エリックとエルメス 第12話『呪詛』
◆ まずは思い出そう! ◆
前回の経験点は、エルメスが1,290点、ホルウェンとドラフは1,270点。
エルメスは保留、ホルウェンは魔法の研究者らしく、ソーサラーを3に。ドラフは前回同様、シーフを2に上げます。
ちなみに、ドラフがシーフ技能を使うにはやや重たい鎧を着ていたので、ハード・レザー(9)に変更してあります。
そもそもレンジャー技能を使う時点でも重いですね。と書いてから、エルメスも同じだと気が付いて訂正しました。
どうもこのルール、失念しがちで申し訳ないです。
水原(GM)「さてと、それじゃあ、始めますか」
琴美(ドラフ)「…………」
由佳里(ホルウェン)「…………」
ほずえ(エルメス)「…………」
水原「前回やったのが11月8日だから、今回はあんまり間隔を空けずに再開だな。内容は覚えてるね?」
ほずえ「(挙手して)は〜い」
水原「どうぞ」
ほずえ「まっっっっったく覚えてない!」
琴美「右にうなじ」
由佳里「左にうなじ……うなじ?」
琴美「うなじ」
水原「ダメな連中。熱意が感じられん」
ほずえ「前回やってから、1,500日くらい間が空いてるのは気のせい?」
水原「気のせいだな」
ほずえ「もうっ! 当時15歳だったわたしも、今じゃ16歳……」
琴美「21だった私も、19歳」
由佳里「私はほずえと同い年です」
水原「お前ら、明らかに間違った時間軸で生きてるだろ」
琴美「じゃあ、みなりんだけ25歳ね」
水原「俺は雪島……今は琴美ちゃん? 琴美と同い年だから。お前が25なら、俺も25」
琴美「私は19だよ」
ほずえ「読み返してみたら、当時のわたしはまだ『にゅ』とか言ってたんだね。あの頃は若かった」
琴美「そういえば、めっきり言わなくなったね」
ほずえ「卒業した。校舎の影、芝生の上、吸い込まれる空、何に従い、従うべきか考えていた」
水原「朗読されると、なんか不思議な雰囲気があるな」
由佳里「15歳が16歳になっても、ほずえに『卒業』が似合わないのは確かだね」
ほずえ「どうせずっと卒業しないよ、わたしは」
琴美「そろそろ話を戻そう。読み返した感触として、エルメスだけが知ってることと、エリックだけが知ってること、それから二人ともが知ってることがかなりごちゃごちゃになってる。少なくとも、エリックはムオー教団はもちろん、リウスのことも知らない」
ほずえ「逆にエルメスは、バレーツィンって国も知らないし、クリーナのことも知らない。メイムウェインはまだ生きてると思ってる」
水原「今回はエルメスの方をやるから、ブランクも長いし、とりあえずエルメスの知ってることと、目的を思い出そう」
まとめます。
ホルウェンとドラフは、人間の男に奪われた“魔鏡”を取り戻すためにエルフの村を出た。
ところが、ロマールとザインの間にあるプルーグの街で事件を起こし、牢に入れられる。
出してもらう代わりに、街で一番偉い男モンテローザに、娘のアンナ・ミラーズを連れて行ったブロンズを倒し、娘を連れ戻すよう、クエストの魔法をかけられる。
ブロンズ・パ=ロットはムオー教団の教祖で、ムオー教団は魔法を嫌い、武力の神マルショシアスを復活させようという教団。
アンナは自分からブロンズについて行ったという情報もあるが、二人はムオー教団の刺客に狙われたため、遠慮なく教団を「悪」とする。
二つの大きな目的が明確に存在する二人に比べて、エルメスは無目的。病気になってしまった好きな人のために薬を探していると言うリウスと行動をともにしている。
リウスはマルショシアスを知っており、ホルウェンとドラフに、一緒にブロンズ・パ=ロットを倒すことを進言。二人は喜んでそれを飲む。
琴美「結局、ニィルスレイトって、あれっきり出てきてないよね? クリーナが“五指”の一人かどうかもわからず終いだっけ?」
水原「確か。俺はあんまり口を開くと、真実を言ってしまいそうで怖い」
ほずえ「リウスは“五指”じゃない気がする。でも、バレーツィンの人で、好きな人って言うのがシルファなのは確定的だから、この際、“五指”か“五指”じゃないかって言うのは、大した問題じゃないかも」
由佳里「そうだね。メラクリウスの下で働いているか、そうじゃないかっていうだけで。リウスは、直接シルファの下……っていうか、シルファのために動いてる感じがする」
水原「ただし、二人はもちろん、エルメスはバレーツィンを知らないし、そもそも“五指”も知らない」
ほずえ「何を知ってるんだろ。クリーナが、シルファのためにイェルザムを使って心を集めていたことと、ニィルスレイトがメラクリウスの配下で、やっぱりシルファのために動いてるけど、メイムウェインのやり方に賛成じゃないってことかな?」
琴美「メイムウェインのやり方っていうのは、具体的に何だろう。残虐なやり方が気に入らないのか、心を集めること自体に反対なのか。そうだとしたら、クリーナのことは殿付けだったけど、クリーナのやり方も気に入らないことになるね」
由佳里「メラクリウスの判断がどうのって言ってたから、やっぱり心を集めること自体に疑問を抱いてるんじゃない?」
ほずえ「エルメスがリウスとシルファを結びつけるのは不自然かな? って言って、聞くのはあまりにもリスクが大きいし」
水原「リウスはまだエルメスが少しでもバレーツィンに関わってるって知らないからね。ちなみに、ホルウェンとドラフにも言ってないよな?」
ほずえ「言ってないよ」
琴美「そういえば、ミーシュの村を襲ったのはメラクリウス本人で、“魔鏡”を奪ったのは教団ってことになったんだっけ? 今読み返してて思ったんだけど」
由佳里「メラクリウス本人かはわかんないけど、バレーツィン側の人間ってことになりませんでした? バレーツィンの性質からして、ダークエルフはいっぱいいそう」
琴美「教団がメラクリウスやクリーナをだまして、フェアリー・ストーンや人の心を集めさせ、第9話でそれは完成した。となると、教団にとってもうバレーツィンは用なしかな?」
水原「それは第10話だな。謎が多いから追求したいのはわかるが、そうするとまたエルメスの知っていることと知らないことがごっちゃになる」
ほずえ「じゃあ、それくらいで始めようか?」
水原「おう」
◆ ムオー教団 ◆
GM(水原)「じゃあ、ザインです」
エルメス(ほずえ)「まずは宿を取りましょうか」
ホルウェン(由佳里)「賛成ー! それからこれからどうするか相談ね」
エルメス「リウスはムオー教団もマルショシアスも知ってたけど、ブロンズを倒すのが目的なの? 元々は好きな人の薬がどうのって話だったよね?」
GM「それはリウスに聞くの?」
ドラフ(琴美)「プレイヤー発言として、別に聞いても問題ないと思うけど」
エルメス「じゃあ、それとなく聞いてみようかな。ねえ、リウス。リウスは病気になった好きな人のために旅をしてるんだったよね?」
GM「『ええ、そうです』」
エルメス「ムオー教団はそれと関係があるかも知れないってこと? 彼らが薬を持っているかも?」
GM「リウスは目を閉じてしばらく考えてから、言葉を選ぶようにして答える。『彼女は、呪いをかけられた可能性もあるんです。ムオー教団は、その呪いをかけた候補の一つですね』」
エルメス「それは、マルショシアスの復活に、あなたの大切な人に呪いをかける必要があったってこと?」
GM「『わかりません。そういうことも含めて、これから教団のことを調べたいと思っているのです』」
エルメス「なるほど。上手く逃げられたのか、本当にそうなのか……」
ホルウェン「それで、これからどうする?」
