「そうだけど、戦車に乗っていると、デュラハンへの攻撃は、攻撃力-2になる。デュラハンの回避点は8」
ドラフ「そんなの当たんねぇよ」
GM「あと、君たちの持っている武器では、戦車にはクリティカルしない。戦車の生命点は30」
エルメス「逃げるか……」
ドラフ「おいおい」
ホルウェン「馬の強さは？」
GM「ML4、攻撃点が10、回避点が11、生命力が20、精神力抵抗が12。固定値使うから、ついでに全部メモっておいて。デュラハンの攻撃点が14、回避点が15、打撃点が14、精神力抵抗が16。戦車が、前から14、13、15、12。あと、馬の打撃点は12」
ドラフ「りょ〜かい！ とりあえず、まず馬を一頭真っ先に潰して、戦車の動きを止めよう」
エルメス「らじゃ」
＜1ラウンド目＞
エルメス「ああ、そうだ。戦闘前にホルウェンに6点くらいトランスしておいていい？ ふと思い出した」
GM「いいよ」
ホルウェン「じゃあ、6点もらおう」
GM「戦車の敏捷度は16だから、そっちからどうぞ」
ホルウェン「どうか、出目良くなりますように。石使って、馬Aにストーン・ブラスト。おっ、出目11」
GM「いいねぇ」
ホルウェン「打撃も……10！」
ドラフ「勝ったな」
エルメス「さっきまでが悪すぎたから、出目が巻き返しをはかった？」
ホルウェン「その後も9と出目が奮って、21点もらってください」
GM「強いねぇ(馬Aの残り生命点3)」
エルメス「馬Aに11と言って攻撃」
GM「回避ね」
ドラフ「当たってるだろ」
GM「ああ、ごめんごめん。見る場所間違えてた」
エルメス「14発」
GM「これでAは死亡」
ドラフ「デュラハンに13と言って攻撃は当たらない」
GM「じゃあ、デュラハンはドラフに、馬Bはエルメスにそれぞれ攻撃。さっき言った値で回避して」
ドラフ「……ください」
GM「14点ね」
ドラフ「死ぬ……(残り生命点11)」
エルメス「こっちは回避」
＜2ラウンド目＞
ホルウェン「石の残り4pt使って、デュラハンにストーン・ブラスト。(ころころ)5とか振って11」
GM「もちろん抵抗だ」
ホルウェン「そのあとが悪くない。10点あげます」
GM「ふむ(デュラハンの残り生命点17)」
エルメス「馬Bに14と言って攻撃。12点あげます」
GM「いただきます。ぱくっ(馬Bの残り生命点15)」
ドラフ「10と言ってデュラハン」
GM「人生ナめすぎ」
ドラフ「だって、出目が……」
GM「こっちの攻撃はさっきと同じ。回避して」
ドラフ「6ゾロ回避」
エルメス「出目9なり」
＜3ラウンド目＞
GM「いきなり戦車が炎とか吐いたら面白いよな」
ホルウェン「面白くないです(爆)。デュラハンにストーン・ブラストは13」
GM「抵抗値、16だから」
ホルウェン「それは無理！ 9振って11点」
GM「でも、出目良くなったね(デュラハンの残り生命点13)」
エルメス「馬Bに攻撃は11。確か当たったね。ダメージが……10振った」
ドラフ「いいねぇ。早く倒して、こっちきて」
エルメス「あとは悪い。18点」
GM「もう少しだよ(馬Bの残り生命点4)」
ドラフ「今度こそ当たれ！ (ころころ)ぐふっ！ もう、森に帰りたい」
ホルウェン「こらこら」
GM「回避お願い」
ドラフ「回避失敗(残り生命点5)」
エルメス「3と3と言って6点ももらっちゃった(残り生命点15)」
ドラフ「さすがに強いなぁ」
ホルウェン「同じ7でも、メイムウェインとは大違い(笑)」
GM「まあ、あれはグラスランナーだし。でも、君たちのレベルも、あのときのエリックたちよりだいぶ低いから、かなり手強いよ」
＜4ラウンド目＞
ホルウェン「どうせヒーリング使えないから、火矢を放って打ち止め。15といったけど抵抗されて、7点は止められたね？」
GM「残念賞ー！」
ホルウェン「木村先生……」
ドラフ「エルメスに代わってもらいたい」
