エリックとエルメス 第15話『信仰』


◆ ミニ雑談 ◆

 前回の経験点は、エルメスが1,380点、ホルウェンが1,370点でした。
 エルメスは前回ファイターを上げたので、今回は保留。ホルウェンもシャーマンLv.4を目指して保留します。

水原(GM)「さてと、じゃあ、第15回だな。第10話で宣言した通り、直接キャンペーンとは関係ない話をやろう」
ほずえ(エルメス)「マーファ様、私はこの通り、改心いたしました」
由佳里(ホルウェン)「今日、琴美さんは?」
水原「たまには休むって」
ほずえ「先輩がいない回って、このキャンペーンで初めてだよね」
水原「そうだな。第13話はしばらく雪島不在だったが」
由佳里「何か話します?」
水原「何か話したい?」
由佳里「私は別に」
ほずえ「同じく」
水原「じゃあ、さくさくシナリオに入ろうか。何も考えてないが」
由佳里「せんぱぁい……」

◆ 滝 ◆

GM(水原)「じゃあ、エルメスは裸で滝に打たれる日々、ホルウェンは木々とお話する日々」
ホルウェン(由佳里)「木々さん、今日はいい天気ね」
GM「『そうだね、エルフの女の子! 今日は絶好の光合成日和だ!』」
ホルウェン「それは、木々の声?」
GM「そう」
ホルウェン「木々さんは、この森の中に古い教会があるのを知ってる?」
GM「『ははは! 残念ながら、俺はここから動けないからな!』」
ホルウェン「残念」
エルメス(ほずえ)「なんか楽しそう」
GM「『エルメス、雑念は許しません!』」
エルメス「それは、マーファの声?」
GM「そう。でも実はグレムリン」
エルメス「えーっ!」
GM「時々近隣部族の男の子がやってきては、君の裸を眺めて帰っていくよ」
エルメス「ヤ、ヤだ。恥ずかしい。あっち行って! しっ、しっ!」
GM「『な? ほんとだろ』『ほんとだ! 女の子が裸で滝に打たれてら』『いい胸だな』」
エルメス「服を着たい……」
GM「『いけません、エルメス。自然であれ。人間は人間として自然であるべきです』」
エルメス「人前で服着てないのは不自然です!」
GM「歯向かうのね? 『まだまだ反省が足りませんね。もう少し延ばしましょう』」
エルメス「えっぐえっぐ」
ホルウェン「ねえ、エルメス。まだなのー?」
エルメス「まだみたい……」
GM「近隣部族の男の子が不思議そうにホルウェンを見て言うよ。『こっちのエルフは裸にならないのか?』『裸見せろよ!』」
ホルウェン「最近、ライトニングの練習をしたいと思ってたのよねー。ちょうどいいわ」
GM「マーファ様は、自衛のため以外の戦いは否定しておられます」
ホルウェン「私は関係ないし」
エルメス「止めなくちゃ。ダメよ、ホルウェン。そんな、力のない市民にライトニング使うなんていう、エリックみたいなことしちゃ」

 第6話参照。

GM「『ほら、エルフ! あの子もああ言ってるじゃないか! 早く脱げよ!』『脱げ脱げ!』」
ホルウェン「放っておこう。あそこに裸の子がいるんだから、あの子でいいじゃない。私は木々と話をしてるの。邪魔しないで」
GM「『ちぇっ、つまんねーの。あっちの子の裸見に行こうぜー!』随分間近で、石に腰かけて裸見てるよ」
エルメス「わ、わかったから、早くシナリオに入ってよ!」
GM「シナリオ、ないし」
エルメス「マーファ様、そろそろ私の信仰をお認めになってくださいな」
GM「『まだダメです。今終わると、エリックたちの到着とタイミングが合わなくなります』」
エルメス「な、何そのGMの都合みたいな理由は!」
GM「その内男の子が近付いてきて、触ろうとするけど」
エルメス「蹴ろう。これは自衛です。げしっ!」
GM「それは自衛だね。男の子は憤慨するぞ。『こいつ、見世物のくせに、蹴ったぞ!』」
エルメス「もう! あっちに行って!」
GM「まあ、そんな毎日を送っていると……」
エルメス「しくしく」
ホルウェン「あ、基本形に戻った」
エルメス「基本形?」
ホルウェン「しくしく。他に、『ぐすっ』とか『くすん』が……」
GM「最近は『えっぐえっぐ』が主流だな。ある晩、夢の中にマーファ様が現れて、こうおっしゃる。『エルメス、あなたはよく頑張りました』」
エルメス「ええ、頑張りました。滝に打たれる苦しみよりも、男の子たちに裸を見られる方が苦しかったです。ええ!」
GM「無視無視。『実は滝の裏には洞窟があります。明日、その洞窟に入って最後の修業を行いなさい。仲間は一緒でもいいですが、仲間が教えに反することをしようとする場合も、あなたは教えに忠実でありなさい』」
エルメス「はいはい。自然であります」
GM「『よろしい。服は着てはいけませんよ? 裸でありなさい』」
エルメス「な、なんで……」
GM「『じゃあ、そういうことで!』やがて朝になる」
エルメス「ちなみに、私はずぅぅっと服を着てないの?」
GM「もちろん。ホルウェンは服着てるから、あまりにも滑稽だね」
エルメス「ホルウェンの前でも恥ずかしい……」
ホルウェン「気にしてないから気にしないで。私はこれはマーファとかいう神様の趣味だって理解してあげるわ」
エルメス「GMの趣味だって理解してね」
GM「靴と靴下の着用は認めるよ。ちなみに、武器は持ってもいいから。道具を持つことは許すけど、髪飾りとか、何か装飾品を身に着けるのはダメね」
エルメス「しくしく。髪飾りもホルウェンに着けておこう」
ホルウェン「指輪はともかく、あんまり欲しくないけど、まあいいわ」
エルメス「ねえ、ホルウェン。滝の裏側に洞窟があって、そこで最後の修行を受けるんだって。一緒に行こうね」
ホルウェン「私は木々とお話してるから、頑張ってね」
エルメス「そんなこと言わないで。ね? なんなら、一緒に裸になってくれてもいいよ?」
ホルウェン「ならないならない。じゃあ、ついて行こうかしら」
GM「じゃあ、滝の裏側だな。ぽっかり穴が空いてる。地面の部分も平らじゃなくて、全体としてまん丸。歩きにくそうだ。大きさは十分ある」
エルメス「二人は並べないわけね?」
GM「そうだね」
エルメス「じゃあ、私が前で、生命力の低い人は後ろで」
ホルウェン「防御力は今は私の方があるけどね♪」
エルメス「全裸だし……恥ずかしい」
GM「明かりは?」
ホルウェン「エルメスが松明持ってね」
エルメス「はいはい」
GM「じゃあ、しばらく歩くと、知名度」
エルメス「13」
ホルウェン「14」
GM「二人ともわかるよ。インプだね。ML1で、明らかに魔法の光を帯びた綺麗な小さな箱を持ってる」
ホルウェン「エルメス、あれは何かしら」
GM「ちなみに、インプはすっかり怯えたようで、敵意はないね。びくびくしながら、大事そうに箱を抱えてる」
ホルウェン「インプさん、インプさん。その箱を私にくださいな」
GM「もちろん、言葉はわかんないし、インプは決して離そうとしない」
ホルウェン「誰も見てないし、サクッとやっつけて、箱を奪っちゃおう!」
エルメス「ホ、ホルウェンが私を試すマーファ様の回し者に見えてきた。ダメよ、ホルウェン。そんなことしちゃ」
ホルウェン「私はマーファとは無関係だしぃ」
GM「なんで急にギャルっぽいんだ?」
ホルウェン「っていうかぁ、関係ないしぃ。魔法好きだしぃ。中身が気になるって言うかぁ、そんな感じぃ?」
エルメス「ほら、ホルウェン。何も見なかったことにして行きましょう」
ホルウェン「ちぇっ」
GM「じゃあ、やがて向こう側から光が差してきて、洞窟を出るね。一面の草原の真ん中に、道が走ってる。なだらかな丘の天辺に、小さな村が見えるよ」
ホルウェン「エルメス、村があるわ。行ってみよう」
エルメス「こ、この格好で?」
ホルウェン「今さらじゃない。そうだ! バカには見えない服を着てることにしましょう!」
エルメス「ナ、ナイスアイデアね……」
ホルウェン「嬉しくなさそう」
エルメス「あはは……」
ホルウェン「『バカには見えない服を着ています』って書いた紙を、エルメスの背中に貼っておこう。ぺたっ」
GM「もう、恐ろしいほどバカっぽい姿だな」
エルメス「えっぐえっぐ」