ドラフ「確かムオー教団は、ブロンズ自ら広場で講演してるって話だったけど、ザインでもやってるのかな?」
GM「宿はもう取った?」
ホルウェン「無事に取れるなら」
GM「部屋割りはまた、ホルウェン、ドラフ組と、エルメス、リウス組?」
ホルウェン「私はそれがいいけど」
ドラフ「4人部屋があるなら、それでいいけど」
GM「じゃあ、4人部屋ね。教団については、宛てもなく街を歩き回る?」
ドラフ「厳しいな。俺がシーフギルドに行こう」
GM「そういえば、ドラフはシーフを取ったけど、ギルドとか、そういうことは知ってるのだろうか」
ドラフ「本能的に」
GM「マジかよ。じゃあ、盗賊ギルドね。『見かけない顔だな』」
ドラフ「比較的新米だ。歳はおっさんだが」
GM「『で?』」
ドラフ「ムオー教団という教団を調べている。何か情報はないか?」
GM「んじゃまあ、前回で金持ちになったし、金は適当に渡したとして、次の2つの情報をくれる。ムオー教団はザインに本部を持っていて、信者は150人ほど。場所も教えてくれる。もちろん広場でも演説をしていて、それは本部の近くの大通りでやってるらしい」
ドラフ「マルショシアスについては何かないか? あと、国は教団を容認?」
GM「マルショシアスはあまりにも無名な神だから、特別問題視されてないよ。盗賊ギルドも、ほとんど情報を持ってない」
ドラフ「そうか。じゃあ、戻ってそのことを伝えよう」
ホルウェン「じゃあ、本部に行く?」
エルメス「そういえば、ホルウェンとドラフって、ムオー教団の刺客に襲われたんだよね?」
GM「正確には、エルメスもそれを助けたリウスと一緒にいたわけだから、ホルウェンたちと状況はあまり変わらない」
ドラフ「堂々と行くのは危険かな? 場所は危ないところ?」
GM「いや、それほどでも。少なくとも、昼の間なら公然と人殺しができるような場所ではないね」
エルメス「変装していった方がいいかな? ディスガイズって個人だっけ?」
GM「術者だけ。ただまあ、術者以外は、そんな魔法に頼らなくても、適当に服や髪型を変えていけばいいと思うが」
ホルウェン「どうせ私はエルフよ! ふんっ」
ドラフ「いくら無名の神とは言え、エルフが宗教の教団に純粋な意味で関心を持つのは違和感があるな」
ホルウェン「元々刺客に襲われたのも、エルフが教団を嗅ぎ回っていたって理由だったもんね」
ドラフ「じゃあ、人間は変装、近くまで行ったらホルウェンはディスガイズで」
GM「本部に行くんだっけ? 近くの広場に行くんだっけ?」
エルメス「まずは本部かな?」
GM「じゃあ、本部。入り口には鎧を着て、槍を持った兵士が2人立ってる。入り口も建物もそれほど大きくないよ。でも、3階建て。近くの建物よりは大きいね」
ドラフ「人の出入りは?」
GM「特にない。入り口……ああ、ドアね。ドアは閉まってる。門があったり、敷地が壁で囲われたりはしてない。入り口がすぐ通りに面してる」
エルメス「なるほどー。じゃあ、広場の方に行ってみる?」
ホルウェン「賛成♪ 変なところでディスガイズが切れても困るから、急ごう」
GM「じゃあ、盗賊ギルドで教わった広場に行くと、人だかりができてるね。30人くらいの人だかりかな?」
ホルウェン「そういえば、旅の最中に教団についてきた人たちは、どこに住んでるんですか? 本部には、それだけの許容量はないんですよね?」
GM「本部のすぐそばに、社宅……言葉が変だが、彼らの居住空間がある。っても、部屋にも分かれてないし、雑然としたものだが」
エルメス「アンナもそこにいるのかな? 広場にブロンズは?」
ドラフ「アンナも、特徴とか聞いてきてるよね? 広場にいる?」
GM「アンナらしき少女の姿はない。一段高いところに、茶色の髪で、薄紫色のローブを着た青年が演説してる。両脇にはさっき見た兵士と同じ格好の兵士が数人」
ホルウェン「彼がブロンズかしら? 近くの人に聞いてみよう」
GM「じゃあ、聞いていたおばちゃんが『そうだよ』って答えてくれる。ちなみにおばちゃんは信者ではなく、通りがかっただけ。彼がブロンズだってのは、さっき自分で名乗っていたのを聞いていたらしい」
ドラフ「ラスボスっぽい感じだったけど、案外あっさりと対面できたな」
GM「ゲームの序盤にラスボスになる人間と接触するのが、最近の風潮さ。もっとも、彼がラスボスかどうかはまだ不明だが」
ホルウェン「教祖はブロンズで間違いないんですよね?」
GM「君たちが得た情報では」
ドラフ「引っかかるなぁ。リウスは知らないかな?」
GM「聞く?」
ドラフ「聞いてみよう。ドラフは元々シルファうんぬんのことは知らないから、ずけずけ聞けるぞ。なあ、兄ちゃん。あいつをやっつけたら、ムオー教団は終わりなのか?」
GM「『どうでしょう。彼の下に優秀な部下がいるかも知れませんし、実はまだ上に誰かいるかも知れません』」
ドラフ「兄ちゃんはそれを知らないのか? ムオー教団に詳しいみたいだったが」
GM「『残念ながら、僕はマルショシアスについて少し知っているだけで、教団についてはほとんど何も知りません』」
ホルウェン「マルショシアスのことはどこで知ったの?」
GM「『吟遊詩人ですから。旅の最中にそういうことを耳にすることもあります』」
エルメス「好きな人と一緒に旅をしていたの? と、さりげなく核心をついてみよう」
GM「『彼女とは旅の最中に知り合いました。彼女はずっと自分の故郷にいます。今では僕の故郷でもありますが、僕は旅人です』」
エルメス「なるほど……。なかなかこう、核心に迫れないなぁ」
ホルウェン「名前とか聞いても、教えてくれないだろうね」
ドラフ「必要以上のことを詮索するのは、あまり印象が良くないな」
ホルウェン「エルフだし、そういうことを気にせずに聞いてみようかな。その人とは恋人同士だったの? 名前はなんて言うの?」
エルメス「わくわく」
GM「なんだかブロンズそっちのけで、リウスの追求になってるなぁ。『恋人同士だと思いたいけど、どうでしょうね。彼女は僕の恩人です。名前は言えません』」
ホルウェン「どうして?」
GM「『そういう約束だからです。あまり僕とのことを他人に知られたくないのかもしれないですね』リウスはちょっと寂しそうに」
ドラフ「絶対に嘘」
ホルウェン「さすがにこれ以上追求する理由がないし、そもそもホルウェン自身があんまり興味ない」
エルメス「じゃあ、そろそろブロンズに話を戻す?」
ドラフ「どんなこと話してるんだ?」
GM「大したことじゃないよ。魔法は悪で、人々は昔から魔法使いに虐げられていた。今も、魔法使いは魔法使いではない人間より実質優位な立場にある。世の中から魔法を排除し、平等な世界を築きましょうって感じ」
ホルウェン「魔法好きとしては、なかなか嫌な教義ね。野蛮人に戻りましょうって聞こえるわ」
ドラフ「俺、野蛮人?」
ホルウェン「まあ、そうね」
ドラフ「うわっ!」
ホルウェン「40年もエルフと一緒に暮らしてて、精霊魔法が使えないなんて信じられない!」
ドラフ「それを言われると……なんでだろうね(笑)」
GM「素質がなかったんでしょう。魔法使いはたくさんいるから、エルフは君に力による防衛を期待したんだよ」
ドラフ「らしい」
エルメス「どうしようか。とりあえず、教団に入信するとか、アンナを探して、その居住空間の方に入り込むとか」
ドラフ「前者は過激だなぁ」
ホルウェン「私は無理」
ドラフ「どっちにしろ、エルフはあまりチョロチョロしない方がいいな」
ホルウェン「失礼ね! そんなこと言うと、協力しないわよ?」
ドラフ「しないとまた苦痛にのたうつぞ?」
