『 即興TRPGリプレイ 二つの街 』

                                プレイ日:2004年9月1日
                                GM+文章:水原 渉

◇ 前書き ◇

 記憶違いかも知れないが、TRPGは米国では、誰もが気軽に遊ぶホームゲームだと、どこかに書いてあった。
 今は知らないが、10年ほど前、日本でもTRPGがブームになり、多くの人に遊ばれたが、それでもやはり知名度は低かった。
 最近はルールの種類が増え、複雑化し、出ては廃れていくルールも多いらしい。
 どうもルールが先行しているように思えるが、TRPGの本質はルールではない。
 一番大切なのは、遊びたいと思う人が集まること。それから、ダイスはあるに越したことはないが、別にトランプでもいい。ルールはその次。
 このリプレイは、水原兄妹が、10面体ダイスが2つしかない状況で行った即興セッションである。もちろん、ルールは自作だし、プレイヤーは妹一人。シナリオはアドリブ。
 けれど、そんな状況でも気持ち一つで楽しめるのがTRPGなのである。
 これを読んで、TRPGを知っている人は、こういう楽しみ方もあるということを、知らない人は、TRPGがどういうものかを味わってもらえればと思う。
 ルールは即興の自作ルールなので、プレイヤーの知識量は読者と同じである。よって、何も知らない人でも読めるので、TRPG未経験者にも、是非読んでもらいたい。

※現在水原はロードス島RPGのキャンペーンに参加しているため、ルールのベースはロードス島RPGになっています。
 けれど、あくまでベースの話なので、ロードス島RPGのルールを知らなくても読むことができます。

◆ ほずえの暇つぶしに付き合ってみる ◆

ほずえ「お兄ちゃん」
水原「どうした?」
ほずえ「壮絶に暇」
水原「お兄ちゃんはそんなに暇じゃない」
ほずえ「遊んで」
水原「お前、本当に高校2年生?」
ほずえ「紛れもなく。わかった、呼び方変える。兄さん」
水原「そういう問題か?」
ほずえ「兄さん、暇です。遊んでください」
水原「遊ぶ道具がない。ああ、こないだロードスで使った10面体ダイス(D10)が2つある」
ほずえ「じゃあ、ロードス島RPGやろう」
水原「任せろ。GMができるほど理解してない」
ほずえ「ぶー。じゃあ、ソード・ワールドやろう」
水原「今、手元に完全版がない」
ほずえ「はぁ……」
水原「じゃあ、即興オリジナルルールで」
ほずえ「うん。どうやるの?」
水原「判定は全部ジャンケン」
ほずえ「えーっ!? もうちょっとひねってよ」
水原「そうがないなぁ。じゃあ、D100を10回振って」
ほずえ「うん。青い方が10の位で。80、98、71、75、4、57、16、73、73、25」

※D10を、片方を10の位、片方を1の位にしてD100を実現します。

水原「全部足して10で割って、50を引いたものがボーナス」
ほずえ「足すと……572だから、7.2」
水原「じゃあ、7だな」
ほずえ「多いのか少ないのかよくわかんないボーナス」
水原「じゃあ、キャラを作ろう。『頭』、『五感』、『全身』、『腕』、『手』、『足』の6項目がある」
ほずえ「頭、五感……五感? 目、鼻、耳、口、指?」
水原「触感な。手先の器用さは手に分類される。細かい判断はGMに一任してもらう」
ほずえ「『全身』っていうのは?」
水原「身体全体を使った判定。敵の攻撃を避けるのはこれだな」
ほずえ「『頭』は?」
水原「知覚判定系。で、今全部40、つまり240に7を足した、247を振り分けてくれ。上限は100。後、それぞれに『頭』ボーナスとかがあって、10で割った切り捨て値」
ほずえ「了解。魔法はあるの? あるなら、どれで使えばいい?」
水原「判定が必要なものに関しては『頭』を使おう。抵抗は『全身』にしよう」
ほずえ「どんな魔法があるの?」
水原「どうしようかねぇ。ドラクエの魔法使うか」
ほずえ「ア、アバウト……。HPとMPは? MPが多かったら魔法使いにしようと思うけど」
水原「HPとMPは同じようにボーナス決めて、振り分けにする」
ほずえ「うん。じゃあ……寡黙な魔法剣士でもやろうかな」
水原「お前が? しかも1対1のプレイで、寡黙?」
ほずえ「キャラクターが寡黙なだけで、プレイヤーは寡黙じゃないから」
水原「ああ、ああ」
ほずえ「先にHPとMPも決めよう」
水原「おう。じゃあ、D100を10回ね。さっきと同じで」
ほずえ「30、73、14、48、12、79、92、93、74、47で、562かな。6.2」
水原「じゃあ、合計106を振り分けて」
ほずえ「魔法は何がどれくらいかかるの? ベギラマは?」
水原「今資料が何もないからなぁ。魔法は消費MP、一律5にしよう。あまり強い魔法はなしね」
ほずえ「うん。トラマナとかしか覚えないよ」
水原「それはどうなんだろう……」
ほずえ「MPが0になるとどうなるの? 気絶する?」
水原「いい質問だ。気絶はしない。精神点とはまた違うもの。ぐっすり寝ると、1時間に10ずつ回復する」
ほずえ「じゃあ、MPはぴったりにすればいいね。んーー、こんな感じ?」

名前HPMP五感全身
ベーウィ(男・19)763047
+4
30
+3
40
+4
60
+6
30
+3
40
+4

水原「攻撃重視やね」
ほずえ「うん、そう」
水原「じゃあ、魔法を決めようか。今までのボーナスと同じ算出方法で。端数切り捨て」
ほずえ「47、42、25、45、64、52、81、19、19、7……うにゅう。401だから、4個?」
水原「よかったじゃん。397とかにならなくて。端数切り捨てを宣言してたからな」
ほずえ「HPとMPのボーナスこそ4でよかったのに……」
水原「トラマナ、キアリク、トヘロス、アストロンでいい?」
ほずえ「い、嫌……。まずベホマ」
水原「段階がある魔法は、一番弱い奴にしておいて」
ほずえ「じゃあ、ホイミ」
水原「うむ」
ほずえ「それから、バイキルト」
水原「うわ! よくそんな魔法覚えてたな」
ほずえ「あー、でも、どうだろう。どういうシナリオになるかにもよるなぁ……」
水原「それは秘密。王女様は出てくる」
ほずえ「もう決まってるんだ(笑)。じゃあ、アバカム、レムオル……」
水原「実用的だな。由佳里ちゃんなら絶対に取らなさそうな魔法たち」
ほずえ「後1つ? ザラキとか……」
水原「怖っ! お前、俺の妹じゃないだろ」
ほずえ「えー! でもちょっと待ってね。今記憶を搾り出す」
水原「っていうか、レムオルなのか? 気配や足音は消せないからな?」
ほずえ「う〜ん。レビテト」
水原「それ、微妙に違う」
ほずえ「ルーラ。リレミト。何があったっけ? お兄ちゃんもどんどん言ってよ」
水原「ラナルータ。ラリホーマ。ルカナン。スカラ。フバーハ」
ほずえ「あ、ラリホーはいいかも。スカラもおいしいな〜」
水原「欲しい魔法たくさんだね。どうする? 何が決定? ホイミとアバカム? ラナルータとキアリー?」
ほずえ「後ろは違う。ザキかなぁ……」
水原「敵はマホカンタを使うかも知れないぞ? 特にラスボスは」
ほずえ「うわ! 一人しかいないから、スカラにしよう」
水原「渋い。いかにもほずえ。ラスボスはラリホーマ使うかも知れないぞ?」
ほずえ「わたしがマホカンタ? 嫌だなぁ……」
水原「わかった。じゃあ、メガンテ。これしかない」
ほずえ「マホトーンなんて魔法もあったなぁ。でも、抵抗されると虚しさが募るし……」
水原「もういいじゃん、ザオラルで」
ほずえ「ひ、一人なのに?」
水原「じゃあ、バシルーラね。いざとなったら自分に使って逃げられる。どこに飛ぶかはランダムだけど」
ほずえ「町じゃないの?」
水原「戦闘中のマロールは、どこに飛ぶかわからないのが基本」
ほずえ「ピオリム……だっけ?」
水原「ああ、そんなのもあったな」
ほずえ「回避、上がる?」
水原「避けるのは『全身』って宣言したからなぁ。ピオリムは『足』を上げる感触」
ほずえ「じゃあ……ああ、マヌーサとかどうかな」
水原「色々出てくるねぇ。頑張れば、何かこう、しっくり来るのが出てきそう。何か忘れてる感じ」
ほずえ「うにゅう。一人だから、とにかくダメージが怖いんだよね」
水原「戦闘中にホイミで回復させればいいじゃん」
ほずえ「どれくらい回復するの?」
水原「2D10+『頭』ボーナスかな」
ほずえ「『頭』ボーナスは4だから……あんまり回復しないね。やっぱりレムオル」
水原「うい。じゃあ、ホイミ、アバカム、スカラ、レムオルな?」
ほずえ「うん。魔法戦士っていうより、普通の僧侶っぽくなってきた」
水原「プレイヤーの性質だろう」
ほずえ「武器とかは?」
水原「お金を振ろう。一発勝負。1D10×100ゴールド」
ほずえ「こ、怖い……。せやぁ! (ころころ)…………」
水原「国へ帰る?」
ほずえ「ま、魔法使いにしていい?」
水原「初期装備をあげるよ。鉄の剣と革の鎧ね。それに、100ゴールド持ってる方向で」
ほずえ「うぅ……」
水原「武器・防具には名前がつけられます。『鉄の剣』と『革の鎧』でいい?」
ほずえ「ヤだ。『メテオクラッシャー』と『天使の鎧』にしよう」
水原「妙にカッコいいな。攻撃力+2、防御力+2ね」
ほずえ「なんだか弱そう。アイテムは何があるの? 薬草?」
水原「別にドラクエにするつもりはない。魔法を拝借しただけ。アイテムは冒険者基本セットで。持ってることでいいよ」
ほずえ「はぁい」
水原「1ゴールド100円ね」
ほずえ「わかった」