◆ 橋 ◆

GM「じゃあ、村だ。人口100人くらいの、村としてはそれなりの大きさかな。みんな、ひそひそ話しながら、遠巻きに君たち……正確には、エルメスを見てる」
エルメス「恥ずかしい……。通り過ぎたい。マーファ様の試練って、なんだろう」
ホルウェン「自分から探さなくちゃいけないんじゃない? 私が聞いてきてあげるよ。すいませ〜ん」
エルメス「なんでホルウェン、ずっと嬉しそうなんだろう……」
GM「じゃあ、中年の男が来るよ。『なんだい?』」
ホルウェン「何か事件とか起こってません? 冒険者です。事件がなかったら、ただの旅人です」
GM「『事件? わからんなぁ。村長さんに聞いてくれ』」
ホルウェン「そうしまっす」
GM「『ところで、あっちの女の子は、どうして裸なんだ?』」
ホルウェン「裸じゃないじゃない。服着てるけど、ひょっとして、見えないの?」
GM「『え? あ、いや、見える見える。俺は何言ってるんだろ、わはは!』」
ホルウェン「エルメス〜、村長さんのところに行けってさ」
エルメス「はいはい。じゃあ、村長さんのところに」
GM「じゃあ、村長さんの家だ。村長さんのお孫さんが出てきて、びっくり。13歳くらいの男の子。『姉ちゃん、なんで裸なの!?』」
エルメス「服を着てるのよ? 見えない?」
GM「『見えない、全然見えない。ちょっと触ってみていい?』って言いながら、腰の辺りに触ってくるよ。避けたければ、回避で12振って」
エルメス「(ころころ)避けた避けた。触っちゃダメ。呪われるわよ?」
GM「『マジで!? でら怖ぇじゃん!』」
ホルウェン「村長さんいる?」
GM「『呼んできてやるよ。おーい、じいちゃん! 裸の女とエルフが来たぜ!』ちなみに村人は周辺に集まってきてるよ。物珍しげに」
エルメス「もう、胸を張ろう。私は服を着てる、私は服を着てる」
GM「村長さん登場。50歳過ぎくらい。君を見て、露骨に目を反らせて、『中にどうぞ』って」
エルメス「いっそ直視してくれた方がいいかも」
ホルウェン「それで、村長さん、何か事件とかないです?」
GM「『事件と言うほどの事件でもないが、最近、川の橋が渡れなくて困っている』」
エルメス「どうして?」
GM「『タチの悪い連中が橋を占拠してしまったんだ。橋を通るためには、彼らに通行料を払わなくてはならない』」
ホルウェン「それはよくないわね! 橋を架けたのは誰なの?」
GM「『橋はこっちの村と、あっちの村とで金を出し合って架けた』」
ホルウェン「つまり、通行料なんて払う必要ないのよね?」
GM「『うむ。いくばくかの金を出すから、なんとかしてくれないかね?』」
ホルウェン「ええ、いいわ。やろうね、エルメス」
エルメス「う、うん……」
GM「じゃあ、橋に行ってみる?」
エルメス「なんか、展開が早いって言うか、適当って言うか……」
GM「適当。10メートルくらいの川幅だ。ちょっと広いか? まあ、あんまり大きくない川に、貧弱な橋が架かってて、タチの悪い連中が10人ほどたむろってる。エルメスを見て目がハートになるね」
エルメス「嬉しくない……。あの、村の人たちが困っています。通行料とか取るの、やめてください」
GM「『嫌だね。でも、あんたがヤらせてくれたら考えてやるよ』」
エルメス「そんなことできません!」
GM「『こんな昼間っから、こんなところに裸で来てよく言うぜ! ヤる気満々なんだろ?』」
エルメス「違います。服を着てます! あなたたちに見えないだけです!」
GM「『ほう。じゃあ、触ってみるかな』二人ばかり近付いてくる」
エルメス「我慢我慢。自衛に持ち込んで撃破……」
ホルウェン「それは教えに沿ってるの?」
エルメス「わかんないけど」
GM「二人は触ろうとするよ。回避は12で。2回ね」
エルメス「(ころころ)余裕と余裕。やめてください! 怒りますよ?」
GM「『じゃあ、や〜めたっと。帰った帰った、露出狂!』」
エルメス「ち、違うもん! 通行料を取るのをやめると約束してくれますね?」
GM「『嫌だね。そうしたら、俺たち、食い扶持がなくなっちまう。盗賊にでもなって、もっとひどいことになるぜ?』」
エルメス「真面目に働けばいいじゃない」
GM「『めんどくさ〜い』」
ホルウェン「もうやっつけちゃおうよ!」
エルメス「うぅ……。あなたたち、どうして私に攻撃しないの!?」
ホルウェン「何それ!」
GM「『強そうだし。それにしてもいい身体だな。処女?』ちなみに君は、エリックに入れられてるから、処女じゃないね」
エルメス「処女だもん! そうは答えないけど。そんなことあなたたちには関係ないでしょ!? 言うこと聞かないと、サクッと斬りますよ?」
GM「『怖い怖い、やっぱり冒険者は人殺しの集団か?』」
エルメス「むぅ。橋を渡ってみよう」
GM「何もしないけど」
エルメス「通行料は取らないの?」
GM「『弱い人間からしか取らないんだよ』」
エルメス「じゃあ、私が村人と一緒に通ったら?」
GM「『取らないね。あんた、ずっと村で暮らして、誰か橋を通るたびについて来るかい?』」
ホルウェン「私がサクッとやっつけるから。まどろっこしいこと、嫌いなのよねー」
エルメス「だ、だめよ、ホルウェン。これはマーファ様……GMの罠よ!」
ホルウェン「困ったねー。私は草とお話してよっと」
GM「もう、傍観者モード?」
ホルウェン「エルメスの成長を願う、お姉さんのように」
エルメス「そうは見えないけど……。じゃあ、村の人たちみんな連れてきて、徹底的に抗議しよう。暴力を振るってきたら、容赦なくサクッと」
GM「じゃあ、一旦村に帰る?」
エルメス「そうする」
GM「うい。村です、どうぞ」
エルメス「村長さんにそういう話をしよう」
GM「じゃあ、村長さん。『しかし、一時的にいなくなったとしても、また来るかもしれない。懲らしめてくれないと何も変わらない』」
エルメス「マーファ様は、必要のない暴力を嫌っておられます」
GM「『必要な攻撃じゃないかね? それに、相手はマーファ様の教えがわかる連中じゃない』」
ホルウェン「一時的にしか解決しないってのは確かにそうね」
エルメス「じゃあ、やっぱり懲らしめなくちゃダメだね。剣で斬ったりしなければ平気かな」
GM「戻る?」
エルメス「戻ろう」
GM「じゃあ、もう連中はいないね。橋に張り紙がしてあるよ。『露出狂の女へ。ほとぼりが冷めるまで撤退することにした。あばよ』」
エルメス「えっと……これで、しばらくは通行料を払わずに橋を渡れるわね」
ホルウェン「ダメじゃん……。これじゃあ、一時的……」