エルメス「じゃあ、デュラハンに攻撃。いける？」
GM「別にいいよん」
エルメス「15と言って攻撃は14点」
GM「わずかに通ったね(デュラハンの残り生命点11)」
エルメス「これはもう、クリティカるまで倒せないね」
ホルウェン「今のは動詞なの？」
ドラフ「馬Bに16と言ってとどめ。でも打撃が低くて10点しかない」
GM「生き残らせるなよ〜(馬Bの残り生命点1)。それぞれ回避お願い」
エルメス「15と言って回避」
ドラフ「相手がデュラなら食らってたけど、こっちも大丈夫」
＜5ラウンド目＞
ホルウェンが打ち止めになったので端折る。
エルメスの攻撃がデュラハンに当たり、デュラハンの残り生命点を9にする。
ドラフは馬Bに15点与えて沈黙させる。
デュラハンの攻撃は、エルメス、気合いの6ゾロで回避。
＜6ラウンド目＞
エルメスの17と言った攻撃は、打撃が奮わず弾かれる。
ドラフは相変わらず当たらない。
デュラハンの攻撃を、ドラフが16と言って回避。当たったら死ぬのが恐ろしい。
＜7ラウンド目＞
エルメスは気分転換にホーリー・ライト。しかし、ダメージロールで痛恨の4を振り、ノーダメージ。
ドラフも11を振って攻撃を当てるも、打撃ロールで3を振り通らない。正直、GMがイライラする出目の悪さ。
その裏、エルメスが6点受けて、残り生命点9。
＜8ラウンド目＞
エルメスの攻撃がまた2点通して、デュラハンの残り生命点を7にする。かなり白熱した勝負。
ドラフは相変わらず出目が悪くて当たらない。雪島琴美らしい。
デュラハンの攻撃は、エルメスがかなり派手に食らって、残り生命点2。
＜9ラウンド目＞
エルメスは自分に、キュアー・ウーンズ。出目7は8点回復。残り生命点を10に戻す。
ドラフの攻撃はやはり当たらない。この時点で、GMはPCの負けをほぼ確信する。出目、悪すぎ。
デュラハンはドラフに攻撃。固定値だから、死なれたらどうしようと思ったが、なんとか生き残ってくれる。ドラフの残り生命点1。頼むから、もう逃げてくれ(涙)。
＜10ラウンド目＞
誰もが絶望したこのラウンド頭、攻撃が当たった後のエルメスの打撃ロール。
エルメス「あっ、6ゾロった」
ドラフ「勝てるか！？」
エルメス「しかも、その次が9と言って25点？」
ホルウェン「ドラフの生命点が1になったから、負けたと思ったけど……」
GM「25点は13点受けて、これでデュラハン沈黙だね」
ドラフ「か、勝った……」
エルメス「っていうか、瀬戸際……」
ドラフ「過去、番外も含めた11回のセッションの中で、一番苦戦した……」
◆ 18,000ガメルを手に ◆
GM「じゃあ、報酬は10,000ガメルね」
ドラフ「これで前の分と合わせて、18,000ガメルか」
ホルウェン「180万円？」
ドラフ「車買えるぞ、車」
GM「うちのウィングロードが買える」
エルメス「じゃあ、買いに行こう」
ドラフ「っていうか、この戦車に乗って(爆)」
ホルウェン「動くのかな？」
ドラフ「動いても乗りたくないけどね」
GM「じゃあ、報酬を払ってからアルースが言う。『どうもありがとうございました』」
ホルウェン「素直に喜べない」
エルメス「いえ……」
GM「…………」
ドラフ「…………」
エルメス「もう、行きましょうか」
ホルウェン「そうね」
エルメス「それでは、私たちはこれで失礼します」
GM「『はい……』」
ドラフ「帰ろう」
GM「じゃあ、君たちが屋敷を出ると、呼び止められる。『あの……』」
エルメス「ポミア？」
GM「そうだよ『あの、助けてくださって、本当にありがとうございました……』」
エルメス「ううん、気にしないで。良かったね、ポミア」
GM「『はい……。その、本当にごめんなさい。お父さんたちのしたことのせいで、皆さんを不愉快にさせてしまって……』そう言って、ポミアは頭を下げる。ぽつりと地面に涙が」