 ドラクエを知らない人のために、魔法の注釈。
  ・ホイミ:HPを回復する。→2D10+『頭』ボーナス分。
  ・アバカム:扉を開ける。
  ・スカラ:防御力を上げる。→ダメージ減少を増やす。
  ・レムオル:身体を透明にする。→勇者一行が全員透明になるから、範囲はチームという判断をする。

◆ 話を聞かない門兵 ◆

ベーウィ「わたしは今、どこの町にいるの?」
GM「わたし?」
ベーウィ「うぅ……。俺は今、どこの町にいるんだ? でもこれ、プレイヤー発言」
GM「変な感じだ。ベーウィは今、町にはいない」
ベーウィ「ベーウィは何をしてる人なの? 冒険者?」
GM「今君は……エコマーク大陸にいる」
ベーウィ「こ、ここにエコマークがあったから……」
GM「エコマーク大陸は戦乱の世の中で、小さな国が興っては消え、興っては消えている状態だ」
ベーウィ「じゃあ、呑気に宝探しって感じじゃなさそうだね?」
GM「そうだな。傭兵稼業とか、特殊能力のある人間は、国に雇われて色々な裏工作に使われたりする」
ベーウィ「ベーウィも特殊能力のある人?」
GM「もちろん。魔法使いは別にそこそこいるが、レムオルとか、変な魔法を使えるのは少ないねぇ」
ベーウィ「で、わたしは今、どこに向かってるの? 依頼の最中?」
GM「依頼の最中はやめよう。ただ、方向性はお前が決めればいいぞ?」
ベーウィ「じゃあ、どこかの街に行って、裏工作志願かな?」
GM「真っ当な仕事じゃない可能性が高いぞ?」
ベーウィ「でも、そういう世界なんでしょ? しょうがないじゃん。夢とかロマンって感じじゃない」
GM「うむ。じゃあ、前方に乗り越えられそうなくらい低い街壁に囲まれた、オールレンっていう街が見えてくる」
ベーウィ「どんな街? お城とかあるの?」
GM「一応、オールレンは一つの街で一つの国。小さな小さな国だけどね。城は申し訳ない程度の城が街の真ん中にあるよ。濠とかはないけど」
ベーウィ「街に入ろう。入れてくれる?」
GM「じゃあ、門兵に聞かれる。『お前はどこの誰だ?』」
ベーウィ「誰かって言うのは、ベーウィって名前だけど……どこ?」
GM「適当に」
ベーウィ「じゃあ、ネトエル村から出てきたベーウィだ」
GM「『この街に何しにきた?』」
ベーウィ「仕事を探しに」
GM「『お前が何かの仕事でここに来た可能性を否定できない』」
ベーウィ「ええーっ!」
GM「うわ、ほずえっぽくなった。今、オールレンは2日くらい離れたところにあるソウッキシっていう街と交戦中なんだよ。だから、君をソウッキシの手の者じゃないかって疑ってるわけだ」
ベーウィ「困ったなぁ。どっちが有利そうなの?」
GM「表面上……要するに、ベーウィが知ってる限りでは、こっちだね」
ベーウィ「じゃあ、俺はオールレンに分があると思ってここに来たんだ。志願できないなら、ソウッキシに行く」
GM「『何っ!? じゃあやはりソウッキシの人間か!?』」
ベーウィ「誰もそんなこと言ってないじゃん!」
GM「まったくだな。ちょっとソウッキシって言葉に過剰に反応しているようだ」
ベーウィ「もう、どっかそこら辺から乗り越えて入ろうかなぁ……」
GM「『乗り越えるだと!?』」
ベーウィ「プレイヤー発言だって! じゃあもういい。ソウッキシへ行く」
GM「『待て! 生きて帰すわけにはいかない!』」
ベーウィ「ああもう! 何なんだよ、お前!」
GM「『俺はオールレンの兵士だ』」
ベーウィ「そんなこと聞いてないし……。ちょっと冷静になれ」
GM「『怪しいヤツめ!』兵士は剣を抜き放った!」
ベーウィ「た、戦いたくないんだけど……。逃げよう」
GM「じゃあ、こいつの足は20だから……『足』+君との足の差20くらいで」
ベーウィ「どうすればいいの?」
GM「ああ、ごめん。俺の中でロードスモード入ってた。D100振って、60以下なら成功」
ベーウィ「(ころころ)88……」
GM「じゃあ、追いつかれるね。『逃げたということは、やはりやましいことがあるんだろう!』斬りかかって来る。こっちの『手』が20だから、『全身』+君の『全身』との差20で回避」
ベーウィ「じゃあ、60だね。(ころころ)59だから、ぎりぎり回避。じゃあ、攻撃しよう。なるべく殺さないように」
GM「当たるかは『手』+そっちの『手』とこっちの『全身』の差10で」
ベーウィ「そっちの『全身』で回避じゃないの?」
GM「全部キャラクター主体にしてみる」
ベーウィ「(ころころ)98と言って失敗」
GM「大失敗のレベルだね。じゃあ、こっちの攻撃」
ベーウィ「回避は23と言って成功。攻撃も37と言って成功。ダメージは?」
GM「D10+『腕』ボーナス+武器の攻撃力」
ベーウィ「(ころころ)6+6+2の14点」
GM「ダメージ減少は『全身』ボーナス+防具の防御力で。こいつは3+2だから、5点減少。9点受けた(残りHP21)。結構痛いのを受けたから、ちょっと弱腰だ」
ベーウィ「だから、戦う気はないって言ってるだろう。俺はもうソウッキシで志願する。あばよ」
GM「じゃあ、止めようかな。『わ、わかった。お前は強いからな。街に入っていいぞ』」
ベーウィ「どうしようかなぁ……」
GM「どっちでも。シナリオの根幹はどっちに行っても変わらないから。ベーウィの行動次第で勝者は変わるかも知れないがね」
ベーウィ「じゃあまあ、初志貫徹」
GM「じゃあ、ベーウィはオールレンの街に入った」

 戦いに関するメモ。複雑そうなことを書いたけれど、要するにこういうことです。
  ・回避=D100が『全身』(40)×2−相手の『手』以下で成功
  ・攻撃=D100が『手』(30)×2−相手の『全身』以下で成功

◆ オールレンの街で情報収集 ◆

ベーウィ「ところで、ルール知らなかったからどうにもならないんだけど、『手』が低い。そっちの『全身』が60以上だったら、常に当たらない」
GM「『全身』が60もあるような敵と対峙しようってのが間違いってことだな。決まったことだから、上手にプレイしてくれ。ああ、一応出目1〜5は自動成功にするから」
ベーウィ「うにゅう。街の様子はどう?」
GM「武装してる人間が目立つ。一般市民も徴兵されているようで、働いているって人は少なそうだ」
ベーウィ「どうしようかな。とにかくこういう時は、酒場に行って情報収集。まだお昼?」
GM「そうだな」
ベーウィ「じゃあ、部屋を取ったり、食事にしたり、後は夕方まで街をぶらぶらしながら情報を集めるよ」
GM「どういう情報?」
ベーウィ「戦争系」
GM「じゃあ、君はどこかでこんな愚痴を聞く。『ったく、ロナルディ様は、どうして攻め込まないんだ。もう準備は整ってるってのに』」
ベーウィ「ロナルディ?」
GM「『頭』+20で振って」
ベーウィ「(ころころ)86と言って失敗」
GM「じゃあ、わからんねぇ」
ベーウィ「その人じゃない人から聞いてみるよ。できるだけ話したそうで、無害そうなおばちゃん」
GM「じゃあ、この国の国王だとわかる。ロナルディには勇ましい兄貴スタームと、心優しい妹姫レンディがいるらしい。スタームは戦い賛成派で、レンディは反対派。それだけじゃないけど、そういう意見の衝突が多いことから、スタームはあまりレンディを好きじゃないようだ」
ベーウィ「また、色々わかったね」
GM「話し好きのおばちゃんを選んだからな」
ベーウィ「じゃあ、ついでにそのおばちゃんに、準備ができてるのにソウッキシに攻め込まないのは、レンディの意見があるからかって聞いてみよう」
GM「おばちゃんはわからないって言うよ。でも、ロナルディ自身は攻撃賛成派だそうだ。もっとも、レンディのことは愛しているけどね」
ベーウィ「結構複雑な状況なんだね」
GM「どうするかい?」
ベーウィ「どうして攻め込まないのか気になるから、その辺の情報を集めなくちゃ。誰か、お城の兵士ならわかるかな? さっきの門兵は?」
GM「行く?」
ベーウィ「行ってみる」
GM「わからないって。彼も攻め込みたくてうずうずしているようだよ」
ベーウィ「どこに行けば雇ってもらえるかも聞こう」
GM「『傭兵として参加するなら、ジャーグ将軍のところに行くといい』ちなみに、傭兵以外でも、一旦ジャーグ将軍のところだな」
ベーウィ「なるほどね。でも、ちょっと独自に情報を集めてみるよ。ソウッキシがどういう国かも気になるし、今のところ、完全にオールレンの味方になるつもりはない」
GM「いいよ〜。何をどうするか宣言してね」
ベーウィ「お城に行ってみよう。立派なものなの? 濠はないって言ってたけど」
GM「ちっとも立派じゃないよ。街も1,000人くらいの街だし。城ってよりは、ちょっと豪勢な屋敷。豪勢って言っても、戦い向けで、貴族の宮殿って感じではない」
ベーウィ「塀はあるよね? 門は?」
GM「塀はあるよ。もちろん、街壁よりは低いから、簡単に越えられる。門兵も見張りもいる。城は2階建て。上に高いと言うより、横に大きい。まあ、上に作るより横に作った方が簡単だからね」
ベーウィ「魔法を駆使すれば、レンディとかには会えそう。レンディとスタームの情報を集めたいなぁ」
GM「んー、『頭』+20で振って」
ベーウィ「(ころころ)51で成功。何の判定?」
GM「交渉の類。どれくらいの情報を集めれるかと。レンディは17歳。優しい眼差しをした長い金髪のお姫様だよ。街の女性たちからは慕われてるけど、この士気が高まってる時期に戦争反対を訴えてるから、あまり好きでないという人もある」
ベーウィ「お姫様だもんね。ただ自分の意見を言うだけじゃダメだよね。発言に影響力があるから」
GM「そそ。スタームはその反対。ちょっと我が儘なところもあるけど、この時世だから、勇ましい王子は人気があるね」
ベーウィ「ロナルディは?」
GM「ロナルディはレンディを愛していること以外は、基本的にスタームと同じ。ただ、もう少し色々なことを配慮している」
ベーウィ「なるほどね〜。とりあえず、今夜辺り、一度城に忍び込んでみようかな」
GM「おおっ。大胆なことみ」