◆ 嘘 ◆

エルメス「もう戻っても大丈夫かな? 私は十分信仰を見せた?」
GM「『まだです、エルメス。信仰ポイントがリミットブレイクするまで、あなたは歩き続けなければなりません』」
エルメス「早くリミットブレイクして……」
ホルウェン「じゃあ、次の町に♪」
エルメス「なんだか、今日は楽しそうだね」
ホルウェン「うきうき」
GM「由佳里ちゃんが変だ。じゃあ、次の町……っていうか、村です。人口は同じくらい。遠巻きに君たちを見てる」
ホルウェン「さっきと同じだ。ちょっと近くの人に事件がないか聞いてみよう。ちなみに、橋はもう大丈夫です……しばらくは」
GM「じゃあ、中年のおばさんが答えるよ。『この村は規則が厳しいからね。平和は平和だよ……。ところで、あっちの娘さん、裸なのかい?』」
ホルウェン「いいえ、服を着てるわ。見えないの?」
GM「『見えないねぇ。まあ、私はいいんだけどね、私は。知らないよ』おばさん、すごすごと撤退」
ホルウェン「なんなんだろう。ねえ、エルメス。また村長さんのところに行ってみない?」
エルメス「そうしようか」
ホルウェン「慣れてきた?」
エルメス「慣れてきた」
GM「見られることが快感になってきた? 『おい、見ろよあの女。裸なばかりか、股が濡れてるぜ!?』」
エルメス「濡れてないもん!」
GM「じゃあ、村長宅。村長の息子、25歳くらいの若い男が出てくるよ。それから、君に聞くね。『君は、なんで裸なのかい?』」
エルメス「服を着てます」
GM「『じゃあ、ちょっと触らせてくれよ』近付いてくるよ」
エルメス「逃げよう。嫌です」
GM「『やっぱり着てないんじゃないのか?』」
エルメス「着てます!」
GM「『じゃあ、触ってみてもいいだろ?』」
エルメス「ダメです。これは呪いの服だから、あなたが呪われてしまいます」
GM「『ふーん』男は中に通してくれるよ。村長だ。『あなたは、どうして裸なんだ?』」
エルメス「服を着てます」
GM「『神に誓えるか?』」
エルメス「マーファ様に誓って」
GM「『ふむ……。ちなみに、事件はないが。この村は規則が厳しいから、平和なんだ』」
ホルウェン「何か引っかかる言い方……」
GM「村長はしばらくもてなしてくれるよ」
エルメス「じゃあ、適当にお茶をすすってから、帰ろうか」
ホルウェン「ご馳走様でした」
GM「外に出ると、君たちは村の若い衆、10人に取り囲まれる。周りには他の村人もいる」
エルメス「な、なんですか?」
GM「『お前は服を着ていないだろう!』」
エルメス「着てます!」
GM「男たちは一斉に近付いてきて、触ってくる。現実的に回避は無理だから、触られるか、触られないための何か行動宣言して」
エルメス「な、何なの? 大声で怒鳴ろう。やめなさい! 何ですか!?」
GM「じゃあ、触るね。むにゅ」
エルメス「あぅ」
ホルウェン「どこ触られたの?」
GM「いや、普通の場所だよ。『この女、やっぱり服を着てないぞ!』」
エルメス「わ、悪かったわね! 事情があるのよ!」
GM「『つまりお前は、嘘をついたわけだな? この村では嘘つきは10時間火あぶりの刑に処されることになっている』」
エルメス「な、何!? 私はこの村の人間じゃないから、そんなの知らないわ!」
GM「『この嘘つきを引っ捕えろ!』10人が一斉に襲いかかってくるよ」
ホルウェン「私には?」
GM「同罪」
ホルウェン「エルメスがなんて言おうと、私は抵抗するよ!」
エルメス「こ、これは自衛のための戦いね? 剣を抜こう。すらり」
GM「『おお、この女ども、嘘をつくばかりか、剣まで抜きおった! 悪魔だ!』『悪魔だ、悪魔だ!』『悪魔ー!』」
エルメス「嫌な気分。体当たりで突破しよう。できる?」
GM「じゃあ、3人の男と対決。冒険者+筋力で振り合おう。こっちの基準値は4だ」
エルメス「私、8だけど」
GM「それが冒険者と一般民との差だな。ホルウェンもね。先にこっちが全部振るよ。エルメスは8、12、失敗、ホルウェンは13、12、12」
ホルウェン「だ、だいぶ差がある気が……」
GM「ダイスの神様のおぼしめし。1ゾロは自動失敗ね。エルメスは2回でいいよ」
エルメス「19、13で成功♪」
ホルウェン「あっけなく捕まりました」
エルメス「ああ、ホルウェン!」
GM「ホルウェン、出目は?」
ホルウェン「10、14、10」
GM「じゃあ、二人に捕まったね。縄をかけてくるから、解きたければ、また冒険者+筋力。さっきのは敏捷度の方が良かったかな……まあいいや。13と8。-2で振って」
ホルウェン「7と11……。縛られた」
エルメス「助けよう」
GM「剣を抜く?」
エルメス「うっ……。でも、これは自衛、自衛、自衛……」
GM「『嘘は罪だ! 罪人め! 剣まで抜く気か!?』」
エルメス「剣を抜いて脅そう。その子を離しなさい! 斬りますよ!?」
GM「『ええい、ひるむな! 村の威信にかけて引っ捕まえろ!』5人が襲いかかってくる。斬る? 逃げる?」
エルメス「剣の腹の部分で頭以外の場所を殴ろう。何で振ればいい?」
GM「いや、自動成功でいいよ。所詮一般民だし、そっちはファイターLv.5だからね。一人がばたっと倒れて、みんな蒼白。『この女、ついに剣を!』」
エルメス「今の内にホルウェンを」
ホルウェン「助かったー! 助かった?」
GM「助かったよ」
エルメス「行きましょう!」
ホルウェン「はいはい。追ってくる?」
GM「いや。じゃあ、君たちは村を抜け出した」
エルメス「な、なんなんだろう、このシナリオ……」