ホルウェン「きーっ!」
GM「わかりやすいキャラだ。じゃあ、エルメスは入信→洗脳→魔法なんて大っ嫌い?」
エルメス「せ、洗脳はされないけど……」
GM「わからんよ? 宗教は怖いよ? 精神力抵抗してもらうかもよ?」
エルメス「怖っ」
GM「じゃあ、ぼちぼちホルウェンの魔法が切れるよ。一旦戻る? かけ直す?」
ドラフ「焦る必要はないし、一旦戻ろうか」
ホルウェン「かけ直して、居住空間の方に行ってみない?」
エルメス「じゃあそうする」
ホルウェン「(ころころ)成功ね♪」
◆ ドラフ入信 ◆
GM「じゃあ、居住空間だ。言葉が変だから、建物Kと命名しよう。Kは“Kyoju Kukan”のKだ」
ドラフ「そのまんまだね。建物Kと本部との位置関係は?」
GM「んー、ちょっと待ってね。今図を描く」
ドラフ「待ってる間に相談でもしよう。アンナがいたら、どうする?」
ホルウェン「来てもらわないと、クエストが解けない」
ドラフ「じゃあ、首輪をつけてでも連れて帰る方向で。どっちにしろ、刺客に襲われたりしたし、ムオー教団が危険な教団なのは明白」
エルメス「すっかり信者になってたら、150人を敵に回すことになるかも知れないよ?」
ホルウェン「その時は……またリウスに(汗)」
GM「有り得ないから」
ドラフ「今回、案外あっさりアンナも戻って、ブロンズも倒したりして」
ホルウェン「そうなると、クエスト終了?」
ドラフ「まだ“魔鏡”が残ってるけどね」
ホルウェン「その鏡って、そもそもどんなんなんだろう。何か伝わってたりしません?」
GM「番外に、『それが一体どんなものなのか、そしてどのような力があるのか、それは定かでなかった』と書いてある」
ホルウェン「マルショシアスの復活に必要なもの?」
GM「疑問なんだが、いつから“魔鏡”と教団が結びついたんだ?」
ドラフ「そういえば、どこからだろう。前提で話してたけど」
ホルウェン「“魔鏡”を奪った男は、私は覚えてますか?」
GM「ホルウェンもドラフも覚えてるよ。図ができた。はい」
|
fig.1 ムオー教団本部周辺図 |
ドラフ「なるほど、確かに結構住宅地なんだね」
GM「全部が全部住宅ってわけじゃないよ。何かの事務所だったり、空家だったりもする」
エルメス「建物Kは、ものすごい周囲から見えやすい位置にあるね。私たちも派手なことできないし、教団の人たちも派手なことができない」
ホルウェン「とにかく前まで行ってみましょう。入り口とか窓とか、人の出入りはあります?」
GM「入り口や窓がなかったら怖いな。2階建てで、入り口は一段高いところにある。ごく普通の外開きのドア。窓はちらほら」
ドラフ「やっぱり道路に面してるんだよね? 窓から中をさりげなく覗いてみよう」
GM「何に人がいるみたいだね。大きな部屋で、話し声もする。別にガラスが張ってあるわけじゃないから」
ホルウェン「アンナっぽい人や、それくらいの年齢の子はいます?」
GM「それは、相当じっくり見ないとわからないね。やる?」
ドラフ「やめておこう」
エルメス「教団の人たちは、何か特徴があるの?」
GM「“Ω”を引っ繰り返したマークのついたローブを着てる。基本的にはみんな薄汚れた白いローブを着てるね」
ドラフ「ブロンズは薄紫色だったな」
ホルウェン「ブロンズの周りにいた人で、兵士以外の信者は?」
GM「薄緑色だったね。青っぽいのを着た人も少しだけいた。他の色は見なかった」
エルメス「やっぱり入信して、中に忍び込むのがいいかな?」
ドラフ「俺が適役? なんとなく、若い女の子は避けた方がいい気がする」
エルメス「それはお兄ちゃんがGMだからだね?」
GM「もう4年前とは違うから、破廉恥極まりないプレイはせんよ」
ドラフ「クリーナの目的が若い娘の“心”を集めることだったからっていうのがプレイヤーの本音だけど、ドラフはそんなこと知らないから、貞操のことを気にしよう」
ホルウェン「でも、危険だわ。きっと入信したら自由に外には出てこられないだろうし、マインドコントロールされたら、琴美さん、PC変えないと(笑)」
ドラフ「それは困った(笑)」
GM「ちなみに今、建物Kの前?」
エルメス「基本的には。でも、窓が覗き込めるような場所にはいないよ?」
GM「じゃあ、そうこうしてると、広場の方から教団の人たちが戻ってくる」
ドラフ「ブロンズとか青いのとか緑色のはいない?」
GM「ローブの話だな? ブロンズと緑色はいないが、青いのが二人で、15人くらいの信者を引き連れてる」
ドラフ「軽く接触して話を聞いてみたいけど」
エルメス「入信はダメだよ? じゃあ、私たちは離れてた方がいいね」
ホルウェン「姿が見えないところまで退いて、ウィンドボイスで話を聞こう」
GM「いいよ」
ドラフ「青い人に声をかけよう。あー、もしもし」
GM「二人の内の一人が足を止める。君の半分くらいの年齢だ。もう一人は白いのを連れて帰っていく。15人の中には興味深そうに君の方を見る人もいるけど、足を止める人はいない」
ドラフ「さっき広場で話を聞いたんだけど、もっと詳しい話が聞きたいと思って」
GM「割と無表情で聞いてくるよ。『名前は?』」
ドラフ「ドドラだ」
ホルウェン「ドドラ!」
エルメス「すごい名前……」
GM「思わずリウスも頬を緩めるよ……って、ウィンドボイスは術者にしか声が聞こえないかも知れないが。『ドドラは、ブロンズ様の話の、どんなところに惹かれたんだ?』」
ドラフ「俺は魔法が嫌いなんだ」
ホルウェン「まあ!」
ドラフ「ホルウェンが顔を赤くしてるだろうなぁと思いながら続けよう(笑)。昔から魔法使いに囲まれて育ったんだが、俺は魔法が使えない。そのせいで指差して笑われるし、蔑まれるし、もうさんざん」
GM「そういえば、言い忘れたけど、ムオー教の言う“魔法”ってのは、精霊魔法と古代語魔法だけだからね。彼らは神聖魔法は使うから。じゃあ、青いのは君を本部に連れて行こうとするけど」
ドラフ「それは困るなぁ。話を聞くだけで可?」
GM「もちろん」
ドラフ「じゃあ、ついて行こう」
ホルウェン「ああ、ドラフが……」
エルメス「行っちゃった?」
GM「ちなみに、ホルウェンたちはどうする? ウィンドボイスは建物の中までは届かないから」
ホルウェン「どうするって言われると……どうしよう?」
エルメス「困った。無事に出てきてくれることを願って……先輩だし」
ホルウェン「琴美さんだし」
ドラフ「きっと、プリーストLv.1になって帰ってくるよ」
GM「じゃあ、ドラフだけでプレイしようか。由佳里ちゃんとほずえはご退場願おう」
エルメス「は〜い」
ということで、本部に無謀極まりない突撃をかけたドラフ。
元々4年ぶりということもあってノンプロットで始めたシナリオだから、どこまでも突っ走らせてもらおう(笑)。
GM「いい度胸だな」
ドラフ「話を聞いたら帰る」
GM「じゃあ、建物の中に入った」
ドラフ「どんな感じ?」
GM「地図を描けと?」
ドラフ「口頭でいいよ」
GM「お口でいいよ? はむ?」
ドラフ「はむっ。40過ぎのおじさんがはむっ」
GM「うわ、萌えね! 1階は大広間みたいだね。大きな中華料理屋に入った感じ。人はウロウロしてる。結構剣呑な眼差しで見られるよ」
ドラフ「ふふん♪ って感じで、悠然と」
GM「武器は預からせてもらうよ」
ドラフ「いいよ。後で返してね」
GM「『生きて出られたらな、くくくっ』」
ドラフ「な、何それ!」
GM「冗談冗談。2階に上がると、太くて大きな……太くて大きな……」
ドラフ「Hな妄想はいいから」