◆ 城に潜入! ◆

ベーウィ「夜になった?」
GM「なった」
ベーウィ「じゃあ、お城に行こう」
GM「夜の街には人影が少ない。って言っても、街壁はああだし、城の塀はこうだし、いつでも誰でも潜入できるから、結構警備は手強いよ?」
ベーウィ「なんとかする。魔法についての詳細が欲しい。レムオルって、どれくらい効くの?」
GM「30分」
ベーウィ「じゃあ、使おう」
GM「消費MPは5ね。D100振って。96以上だったら失敗ね」
ベーウィ「(ころころ)86……ふぅ。なんだか、ダイス目が大きい」
GM「だな。じゃあ成功した」
ベーウィ「よじ登れる? ロープは必要?」
GM「素の『全身』で、成功したら登れた」
ベーウィ「(ころころ)94……」
GM「出目がいいね(皮肉)。大失敗のレベルだね。ドスンと落ちて、人が来る。『何か音がしたぞ!』2人ほど」
ベーウィ「壁に張り付いてじっとしていよう」
GM「じゃあ、兵士たちはしばらく塀を見上げたり、辺りをちらちら見たけど、何もせずに戻っていく。『大きな猫でも落ちたんだろう』」
ベーウィ「緊張感のない人たち。リトライ?」
GM「同じ判定は無理。ロープ使って」
ベーウィ「ロープも透明になるの?」
GM「魔法を使った時点で自分に属するものは、完全に所持を離れない限り透明でいいと思うよ」
ベーウィ「じゃあ、登る。最初っから使えばよかった」
GM「『全身』+40で」
ベーウィ「今日はそれでも不安。(ころころ)78……」
GM「辛うじて成功ね。別にいいよ。21でも54でも78でも変わらないから」
ベーウィ「中はどう?」
GM「いくつか建物があるよ。小さな小屋とか。どういうところに行きたい?」
ベーウィ「プレイヤー的には、レンディに会いたいなぁ」
GM「でも、キャラクターは男だから、怖いだろうね」
ベーウィ「とりあえず勝手口みたいなところを探して入ろう。ある?」
GM「見つかるよ。でも、向こうから人が来る」
ベーウィ「その場で立ち止まる。どんな人?」
GM「若い人が二人。情報収集で外見的特長も聞いてるだろうから、片方はスタームだってわかる。もう一人は武装していて、お付きの人って感じ」
ベーウィ「耳をそばだてよう。『五感』で振る?」
GM「聞こえるよ。『ったく、いてもダメ、いなくてもダメ。父上は戦う気がないのか?』『まあまあ、王子。王は王子も王女も、同じように愛しているということですよ』『それが不愉快なんだ。あんな何の役にも立たない女!』」
ベーウィ「レンディ、ちょっと可哀想だね。最初が気になるなぁ」
GM「二人はどこか行っちゃうよ。勝手口に行くかい?」
ベーウィ「うん。今のところの推測としては、レンディはいないんじゃないのかな?」
GM「ほう。そはなにゆえ?」
ベーウィ「敵に捕まってるとか。だからロナルディは攻めるに攻めれない。ソウッキシにも行ってみた方がいいかな。助ければいいってものでもなさそうだし」
GM「ベーウィがどうしたいかを、まず決めないとね」
ベーウィ「そのための情報収集。じゃあ、勝手口。鍵は?」
GM「かかってるよ。鍵開けするなら『手』−20、アバカム使うなら95以下なら成功」
ベーウィ「まず手でやってみよう。(ころころ)8と言って成功♪」
GM「開くねぇ。勝手口って言ったけど、中はお勝手じゃないよ。部屋になってて、真っ暗な部屋の中には埃のかぶった箱とか、樽とかが置いてある。向こう側に扉」
ベーウィ「物音は?」
GM「しないよ」
ベーウィ「中は見えるんだよね?」
GM「おう。月明かりで、うっすらと。戦いになったら修正を受けるよ」
ベーウィ「でも、まさか松明は灯せないでしょう。警戒しながらドアまで行こう」
GM「鍵がかかってる。判定はさっきと同じで」
ベーウィ「振る。(ころころ)2で成功」
GM「完全成功の類だな。じゃあ、今後この城の同じタイプの鍵は振らずに開けられることにしよう」
ベーウィ「先にやり忘れた。ドアの向こうを聞き耳」
GM「『五感』の素」
ベーウィ「(ころころ)75で失敗」
GM「何も聞こえないねぇ」
ベーウィ「そぅっと開けよう」
GM「通路になってる。一定間隔で火が焚いてあるよ」
ベーウィ「レムオルって、影とかできないよね?」
GM「大丈夫。影できたら、エジンベアにも入れないだろう」
ベーウィ「じゃあ、慎重に歩く。階段を探して2階に」
GM「2階ね」
ベーウィ「王様の部屋とかわかりそう?」
GM「わかるよ。2階に上がって見ると、少し向こうに二人の兵士に守られた部屋がある」
ベーウィ「こ、困った……。その部屋の位置を覚えて、外から進入を試みる」
GM「じゃあ、一度『足』で振って。『足』+20で」
ベーウィ「どきどき。(ころころ)33!」
GM「じゃあいいよ。外です。王の部屋の下にはやはり兵士がいるね。部屋には人が通れるような大きさの窓はない」
ベーウィ「潜入はあきらめよう。とにかく、レンディがいないんじゃないかっていうことがわかっただけでいいや」
GM「結構慎重だね」
ベーウィ「無理はしなーい」
GM「うむ」