◆ 服 ◆

ホルウェン「次の村?」
GM「おう。人口200人くらいの、ちょっと大きめの村だな」
エルメス「服を着てもいいかな? ちょっとマーファ様に聞いてみよう」
GM「『いけません、エルメス。服は着てはいけません』」
エルメス「どうしてですか?」
GM「『自然である練習です』」
エルメス「どこがどう練習なんだろう……」
GM「君らが村に入ると、子供たちが集まってくるよ。『わぁ、変態だ! 変態!』『変態、変態♪』お母さんが来て、『見てはいけません!』って」
エルメス「も、もう泣きたい……」
ホルウェン「少し離れて歩こうかな」
エルメス「ホルウェン! むしろ手をつないで歩きましょう!」
ホルウェン「嫌よ」
GM「青年も来るね。『バカには見えない服を着てるって書いてあるぜ。バカでよかった』『まったくだ。こんな可愛い子の裸が見られるんだもんな』『服に感謝!』」
エルメス「向こうに行ってください!」
GM「『君の方が勝手に裸で入ってきたんじゃないか。見られるのが嫌なら、バカにでも見える服を着ろよ』」
エルメス「事情があるのよ……ああ、もう嫌」
ホルウェン「ところで、何か事件はない?」
GM「『裸の女の子がやってきたのが、差し当たって一番の事件かな』」
エルメス「この村には何もないわ。行きましょう、ホルウェン」
GM「そう言うと、マーファ様の声が。『いけません、エルメス。逃げるような行動はよくありません』」
エルメス「だってぇ……」
GM「それなりに武装した中年の男が二人ほどやってくるよ。『君ぃ、服を着てくれ。ここをどこだと思ってるんだ』」
エルメス「これには事情が……」
GM「『村の人間に変な刺激を与えないでくれ。女子供もいるんだ。君は恥じらいというものがないのか?』」
エルメス「あ、あります! すごく恥ずかしいんです!」
GM「『じゃあ、服を着てくれ。でなければ、さっさと出て行ってくれ』」
エルメス「どうしよう。どっちもダメって言われてる……」
ホルウェン「困ったね」
エルメス「他人事みたいに……。無視して歩いて行こう。なるようになるでしょう」
GM「じゃあ、男たちは顔を見合わせてから剣を抜く。『お前は、本当に人間なのか?』」
エルメス「正真正銘の人間です!」
GM「『いいや、怪しい!』と言って、一人が斬りかかって来る。もう一人は『おい』って驚くけど、ダメだね。9と言って攻撃」
エルメス「(ころころ)当たりようがない。何するんですか!」
GM「『みんな、武器を持って来てくれ! こいつはラミアだ! 間違いない!』」
エルメス「ラミア? (ころころ)9は14」
ホルウェン「それより低い」
GM「じゃあわからんね。プレイヤーには言うと、上半身が女性で、下半身が蛇、若い人間の娘に化けては、青年をたぶらかしてその血をすする化け物だ」
エルメス「ひえー。ラミアは知らないけど、私は人間よ!」
GM「3人くらい斬りかかって来る。8、11、11。ホルウェンには10、16、11」
ホルウェン「わ、私、回避ないし! 16って……」
エルメス「私は全部回避」
ホルウェン「もちろん、全部受けるし」
エルメス「ああ、ホルウェン」
GM「一人回って、10発、7発、6発」
ホルウェン「し、死ぬ……。3点、0点、1点受けて、残り6」
エルメス「もう怒った! これは自衛。攻撃、18」
GM「避けれないねぇ」
エルメス「(ころころ)でも加減して、12発」
GM「じゃあ、一人バタッと。致命傷じゃないが、痛そうだ」
ホルウェン「じゃあ、私はライトニングで一掃?」
エルメス「ま、待って。それはまずい」
ホルウェン「じゃあ、空にライトニング。威嚇しよう。17で成功。あんたたち、どかないと次は当てるわよ!(残り精神点13)」
GM「じゃあ、村人は戦意喪失だ」
エルメス「もう行ってもいいかな? 行こう、ホルウェン」
ホルウェン「逃げろや逃げろ」
GM「村人は追ってこないね」
ホルウェン「じゃあ、外でヒーリング。成功♪(残り精神点9)」
エルメス「このシナリオ、どこに行きつくんだろ……」
ホルウェン「各イベントごとに、対応を細かくチェックされてたりしてね」
エルメス「うぅ……」

◆ 薬 ◆

GM「次の村はまた100人くらい。どこか陰鬱な空気に包まれてる」
ホルウェン「近くの人に聞いてみよう。どうしたんですか?」
GM「近くの人は、エルメスを見て驚くけど、それどころじゃないみたいだね。『村長さんの娘さんが病気になって……。とても悪い病気みたいなんだよ』」
エルメス「見に行こうか」
ホルウェン「そうだね」
GM「じゃあ、村長邸だ。息子が出てきて、驚くよ。『えっと、君たちは?』」
エルメス「冒険者です。娘さんが病気だって聞いたから、見に来ました」
GM「『そ、それは、どうも……』息子さんは非常に何か言いたそうだけど、中に通してくれるよ。17歳くらいの思春期だから、恥ずかしそうにしながらも、ちらちらと君の胸を……」
エルメス「もう慣れた……。彼らは私の服を見てるのよ、ええ、そうに決まっている」
GM「村長さん登場。かなり驚くけど、娘さんのところに連れてってくれるよ。娘さんは、15歳くらいの素朴な感じの子で、布団に入って唸ってる。熱が高いみたいだ」
エルメス「何かわかります?」
GM「ヒーラーないから、素で振って。いや、レンジャーでもいいや」
エルメス「(ころころ)高い! 15」
ホルウェン「素で11」
GM「頑張ったね。じゃあ、エルメスは薬になる草がわかるよ。えっと……ブレンダ草って草にしようかな」
エルメス「それはどこにでもあるものなの?」
GM「いや。崖とかにある」
エルメス「ひえー」
GM「娘さんがうっすらと目を開けて君を見て、ますます顔を赤くする。『どうして……裸なんですか……?』」
エルメス「答えずに、薬を取りに行こうかな。ああ、依頼って形にしてもらおう」
GM「もちろん、村長さんは大歓迎だ」
ホルウェン「じゃあ、元いた滝に戻る? あそこならあるのかな?」
GM「そんなところまで戻らなくても、村を出てしばらく歩くと崖がある。崖の下にいるんじゃなくて、上にいる。100メートルくらい下に川が流れてる」
エルメス「えっと、ブレンダ草は?」
GM「ダイス振って。レンジャー+知力ね。15以上で見つかる。一回の挑戦で10分」
エルメス「(ころころ)1ゾロ……これはカウントしていい?」
GM「んー、いいよ」
エルメス「やった☆ 10点! (ころころ)20点目!」
ホルウェン「エルメス、探す気あるの?」
エルメス「あるある。11以上ね。3回目、ダメ。4回目、ダメ。5回目で成功♪」
GM「結構早く頑張ったね。じゃあ、80メートルくらい下に……」
ホルウェン「エルメス、そんなの、よく見つけたね……」
エルメス「勘よ、勘」
ホルウェン「レビテーションは術者だけだし、3分しか効かないから、一旦、フォーリング・コントロールで降りようか」
エルメス「そうしましょう」
ホルウェン「成功と成功。魔晶石使います。(残り5つ)」
エルメス「下りるついでに取れる?」
GM「ふむ。じゃあ、1分かけてそこまで行くと、下の方から少年がロッククライミングで登って来るのが見える。どうやらブレンダ草を狙ってるようだね」
エルメス「えっと、それは一つしか生えてないの?」
GM「生えてないよ」
エルメス「さっさと取っちゃおう」
GM「じゃあ、少年は『あっ!』て驚いて、思わず手を離して落下」
エルメス「だ、大丈夫かな? 下りて様子を……」
GM「ぐちゃぐちゃに潰れてるけど、命はありそうだよ」
ホルウェン「なさそうなんですけど、命……」
エルメス「ぐちゃぐちゃに……」
GM「とにかくヒーリングかけてあげて」
ホルウェン「(ころころ)成功です(残り精神点5)」
GM「少年は礼を言ってから、ブレンダ草が欲しいって言うよ。彼は崖の下の村に住む少年で、妹が病気らしい」
エルメス「あの、どこか他に生えてないの?」
GM「じゃあ、10回振って、1回でも6ゾロが出たら見つかる。1ゾロのカウントはなしね」
エルメス「2、7、6、6、7、7、5、11、2、11」
ホルウェン「ダメだぁ……」
GM「じゃあ、見付からないね。『お願いだよ! 妹を助けたいんだ! 死んじゃう!』」
エルメス「あのね、これを必要としている人が、他にもいるの。片方しか助からないのよ」
GM「『妹がどうなってもいいって言うのか?』」
エルメス「そうは言わないけど、しょうがないじゃない」
GM「『くそぅ!』少年は奪い取ろうとするよ。(ころころ)10」
エルメス「何で振ればいいの?」
GM「冒険者+敏捷度」
エルメス「ひらひら」
GM「じゃあ、少年は勢い余って倒れて、そのまま泣き出す。『うわーん!』」
ホルウェン「戻ろうか、エルメス」
エルメス「う、うん……。なんて後味が悪いんだろう……」
ホルウェン「6ゾロ振ってあげればよかったのに」
エルメス「振れるものなら振りたかったよぅ!」
GM「出る確率は1ゾロと同じはずだが。お前、ここ15回くらいのロールで、1ゾロ4回も振ってるぞ?」
エルメス「うぅ……」
ホルウェン「じゃあ、レビテーションで……」
GM「それ、100メートルも上れない。飛べるのはフライトだな。Lv.5」
ホルウェン「あぅ。死のロッククライミング?」
エルメス「裸だし、痛そう……」
GM「シーフなし、ロープなしの登攀はできないね。まあ、レンジャーでもいいと思うが。オリジナルルールになるけど。いずれにせよ、ホルウェンは無理」
ホルウェン「どこかから登れません? 普通の登山道みたいな」
GM「かなーり大回りすれば、一週間くらいで」
エルメス「わ、私たち、そんな暇ないんだけど……。真っ直ぐ帰ると?」
GM「一週間くらいで」
エルメス「なんてことみ先輩……」
ホルウェン「戻ったら、娘さん死んじゃってたりして……」
エルメス「あとどれくらいもちそうだった?」
GM「4日くらいかな」
エルメス「……さっきの子の妹に使おうか」
ホルウェン「どっちも助からないよりいいね」
GM「じゃあ、少年は満面の笑みだ。『ありがてー! ああ、あんたら、天使様だ! 服も着てないし!』」
エルメス「うるさい。じゃあ、子供の家に行く」
GM「村は結構近くだ。100人くらいの村。村人は奇異の目で全裸の少女を見るよ」
エルメス「慣れた慣れた」
GM「だいぶ自然になってきたな」
エルメス「ええーっ!?」
ホルウェン「今のはちょっと面白かったです」
GM「じゃあ、少年の家ね。妹は治って、そろそろ遅いから、今夜は泊まって行くといいよ。ホルウェンも精神点回復ね」
エルメス「おやすみ〜」