エルメス「頭をなでてあげよう」
ドラフ「エリックみたいだ」
エルメス「種類が違う」
ドラフ「同じ同じ」
ホルウェン「じゃあ、ポミアもミーシュみたいに『えへへ？』」
ドラフ「ほずえちゃんみたいに『えへへ？』」
エルメス「あれはミーシュの台詞。私じゃない」
ドラフ「まんまほずえちゃんの気が……」
エルメス「にゅ〜。ポミア、これから大変だと思うけど、頑張って。大丈夫、私たちは、あなたのことを怒ったりはしてないから」
GM「『はい……』顔を上げるけど、すごく悲しそうだ」
エルメス「困った」
ドラフ「嘘をつこう。気にするな、ポミア。これから真面目に働くんだろ？ お前の親父たちも。俺たちはもう何も恨んじゃいねぇよ」
GM「『本当ですか？』」
ホルウェン「ほんとほんと。安心して」
エルメス「そうそう。ポミアが良かったら、また遊びにくるよ」
GM「『あっ、はい。じゃあ、今度くるときまでには、もっと美味しいケーキを焼けるようになってますから、きっと遊びにきてください！』」
ドラフ「はう〜ん。いい子だ」
エルメス「欲しい」
GM「あげない」
エルメス「ケチ。じゃあ、手を振って別れよう」
GM「『さようなら』」
エルメス「さよなら……」
GM「そうして君たちは別れた。何かリウスに言いたいこととかない？」
エルメス「じゃあ、前を向いたまま聞こう。リウス。私の答えは、どうだったですか？」
GM「リウスは答える。『悪くはないですね。人、というものは、闇と光を両方持ち合わせた存在。しかもそれは絶え間なく変動し続けている。もしも闇に覆われたように見えたその中に、まだ光の芽が存在するなら、まだ希望はあるかもしれない……』」
ドラフ「ん？」
ホルウェン「希望って？」
GM「『……いえ、こちらの話です』」
エルメス「それについては、まだ何も聞かないでおこう」
ホルウェン「相変わらず興味ないから、ふ〜ん、と流そう」
ドラフ「たぶん、メラクリウスのことだと思うけど」
ホルウェン「あるいは、もっと深いかも」
エルメス「とりあえずそうして、この街も出よう」
GM「にゅい。じゃあ、今回のセッションはここまでです」
ドラフ「はいな」
ホルウェン「反省ですね？」
GM「うん」
◆ 反省 ◆
水原(GM)「今回は、戦闘頑張ったから、一人1,200点の、1,270点あげよう」
ほずえ(エルメス)「1ゾロ2回で、1,290点か」
琴美(ドラフ)「基本点」
由佳里(ホルウェン)「同じく」
琴美「しかし、第6話でエリックたちは600点しかもらってないから、これでレベルに差が付くね」
水原「当然の報いだと思うけど」
琴美「うぐぅ」
ほずえ「今回は、第6話同様、本編とは関係ないシナリオだったね」
水原「ん？」
琴美「そんなことないと思うけど」
ほずえ「そう？」
由佳里「リウスとエルメスの会話とか思想が、かなり今後に反映されると思う」
水原「っていうか、反映させる」
ほずえ「そうなんだ」
琴美「今回、エルメスがもし依頼を断ったらどうしたの？」
水原「どうもしないよ。ポミアが殺されて終わり。もちろん、君たちはそんなことは知らずに先に進むけど」
由佳里「そっか」
水原「だから、君たちには絶対にポミアだけは助けようと思いたくなるように、ポミアを可愛い子に仕立て上げた。ケーキとかね」
ほずえ「頑張ったね」
水原「過去、最高に可愛いキャラになったのでは？」
由佳里「一家に一人？」
水原「そうそう。ちなみに、もしエルメスがポミアを見捨てていたら、この先のシナリオも大きく変わってたと思うよ」
ほずえ「ほほう」
水原「まあ、どうなってたのかは、今後のシナリオでリウスの行動とか見てればわかるはず。あるいは、最終的に、このキャンペーンがどこに行くかで」
由佳里「壮大ですね」
琴美「面白いよ」
水原「ありがとう」
ほずえ「敵、強かったね」
水原「勝てるかなぁと思っていたけど、なんとかなったね」