GM「どうも君と二人になると……。太くて大きな通路が伸びてて、一際大きな扉の前で青色がノックする。中から『誰だ?』と声がして、青色が答えてドアを開ける。青色は中に入らない。君を中に入れるよ」
ドラフ「入ろう」
GM「広い部屋だね。椅子にブロンズが座っている。脇に兵士が二人。他にもテーブルがあって、何やら書いたり調べたりしてる。兵士も含めて計7人。白いローブの人間はいない。『ドドイ君だっけ?』」
ドラフ「それは『子供たちの冒険』に出てきた、ユネスのお兄さん。俺はドドラだ」
GM「『失礼。入信希望者だって?』」
ドラフ「興味があって、詳しい話を聞きに来ただけで、まだ入会するかはわからない」
GM「『どうして、当教団に興味を持ってくれたのかな?』」
ドラフ「さっき青色に言ったことを話すよ」
GM「『なるほど。魔法使いというのはいつでもそうだ。しかし、我々の目的は、魔法の排除だが、腕力のある人間が優位に立つ社会でもない。あくまで平等でありたいと思っている』」
ドラフ「ふむふむ」
GM「『じゃあ、この用紙にサインを』」
ドラフ「ちょい待ちって! 入会後の生活はどういう感じになるんだ? 後、具体的にどういう活動をしているんだ?」
GM「『君は家はあるのかい?』」
ドラフ「ザインに家を借りている。故郷はここではない」
GM「『それなら、その家に住んでもらっても構わないし、家がなければ建物Kという、教団の人間の住む場所もある』」
ドラフ「なるほーど。活動内容は?」
GM「『家から来てもらっても構わないが、朝の掃除や食事から、他の人間と同じようにしてもらう。当面は勉強が中心になると思ってもらいたい』」
ドラフ「封印されたマルショシアスを復活させるという目的については?」
GM「『我々の最終目標である。マルショシアス様がこの世に現れると、マナや精霊の力が弱まる』」
ドラフ「なるーほど」
GM「『では、この用紙にサインを……』」
ドラフ「ちょっと待ってって」
GM「じゃあ、そうこうしていると、ふと書き書きしていた一人がブロンズのところへ。ドラフはシーフ+知力で振ってみて。目標値13にしようかな」
ドラフ「何か来た……しかも絶望的。(ころころ)あ、でも11とか振った♪」
GM「じゃあ、男がブロンズのところに着く前に気が付く。その男に見覚えがあるね」
ドラフ「それは要するに、刺客の一人ってこと?」
GM「そういうことみ」
ドラフ「逃げないと……。でも、武器もないし、下手に逃げると、殺されるかも……」
GM「30秒以内に行動宣言してね。はい、スタート! ちっ、ちっ、ちっ、ちっ、ちっ、……」
ドラフ「わーわー! 下にはどれくらいの人数がいた?」
GM「広間っても、広間だけじゃないからね? 少なくとも広間には10人くらい。階段から出口までは15メートルくらい」
ドラフ「えーっと、これはよろしくないな。大人しくしていよう。生きていればきっとチャンスが……」
GM「じゃあ、男はブロンズに耳打ちして、ブロンズは顔色一つ変えずに聞いてくるよ。『ドドラ君と言ったね。君はプルーグの街にいなかったかい?』」
ドラフ「もう言い逃れはできない状況だな。先に言おう。うむ、実は俺を蔑み、奴隷扱いしていたのが、あのエルフなんだ」
GM「『ほぅ……』目を細めるブロンズ」
ドラフ「あのエルフについてムオー教団を調べている内に、興味を持ったんだ」
GM「『あのエルフは何が目的で我々のことを調べていたんだ?』」
ドラフ「ミラーズ家からの依頼だ。プルーグの街で、アンナ・ミラーズが入信しただろう」
GM「『アンナ? ああ、あの子か。確かに。可愛い服を着た、胸の大きな子だ』」
ドラフ「胸が大きいんだ……。アンナは今どうしている?」
GM「『ドドラ君、君は入会するのかい? そうすれば、アンナ君とも会えると思うが』」
ドラフ「入会しないわけにはいかない状況になってきた……。じゃあ、入会を……」
GM「『では、この用紙にサインを』」
ドラフ「なんだか大変なことに。さらさら」
GM「『ところでドドラ君。そのエルフはどうしたんだい? 依頼を受けたということは、ザインにいるんじゃないのか?』
ドラフ「あー、いる」
GM「『じゃあドドラ君、そのエルフは君に始末してもらいましょう』クエストをかけるよ。抵抗しても、かかったかは術者はわかるから」
ドラフ「受けましょう」
GM「じゃあ、一緒にいたエルフと、助けた二人を殺すこと、というクエストね。その代わり、前にかかっていたクエストは解ける」
ドラフ「さてと、それじゃあ、殺しに行ってくる」
GM「『活躍を期待しているよ』」
◆ 一人脱落 ◆
ドラフ「ちなみに、誰かついて来る?」
GM「シーフ+知力」
ドラフ「(ころころ)7振って10」
GM「じゃあ、わからんね」
ドラフ「ホルウェンたちと合流しよう」
隣の部屋から、ほずえと由佳里ちゃんを呼んでくる。
ホルウェン「お帰り、ドラフ。どうだった?」
ドラフ「建物の中の、見てきた様子を語るよ」
ホルウェン「って言われても、わかんないし」
ドラフ「ああ、そうだね」
リプレイでは省略。
エルメス「それで、結局プリーストLv.1になった?」
ドラフ「いや、なってないよ。そういう話はGMから出なかった」
ホルウェン「な、何か引っかかる言い方……」
エルメス「アンナは?」
ドラフ「聞いたら不自然だろう。とりあえず、入信しても、ザインにある家から通っていいそうだ」
ホルウェン「結局、入会したの?」
ドラフ「したと言えばした気が……」
ホルウェン「したの!?」
ドラフ「あー、うー、おー」
ホルウェン「エ、エルメス。何かドラフの様子がおかしいわ」
エルメス「そうね。何かあったのよ、きっと」
ドラフ「戦線離脱の予感。とにかく宿に帰ろう」
ホルウェン「何がなんだか」
GM「じゃあ、宿ね」
ドラフ「部屋に入ってドアを閉めたら、素手でホルウェンに襲いかかろう」
ホルウェン「な、何?」
ドラフ「殴る。日頃の恨み! (ころころ)3だって! 9と言って殴打」
ホルウェン「私回避ない! (ころころ)ダメ」
ドラフ「ダメージ。(ころころ)4だって! 優しさがうかがえる。追加ダメージの7発」
ホルウェン「1点受けた。な、何するのよ! ライトニング」
エルメス「ええーっ!?」
ホルウェン「冗談だよ?」
エルメス「とりあえず押さえ付けよう。やめなさい、ドラフ!」
ドラフ「うがぁぁっ! エルメスに炎吐く。(ころころ)5は19」
GM「何で振ると14もプラスされるんだ?」
ドラフ「大人しく押さえ付けられよう」
エルメス「紐で縛り上げよう」
ホルウェン「一発蹴り飛ばそう」
ドラフ「うがぁぁっ! うがぁぁっ!」
エルメス「これは……何?」
GM「んー、エルメスはプリーストだからわかる。まあ、ホルウェンは身に覚えがあるけど、クエストをかけられてるね」
エルメス「推測するに、ブロンズにバレて、仲間を殺せって言われたんだね」
ホルウェン「魔法じゃしょうがない。許してあげよう。どうすれば解除できるのかな? 街でお金出せばいい?」
GM「それが出来るなら、君は自分にかけられたクエストを解除できるよね。もちろん、普通なら可能だが、ここはザインなので、微妙」
ドラフ「ブロンズを倒せば解除される」
ホルウェン「それは私のクエストを解除するためにも必要なことだから、もう善悪を抜きにして、ブロンズ暗殺計画を練ろう」
GM「ちなみに、ドラフは戦線離脱ね?」
ドラフ「うがぁぁっ! うがぁぁっ!」
GM「いや、別に狂わなくてもいいから」
エルメス「でも、信者が150人もいるんだよね? しかも、私たちのことはもうバレてるんだよね?」