◆ 国王からの依頼 ◆

GM「じゃあ、翌日でいい? 良ければMP回復しておいて」
ベーウィ「は〜い」
GM「ソウッキシに行く?」
ベーウィ「その前に、レンディがここ最近、姿を見せたかとか聞き回ってみたい。とりあえず宿屋のおじさんがいいかな」
GM「いきなり聞くの?」
ベーウィ「綺麗って聞くから、見てみたいって話から持っていく」
GM「じゃあ、『小さな街だからな。城からも頻繁に出て来ていたが、ここ一週間ほどはさっぱり見ていない』」
ベーウィ「なるほどね。ソウッキシに捕まってるか……スタームが邪魔だから消したとか!?」
GM「怖い怖い。屍が裏山から見つかるかもな」
ベーウィ「ぶるぶる。お兄ちゃんが王女様を殺すなんて考えられないけどね」
GM「キャラクターの行動によっては、死んでもらうこともあるよ」
ベーウィ「だから、わたしの行動が絡んでないところなら大丈夫かと」
GM「実はもうすでに選択を誤ったとか!」
ベーウィ「えーっ!」
GM「どうする? ソウッキシへ行く?」
ベーウィ「あー、ちょっと待ってね。ソウッキシがレンディを捕まえたんだとしたら、ソウッキシはそれを公表するんじゃないのかな?」
GM「どうだろうね」
ベーウィ「隠しておくことで、ソウッキシにとって有利になることがあるのかなぁ。ソウッキシはオールレンを落としたいとは思ってないのかな?」
GM「どうだろうねぇ」
ベーウィ「ソウッキシまで2日だっけ? あんまり何度も往復する時間はない気がする。昨日の夜、王様と直接話したかったんだけど、できなかったし、今日正面から行ったら……」
GM「勇者だね。止めないよ?」
ベーウィ「ジャーグ将軍ってどういう人? スターム側? レンディ側?」
GM「個人的にレンディが好きでも、武人の中にレンディ側の人間はいないよ。一致団結して戦わなくちゃいけないときだから、国内で戦争賛成派と反対派で対立してる場合じゃない」
ベーウィ「難しいねぇ。レンディがいないことはほぼ確実だし、王様はレンディのことを愛してるから、ちょっと大胆な手段に出てみようかな」
GM「ほう。どうするかい?」
ベーウィ「ジャーグ将軍のところに行って、レンディ姫のことで、王様と話がしたいって言ってみよう。とりあえずジャーグ将軍のところに」
GM「おう。城外の駐屯所だ。ごっつい中年の男で、顔は怖いが声は落ち着いた感じ。『志願兵か?』」
ベーウィ「そうだ……オールレンの方が有利だと思ってな。だが、もう準備は整っているように見えるが、どうして攻め込まないんだ?」
GM「『国王が命令を下さないからだ。スターム王子は早く戦いたいらしいんだが』」
ベーウィ「レンディ王女は戦いに反対だと聞いたが」
GM「『あの人は優しすぎるんだ。それはいいことだが、戦いの世では甘さになる』」
ベーウィ「レンディ王女が反対しているから、王は戦わないのか? それなら、王も少し甘いと思うが」
GM「『詳しいことはわからん。ただ、ここ最近王女の姿を見ないのが気になるが……』」
ベーウィ「じゃあ、この辺で勝負に出ようかな。ふむ、やはり噂は本当なのか……」
GM「『噂?』」
ベーウィ「誰にも言わないか?」
GM「『それは場合による』」
ベーウィ「ふむ。実はソウッキシの近くで聞いたんだが、ソウッキシがレンディ王女を抑えているらしい」
GM「『何? それは本当か?』」
ベーウィ「わからん。そういう噂があってな。それを確かめるために、是非王と話がしたい。俺は魔法が使える。もしかしたら、力になれるかも知れない」
GM「う〜む。ジャーグはしばらく考えるね。どこまで君を信用していいか、図りかねているようだ」
ベーウィ「信用できないなら、武器は預けるし、手も縛ってくれていいぞ。俺は勝ちそうな方の力になって、金がもらえればそれでいいからな」
GM「じゃあ、武器だけ取り上げて王と面会しよう。でも、残念だけどスタームもいるよ。君は王から5メートルくらい離れたところにいて、すぐ隣にジャーグがいる」
ベーウィ「スタームもいるのか……。まあいっか。実は王、レンディ王女が誘拐されたという噂を聞いたものですから……」
GM「ロナルディは険しい顔になるが、すぐにあきらめたように溜め息をつく。『もう一週間だ。そろそろそういう噂が立ってもおかしくない頃だな』」
ベーウィ「では、噂は?」
GM「『本当だ。ただ、ソウッキシなのかどうかはわからん。もしソウッキシであれば、娘を楯に交渉して来ようものだが、何も言ってこない』」
ベーウィ「これはGMに。他にオールレンを狙っている国は?」
GM「近隣にはないよ」
ベーウィ「じゃあ、わかんないね。王女探しからかな……」
GM「ロナルディが言うよ。『そういう話をしに来たということは、娘を助けるために働くつもりがあるということか?』」
ベーウィ「そのつもりだが」
GM「『それなら、今極秘に動いている部隊に入ってくれ。そして彼らと一緒にレンディを助けて欲しい。報酬は弾む』」
ベーウィ「うーん……。独自に動きたいなぁ。もしよろしければ、一人でやらせて欲しいのですが。複数人で動くことに慣れてないので」
GM「『しかし、もし君が失敗して、娘の身にもしものあっては困る。あらゆる人間の行動を規制することはできないから、君が何かをするのは止めないが、一人なら依頼はできない』ちなみに忠告しておくが、君はもう、宿代もないからね」
ベーウィ「そう言えばそうだった。生意気言いました。是非そのパーティーに……」
GM「弱っ! 『では、これからソウッキシに行き、ロライと言うわしの部下を訪ねてくれ。詳しいことはジャーグに』ってことで、後からジャーグが場所とかを教えてくれるよ」
ベーウィ「スタームはどんな感じ?」
GM「別に変わったことはないけど。ちなみに、報酬は成功したら5,000ゴールドね」
ベーウィ「わかった。じゃあ、ジャーグに話を聞こう」

 ジャーグの話だと、ソウッキシにはロナルディの部下が3人いる。もちろん、密偵は他にもいる。
 ロライはソード・ワールドで言うところのシーフ。人間、男、まだ若い。
 ホリィは魔法使いの女性。年は27。セメドラはやはりシーフで、38歳。
 話を聞き、1,000ゴールドの前金をもらったベーウィはソウッキシへ行く。

◆ ソウッキシにやってくる ◆

GM「ソウッキシは街壁というより、土手みたいに、固められた土で覆われてる。濠はない。逆に城はもうちょっと堅固で、城壁は3メートル程度。城壁の上は歩けるようになっていて、矢はざまもあるね」
ベーウィ「街には簡単に入れるの?」
GM「正面から入るなら、門兵に止められるよ」
ベーウィ「面倒だからレムオル使って外から入ろう。(ころころ)52で成功」
GM「じゃあ、土手を登ってもらおうか。『足』+30で」
ベーウィ「(ころころ)67は辛うじて成功。ふぅ」
GM「じゃあどうぞ」
ベーウィ「街の様子は?」
GM「ピリピリした感じはあまりオールレンと変わらない。だが、数は少ないね」
ベーウィ「すでに何度か戦ってるの?」
GM「もちろん。その上で、ソウッキシ不利ってのが明白になった。もっとも、ここひと月ほどは膠着状態が続いているがね」
ベーウィ「ロライのところに行く前に、情報を集めよう。やっぱり戦い系」
GM「街では、大っぴらではないけど、降伏派も出てるようだね。ただ、国王コーラルは、オールレンの下では安穏たる生活は約束されないから、最後まで戦うべきだと言ってるようだ。兵士はそれに賛同してる」
ベーウィ「王子や王女は?」
GM「王子が二人いる。長男ムーツエルと次男ベイジェ。別に二人の仲は悪くないし、二人とも戦い賛成派だよ。オールレンみたいに複雑じゃない。みんな賛成、兵士も賛成だけど、現実的に攻め込んでも勝てないから膠着」
ベーウィ「敵国の王女の噂は?」
GM「どう聞くの? レンディ王女を捕まえてるって話を聞いたが、みたいに直接的に?」
ベーウィ「それは怖いからやらない。敵国のレンディ王女は戦い反対って聞いてるから、和平とかにはならないのか、みたいな」
GM「ならないみたいだね」
ベーウィ「そ、それだけ?」
GM「それだけ。あんまりレンディのことなんか気にしてないみたいだよ」
ベーウィ「じゃあ、王女の外見特徴を挙げて、見た人がいないか聞いて回ろう」
GM「んー、『頭』−20で」
ベーウィ「(ころころ)24!」
GM「元が高いからな。よく出した。じゃあ、一週間くらい前に、城の馬車の中にちらっとそういう人影を見たという情報が入る」
ベーウィ「なるほど〜。じゃあ、やっぱりソウッキシが王女を捕まえていたとして、どうしてそれを戦争に使わないか、だね。攻められたら使うつもりなのかな?」
GM「さあ。まあ、そういう可能性はあるだろうね」
ベーウィ「核抑止力みたいに、ずっと置いておけばこのまま膠着状態が続いて、見せかけの平和が訪れるって感じなのかも。ひょっとしたら、レンディ自身がそれを望んだ可能性も……」
GM「どうだろうねぇ」
ベーウィ「他にプレイヤーがいないってのは寂しいなぁ。全部独り言になる。お金をもらうためには、レンディの意思はとりあえず無視して、ロライと合流して助けた方がいいね」
GM「合流する?」
ベーウィ「う〜ん。先に今夜ちょこっと潜入してみる」
GM「どうぞ。夜まで飛ばしていいよ」