◆ 贄 ◆

GM「翌日、裸の少女が娘を助けた話は村中に伝わっていて、村長さんがお礼を言いたいって呼んでるよ」
エルメス「行こうかな」
GM「『おお、本当に裸だ。いや、服を着てるんだったかな。ちょっと向こうを向いて、四つん這いになってくれんかね?』」
エルメス「い、嫌です!」
GM「マーファの声が。『エルメス、四つん這いになりなさい』」
エルメス「う、嘘だ……。やっぱりグレムリンだ……」
ホルウェン「カメラカメラ」
GM「ホルウェン、お前もか……」

 第10話でリーザがクリーナと抱き合うエリックの写真を撮っていた。

ホルウェン「それで、用件は?」
エルメス「用件って……。お礼じゃなかったっけ?」
GM「実は用件がある。『実は、頼みたいことが……』」
エルメス「四つん這いにはなりませんよ?」
GM「『森に化け物が住んでいて、生贄として若い娘を差し出さなければならん。半年に一度、一人ずつ、違う村から差し出していて、今回はこの村なんだ。しかも今日』」
ホルウェン「な、なんて都合のいい……って言うか、悪いって言うか」
エルメス「はぁ……。差し出さないとどうなるんですか?」
GM「『村の人間が化け物に襲われたり、畑を荒らされたり、さんざんな目に』」
エルメス「えっと、それで?」
GM「『お前さんたち、冒険者なんだろう? 金は出すから、救ってくれ』」
エルメス「どうも、受けないとダメな流れだね」
ホルウェン「頑張って行こう♪」
エルメス「楽しそう……」
ホルウェン「化け物はどんな感じなの? 強いの? 大きいの?」
GM「『上半身が人間の男で、下半身がサソリだとか』ちなみに、知名度で振って」
エルメス「9は14」
ホルウェン「それより低いです」
GM「14ならわかるな。アンドロスコルピオってモンスター。俺も初めて知った。砂漠に棲むらしいが、まあ特別に」
エルメス「MLは?」
GM「4だよ。精霊魔法も使う。3レベルまで」
エルメス「裸じゃなければなぁ……。まあ、しょうがないか」
ホルウェン「ちなみに、娘さんは戻ってこないの?」
GM「『戻ってこない。一人だけ戻ってきた娘がいたが、おかしくなってて、硬いのが、硬いのがぁ……って』」
エルメス「い、いやらしい……」
ホルウェン「セクハラプレイ、復活?」
GM「だって、エルメス、裸だし。サソリプレイ」
エルメス「絶対に嫌!」
GM「じゃあ、森に行こうか。エルメスは生贄ボックスの中に入れられるよ。村人が運んで、放置して帰っていく。ホルウェンは適当なところから見てていいよ。エルメスのサソリプレイを!」
ホルウェン「助けます! 気が向いたら」
エルメス「気が向かなくても助けて」
GM「じゃあ、夜になると、アンスコ登場。『げへへへへ。今回はどんな娘じゃ? けけけ?』」
エルメス「飛び出して剣を抜こう」
GM「『おうおう、可愛い娘じゃ、けけけ。しかも裸じゃ! けけけ。硬いの欲しいか? 欲しいか?』」
エルメス「い、要りません!」
GM「『さあ、そこに四つん這いになって! 硬いの入れてあげるよぉ? けけけ』」
エルメス「1ラウンド目ね」
GM「四つん這いにならないの?」
エルメス「ならない!」

<1ラウンド目>

ホルウェン「エルメスにプロテクション。(ころころ)成功(残り精神点16)」
エルメス「じゃあ、攻撃。8は16」
GM「それは避けれない」
エルメス「14発」
GM「痛いなぁ(残り生命点11)。じゃあ、鞭みたいな武器でピシピシ攻撃+硬いので攻撃。振ろっと。13と10」
エルメス「回避、回避」
GM「つまらん。当たってよがれて」
エルメス「い、嫌……」

<2ラウンド目>

ホルウェン「なんだか余裕そうだから、静観してよっと」
エルメス「ホルウェンが手伝ってくれない。17と言って攻撃」
GM「避けれんなぁ」
エルメス「(ころころ)30点目」
ホルウェン「稼ぐね」
エルメス「えへへ」
GM「さっきと同じ。ピシピシが13、硬いのが10」
エルメス「回避は余裕だけど」
GM「ふぅむ。弱いなぁ」

 3ラウンド目。エルメスの攻撃が当たり、アンスコの残り生命点6。アンスコの攻撃は当たりようがない。
 4ラウンド目。エルメスの攻撃が15発。アンスコ逝く。

 ちなみに、魔法使えることを忘れてました。
 いくらなんでも、これでは弱すぎる(汗)。

エルメス「楽勝♪」
GM「じゃあ、倒すと今度は人間様のお出ましだ。5人の男たち。『お前、なんてことすんだー!』」
エルメス「は? あなたたちは?」
ホルウェン「気付かれてるかもしれないけど、隠れてよっと」
GM「『隣村のもんだっぺ。お前、生贄だろう。なんで食われないんだー?』」
エルメス「やっつけるって依頼だったし」
GM「村長は『やっつけて』とは言ってないけどね。娘を救ってくれと言っただけで」
エルメス「同じ同じ」
GM「『これでこいつらの仲間がどばーっと襲ってきたらどうしてくれるんだー?』」
エルメス「仲間がいるの?」
GM「『俺は3体いるのを見たことがある』『俺は10体だ』」
エルメス「ほ、ほんとかなぁ」
GM「『とにかく、勝手なことはしないでくれ! 生贄は生贄らしくしてくれ!』って言って、男たちは襲いかかってくるよ」
エルメス「逃げよう」
GM「じゃあ、冒険者+敏捷度で13を2回」
エルメス「(ころころ)あれ?」
GM「捕まったねぇ」
ホルウェン「捕まえた方にエネルギー・ボルト。9は15(残り精神点15)」
GM「どうぞ」
ホルウェン「(ころころ)あっ!」
エルメス「嫌な予感がしたんだよ、私は」
ホルウェン「13発」
GM「まあ、死ぬことはないよ」
エルメス「ダッシュ!」
ホルウェン「逃げろや逃げろ」
エルメス「村まで逃げて、村長さんにかくかくしかじか」
GM「すると村長さん、頭を抱えて言うよ。『中途半端だ! どうせ退治するなら、全部退治してくれなければ、村が襲われるかもしれない!』」
エルメス「そんなこと言われても、たくさんいるって知らなかったし」
GM「『こうなれば、こっちから巣に攻め込んで、やっつけてきてくれ! そこまでが依頼だ!』」
エルメス「なんだってこんなことに……」