ホルウェン「今頃外はすごいことになってたりして」
エルメス「取り囲まれてる!?」
GM「今のところは大丈夫」
ホルウェン「ブロンズを倒すどころの騒ぎじゃないかも。戦略的撤退を……。(GMに)大丈夫?」
GM「戦略的撤退だから、別にクエストに反した行動ではないと思われる」
エルメス「ドラフはどうしよう?」
ホルウェン「置いていくしか……」
ドラフ「うがぁぁっ! うがぁぁっ!」
ホルウェン「さよなら、ドラフ……」
エルメス「ど、どうなるんだろ、このシナリオ……」
GM「さぁ。最終確認だけど、置いていくんだね? ファイナルファンタジー?」
エルメス「それは、ファイナルアンサーか何か?」
GM「最後の楽園」
ドラフ「置いていかれたらたぶん殺される」
ホルウェン「困ったわ。時間は?」
GM「夕方近いけど、まだ暗くはない」
エルメス「今なら、暗殺されることはないかも。でも、ドラフを連れて行くのは難しい……」
ホルウェン「街から逃げる? リウスはどうする?」
GM「リウスは、よほどひどい行動じゃない限り、基本的にはついて行くよ」
エルメス「NPCだからってわけじゃないんだよね? リウスにはリウスの目的があるだろうに、私たちの適当な行動に付き合ってていいの?」
GM「リウスに言うなら答えるよ。『図らずも、僕もお二人と同じ、追われる身になりましたから。一人よりはお二人といた方が心強い』」
ホルウェン「じゃあ、リウスはいいとして、いつかブロンズを倒すまで、ドラフをどこか安全な場所に置いておけないかな?」
ドラフ「とりあえず、街の詰め所に突き出してみたら?」
エルメス「牢屋なら、いっそ安全?」
ホルウェン「事情を話したら、国が動いてくれるかも?」
ドラフ「そこまではわからないけど。ちなみに、プレイヤー発言ね。クエストって、いまいち飲み込めないんだけど、基本的にドラフは『うがぁぁっ』て言ってる」
GM「狂わなくてもいいんじゃないか?」
ドラフ「ブロンズに不利益になることも話せるのかな?」
GM「ホルウェンを殺す意思さえあれば別に」
ドラフ「その意思がないのだが……。殺そう殺そうと思いながら話すか。聞け、ホルウェン! 冥途の土産に教えてやる!」
ホルウェン「な、何?」
ドラフ「かくかくしかじか」
ホルウェン「わかんないし!」
ドラフはホルウェンに、自分の見てきたものとしてきたことを話すけれど、リプレイでは省略。
ホルウェン「じゃあもう、完全に私たち、狙われてるね」
エルメス「兵士たちを利用して、一大戦争をおっ始めた方がいいかも。逃げれば、ずっと刺客に追いかけ回されそう」
GM「なるほど!」
エルメス「な、何? 予想外だった?」
GM「いや、今回は君たちがどんな行動を取ったとしても、予想外になることはないから」
エルメス「……それは要するに、何も予想してないってことみ先輩?」
GM「秘密」
ホルウェン「先輩がノンプロットだと、大抵牢に入ります」
GM「ぐ、偶然だよ、由佳里ちゃん! はははっ!」
エルメス「じゃあ、ドラフを引っ張って詰め所に行きます」
GM「うむ……うむぅ」
エルメス「何よ!」
GM「いやいや」
◆ 詰め所にて ◆
エルメス「ふぅ。無事に到着♪」
ホルウェン「すいませ〜ん」
GM「ちょい待て!」
ドラフ「うがぁぁっ! うがぁぁっ!」
エルメス「白昼堂々襲ってくる?」
GM「そうもいかんよなぁ。じゃあまあ、詰め所で。『何かね?』」
エルメス「えっと、かくかく……」
GM「だーめ」
ホルウェン「私たち、ムオー教団に狙われてるの」
GM「『ムオー教団? ああ、あの広場で集会している連中か。人畜無害だから放っておいていたが。何かしたのか?』」
ホルウェン「何もしてないわ。私がエルフだからよ。ただそれだけ」
GM「『その、うがうが言ってる男は?』」
エルメス「仲間です。連中につかまって、私たちを殺すようクエストをかけられて解放されたみたい。襲いかかってきたところを逆に捕らえました。しばらく牢に入れておいてくれませんか?』」
GM「『ふぅむ。ちょっと待ってなよ』と言って、対応していた人は奥に下がる。しばらくしてから、偉い人が出てくる。『大体話は聞いたが。その男も、いつまでも牢に入れておくわけにはいかない』」
ホルウェン「ムオー教団はあからさまに悪よ! 教祖のブロンズを討てば、ドラフにかかったクエストは解けるわ」
GM「『証拠が少なすぎる。確かにこの男はクエストをかけられているようだが、まだどちらが悪かは決めかねる』」
エルメス「じゃあ、私たちのことも調べてくれていいわ。別に何も出て来ないから。平等に、連中のことも調べてください。そうすれば、真実はわかるはずです」
ホルウェン「私たちは刺客に狙われてるの。頼ってるのよ、あなたたちを! むざむざと殺されたくないわ」
エルメス「囮捜査でもする? リーザでやったときみたいに」
ドラフ「詰め所に来たこともバレてるだろうから、乗ってこないでしょう」
ホルウェン「じゃあやっぱり助けてもらうしか」
GM「『ふぅむ、困ったぞ。我々は信仰の自由を妨げることはできない。もちろん、君たちの言っていることが本当だと確実になれば別だが』」
ホルウェン「ドラフがクエストをかけられてるのは明白よ! どっちが悪かは別にして……もちろん向こうが悪なんだけど、私たちが狙われてるのは事実」
GM「『君たちは冒険者だろう。自分たちで何とかならないのか?』」
ホルウェン「何とかなるならこんなところには来ないわ! 一体何人いると思ってるのよ。150人よ?」
GM「『そんな大勢、我々としてもそれなりの準備をしないとどうにもならないが』」
エルメス「困ったなぁ。夜になった瞬間、終わりだと思うし」
GM「ちなみに、一つ言っておくが、アンナみたいな女の子や、ただのおばちゃん信者も含めて150人だからな?」
エルメス「戦闘員はどれくらい?」
GM「さぁ。まあ、それでも君らには十分すぎる数だろうが」
エルメス「目の前の人にそう言うよ。戦闘員は150人もいないわ」
GM「『君たちを守るためには軍は動かせない。君たちは冒険者だしな。彼らがこの街の市民を襲ったとかなら考えるが』」
ホルウェン「状況はよくないね」
エルメス「第1話みたいな感じで、もうむっちゃくちゃな戦闘をするしか……」
GM「『無理はよくないですよ?』と、リウスが軽くたしなめる」
エルメス「とりあえず、ドラフは預かってくれるの?」
GM「『1週間は牢に入れておこう。ただし、君たちの状況がどうであれ、そこで釈放する』」
エルメス「1週間ね。まあ、3日以内になんとかならなかったら、1週間経ってもなんともなってないと思うから……」
GM「じゃあ、ドラフを預けて外に出る? だいぶ暗くなってきたね」
エルメス「死地に赴く戦士のごとく……」
ホルウェン「やっぱり逃げる?」
エルメス「逃げるか先制攻撃のどっちかしかない。どっちも命はない気が……」
ホルウェン「どうせ死ぬなら、戦って死にたいわ」
エルメス「じゃあ、そうしよう。リウスはそれで良かったの? 生還確率が極めて低いけど」
GM「大丈夫。穏やかに微笑んでるよ」
エルメス「不思議な人……」
◆ 物語動く ◆
GM「詰め所を出ると、もう夜だ。大通りには多少人がいるけど、広場や建物Kの辺りや、本部周辺には人がいない時間」
エルメス「近くに敵意とか、何かその類は?」
GM「振って。危険感知はレンジャーなのか? 今ルールブックみたら」
ドラフ「私はずっとシーフでやってたけど」
GM「シーフいなくなったから、レンジャー+知力で。目標14♪」
エルメス「(ころころ)ダメ」