◆ 王女救出!? ◆

ベーウィ「寝ておくよ。MPは回復で」
GM「いいよ。夜の警備は向こうより手強いよ」
ベーウィ「頑張ろう。とりあえずレムオル。(ころころ)4で成功(残りMP25)」
GM「完全成功のレベルだね。じゃあ、持続時間を倍にしよう」
ベーウィ「ロープを使って登るよ」
GM「成功判定は『全身』+20、見つからないかは『全身』の素で」
ベーウィ「えー! 『全身』の素!?」
GM「ここは完全な城壁だからね。上には見張りもいるし、歩いてるし、そう簡単には」
ベーウィ「城門をアバカムは?」
GM「現実的に無理。城門をシーフの『鍵開け』で開けられるかってのと同じ問題」
ベーウィ「振ろうかな。60と40か……。(ころころ)まず1!」
GM「素晴らしい成功だ。次から、同じ方法なら判定なしでいいよ」
ベーウィ「見つからないで、見つからないで! うりゃ! (ころころ)15!」
GM「おお、頑張ったね〜。じゃあ、無事に城壁に登った。階段から下りれるよ」
ベーウィ「人とすれ違わないタイミングで降りる」
GM「慎重な宣言、だいぶTRPGに慣れてきたね」
ベーウィ「もういいかげん何度もやってるから」
GM「ここの城は、そのまま回廊に入れるよ。要するに、建物の壁と周りの壁と、どっちに重きを置いてるかだね。スカスカにしておいた方が、兵士の出入りはしやすいから、城壁には行きやすい。この城は、結局城門を破られるかが勝負の構造」
ベーウィ「レンディを探そう。地下に行けそうなら地下に行く」
GM「じゃあ、下り階段を見つける」
ベーウィ「慎重に降りる。暗い? 明るい?」
GM「時々火がある。暗くはないが、明るくもない程度。下の方に行くと、剥き出しの壁に格子戸があって、兵士が一人いる」
ベーウィ「寝てる?」
GM「起きてるよ。ちゃんと働いてる」
ベーウィ「さくっと殺っちゃおう。あー、でも大騒ぎになるよね。やっぱりラリホーだったか……」
GM「今さら言ってもしょうがない」
ベーウィ「気絶させたとしても明日になったら騒ぎになるし。やっぱり誘き寄せるか」
GM「どうやる?」
ベーウィ「兵士のすぐそばまで行ける?」
GM「『足』の素で」
ベーウィ「気合い! (ころころ)32! ふぅ……」
GM「いつ失敗するか、わくわくするな。じゃあ、来れた」
ベーウィ「階段は真っ直ぐ?」
GM「いや、一回曲がってる」
ベーウィ「とにかく、できるだけ上の方に、小石か何かを投げてみよう」
GM「じゃあ、小さな音がして、兵士が怪訝な顔をして上の方を見に行く」
ベーウィ「鍵は?」
GM「兵士の腰」
ベーウィ「じゃあ、アバカム……音するかな?」
GM「するだろうね」
ベーウィ「兵士は上まで上がっていった?」
GM「おう」
ベーウィ「じゃあ、布を鍵のところに巻きつけてからアバカム。音を軽減させよう。(ころころ)27で成功(残りMP20)」
GM「じゃあ、開く」
ベーウィ「素早く入って、鍵はかけようがないけど、格子戸はしっかり元の場所に戻すよ」
GM「じゃあ、これは『全身』かな? 『全身』+10で」
ベーウィ「気合い維持! うりゃっ! (ころころ)41!」
GM「頑張るなぁ。前半ボロボロだったから、ここに来てって感じか?」
ベーウィ「じゃあ、静かに先に進んで、レンディを探すよ」
GM「限りなく奥に近い牢屋に見つかる。他より少し待遇が良さそう。ベッドの上にはちゃんとした布団。服も悪くなさそう。王女は寝てる」
ベーウィ「レムオルって、自分で切ることできるの?」
GM「可能だけど、切る?」
ベーウィ「んー、とりあえずまだ。アバカムで開ける。(ころころ)65。少しずつ出目が上がってきた(残りMP15)」
GM「(ころころ)じゃあ、その音で王女は目を覚ます。でも誰もいないから、キョロキョロ」
ベーウィ「格子を開けて悲鳴とか上げられても困るから、静かに呼ぼう。レンディ王女」
GM「『誰ですか?』と、王女もひそひそ声」
ベーウィ「助けにきました。ベーウィと言います。入りますね」
GM「王女は無言で頷くよ」
ベーウィ「入ろう。それから、見張りの足音とか警戒しながら、ひそひそ声で話すね」
GM「『父が私を?』」
ベーウィ「はい。王女は……んー、街に戻りたいですよね?」
GM「『戻れるのなら』」
ベーウィ「やっぱり自分からじゃなかったんだ。戻れば、間違いなく戦争になります。それでもいいですね?」
GM「『…………』王女は黙ってうつむく。『戦いは……嫌いです。仲良くすればいいのに……』」
ベーウィ「ソウッキシは王女を戦いの道具に使いませんでした。何か知っていますか?」
GM「王女は小さく頷く。『ムーツエル王子が、どうしても必要になるまでは、卑怯な戦いはしたくないって言って……』」
ベーウィ「なるほど。で、王女はここから出てもいいですね?」
GM「『……そうですね。出してください』」
ベーウィ「じゃあ、レムオルと、自分にスカラ。(ころころ)16と4(残りMP5)」
GM「後ろはいい出目だ。じゃあ、スカラはダメージ減少+4点で」
ベーウィ「王女は動きやすい格好?」
GM「それなりに。素っ裸にする?」
ベーウィ「お、お兄ちゃんとは違うから……。でも、スカートとか長かったら少し切らせてもらおう」
GM「いいよ。その辺の理解は大丈夫」
ベーウィ「鉄格子まで戻る。兵士は?」
GM「もちろん戻ってるよ」
ベーウィ「王女は置いて、まず殺そう」
GM「『殺すんですか?』」
ベーウィ「仕方ありません」
GM「王女は悲しそうだ」
ベーウィ「そう言われても……。近付く」
GM「『足』+20で」
ベーウィ「出目8、余裕♪」
GM「出目いいねぇ。じゃあ、近くまで来たよ」
ベーウィ「いきなり格子を開けて、不意打ちグサッ」
GM「じゃあ、攻撃はこっちの修正なしの『手』×2+20で」
ベーウィ「(ころころ)69、危ない危ない」
GM「ダメージはD10+『腕』ボーナス+武器の攻撃力を出して、それを2倍しようか」
ベーウィ「部位狙いで、気絶を狙いたいけど。どっちにしろ、ダメージだけじゃ、一撃で殺せるとは思えないから」
GM「ん。とりあえずダメージ出して」
ベーウィ「(ころころ)あ、10出た! 36発」
GM「大丈夫、死ぬよ」
ベーウィ「そうなんだ。ベーウィは76もあるから」
GM「君は物語の主人公になれる、特別な人間なんだよ」
ベーウィ「よかったよかった。王女、こちらへ」
GM「レンディは小さく頷いてから、青ざめた顔でやってくる。忍び足をしてるようだけど、タッタッタッて音がするね」
ベーウィ「これはダメだ……。おぶっていけない?」
GM「いいけど、戦闘時に激しく修正を受けるよ」
ベーウィ「戦闘時には下ろすよ。しかも、こっちは透明だから、相手の攻撃もかなりの修正を受けるでしょ?」
GM「もちろん。じゃあ、レンディはちょっと逡巡するけど、大人しく君におぶられよう」
ベーウィ「元来た道を辿る感じで」
GM「じゃあ、城壁に登る時に、気付かれないかを『足』の素で、降りるときは『全身』+20」
ベーウィ「前が厳しい。でも、ここまで頑張ってきたんだから……えい! (ころころ)33!」
GM「おおっ。いよいよラストの判定だな。失敗したら落ちてもらうよ」
ベーウィ「(ころころ)うわー!」
GM「でもまあ、よくここまで来たと思うよ。(ころころ)君は24発、王女は……あ、3、4、4だって。11発」
ベーウィ「同じ3D10とは思えない。防御で引ける?」
GM「いいよ。鎧のみ軽減で、22発受けて。あー、スカラ分も引いていいよ」
ベーウィ「後58か……。王女は?」
GM「この人、HP25しかないから、あと13」
ベーウィ「最後のMPでホイミ」
GM「キャラメイクで言ったとおり、2D10+『頭』ボーナスで」
ベーウィ「3と10。17点回復して(残りMP0)」
GM「全快だよ。でも、落ちた時の音で、城壁の上は騒然となる。『今、人の声がしたぞ!』『この辺りだった!』『何も見えないぞ?』『とにかく行ってみよう!』」
ベーウィ「すぐに王女を担いで逃げる」
GM「『足』+20で」
ベーウィ「(ころころ)54、辛うじて成功!」
GM「じゃあ、逃げおおせたね」