◆ 巣 ◆

GM「じゃあ、巣ね」
エルメス「この無目的にだらだら続くシナリオは何?」
GM「ある一つの結末を目指してるんだよ」
ホルウェン「へー」
エルメス「絶対に嘘だから、感心しちゃダメだって」
GM「森を抜けると、砂漠のような砂地になってて、大きな岩山にぽっかり穴が空いてる」
エルメス「近付いてみようかな」
GM「すると、中からなかなかグロテスクな生き物が出てくる」
エルメス「それは、どんな感じ?」
GM「こう、部分的に人間で、部分的にサソリな感じ。アンスコの出来損ないみたいな。まだ小さいよ」
エルメス「ハーフアンドロスコルピオ!?」
ホルウェン「っていうか、こいつら、そういう生殖機能を有してるんですか?」
GM「さぁ、たぶん違うんじゃない? まあ、三流アダルトアニメみたいな」
ホルウェン「じゃあ、捕らわれた子たちは、この中で……」
エルメス「助けないと……今さら助けるも何もないかも知れないけど」
ホルウェン「エルメスもハーフアンドロスコルピオを産むの?」
エルメス「産みません!」
GM「危険感知。13で」
エルメス「なんて唐突な……。(ころころ)全然だめ」
ホルウェン「もちろん、6ゾロなんて出ない」
GM「じゃあ、そこに巨大な蟻が2体と、長虫1体。そいつらが何か音みたいなのを発して、巣からアンスコが3体。データはこれ見てね」
エルメス「し、死ぬ……」

<1ラウンド目>

ホルウェン「サンド・ウォームに3倍がけシェイド。(ころころ)うっ……。4は10の13?(残り精神点12)」
GM「3倍でよかったね。成功だよ」
ホルウェン「せあっ! (ころころ)1回回って13発!」
GM「おめでとう。サンド・ウォームは沈黙」
エルメス「アンスコは弱いことがわかったから、蟻Aに攻撃……は当たって、12発」
GM「打撃が低かったな(残り生命点16)。アンスコは近付いてくるだけね。蟻は両方エルメスに」
エルメス「回避回避♪」
GM「当たらんなぁ」

<2ラウンド目>

ホルウェン「アンスコにライトニングいけます?」
GM「いいよ」
ホルウェン「低い! 6は12(残り精神点8)」
GM「抵抗だねぇ」
ホルウェン「しかも3……。7発オール」
GM「全部残り生命点14ね」
エルメス「蟻Aに……当たって、13発」
GM「ちっとも通らんね(残り生命点11)。蟻とスケベモンスターズは、よってたかって裸娘に」
エルメス「ひえー。蟻Aの攻撃は回避。Bも回避。スケベモンスターズは……全部回避ね」
GM「ちょっと待って。3、5、3、7、4、5で全部回避なのか?」
エルメス「1ゾロ以外、当たらないから」
GM「なんてことみ……。次のラウンドから、振ろう」
エルメス「えーっ!」

<3ラウンド目>

ホルウェン「ライトニングいけます?」
GM「エルメス巻き込んでいいなら、全部に可」
ホルウェン「エルメス、耐えてね」
エルメス「え? 本気?」
ホルウェン「しょうがない。蟻Aにエネルギー・ボルト。成功の11発(残り精神点7)」
GM「6点受けた(残り生命点5)」
エルメス「じゃあ、とどめ。攻撃は当たって……」
GM「待て。振る」
エルメス「さっき、抵抗振らなかったじゃん」
GM「それもそうだな。攻撃だけ振ろう。面倒だし」
エルメス「じゃあ、13発ね」
GM「ちょうど倒れた。じゃあ、攻撃。蟻は12、スケベモンスターズは、6、12、15、11、11、13」
エルメス「ちょっと強くなった感じ。11、14、12、13、15、14、18」
GM「じゃあ、蟻が14発と、アンスコは鞭の方が10発」
エルメス「7点と5点引いて、12点? 後9……」
ホルウェン「固定値じゃなくなった瞬間、出目の悪さがモロに……」

<4ラウンド目>

ホルウェン「ものすごいスリープ・クラウドかけていいかなぁ」
エルメス「私、寝る自信がある」
ホルウェン「エルメスにヒーリングは?」
GM「構わないけど、次の攻撃半分もらってね」
ホルウェン「ごめんね、エルメス。頑張って避けてね」
エルメス「えっぐえっぐ」
ホルウェン「蟻Bにストーンブラスト。15は通って……(ころころ)きゃん☆(残り精神点4)」
エルメス「終わった……。蟻Bに攻撃。15は当たって……(ころころ)きゃん☆ 40点目!」
GM「お前の出目が悪すぎ。そして、俺の出目が良すぎ。12、10、9、8、14、12、15」
エルメス「最後の方が凶悪。13、16、13、16、19、15、15!」
GM「ふむ」
エルメス「なんだか、お兄ちゃんが平然としてる。なんなんだろう……」

<5ラウンド目>

ホルウェン「蟻Bにエネルギー・ボルト。成功の8発(残り精神点3)」
GM「後17ね」
エルメス「追随。当たって13発」
GM「後12ね。エルメスへの攻撃は……うわ、すごっ! 15、9、14、11、12、13、13」
エルメス「えっぐえっぐ。12、18、17、17、50点目、14、17」
GM「じゃあ、14発と12発+毒。毒は生命力抵抗で11ね」
エルメス「7点と8点防いで、11発?」
GM「じゃあ、生命力抵抗はいいや。生死判定して」
エルメス「なんでそんなに気楽そうなの? えいっ! 大丈夫」
GM「生き延びたか」
エルメス「な、なんなの?」