ホルウェン「6ゾロ以外無理。(ころころ)無理」
GM「じゃあ別に何も」
エルメス「ホルウェン、まず建物Kに行く? それとも、本部に乗り込む?」
ホルウェン「まだいるかはわからないけど、ドラフの話で、ブロンズの部屋はわかってるんだし、一気に乗り込んだ方が」
エルメス「そうだね。じゃあ、本部の方に」
GM「じゃあ、だいぶ近付いたところで、もう1回レンジャー+知力。今度は12で」
エルメス「せあっ! (ころころ)10点もらいっ♪」
ホルウェン「ダメじゃん! (ころころ)全然ダメ。っていうか、このまま戦闘入ると、出目がすごく悪い」
GM「じゃあ、リウスが言うよ。『エルメス、4人ほどに囲まれています』」
エルメス「4人も……。剣を抜いて構えよう」
ホルウェン「GM、私の精神点って」
GM「回復してないよね?」
ホルウェン「やっぱり……」
エルメス「じゃあ、トランス」
ホルウェン「助かる! エルメスにファイア・ウェポン。自分とエルメスにプロテクション。(ころころ)全部成功」
エルメス「今の出目、良かったね」
ホルウェン「ライトニングでいい出目が出ることに期待しよう」
GM「じゃあ、4ベルの兵士長×3と司祭×1ね。配置はこんな感じ。4レベルの兵士長は、兵士長のデータに全部+1ね」
|
fig.2 戦闘配置図 |
エルメス「今回、リウスは?」
GM「ダガー持ってる。銀のダガー」
ホルウェン「珍しい!」
ドラフ「私がやるよ♪ キャラシ貸して」
GM「ヤだ」
<1ラウンド目>
GM「リウスの敏捷度は15」
ホルウェン「圧倒的に私から。Cと司祭にライトニング行けます?」
GM「どうぞ」
ホルウェン「ていっ! (ころころ)6ゾロ!」
エルメス「幸先良い!」
ドラフ「問題は次だね」
ホルウェン「えいっ! 期待値は11発」
エルメス「Bに行くと、Cがホルウェンに来るよね? 二人を迎え撃つから、行動遅らせます」
GM「じゃあ、リウスはAに。(ころころ)……(ころころ)……(ころころ)……」
ドラフ「何回回してるんだ?」
エルメス「リウスが……」
GM「24発は16点受けて-2か。(ころころ)あ、死んだ」
ホルウェン「リウスが……」
ドラフ「何の技能で振ったの? っていうか、ダガーのところを見ると、シーフ?」
エルメス「リウス、バードだけじゃなかったんだ……」
ドラフ「第5回で、戦闘技能がないって言ってなかったっけ?」
GM「言ってない」
すいません。言いました。
忘れてください。
GM「じゃあ、司祭はどうせ次死ぬから、エルメスとホルウェンに倍がけフォース」
エルメス「大丈夫」
ホルウェン「あ、3とか振っちゃった」
GM「エルメスは……忘れてもらって(汗)、ホルウェンは10発」
ホルウェン「ひえー! 後4しかない」
GM「生命点10は厳しいな。いつか死ぬかも。BとCはエルメスに」
エルメス「えっと、13と12?」
GM「こいつ、11しかねー!」
エルメス「じゃあ、Cに攻撃。5は12」
GM「うわ! それで当たるし!」
エルメス「弱っ! 26レートだから、16発」
GM「生死判定は……3とか振った。逝った」
以後省略。ホルウェンのウィスプが司祭を倒し、リウスとエルメスの攻撃でBは逝きました。
以下、戦闘が終わった直後のデータ。
○エルメス :21/ 7
○ホルウェン: 4/ 4
エルメス「残っている1ptの魔晶石を渡しておいて、さらにキュアー・ウーンズ。成功の6点はぎりぎり?」
ホルウェン「ぎりぎり」
エルメス「ライトニングを1発撃って気絶しないように、1点プレゼントする」
ホルウェン「ありがとう。魔晶石使ってライトニング、残り1だね」
○エルメス :21/ 3
○ホルウェン:10/ 5
エルメス「武器が燃えてる内に、突撃したいんだけど……っていうか、もうダメな予感。私とリウスで、どこまで斬って斬って斬りまくれるか……」
GM「本部に行く?」
ホルウェン「なるべく裏手から」
GM「じゃあ、本部に近付いていくと、ふと前方から一人の男が現れる」
エルメス「ブロンズ?」
GM「いや、残念。エルメスは見覚えのあるハーフエルフだ」
ドラフ「おおっ! 再登場!?」
エルメス「誰だれー?」
GM「こらこら。君の操の恩人、ニィルスレイト君だね」
ホルウェン「誰だれー? 知らない人だから、臨戦態勢に入って、リウスの背に隠れよう」
エルメス「すごい臨戦態勢。私は驚いた表情で見よう」
GM「リウスが口を開くよ。『ニィルスレイト、どうしてあなたがここに……』」
ドラフ「やっぱり知り合いだったんだ」
エルメス「エルメス的には意外な事実!? しばらく静観」
GM「じゃあ、ニィルスレイトがちらりと君を見てから、静かにリウスに言う。『先に、リウス、どうしてお前がその女と一緒にいるんだ?』『その女?』リウスは君を見るよ」
エルメス「えっと、あの、じゃあ、ちょっとカッコ良く。リウス、ニィルスレイトと知り合いということは、あなたの助けたい人は、シルファなのね?」
GM「『どうして君がそれを……』珍しく動揺するリウス」
エルメス「あなたは、私がそれを知っていると知っていて、私と同行したんじゃなかったの?」
GM「『いや、違う。僕は、世を儚んでいた君に、僕らの仲間になる素質を見出したから誘ったんだ』」
ドラフ「なるほど」
エルメス「なるほど……っていうのはプレイヤー発言ね。前にメイムウェインに捕まって、それを彼に助けてもらったの。ねえ、もう何もかも話して。私たちは協力し合える」
GM「リウスは考える素振りをするけど、ニィルスレイトが止めるね。『リウス、人間を簡単に信用するな。実際に、私たちは人間を信用しすぎたかも知れない』『どういうことだ? それは、あなたがここにいることに関係しているのか?』」
ドラフ「複雑になってきた」
ホルウェン「面白くなってきましたね」
GM「ニィルスレイトは大きく頷いて、これだけ言う。『人の“心”を集めて助かるのは、シルファ様ではなく、マルショシアスだということだ』リウスは難しい顔で、『やっぱりそうか……』と呟く」
エルメス「何か言わないと。どういうことなの? あなたたちは、シルファを助けるために“心”を集めていたんでしょ? それは、確信があってやっていたんじゃなかったの?」
GM「ニィルスレイトは何も答えない。ふと、君たちは強い殺気を感じる。結構な数だ」
ドラフ「あー!」
GM「なんだ?」
ドラフ「わかった。まあいいや。反省で」
エルメス「すごく気になるんだけど……」
ドラフ「“五指”の候補で、リウスを除くと、人間は一人しか残ってない」
ホルウェン「ああっ!」
エルメス「え? 何? 何?」
ホルウェン「ほずえ……」
GM「鈍感な子は放っておいて、リウスが言うよ。『エルメス、こうしましょう。表は僕とニィルスレイトで受け持つ。派手にやるから、君たちはその隙に、二人でブロンズを倒すのです』」
エルメス「え? あの、もっと色々と話を……」
ホルウェン「時間がないわ。リウス、私は人間じゃないわ。戦いが終わったら、必ずまた会いましょう。会って、ちゃんと話をしよう!」
GM「由佳里ちゃんも、4年前とは見違えるほどいいプレイヤーになったなぁ」
ドラフ「そうだね。お姉さんは涙が止まらない」
GM「お前、お姉さんって柄じゃない。リウスは悲しそうに微笑んでから、ダガーを抜いて駆けていく」
ホルウェン「さあ、行こう、エルメス!」
◆ 決戦! ◆
GM「さてと、流れは素敵だが、果たして今の戦力で勝てるのかな? 実質ホルウェンは、いないどころか、足を引っ張るだけの可能性も……」