◆ ロライと合流 ◆

GM「これからどうする?」
ベーウィ「王女がいなくなったことはすぐにバレるだろうし、ロライと合流かな。王女はロライのことは知ってる? 聞いてみよう」
GM「あー、とりあえずレムオルはもう切れてるから。王女は小さく頷いてから、ちょっと難しい顔をする。『ロライは、兄の部下です』」
ベーウィ「え? えっと、じゃあ、あまり王女を快く思っていない……?」
GM「『それは、わかりません。でも、兄は私を嫌っていました』」
ベーウィ「ホリィとセメドラについても聞こう」
GM「『ホリィも兄の部下です。セメドラはジャーグの隊の兵士ですが……彼も私を助ける部隊に?』」
ベーウィ「うん、そう。えー、どうしよう。なんだか、このままロライのところに行くのは危険な気がしてきた。王女はどう思います?」
GM「『私は、状況がよくわからないから……ベーウィさんにお任せします』NPCに聞くな(笑)」
ベーウィ「このまま二人でオールレンに帰るってのはどうかな?」
GM「別に構わないが、それだとお金はもらえないと思った方がいいぞ?」
ベーウィ「それは困る。前金返したら、マイナスになっちゃう」
GM「金のことを声に出すなら、レンディが言うよ。『私を助けてくださったのですから、お金でしたら私が個人的に差し上げても構いません』」
ベーウィ「なんだかお金に固執してるみたいで嫌だけど、これが仕事だからわかってね」
GM「じゃあ、王女を連れて街を出るかい? ロライは無視?」
ベーウィ「わたしの第六感が、ロライのところには行っちゃいけないって言ってる」
GM「ういうい。じゃあ、街の周りの土手まで来ると、だいぶ賑やかになってるよ。兵士もちらほら見受けられる。『絶対に街からは出すな!』とかなんとか」
ベーウィ「困ったなぁ。レムオル使うにも、MPがない」
GM「『ロライと合流して、脱出を手伝ってもらいますか?』」
ベーウィ「王女は、ロライを信じますか?」
GM「『ベーウィさんは、ロライが私に何をすると思うのですか?』」
ベーウィ「そう言われると……。ただ、王子は王女をあまり好きではなかったようなので……」
GM「『私が戻れば、オールレンはこの街を攻められます。私が反対しても、ソウッキシは私を拉致したくらいだから、今度は私の反対も聞き入れられないでしょう』」
ベーウィ「王女は、自分を拉致したこの街を許せるのですか?」
GM「『危害は加えられませんでした。ソウッキシは戦えばオールレンに負けます。この街の人も必死なんでしょう』」
ベーウィ「色々なことに理解のある人だね。そう言えば王女は帰りたいって言ってたけど、帰ったらどうするつもりなのかな? 戦争になるのはあきらめるの?」
GM「『反対はしますが……もうダメでしょうね。きっと、元々ダメだったんです』」
ベーウィ「コーラルさんも降伏はしないって言ってるしね。じゃあ、ロライと合流しよう。王女が疑ってないのに、部外者のわたしが疑い続けてたら、逆に自分が疑われそう」
GM「じゃあ、ロライがいるアジトだ。もう夜遅いが、どうする?」
ベーウィ「ドアをノックするよ。コンコン」
GM「しばらくすると、中から『誰だ?』と男の声がする」
ベーウィ「ロナルディ王に雇われたベーウィだ。レンディ王女も一緒だ」
GM「『何!?』ドアが開けられる。武器を持った3人がいるが、王女を見て驚くね。『おお、王女!』」
ベーウィ「みなさん、ご苦労様です」
GM「お前が言うな」
ベーウィ「わたしは、お兄ちゃんが一人芝居する労力を軽減しようかと」
GM「これはGMの宿命だ(汗)。『こちらの方が助けてくれました。でも、逃げ出すときに見つかってしまって。これからオールレンに帰るのを手伝ってくれますね?』と王女。3人は『とりあえず中に』と言うよ」
ベーウィ「王女のそばから離れないようにして中に入るよ。あと、3人の顔色は常に見ておく」
GM「3人は詳細を希望するが」
ベーウィ「話せないことは何もないから話すよ。あっ、魔法が使えることは黙っておこう。特にレムオルは。どっちみち今は使えないし」
GM「3人はしばらく話し合っていたが、やがて君に言うよ。いや、本当は王女になんだけど、王女は君の判断に従うから。『今は外が騒がしいから、しばらく待とう』」
ベーウィ「んー、じゃあ、数時間寝て、外の騒ぎも落ち着いてきたら、レムオルを使って逃げよう。レムオルが使えることは言っておくよ」
GM「『わかった。それなら、ベーウィはそこのベッドを使ってくれ。姿は知られていないんだろ? 王女は敵に姿を知られているから、地下室へ』」
ベーウィ「王女は? 素直に頷く?」
GM「疑ってないしね。別に反対する理由がない」
ベーウィ「王女のそばにいたいんだけどなぁ。だけど、王女の方から言ってくれないと、この場ではどうすることもできない。王女に耳打ちできない?」
GM「んー、『頭』+10で成功したら耳打ちさせてあげる」
ベーウィ「ここは成功しておきたい。うりゃっ! 33!」
GM「確実に出してくるね。じゃあ、どうぞ」
ベーウィ「王女、気を悪くするかも知れないが、俺は彼らを完全には信用できない。王女は俺の方が信用できないかも知れないが、もしよければ俺から離れないでくれ」
GM「ふむ。王女はしばらく無表情で君を眺めていたけど、やがてロライの方を向いて言うよ。『ロライ。ベーウィも敵に怪しまれるに違いありません。私と一緒に地下室で休ませます』ロライは渋い顔をするが、反対はしない。相手は王女だからね。できないって言った方がいいかな」
ベーウィ「何か言おうと思ったけど、寡黙だからやめておこう」
GM「今さら! ロライは君に、『王女に手を出すなよ』と言って、地下室に案内してくれるよ。床の一部が開いて、階段を7段くらい下りた小さな部屋だ。布団を一組投げられて、『悪いが一組しかない。お前は床に寝てくれ』って言う」
ベーウィ「別に構わないよ。気を張り詰めながら寝よう。それでもMPは回復する?」
GM「じゃあ、1時間に5ずつ回復ね。王女が『布団はあなたが使ってください』って言ってくるよ」
ベーウィ「いえ、俺は慣れてますから」
GM「『助けてくれた人を、こんな冷たい床で寝させることなんてできません』」
ベーウィ「ありがとう、王女。でも、それは王女がお使いください」
GM「王女はしばらく考えてから……」
ベーウィ「お兄ちゃん。何か変な展開にしようとしてない?」
GM「い、いや別に……。ほずえに男の欲望を理解できるか、試そうかと……」
ベーウィ「絶対に床で寝る!」
GM「はいはい。俺なら一緒に寝るのに」

◆ やっぱり戦いになる ◆

ベーウィ「はい、じゃあ、何事もなく朝になりました。んー、よく寝た。おはよう、王女」
GM「んなわけないだろ。『頭』+……気を張り詰めてって宣言してたから、30で」
ベーウィ「(ころころ)62と言って成功」
GM「じゃあ、上の方で物音がする。金属っぽいねぇ。ひそひそ声も聞こえる。内容は……『五感』を素で」
ベーウィ「(ころころ)それは無理」
GM「じゃあ、内容まではわからないね」
ベーウィ「でも、危険は危険でしょう。何時間経った?」
GM「2時間。MPは10回復していいよ。HPは……決めてなかったなぁ。1時間1にするか」
ベーウィ「じゃあ、2回復ね。HPが60、MPが10になった。王女をそっと起こそう。王女……」
GM「『どうしましたか?』ちゃんとひそひそ声だよ」
ベーウィ「どうしようかなぁ。しまった、レムオル使えること言ったのは失敗だった」
GM「覆水。透明になっても、逃げられたとは思ってもらえないだろうね」
ベーウィ「あー、しまった。3対1じゃ、さすがに分が悪い。でも戦うしかないか……。王女は適当に説得」
GM「ロールプレイしてくれ。俺は会話主体のRPGが好きなんだよ」
ベーウィ「王女、敵が来ます」
GM「『敵? 見つかったのですか?』」
ベーウィ「刃物を向けてきたらすべて敵です。相手の顔は王女が見てください。レムオルをかけます。王女はそこの隅に座って、じっとしていてください。相手が誰であっても、何があっても、絶対に声を出してはいけません。敵の狙いは、俺ではなく王女ですから」
GM「『まさかロライが……』と、王女は青ざめて言うけど、すぐに黙って頷くよ」
ベーウィ「じゃあ、レムオルとスカラ」
GM「ホイミ分、残さなくていい?」
ベーウィ「ホイミで回復する分より、スカラで軽減できる分の方が大きそう。60と23で成功ね(残りMP0)」
GM「じゃあ、回避、攻撃ともに+20で。スカラはダメージ減少+4ね」

※これ、ミスです。先のスカラは、出目が良かったから+4だっただけで、元々は+2のはずでした。

ベーウィ「階段のところに張り付いて、入ってきたところを不意打ちにする」
GM「うい。とりあえず、こっちの『手』と『全身』ね」

 ロライ:『手』が20、『全身』が30。ベーウィの回避成功は80、攻撃成功は50。
 ホリィ:『手』が20、『全身』が20。ベーウィの回避成功は80、攻撃成功は60。
 セメドラ:『手』が30、『全身』が30。ベーウィの回避成功は70、攻撃成功は50。

■1ラウンド目

GM「開ける。最初に顔を出したのはロライだ。ちなみに、通常の戦闘順は、ベーウィ、ロライ、セメドラ、ホリィね」
ベーウィ「階段で戦うけど、囲まれる?」
GM「セメドラは攻撃できない。君はロライにしか攻撃できない。ホリィの魔法は受ける」
ベーウィ「ベギラゴンを10発くらい受けたら、まとめて死ぬ自信がある。っていうか、王女はギラ数発に耐えられそう? 声出さずにいられそう?」
GM「女の子だからねぇ。声は出ちゃうんじゃ……」
ベーウィ「…………」
GM「いや、まあ、ホリィが何を使えるかはまだ君は知らないからね」
ベーウィ「考えてもしょうがないか。攻撃。50?」
GM「完全な不意打ちだから、+30の80でいいよ」
ベーウィ「(ころころ)26と言って成功。ダメージは出目5+6+2で13発」
GM「(ロライの防御力は2、『全身ボーナス』は3だから、8発受けて、残りHP22)じゃあ次のラウンドやね」

■2ラウンド目

GM「イニシアティブは……」
ベーウィ「な、何それ!」
GM「冗談。『くそぅ、気付かれていたか!』とロライ」
ベーウィ「攻撃は40と言って当たり」
GM「攻撃は結構当たりにくそうだから、割と運が良かったね」
ベーウィ「D10は出目3で11発」
GM「(6発受けて、残り16)じゃあ、ロライの攻撃を回避して」
ベーウィ「(ころころ)65、余裕♪」
GM「じゃあ、ホリィはメラミ」
ベーウィ「うわ! 上位魔法? そんなの数発使われたら……」
GM「メラミは消費MPが10になる。抵抗して。こっちの『頭』が30だから、君の『全身』(40)×2−30の50で」
ベーウィ「(ころころ)6で成功!」
GM「ちっ。あ、でも出目がいい。2D10は10と6に『頭』ボーナスの3を足して19は半分の10発」
ベーウィ「(残りHP50)て、抵抗できなかったら死ぬ……」

■3ラウンド目

ベーウィ「攻撃は4で成功。勝ちそうな流れになってきた。あー、でもダメージが1。9発」
GM「(4発受けて残り12)じゃあ、回避して」
ベーウィ「(ころころ)31で成功」
GM「ホリィはメラミ。『焼け死んでしまえ!』」
ベーウィ「(ころころ)うっ……焼け死ぬかも」
GM「よし! (ころころ)が、こっちが悪い。2と4で9発。ウィザードリィのような魔法のダメージ幅」
ベーウィ「そういえば、魔法は素で受けるの?(残りHP41)」
GM「冒険者レベルがないからな(笑)」