琴美「強すぎの感がある」
水原「違う！ 7回攻撃して、1回しか当たらないドラフに問題がある。しかも、その当たった1回もダメージ通ってないし。せっかくリウスがモラルを奏でてくれてたのに！」
琴美「だって、出目が……出目が……」
水原「君もエルメスみたいに、2点ずつでも削ってくれれば、もっと楽に勝てたはず」
琴美「ちなみに、最後のエルメスの攻撃が当たらなかったら、ドラフは逃げていた。その裏にエルメスが倒されたら、このシナリオはどうなってた？」
水原「っていうか、俺は絶対にそうなると思ったんだけど。9ラウンド目で君の攻撃が外れた時点で、メッシャを殺して終わろうかな、と」
琴美「デュラハンが殺すのは一人だもんね」
ほずえ「ポミアは悲しんだだろうな」
水原「かなりね。アルースもどうなってたか」
由佳里「そして私たちは、無言で帰る」
琴美「それもまた、リウスの今後に影響？」
水原「どうかなぁ。最後のリウスとエルメスの会話が変わってただろうから、可能性はあるね」
ほずえ「ドラマティックにクリティカルしてくれた」
琴美「奇跡だよ」
ほずえ「そうだね」
水原「おかげで、毎回面白い。っていうか、リプレイでは詳しく起こさないと思うけど、9ラウンド目のドラフの防御ロールが、さりげに一番緊張したんだけどね」
琴美「ああ、残り生命点が5の後ね。防御ロールで10振ったから良かったけど、最悪死んでたね」
水原「怖いよ、固定値」
琴美「固定値の宿命」
水原「しかし、回避で3振るのが琴美チック」
由佳里「結局、まだこのキャンペーンで、一度もダイス目を誤魔化してないんですよね？」
水原「不気味なほどに。というか、なんか妙に残り生命点が1で止まる」
ほずえ「きっと、宿ってるんだよ」
琴美「何が？」
ほずえ「何って……」
由佳里「何？」
ほずえ「えっと……妖精さん」
琴美「わけわかんないよ！」
由佳里「ほずえが何かやりだした」
ほずえ「あうぅ」
水原「じゃあ、今回はこれでおしまい。お疲れさんっす」
由佳里「お疲れさま」
ほずえ「にゅん♪」
琴美「お疲れ〜っす」
＊ ＊ ＊
雪島「今回から、なんとなくドラフの平均も取ることにしたから、エリックのに続けて載せます。戦闘では出目が悪かったけど、他で良かったから平均を越えました♪」
| セッション | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 合計 | 平均 | 期待値との差 |
| 第6回『水檻』 | 1回 | 0回 | 2回 | 2回 | 5回 | 2回 | 3回 | 2回 | 6回 | 2回 | 3回 | 28回 | 8 | +1.00 |
| 第7回『狂気』 | 0回 | 2回 | 2回 | 2回 | 4回 | 1回 | 2回 | 1回 | 3回 | 0回 | 0回 | 17回 | 6.47 | -0.53 |
| 第8回『改変』 | 2回 | 1回 | 3回 | 3回 | 7回 | 4回 | 10回 | 7回 | 2回 | 2回 | 1回 | 42回 | 7.17 | +0.17 |
| 第9回『怨念』 | 4回 | 6回 | 7回 | 11回 | 6回 | 14回 | 8回 | 15回 | 8回 | 8回 | 0回 | 87回 | 7.01 | +0.01 |
| 第11回『偏愛』 | 0回 | 4回 | 3回 | 3回 | 5回 | 7回 | 5回 | 4回 | 5回 | 1回 | 2回 | 39回 | 7.15 | +0.15 |
| 合計 | 7回 | 13回 | 17回 | 21回 | 27回 | 28回 | 28回 | 29回 | 24回 | 13回 | 6回 | 213回 | 7.15 | +0.15 |
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