ホルウェン「侵入のために魔法使って、後はエルメス一人に任せるかも」
エルメス「さすがに自信ない」
GM「ちなみに魔法は切れてるから」
ホルウェン「6時間寝ようか?」
GM「有り得ん」
エルメス「クエストとか使ってた相手に、1対1でも勝つ自信がないんだけど」
GM「気合いポイントを使ってくれ」
エルメス「何それ!?」
GM「じゃあ、本部の裏手。表はどんぱち」
ホルウェン「ドラフから聞いた部屋の位置はわかります? 窓とか、人が入れそうなものはないですか?」
GM「んー、そういうのはない。1階に裏口がある」
エルメス「その裏口は、階段の付近?」
GM「まあ、付近って言えば付近だな」
ホルウェン「中から音は?」
GM「がやがや」
エルメス「その内ここから誰か出てくるんじゃない?」
ホルウェン「出てくるのを待とうか。隠れる場所とかある?」
GM「まあ、あることにしよう」
ホルウェン「じゃあ、そこに隠れて……6時間寝ようか?」
GM「有り得ん。それなら、しばらく待つと、ブロンズが兵士や青色、緑色を数人伴って現れるけど」
エルメス「な、何人?」
GM「7人くらい」
エルメス「だ、だめだ……」
ホルウェン「これはちょっと厳しいね」
GM「ブロンズはドアのところで一人の男にこう言い残す。『恐らく、エルフの女が来るだろう。お前が返り討ちにしておけ』男は『御意』と答える。ちなみにホルウェンは、その男に見覚えがある」
ホルウェン「“魔鏡”の人?」
GM「そうだね。『任せたぞ、アビゴル』って言って、ブロンズは消えていく。代わりにアビゴルは中に入って裏口を閉める」
エルメス「ブロンズ、行っちゃったね」
ホルウェン「いくらなんでも、数が多すぎ……」
ドラフ「ってことは……」
ホルウェン「どうなるんでしょうね、ドラフは」
GM「まあそれは戦いが終わってから考えるとして、どうするかい?」
ホルウェン「もちろん、アビゴルを倒して、“魔鏡”のことを聞かないと。エルメスも手伝ってくれるわね?」
エルメス「御意」
GM「御意って……。中に入る?」
エルメス「慎重にドアを開けよう」
GM「んー、面倒だから、そこにアビゴルが立ってることにしよう」
エルメス「えーっ!」
GM「他には誰もいない。みんな外に出ているようだ。『来ると思っていたぞ』」
エルメス「武器を抜いて中に入ろう」
ホルウェン「あんたたち、“魔鏡”をどうしたの? 何に使うつもり!?」
GM「アビゴルはちょっと驚いた顔になる。『ああ、教団を嗅ぎ回っているエルフというのは、お前だったのか』」
ホルウェン「誰でもいいでしょ。質問に答えなさい!」
GM「『答える義理はないが、教えてやろう。あれは魔を映す鏡だ。マルショシアス様の封印を解くのに必要なものだ』」
ホルウェン「そんなものが、どうして私の村に……?」
GM「『そんなことも知らないのか? マルショシアスを封じ込めた魔法使いたちの仲間にエルフがいた。お前たちの祖先だ』」
ホルウェン「そうだったんだ」
GM「『じゃあ、そろそろ死んでもらうとしよう』こっちは敏捷度9しかないから、ホルウェンから」
<1ラウンド目>
ホルウェン「ライトニング撃って、後はエルメスに任せようかな」
ドラフ「私の記憶が間違いじゃなければ、この人、ブリザードとか使ってなかった?」
GM「使ってなかった」
ドラフ「使ってたじゃん! 番外編の小説で、ドラフが派手に食らってた」
GM「忘れてた。ちょっとデータを書き換えよう。めっちゃ強くなってきた」
ホルウェン「ま、魔法使いのあんたが、どうして魔法嫌いの教団にいるのよ」
GM「『嫌いなものを知る必要もあるということだ』ソーサラーが5に格上げされた。負けそうだな」
ホルウェン「エルメスにファイア・ウェポンとカウンター・マジックをかけたい」
エルメス「ライトニング撃って、1ラウンドで決める方向で」
ホルウェン「また滅茶苦茶な」
GM「ちなみに、ファイターLv.5、プリーストLv.3だったけど、ファイターLv.2、ソーサラーLv.5にした。武器は普通の剣、鎧はソフト・レザー。HPとMPは秘密」
ホルウェン「期待値で、精神力抵抗が6? GMと純粋な振り合いになるね」
エルメス「ライトニング撃って、1ラウンドで決める方向で」
ホルウェン「わかったよ。ああ、神様! 信仰ないけど……(ころころ)5……」
エルメス「やっぱり信仰ないとダメなんだ」
GM「抵抗ね」
ホルウェン「人生は無情よ。次のラウンドで私は逃げるから。9発」
GM「ふむ(残り生命点10)」
エルメス「追加ダメージ+2で強打。えいっ! (ころころ)9は16」
GM「8振ったけど足りない。どうぞ」
エルメス「8は15発」
GM「(ころころ)あ、ごめん」
エルメス「何? 何?」
GM「いや別に(6ゾロ振って11点防御。残り生命点6)」
ホルウェン「きっと全然通らなかったのよ」
ドラフ「防御の6ゾロは完全防御になるわけじゃないから、その辺は安心」
GM「じゃあ、ブリザード……はエルメスに当てるのが難しいから、13と言ってライトニング」
ホルウェン「神様……はやめて、エルフの偉い人! (ころころ)8振って抵抗!」
エルメス「私ダメ」
GM「ホルウェンには10発、エルメスには12発(残り精神点13)」
ホルウェン「後3……」
エルメス「13になった」
<2ラウンド目>
ホルウェン「じゃあ、逃げます」
エルメス「さよなら、ホルウェン。骨は拾いに来てね」
ホルウェン「新しい仲間を探さなくっちゃ」
エルメス「くすん。ダメージ+2の強打。えいっ! (ころころ)11は18!」
GM「すげぇ出目。そんなの絶対に避けれん」
エルメス「回って! (ころころ)ぐすっ……14発」
GM「んーっと、7の7は3の5は8で6か? ちょうど倒れた」
ドラフ「注釈:出目7の防御点7レーティングは3だから、ダメージ減少の5と足して8。6点受けてちょうど倒れた」
GM「解説ありがとう」
ホルウェン「エルメス、偉いっ!」
エルメス「はぁ……。怖かった」
GM「何かのマンガじゃないか、真に強いもの同士の戦いは、あっと言う間に決着が着く場合が多いな」
ホルウェン「この人、まだ生きてます?」
GM「(ころころ)おう」
ホルウェン「じゃあ、裏に運んで、縛って、応急手当して、“魔鏡”のことを聞こうか」
エルメス「必要な情報がそんなに入るとも思えないから、もう殺しちゃってもいいんじゃない?」
ホルウェン「そうだね。“魔鏡”はマルショシアスの封印を解くのに必要なもので、教団が持ってるのはもう確実になったし」
エルメス「じゃあ、サクッと」
GM「サクッ」
ホルウェン「そういえば、この人、メイジリングですよね? 私、きっとダガーが発動体だったんだろうけど、怪しいからもらっていっていいですか?」
GM「いいよ。持ってってくれ」
エルメス「強盗殺人だね」
ホルウェン「正当防衛の戦利品」
エルメス「明らかに私たちから攻めたけど」
ホルウェン「先に襲ってきたのはこいつだから。だいぶ前の話になるけど」
エルメス「それもそっか」
◆ ブロンズを追う? ◆
ホルウェン「表の様子はどうですか?」
GM「収まってる」
エルメス「ちょっと見て来よう。こっそり」
GM「じゃあ、本部の前にバラバラと死体が転がっていて、白いローブの連中がうじゃうじゃあたふたしてる。非戦闘員だな」
ドラフ「非戦闘地域?」
エルメス「自衛隊の派遣されているところは、非戦闘地域なんだよ」
GM「無理に時事ネタ混ぜんでいいから」
ホルウェン「アンナみたいな人はいます?」
エルメス「あ、すっかり忘れてた」
ホルウェン「あんたはいいよ、クエストかかってないから」