■4ラウンド目

ベーウィ「ロライはどう? そろそろ?」
GM「そろそろだねぇ」
ベーウィ「うりゃ! ダメ、失敗。その後は……回避ね」
GM「ホリィはどうしようかなぁ。次メラミ討つと、打ち止め」
ベーウィ「早っ!」
GM「『頭』ボーナス足せる分、長期戦になるならメラ2発の方が得だよな。ってことで、メラ」
ベーウィ「(ころころ)うにゅう、ダメ」
GM「(ころころ)よし、出た! 13発受けて」
ベーウィ「さ、さっきのメラミより受けた……。お兄ちゃん、10振りすぎ(残りHP28)」

■5ラウンド目

ベーウィ「攻撃が当たらないと……でも、次のメラさえ堪えれば回避は続けられそうかな? (ころころ)35と言って当たり。ダメージは……よしっ! 10返し! 18発持ってって」
GM「−1になった。生死判定は、マイナス分×10を100から引く。90以下で成功。(ころころ)1振った。生きてはいる」
ベーウィ「次、ホリィにいける?」
GM「セメドラが前に来るよ。もっとも、ホリィは次の魔法が最後だが。セメドラの攻撃を回避して」
ベーウィ「(ころころ)44で成功。たぶん、攻撃は受けない」
GM「ホリィはラリホー」
ベーウィ「そんな魔法も使えるの!?」
GM「抵抗してくれ。50ね」
ベーウィ「死ぬ……せやぁ! 99! ぱたっ!」
GM「さよなら、ベーウィ……。君のことは、きっと明日になったら忘れるよ」

■6ラウンド目

GM「まずベーウィから。起きてみて。魔法抵抗と同じで」
ベーウィ「起きて! (ころころ)93! さよなら、レンディ王女……」
GM「君が死ねば、レンディも死ぬから安心していいよ。セメドラの攻撃は、君が地下牢でやったのと同じでいくか。まず『手』×2+20で……80以下。(ころころ)えー! 84とか振るかぁ!」
ベーウィ「生き延びた。ホリィは?」
GM「魔法が打ち止めだから、手が出ない」

■7ラウンド目

ベーウィ「気合い! 24! 起きた起きた」
GM「じゃあ、回避して。起きたばかりだから、−40の修正で。レムオル分は有効」
ベーウィ「30かな? (ころころ)ダメ」
GM「8発」
ベーウィ「ダメージ減少はスカラが効いてるから4+2+『全身』の4? じゃあ、0だね」
GM「いかんなぁ。さっきの攻撃外したのがいかんかった」

■8ラウンド目

 端折り。
 ベーウィの攻撃は68と言って失敗。回避は62と言って成功。

■9ラウンド目

 ベーウィの攻撃は90と言って失敗。回避は64と言って成功。

■10ラウンド目

 ベーウィの攻撃は35と言って成功。D10は2を振って10発(6点通ってセメドラの残りHP34)。
 回避は76と言って失敗。GM、気合いの9で13発(3点通ってベーウィの残りHP25)。

GM「9振って3点しか通らないのか……。ゲームバランス悪ぃ」
ベーウィ「まあ、突発ルールじゃこんなものじゃ……。メラミに比べて、武器攻撃が貧弱だね」

■11ラウンド目

 ベーウィの攻撃は21と言って成功。D10は7を振って15発(11点通ってセメドラの残りHP23)。
 回避は98と言って失敗するも、攻撃が通らず。

 12、13ラウンド目は、双方の攻撃当たらず。

■14ラウンド目

 ベーウィの攻撃は6と言って成功。D10は6を振って14発(10点通ってセメドラの残りHP13)。
 セメドラの攻撃は35で回避。

■15ラウンド目

 ベーウィの攻撃は70と言って失敗。
 回避も73と言って失敗し、攻撃がD10が8で12発(2点通ってベーウィの残りHP23)。

 16、17ラウンド目は、双方の攻撃当たらず。

■18ラウンド目

 ベーウィの攻撃は33と言って成功。D10は6を振って14発(10点通ってセメドラの残りHP3)。
 回避は80と言って失敗するも、攻撃が通らず。

GM「このラウンドで、不利を悟ったホリィが逃げていくよ」
ベーウィ「追いかけるに追いかけれないなぁ。王女がメラゾーマとか使わない?」
GM「使えたらとっくに手伝ってるよ」

■19ラウンド目

ベーウィ「攻撃は28と言って成功。ダメージが……10出た。18発!」
GM「死んだ」
ベーウィ「生死判定は?」
GM「−10以上になったら確実に死ぬ」
ベーウィ「ホリィには追いつけそう?」
GM「行こうとしたら、王女が君を呼ぶ。『ベーウィさん!』」
ベーウィ「なんで止めるの?」
GM「止めるっていうか、姿は見えないが、声は震えた感じがする。怯えているようだね」
ベーウィ「うぅ……。追いかけた方がいい気がするけど、王女を優先しよう。大丈夫ですよ、王女」
GM「『ベーウィさん、私、怖い……』萌えてきた?」
ベーウィ「す、少し……。そっと肩を抱こう」
GM「じゃあ、しばらくそうしていると、王女は落ち着くね」
ベーウィ「ホリィがいないことを確認してから上に行こう。先に王女を上げて、さりげなくロライにトドメを」
GM「過激だ。(ころころ)」
ベーウィ「な、何?」
GM「いや、王女が気付くかと思ったけど、81とか振った」
ベーウィ「ほっ。すぐに逃げた方がいいと思うけど、またMPがない。外の様子は?」
GM「2時間前よりは静か。でも、まだまだかなぁ」
ベーウィ「少し寝ましょう、王女」
GM「寝るのね?」
ベーウィ「うわ! 何か今、引っかかった。ちょっと待ってね……」
GM「どうぞどうぞ」
ベーウィ「ホリィは王女を殺したかった。失敗したら……ひょっとして、敵に密告するかな?」
GM「ほう」
ベーウィ「へなへなだけど、ここは出た方がいい気がする……。行きますか? 王女」
GM「『ええ。私は、ベーウィさんについていきます』もうずっと青ざめた表情だよ」
ベーウィ「可哀想に……」