<6ラウンド目>

GM「何かどうぞ」
ホルウェン「じゃあ、アンスコみんなにスリープ・クラウド。2倍がけでかけて、かかったら蟻を誘き寄せつつ逃げよう」
GM「いいよ。その代わり、スリープ・クラウドは起きることができるからね」
ホルウェン「8は15!(残り精神点1)」
GM「じゃあ、みんな寝た。蟻は君の方に」
ホルウェン「逃げよう。上手に距離を取りながら逃げる」
GM「ふむ。戻るんだよね? エルメスのところに」
ホルウェン「もちろんです」
GM「じゃあ、2D振ってもらって、13-2D分かかって戻ったことにしよう」
ホルウェン「普通に高い数値が出ればいいわけですね? (ころころ)8だから5分?」
GM「5分ってことは、30回振れるわけだな。3体いるから、90回振って、一度も10以上が出なかったら君の方が早い」
ホルウェン「あ、有り得ない……」
GM「(ころころ)3回で出ちゃった。じゃあ、君が戻ると、エルメスの姿はなくなってるね。ずりずりと巣の中に引きずり込まれたように血の跡が」
ホルウェン「うぅ……エルメス」
GM「エルメスに硬いのが入れられるまで、残り10分。エルメスは気絶してるから、自発的には何もできないから」
エルメス「うえーん! ホルウェン、助けて!」
ホルウェン「残り精神点1の私に、何を……」
GM「穴の中から、ジャンケンする声が聞こえるよ。誰が最初に入れるかって相談」
ホルウェン「その人たち、人間なみの知能がありながら、考えてることはそれだけなんですか?」
エルメス「それじゃあ、GMと一緒じゃん!」
GM「失礼な。俺はもっと高尚なことを考えている」
ホルウェン「そぅっと穴の中に……。暗いところは見えるし」
GM「二つに分かれてる。声は左の方から、右の方からは何も聞こえない」
ホルウェン「右に捕まって子たちがいそうな気がするけど……やっぱり右。ダッシュ」
GM「じゃあ、30秒もすれば着くよ。牢の中に女の子たち。死んでる子もいるし、腹が膨らんだ子もいるし、そうでない子もいる。みんなもうダメそう」
ホルウェン「助けに来たよ! 鍵は?」
GM「かかってる」
ホルウェン「アンロック! 成功ね。もちろん、魔晶石で(残り4つ)」
GM「じゃあ、一部の娘たちの目に生気が」
ホルウェン「大きな声で叫びながら逃げて。絶対にそうしてね。『やったー! 助かったー☆』って感じで」
GM「ふむ。娘たちがそう言いながら逃げ出すと、2体が追いかけていく。じきに追いつかれるよ。1体はエルメスのところに残っているっぽいね。ここまで5分」
ホルウェン「すぐに行く。どんな様子……って、やっぱりいいです」
GM「説明しよう!」
ホルウェン「い、いいですって、先輩」
GM「読者は獣姦を求めているのに……。とりあえず、元々裸でぐったりしてるエルメスにのしかかってる。君には気付いてないよ」
ホルウェン「どこまでももってね、魔晶石ちゃん。スリープ・クラウド……7は13(残り3つ)」
GM「寝たねぇ」
ホルウェン「エルメスを背負ってすたこらさっと」
GM「じゃあ、表に出ると、ちょっと離れたところで娘たちがまた捕まってるよ。逃げ延びたのもいるっぽいし、一人は途中で殺された」
ホルウェン「見てない見てない。私は何も見てない。気付かれないように穴から遠ざかる」
GM「はいはい」

 その後、ホルウェンはエルメスに応急手当をし、エルメスは回復を試みるが、やはり魔法は発動しない。
 とにかく依頼は依頼だと、時間かけて生命点、精神点を全回復してから、再び穴に。
 今度はホルウェンがプロテクションとファイア・ウェポンをかけた状態で突撃。
 戦闘は省略。ホルウェンのスリープ・クラウドが炸裂し、エルメスがグサグサ刺して、危なげなく勝ちました。

◆ 死 ◆

GM「じゃあ、元の村に戻ると、どうも様子がおかしい」
エルメス「どんな感じ?」
GM「なんだかすごい数の人がいて、壮絶な戦いになってる。っても、怒鳴り合ってるだけだが」
エルメス「行ってみようか」
GM「近付くと、誰かが君たちに気が付いて叫ぶ。『ほら、あいつらが帰ってきたよ!』『本当だ! よくもぬけぬけと!』」
エルメス「あの、どうしたんですか?」
GM「ふむ。簡単にまとめよう。昨日、助かった娘が自分の村で状況を説明。そこで殺された娘もいるし、そういう話をする内に、そもそも素直に生贄を差し出さなかったこの村がいけないんだということになって抗議。その反感は中途半端なことをした君たちに向けられているわけだ」
エルメス「そんな! 私たちは知らなかったの」
ホルウェン「そうよそうよ。勝手なことばかり!」
GM「他の村の人間は、村長の娘を差し出せって言ってる。村長は頑なに拒否。今回は生贄としてエルメスを差し出したのだから、別に渡す理由はないって」
ホルウェン「それはまたもっともね。でも、依頼したのは村長さんだけどね」
GM「空気は、君を縛り上げるムードになってるが」
エルメス「アンスコは間違いなく全部倒しました。もう生贄を出す必要はなくなりました」
GM「昨日殺された娘の親が絶叫するよ。『あんたたちが余計なことをしたから!』」
エルメス「依頼を果たしただけです。村長さんの娘を守りました」
GM「『わ、わしのせいだと言うのか? なんてひどい……所詮冒険者か……』」
ホルウェン「もう行こう、エルメス」
エルメス「うん」
GM「じゃあ、その内血の流れる争いになるよ」
エルメス「って言われても、どうすればいいの?」
GM「ふむ。四つん這いになってだなぁ」
エルメス「えーっ!?」
ホルウェン「先輩は、どうしてもエルメスを四つん這いにしたいんですね?」
GM「うん、そう」
ホルウェン「はっきりと……」
GM「四つん這いになって、棒刑だな。100回で事は丸く収めるってさ」
エルメス「嫌だなぁ……」
GM「どっちでもいいよ。帰っても追わないし、四つん這いになって棒刑を選ぶもよし」
エルメス「お兄ちゃんはどうしても私を四つん這いにしたいんだね?」
GM「いや、ほずえになれって言ってるわけでは……」
エルメス「はぁ……。ちなみに、それは生き残れるの?」
GM「強い体力と精神力があれば」
エルメス「怖い怖い……」
ホルウェン「やっぱり帰ろう。こんなところで、わけわかんない人たちのために危険冒す必要はないわ」
エルメス「でも、なんか後味が……。元々真っ直ぐ育った貴族だし、平和な信仰があるし、あきらめて丸く収めようかな。お兄ちゃんもそうして欲しそうだし」
GM「サディストだからな。裸の女の子が四つん這いで棒刑を受けてるなんて、それほど萌える光景もない」
エルメス「最低……」
ホルウェン「先輩……」
GM「じゃあ、すごい数の人が取り囲む中で、君は四つん這いで棒刑を」
エルメス「うぅ……。エリックさんのことでも考えていよう。恥ずかしいやら屈辱やら、もう、何がなんだか」
ホルウェン「現実逃避して、木々とお話してよう」
エルメス「1回叩かれるごとに、ホルウェンの名前を叫ぼうかな」
ホルウェン「お願いだからやめて。すごい罪悪感!」
エルメス「ホルウェン、助けてホルウェン! 痛いよぅ、ホルウェン! ホルウェン!」
ホルウェン「聞こえない、聞こえない……。木々さん、今日は光合成日和ですね!」
エルメス「えっぐえっぐ」
GM「じゃあ、5回に1回ずつ、俺とダイス振り合って、出目が俺の値より小さかったら、生命点か精神点に5点ずつね」
エルメス「ひえー」
GM「交互に。1〜5回は生命点に9」
エルメス「(ころころ)9!」
GM「6〜10回は精神点に11」
エルメス「高い! (ころころ)ダメ。ホルウェン! 痛いよぉ!(残り精神点8)」
ホルウェン「聞こえない聞こえない(笑)」
GM「11〜15回は生命点に6」
エルメス「大丈夫」
GM「16回〜20回は精神点に9」
エルメス「あぅ。ホルウェン! ホルウェン!(残り精神点3)」
ホルウェン「聞こえない。エルメスは余裕で耐えてる。うん」
GM「もうじき本当に聞こえなくなるから安心してね」
ホルウェン「き、聞こえた方がいいかも」
GM「21〜25回は生命点に8」
エルメス「(ころころ)7……。痛いよぉ、えっぐえっぐ(残り生命点16)」
GM「26〜30回は精神点に8」
エルメス「(ころころ)ばたっ」
ホルウェン「ああ、とうとうエルメスの声が聞こえなく!」
GM「31〜35回は生命点に11」
エルメス「鬼! 鬼ぃ! お兄ちゃん♪ 全然ダメ(残り生命点11)」
GM「ぼかぼか。『娘を返して!』36〜40回は9」
ホルウェン「先輩、出目がいいですね」
GM「娘の仇だから」
エルメス「私が殺したんじゃないのに……。(ころころ)ダメだった。後6」
GM「『去年死んだおじいさんの仇!』41〜45回は4」
エルメス「そんな仇、知らないし! そういうお門違いな棒は平気♪」
GM「じゃあやっぱり、『娘の仇!』46〜50回は9」
エルメス「高っ! (ころころ)残り1になりました。きっと死んでしまいます」
ホルウェン「さっきの生死判定といい、先輩、なんだか余裕そう」
GM「51〜55回は8。ずっと期待値を越えてる」
エルメス「11で抵抗」
GM「56〜60回は5」
エルメス「8で抵抗」
GM「61〜65回は9ね」
エルメス「10で抵抗!」
GM「なんか、生き残るかもな。66〜70回は8」
エルメス「お兄ちゃん、高い! (ころころ)6だった。-4」
GM「生死判定して」
エルメス「8の15は11で大丈夫」
GM「じゃあ、71〜75回は8。ひたすら期待値以上」
エルメス「まだやるの?」
GM「もう暴徒と化してるから」
エルメス「またダメだった。-9」
GM「じゃあ、生死判定ね」
エルメス「6は13で4。ダメだった」
GM「じゃあ、76〜80回は……」
エルメス「もう死にました。さよなら、エリックさん……」
ホルウェン「木さん、木さん、木さん……」
GM「もうめっちゃくちゃ」
エルメス「誰のせい!」