エルメス「えへへ」
GM「いるいる。服はローブだけど、胸の大きな可愛い子だ。花も恥らう19歳」
ホルウェン「近付いても大丈夫? 取り囲まれて殺されたりしない? もう生命点も精神点もないけど」
GM「彼らは非戦闘員だよ」
ドラフ「自衛隊の……もういいや」
エルメス「ちなみに、リウスとニィルスレイトは?」
ドラフ「駆逐中?」
GM「いないよ」
ホルウェン「アンナさんに話しかけよう。もしもし、アンナさん?」
GM「『はい? あなたたちは?』」
ホルウェン「あの、プルーグの街で、あなたを連れて帰るよう依頼された者です」
GM「『父が……』と、アンナは暗い顔」
エルメス「あの、お気持ちはわかりますけど……って、私はモンテローザを知らないからあんまりわかんないけど、ムオー教団は悪い教団なんです。どうか家に帰ってください」
GM「アンナは渋々頷くね」
ホルウェン「そもそも、どうしてこの教団に?」
GM「それは、大した意味はない。家を出たくて、教団に入れば街も出られるし、生活も保護されるから。別に教義に共感したわけじゃない。もちろん、プリースト技能もない」
ホルウェン「じゃあ、次は一旦アンナを連れてプルーグに戻るのかな?」
GM「いや、アンナに関しては、依頼料着払いで、適当に冒険者を雇って帰ってもらおう。君らにはそんな悠長なことをやってる暇はない」
エルメス「じゃあ、アンナはそういう方向で。次はドラフだね」
ドラフ「うがぁぁっ! うがぁぁっ!」
ホルウェン「オランまで連れて行けば、クエストは解除できます? 私のクエストもまとめて解除したい。どうせ“魔鏡”が教団にあることがわかったから、クエストなくても追いかけるし」
GM「んーーー、琴美ちゃんには新しいキャラを作ってもらおうと思っていたが……んー、やっぱり却下しようかな」
エルメス「えーっ!」
GM「ホルウェンの命を狙えって言うクエストかかっている人間が、オランまで一緒に旅ができるとは思えない。まあ、次がオランかどうかはまだ考えてないけど、」
ホルウェン「じゃあ、ドラフは?」
GM「1週間後に解放される。その時にはもう、ホルウェンの居場所がわからないから、積極的に殺そうとはしても、実現はできないだろうね」
ホルウェン「じゃあ、すべて終わったら、故郷の森で再会できることを願って……」
ドラフ「こうなった今、人間の俺はあんまり森に帰る意味もないかも」
GM「それは言えるな。もう老いて死ぬだけだし。ホルウェンは長生き」
ホルウェン「寂しいね〜」
エルメス「じゃあ、後はリウスたちだね。宿に戻ってみようかな」
GM「そうすると、エルメス宛の手紙が置いてある」
エルメス「読もう」
GM「『Dear エルメス。メイムウェインが迷惑をかけてしまって、申し訳ありません。ブロンズ・パ=ロットは僕たちが討ちますから、エルメスはこの件から手を引いてください。エリックの友達のことも僕たちが引き受けます。エルメスはエリックと仲直りして、幸せに暮らしてください』」
ホルウェン「エリックの友達って?」
エルメス「(GMに)友達って?」
ホルウェン「えー! 私はPC発言でエルメスに聞いたのに! ミンフのことでしょ!?」
エルメス「あー、そういえば、元々その人が“心”を奪われたから、私とエリックはこの件に首を突っ込んだんだっけ? リウスはよく知ってたね」
GM「第3話で、君がニィルスレイトにそう言っている」
エルメス「じゃあ、この件はリウスに任せて……」
ホルウェン「任せて……」
GM「もちろん、ホルウェンはそう考えると、激痛が襲うよ」
ホルウェン「うわわ。エルメス、私はクエストかけられてるし、“魔鏡”のこともあるから、教団を追うわよ?」
エルメス「短い付き合いだったけど、楽しかったよ。握手を……」
ホルウェン「えーっ!!」
エルメス「冗談冗談。でも、女の子二人ってのは心もとないなぁ……」
ドラフ「うがぁぁっ! うがぁぁっ!」
エルメス「それはもうわかったから」
GM「じゃあ、とにかくエルメスとホルウェンはブロンズを追いかける方向でよかったな?」
ホルウェン「はい」
エルメス「しょうがない」
GM「んじゃ、第12回はこの辺で〜」
エルメス「うにゅ〜」
◆ 反省 ◆
水原(GM)「経験点は、女の子二人は1,200点、ドラフは500点ね」
琴美(ドラフ)「やっぱり少ない……」
水原「無謀すぎ。まあでも、たぶんもう出てこないから。ちょうどエルメスとホルウェンを離れさせるいい理由ができた」
由佳里(ホルウェン)「やっぱり最後はエルメスとエリックとリーザ?」
水原「次に琴美がやるキャラをどう切り離すかが難しくなるな。まあ、適当に考えておこう」
ほずえ(エルメス)「1ゾロ1回で1,210点」
水原「ああ、このキャンペーンって、ボーナスがあるんだっけ? アビゴルのレベルが5だったから、1,250点だな」
雪島「さてと、それじゃ、謎解きやろうか。今回はっきりしたこととして、教団がメラクリウスとクリーナをだましてたんじゃなくて、教団とクリーナがメラクリウスをだましてたってこと」
ほずえ「ええっ!? そうなの!?」
雪島「そうだったじゃん(笑)。ニィルスレイトは、『人間を信用しすぎた』って言ってたでしょ? 残ってる人間はクリーナしかいない」
由佳里「第9回で、クリーナはいかにもシルファのためって言う言い方をしてるけど」
雪島「嘘ついてたのかな?」
ほずえ「やっぱりクリーナが“五指”じゃなかったのかな? “五指”に数えられるような人が、バレーツィンを裏切るなんて考えにくいし」
雪島「“五指”でもない人が、メラクリウスに進言したりできるとは思えない。私はニィルスレイトが違う気がする」
由佳里「私はリウスがシルファの個人的なつながりだって可能性を推しますけど」
ほずえ「じゃあ、クリーナは“五指”の方向で行くとして、なんで裏切ったのかな? そもそも、アノスの事件で人間が嫌いになって、バレーツィンに行ったんだよね?」
雪島「ブロンズがクリーナをだまして、クリーナがメラクリウスをだまして、っていう連鎖?」
由佳里「ニィルスレイトは、元々メラクリウスの判断に疑問を持ってたから、きっとどこかで真相を調べてたんだね」
ほずえ「だいぶ物語も大詰めって感じだけど、エルメス編って、まだ後3回あるんだよね?」
水原「予定だと。ただ、そういう枠が足枷になってたってのも、4年も空いた理由の一つだから、やめるかも」
ほずえ「よく復活したね、このキャンペーン」
水原「まだわからんぞ? とりあえず『子供たちの冒険』のおかげだな」
雪島「あれ、絶賛してくれてるけど、1回1回のプレイはともかく、キャンペーンとしてはこっちの方が重厚で面白いと思う」
水原「レベルの問題だろ。あっちは、レベル低いから、小さいイベントをぽこぽこやるって、最初に宣言してたし」
雪島「それもあるね」
由佳里「あっちはあっちでもちろんやりたいけど、ホルウェンは私が初めてプレイしたキャラだから、まずこっちを完結させたいです」
水原「次とその次が山だな。第15回は対ブロンズ戦になるだろうからいいとして。これだけ謎が出揃うと、ぼちぼちネタ切れ。と言って、今さら本筋と関係ないシナリオってのもなぁ」
雪島「次は私の新キャラ絡みの話でいいんじゃない?」
水原「その方向で考えておこう。クリーナのことに見当がついた以上、第10回をプレイしてもいいんだが、しばらくこっちやるから」
ほずえ「了解〜」
水原「んじゃ、4年ぶりのプレイはこの辺で。お疲れさん」
由佳里「お疲れ様です〜」
ほずえ「にゅい♪」
雪島「お疲れー」
▲ Back