◆ ベーウィの選択 ◆

ベーウィ「HP23、MP0でどうすればいいんだろう。どこか寝られそうなところを探そう。この際、路地裏でもなんでもいいから」
GM「そろそろ夜が明けるよ。ああ、ちなみにレムオルもスカラも切れてるから。スカラがちょっと強すぎたかなぁ」
ベーウィ「+4は大きいね」
GM「スクルトと差をつけたかったのさ。セメドラの攻撃がまったく通ってなかったのが痛い」
ベーウィ「モシャスとかあれば良かったね。魔法自体を今思い出した」
GM「なつかしい」
ベーウィ「変装させられないかなぁ。ああ、ロライのところから、お金持ってきて良かった? 他に、武器防具もあれば」
GM「武器防具はない。3人も君と同じくらいのもので戦っていた。金は、じゃあ1,500ゴールドくらい」
ベーウィ「王女さえ変装させればいいから……長い金髪だったよね? ざっくり切って、男物の服とか着てもらっていい?」
GM「萌えだな! GMは歓迎♪」
ベーウィ「わたしは王女に聞いてるの!」
GM「『構いません。今は……助かるのが先決です。髪はまた伸びますから』」
ベーウィ「健気だ。じゃあ、変装させよう」
GM「50ゴールドくらいでいいよ。それでも割といい服かも」
ベーウィ「5,000円くらい? そうだね。じゃあ、堂々と門から……はまずいかなぁ」
GM「どうだろうね。今は出て行く方向にはチェックが厳しいよ」
ベーウィ「周りは土手だったよね? どこかに手薄なところ、ない?」
GM「んー、まあ、あってもおかしくはないかな。じゃあ、見つけた」
ベーウィ「乗り越える。まず自分が登って、王女にはロープを使おう」
GM「うむ。来たとき、どうやって土手って登ったっけ?」
ベーウィ「忘れた。『足』だった気がする」
GM「じゃあ、ここは手薄だけどちょっと高めってことで、『足』+20」
ベーウィ「(ころころ)46で成功」
GM「じゃあ、王女と一緒に街の外に」
ベーウィ「森とかある? ちょっと身を隠して休みたい」
GM「はいはい。1時間ほど歩いたところに」
ベーウィ「じゃあ、そこで寝る。王女、そばにいてくださいね?」
GM「『ええ。役に立たないかも知れませんが、私が見張っています』」
ベーウィ「ありがとう。すやすや」
GM「どれくらい寝る?」
ベーウィ「3時間寝て、一度起きてからホイミで直す」
GM「じゃあ、起きると、王女の姿がない。『今までありがとう』という手紙が……」
ベーウィ「えーっ!」
GM「嘘だよ。『もういいんですか?』」
ベーウィ「最低だ。とりあえずホイミ。3と2? 9点回復。2回目は9と6で15の19点。これで52?」
GM「3時間寝てるから、もう3回復してるはず。55」
ベーウィ「次のホイミ。7と5で16点。最後、1と9は14点で全快だね。もう2時間寝る」
GM「うい。じゃあ、完全復活。昼過ぎだねぇ」
ベーウィ「これからどうしよう。王女は、どうしたいですか? って、またNPCに聞いちゃったけど……」
GM「『私は……』」
ベーウィ「…………」
GM「『…………』」
ベーウィ「私は?」
GM「王女は何も言わずに涙を流して、俯く」
ベーウィ「ああ、王女」
GM「『兄が私を殺そうとしたなんて……。私、どうしたらいいのかわからない……』」
ベーウィ「そうだねぇ。もう街に帰るに帰れないし……と言って、冒険するっていうタイプでもないし」
GM「『もう、私なんて、死んでしまった方が……』」
ベーウィ「そ、それはいけない!」
GM「『…………』」
ベーウィ「困ったなぁ。わたしとしては、王女の意思を尊重したいんだけど」
GM「『街に帰りましょうか……。ベーウィさんに、報酬をお支払いしなくては……』」
ベーウィ「あうぅ。わたし今、どれくらいお金持ってるの? 2,500ゴールドだっけ?」
GM「前金が1,000ゴールドだから、それくらい」
ベーウィ「どこかに行って、一旗上げられるね。ああ、でも、ホリィはどうするんだろ。きっとスタームのところに行くよね。でも、その前にわたしたちが帰れば、スタームの悪事は露見する」
GM「戻らなくて、ホリィがスタームにあることないこと言ったら、君は犯罪者になるかもね」
ベーウィ「うにゅう。王女、戦争は?」
GM「『……私がいてもいなくても、何かをしてもしなくても、どうすることもできないでしょう』」
ベーウィ「なんだか、ちょっと投げやりになってる気が……。じゃあ、いっそソウッキシ側について、和平の申し出をしてみるとか」
GM「それには王女が首を振る。『恨んではいませんが、それでもここはオールレンではありません。完全に信用することなんてできないし、また捕まるかも知れません。あなたは殺されてしまうかも知れません』」
ベーウィ「じゃあ、戻るか、二人で逃げるかのどっちかだね。っていうか、二人で逃げようって言ったら、王女はどうするの?」
GM「レンディは熱っぽくじっと君を見つめてから、『もし、ベーウィさんが良ければ、私は……』」
ベーウィ「…………」
GM「萌え?」
ベーウィ「す、少し……」
GM「俺がいつも、どうしてお前に萌えてるかわかってきた?」
ベーウィ「いや、それはわかんないけど」
GM「なんてやつだ」
ベーウィ「どうすればいいのかわかんなくなってきた。王女にとっての幸せってなんだろう。聞いてみよう」
GM「き、聞くのか!? 『私は……お城で家族仲良く、そして、街が平和であればそれが何よりでした』」
ベーウィ「でした」
GM「『今はもう……』と言って、王女は薄く自虐的な微笑を浮かべてから、切ない溜め息をついて君を見上げるよ」
ベーウィ「ど、どきどきしてきた」
GM「『ベーウィさんは……私を……』と言いかけて、王女は視線を逸らせて口を閉じる」
ベーウィ「お、王女……」
GM「萌えてきた? 抱きしめたくなってきた? 俺がどうしていつも、お前や雪島に抱きつくかわかってきた?」
ベーウィ「…………」
GM「王女はそれ以上何も言わないよ。言いたいんだけど、言っていいのか迷ってる感じ。君に迷惑はかけたくないんだね〜」
ベーウィ「い、言って欲しい気がする……。王女……と呼びかけてこっちを向かせよう。じっと見つめながら」
GM「お、ほずえがノリノリになってきた。『ベーウィさん……』」
ベーウィ「王女……」
GM「ほずえ……ちゅっ」
ベーウィ「きゃあ! な、なんでお兄ちゃんがキスするのよ!」
GM「いや、リアルプレイ」
ベーウィ「そういうのは、男の子からするものなの!」
GM「だから俺からしたじゃん」
ベーウィ「も、もうめっちゃくちゃ。じゃあ気を取り直して……王女……と言いながら……」
GM「んー、んーー」
ベーウィ「うっ……。レ、レンディなら可愛いけど、お兄ちゃんに唇突き出されても……」
GM「ダメか……」
ベーウィ「とにかく、軽くひしっとして、ちゅっとして……」
GM「じゃあ、ぽんわりしながら、『ベーウィさんは……私を、幸せにしてくれますか?』」
ベーウィ「あ、ああ。ひしっと抱きしめよう。ひしっ」
GM「…………」
ベーウィ「なぁに?」
GM「いや、抱きついてきていいぞ?」
ベーウィ「プ、プレイだけでいいの!」
GM「しょがない。じゃあ、王女と逃亡という方向でいいんだね?」
ベーウィ「逃亡って言わないで。人聞き悪い」
GM「愛の逃避行。どっちでもいいよ」

◆ 反省会 ◆

水原「はい、お疲れさん」
ほずえ「うにゅ〜。最後、オールレンとスタッキシはどうなったの?」
水原「ふむ。ベーウィが風の噂で聞くに、オールレンがスタッキシを攻め込んで、勝ったそうだ」
ほずえ「攻め込んだってことは、レンディがスタッキシにいないってことが明らかになったってこと?」
水原「ホリィが言ったんだろうね」
ほずえ「じゃあ、レンディのことは? やっぱりわたしたち、追われる身?」
水原「ベーウィが連れ出して、そのまま行方不明。でも、罪人にはなってないようだね。ホリィが上手く味方したらしい」
ほずえ「ホリィがレンディの? どうして?」
水原「ありのまま言うわけにいかないし、嘘をついたって、レンディが出てきたらバレるじゃんね。だったら、レンディの味方をしておいた方がいいわけだ。ホリィも怯えてるんだね。ホリィも女だから、レンディの気持ちは大体わかったんじゃないかな?」
ほずえ「なるほどね〜。それにしても、即興の割には楽しめたよ」
水原「うむ。戦闘バランスは微妙だったが」
ほずえ「スカラがなかったら、そうでもなかったと思うけど。あるいは、敵の『腕』が低かったのかな?」
水原「どっちもだな。3対1だから、ちょっと弱めに作った。スタッキシ城内での出目が良かったな。城壁の『全身』の素を成功したのが見事だ。あれで失敗してたら、またまったく違う話になってたろうな」
ほずえ「そうだね。ここぞというところで出目はよかったと思う」
水原「他にも、物語の転換ポイントは多いな。最後に城壁から落ちてなかったら、街は騒がしくなってなかっただろうから、君はロライと合流せずに街から出ていただろうし」
ほずえ「一番最後も、街に帰ることだってできたんだよね」
水原「うむ。一応、成長させるなら、HPとMPは合わせて3ポイント振り分け。その他の能力値は5ポイント振り分け」
ほずえ「す、少ない……。じゃあ、こんな感じで」

名前HPMP五感全身
ベーウィ(男・19)
所持金:2,500G
763350
+5
30
+3
40
+4
60
+6
32
+3
40
+4

ほずえ「今回は、実は即興だから、戦闘中心のシナリオになるかと思ってた。結構ストーリー性があってびっくりしたよ」
水原「お前が上手く戦闘を回避したのはある。城外ならともかく、鉄格子のところで97とか振ってたら、それこそその場で終了な勢いだったと思うぞ?」
ほずえ「それもそうだけど、よくこういうシナリオが考えつくなって思って」
水原「慣れ。今度お前もGMやってみろ。今日みたいな適当プレイなら、別に破綻したって問題ないし」
ほずえ「そうだね。チャレンジしてみたくなったよ。今回のルール、簡単でわかりやすくていいね」
水原「魔法が強すぎる感じがするがな。ラリホーも、あれでは効き過ぎる。もうちょっと改良すれば良くなりそう」
ほずえ「ベーウィの物語はこれでおしまい?」
水原「それはベーウィ次第だろう。どこかの街に落ち着いて、農業でもやるのか? 妻を残して、戦場に行く?」
ほずえ「難しいね。レンディも同業に……」
水原「無理だろ。あきらかに箱入りだったぞ?」
ほずえ「そ、そうだね……」
水原「それにしても、今回はお前に『萌え』を教える重要なセッションになった」
ほずえ「よ、よくわからなかったよ!」
水原「嘘つけ。思わず抱きしめたくなる感じをわかってもらえたなら完璧だ」
ほずえ「うぅ……」
水原「まあ冗談はともかく、ダイスさえあれば、別にルールブックなんてなくてもできるのがTRPGだって、わかった? 最悪、ダイスすらなくてもいいんだ」
ほずえ「うん。要するに、みんなで楽しもうっていう気持ちさえあれば、ゲームは成立するんだね?」
水原「そそ。お前もだいぶTRPGをわかってきたようで、お兄ちゃんは嬉しいよ。TRPGは俺と雪島の原点だからな。あいつは相変わらず仲間内で続けてるみたいだし。俺も今はロードスのキャンペーンに参加してるし」
ほずえ「わたしもキャンペーンやりたいな。『エリックとエルメス』は絶望的にしろ、『子供たちの冒険』はまだいけそうじゃない?」
水原「GM次第だな」
ほずえ「先輩はいつだって暇だよ。問題はお兄ちゃん!」
水原「うぐぅ。なかなか、ね……」
ほずえ「わたしはいつだって期待しています」
水原「はいはい。じゃあ、とりあえず締めよう。お疲れさん」
ほずえ「うん。今日はありがとう♪」

 おまけ。
 たぶんもう、これ以上これを続けることはないと思うが、一応レンディのデータを載せておこう。

名前HPMP五感全身
レンディ(女・17)252238
+3
24
+2
14
+1
12
+1
21
+2
19
+1


  ▲ Back