◆ プリースト技能復活! ◆

GM「じゃあ、エルメスが目を覚ますと朝だ」
エルメス「あれ?」
ホルウェン「私は?」
GM「ホルウェンも目を覚ますと朝だ。滝の音がする」
エルメス「あれ? あれ? 洞窟は?」
GM「滝の裏に洞窟なんかないねぇ」
ホルウェン「これは、あれ……夢オチってやつですか?」
GM「元々そのつもりだったから」
ホルウェン「じゃあ、私は何も覚えてません? っていうか、元々知らないって言うか」
GM「そうだね。でも、魔晶石は減らしておいて。その代わり、何もしてないけど経験点あげるから」
ホルウェン「はーい」
エルメス「あ、おはよう、ホルウェン。助けてくれたの?」
ホルウェン「なんのこと?」
エルメス「ほら、私、棒で打たれて」
ホルウェン「何寝ぼけてるの? ほら、今日も滝に打たれないと」
エルメス「まだ戻ってないかな? ホルウェンにフォースを……」
ホルウェン「も、戻ってたらどうする気!?」
エルメス「回復してあげる」
ホルウェン「そういう問題じゃないし」
エルメス「じゃあ、ホルウェンに試しにサニティを……(ころころ)成功」
GM「おう。ホルウェンは抵抗しないなら落ち着く」
エルメス「落ち着いた?」
ホルウェン「ううん、全然」
エルメス「うぅ……また滝に……」
ホルウェン「冗談冗談! 技能が戻ったのね!」
エルメス「やっと服が着れる。久しぶりの服♪」
GM「近隣部族の男の子が見学にやって来るよ。『おい、なんで服着てるんだ? 脱げよ!』」
エルメス「もう反省の時間は終わったのです」
GM「『脱げよ! 脱げ脱げ!』」
エルメス「放っておいて、この周辺に教会がないか聞いてみよう」
GM「『胸触らせてくれたら教えてやるよ』」
エルメス「うっ……」
ホルウェン「胸くらいは我慢ね、我慢我慢」
エルメス「す、少しだけだからね……?」
GM「うわ! 萌え!」
エルメス「お兄ちゃんは萌えなくていいから! 服を捲り上げよう」
GM「じゃあ、男の子たちが前から後ろから揉んでくるよ。『うお、柔らかいけー!』『面白いな、これ!』」
エルメス「なんか変な感じが……」
ホルウェン「ほずえも、乗らなくていいから!」
エルメス「だってぇ」
GM「生でもみもみ。ふにふに。まあ、平らなほずえにはわからんだろうが」
エルメス「わ、わかるもん! 先輩の触るから」
GM「いないし」
エルメス「じゃあ、由佳里の。むにっ」
ホルウェン「きゃあ!」
エルメス「いいなぁ、由佳里は胸があって」
ホルウェン「ほずえはそれだからいいんだよ」
GM「同意。男の子たちはずっと触ってるけど。そろそろ2時間になるね」
エルメス「そんなに触らせない! さっ、もうおしまい。教会の場所を教えて」
GM「じゃあ教えてくれる。ここから2日くらいの場所やね」
エルメス「さっ、行きましょうか、ホルウェン」
ホルウェン「やっとね。私もう、なんのためにここにいるのか忘れちゃったわ」
エルメス「魔法の研究じゃなかった?」
ホルウェン「遡りすぎ! クエストが解けてないから……あと、鏡。そういえば、鏡って無事なんですか? 第10話で、きのこ雲とかできてましたけど」
GM「たぶん無事。魔法のアイテムだし。エリックと再会するところまでやる?」
エルメス「やるやる♪」
GM「じゃあ、実は君たちは夜の内に着いて、エリックとクリーナの抱擁を見ていたことに……」
エルメス「しなくていいから!」
GM「エリックさんから、別の女性の匂いがする……」
エルメス「嗅がない嗅がない」
GM「じゃあ、君たちがようやく教会に辿り着いたのは2日後の朝早く。そこには二つの人影が」
エルメス「エリック……さん?」
GM「って辺りで、番外編的第15回は終了だ」
エルメス「ひたすら変な回だった……」
ホルウェン「よくわかんない回だったね」
エルメス「辱めを受けた気がする」
GM「読者サービス」
エルメス「裸で四つん這いになって棒で打たれて泣きながら死ぬのは、読者サービスなの?」
GM「そう」
エルメス「う、嘘だ……絶対に嘘だ……」

◆ 反省 ◆

水原(GM)「経験点は、ホルウェンが1,200点と、エルメスが1,400点で」
由佳里(ホルウェン)「うわ! 先輩、後生ですから、後20点ください!」
ほずえ(エルメス)「後生って……」
水原「今回は戦闘ボーナスがあるから大丈夫だよ。サンド・ウォームと戦った戦闘は勝ってないから、アンダースコートの40点だな」
由佳里「良かった……。1ゾロ1回の1,250点」
ほずえ「1,490点。1ゾロ5回♪」
水原「喜ぶな。お前は、出目が悪すぎ」
ほずえ「だってぇ」
由佳里「ちなみに、今回は行動はあれでよかったんですか?」
水原「まあ、いいんじゃない?」
ほずえ「最後のは見捨ててたらどうなってたの?」
水原「雪島なら見捨ててたと思うが。夢オチじゃなかったら、あれでキャンペーン終了だし。命は大事にね」
ほずえ「うぅ……」
水原「由佳里ちゃんには悪いことしたね」
ほずえ「スケベなことばっかり言ったから?」
水原「ちゃうて。出番がなかった」
由佳里「別にいいですよ♪」
水原「もう謎も全部出尽くしたし、エリックとエルメスも再会したし、ついにこのキャンペーンも終わるな」
由佳里「そうですね。なんだか、妙な気持ちです」
ほずえ「まあ、終わっても『子供たちの冒険』があるし!」
由佳里「それはそうだけどね。こっちの方が重厚な感じがする」
水原「初めっからライトなキャンペーンにするつもりだったみたいだしな、雪島は」
ほずえ「先輩のキャラの問題であって、言うほどライトとも思わないけど、あれ」
水原「確かに、変なキャラがいっぱい出てくるし、雪島自体も変だし」
由佳里「個性的なだけですって。変って言うと、悪く聞こえます」
水原「まあまあ。俺と雪島の仲だし」
ほずえ「じゃあ、こっちはいよいよ後1回で終了?」
水原「の予定だけど、わからんな。たぶんそうなる」
由佳里「じゃあ、お疲れ様です〜」
ほずえ「お疲れ〜」
水原「うぃ」


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