『 S.W.RPGリプレイ 子供たちの冒険4 』

                                プレイ日:2004年11月6日
                                GM+文章:雪島琴美

前編から。

◆ またまた森へ ◆

ジェイク「果てしなく長いプレイになってきたぞ?」
GM「たぶん、500行くらい、私の予定にないプレイが入ったから」
ティーユ「どうなる予定だったんですか?」
GM「それは追々わかってくるよ。第4回はまだまだ全然終わってない」
ティーユ「ひえー」
エル「でも、懐はあったまったよ。10,250ガメル♪」
GM「数日分と、これからの旅の分で、ちょうど10,000ガメルにしておいて」
エル「わかった」
GM「ところで、余談だけど、君たちはロープを何本くらい持ってる?」
ジェイク「絶対にそれは余談じゃないだろ。5本くらいじゃないか?」
ティーユ「レンジャーいないし、それくらいかな?」
GM「じゃあ、5本で。別になんでもないよ。行動宣言して」
エル「キッコロの森でいいんだっけ?」
ティーユ「私たち、元々何をするつもりだったっけ?」
ジェイク「ワードが、依頼がどうのとか言ってくる前だな。俺がギルドに行って……」
エル「あれだ! 宝玉を盗んだのがフェザーフォルクかも知れないから、グライアイに聞こうって話」
ジェイク「そう、それ。ひょっとして、そこから今までのが全部脱線?」
GM「脱線とは言わないけど。シャーフとは会わなくちゃならなかっただろうし」
エル「何をどこでどう間違えたんだろ……」
GM「まだ間違えてないかもしれないよ?」
エル「嘘だ! もう、絶対に間違えた感じ」
GM「じゃあ、例の教会の洞窟を通って、キッコロの森?」
エル「うん。何か出てくる?」
GM「面倒だから割愛。今ならグリズリーに襲われても大丈夫だろうね」
ジェイク「たぶんな。俺たちも強くなった」
GM「じゃあ、例の狭いところまで来ると、見覚えのある二人が立ってる」

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エル「誰?」 GM「オイスとファリンだね」 ジェイク「おやおや? また登場?」 GM「向こうも驚いてるよ。『君たちか!』」 エル「君たちだ。どうしたにゅ?」 ティーユ「エルが幼児になってる……」 ジェイク「犯されたから……」 エル「犯されてないもん」 ティーユ「犯されたって騒いでた」 ジェイク「裸でティーユに抱きついてる姿は、特に意識して記憶した(笑)」 GM「じゃあ、いつでも記憶術で思い出せるね」 ジェイク「夜のおかずにしよう……でも、ジェイクは子供だから、そういうことはわからない。そろそろ覚える頃かな?」 エル「最低っ!」 ジェイク「だから、しないって。っていうか、エルは詳しいな」 エル「うっ……そんなことないよ? なんのことかな〜」 GM「『話をしてもいいかい?』」 ティーユ「ど、どうぞどうぞ。一体こんなところでどうしたんですか?」 GM「『それはこっちの台詞だよ』」 エル「私たちは、この先にあるキッコロの森に用があって」 GM「『奇遇だね。僕たちもさ。だけど、見ての通り、この穴は狭すぎて僕たちには入れない。そこで、依頼主とメリックだけで行ったのさ』メリックって、グラスランナーね」 エル「依頼主? 子供なの?」 GM「『女の子だよ。それ以上は言えないけど、君たちが先に進めばバレちゃうね』」 ティーユ「ソーニに100,000ガバス」 ジェイク「大きく出たな。でも、確かに冒険者と一緒に森にって言ってたな」 エル「日にちが合わないよ。ここに来るまでに迷ったのかな? 迷った?」 GM「『恥ずかしながら、数日……』」 エル「日にちが合った(笑)」 ジェイク「じゃあ、はっきり言ってしまおう。依頼主はソーニという女の子だろ? 俺たちの知り合いだ。依頼内容を教えてくれないか?」 GM「オイスとファリンは顔を見合わせるけど、教えてくれるよ。『キッコロの森に世界樹という樹があって、“世界樹のしずく”が欲しいらしい』」 エル「それは? (ころころ)6が出て10」 ジェイク「出目が戻ったな」 GM「じゃあわからないね。でも、オイスが教えてくれるよ。『僕もよく知らないけど、なんでも世界樹の葉から取れるしずくで、あらゆる病気を治すとか。世界樹の葉自体は、蘇生の効果があるらしいけど、病気を治す効果はないんだってさ』」 エル「ソーニって、病気なんだ」 ティーユ「コミカの病気を治そうとしたのかな?」 ジェイク「いや、あの病気は、むしろ片仮名のビョーキであって、薬で治る類のものじゃないだろ。ズリーの『くくくっ』と同じ」 ティーユ「じゃあ、性病?」 ジェイク「それだな」 エル「えーっ! 恋の病♪」 ジェイク「それも薬で治る類じゃないな」 エル「それにしても、なんだか嫌な感じだね。しずくを取ると、葉はどうなるの?」 GM「『葉はなくなるらしいよ』」 エル「ほら」 ティーユ「ほんとだ。嫌な感じ……」 ジェイク「ケーシャーかソーニか?」 エル「なんだか、難しいシナリオだね……」 GM「レベルアップのときに言ったじゃん」 ジェイク「ああ、そう言えば、難しいって言ってたな」 エル「言ってたような、言ってたような、言ってないような」 GM「言った言った。そんな話をしてると、メリックが帰ってくるよ。君たちを見て驚く。『やあ、また会ったね』」 エル「やあ」 ジェイク「やあ」 ティーユ「ソーニは?」 GM「『ソーニを知ってるんだ。んー、これから世界樹を降りてみるってさ。手伝ってくれって言われたけど、リーダーの許可なしじゃ、気楽に受けるわけにもいかないし、戻ってきたってわけ』」 エル「世界樹を降りる?」 GM「『世界樹は見たかい? 幹の中はかなり空洞になってるみたいで、地上のごちゃごちゃした根の隙間から、下に降りられるんだ。フェザーフォルクがいたけど、あいつには無理だろうね。ファリンも胸が引っかかるから無理だね』とか言って、ファリンに殴られたりしてる」 ジェイク「エルは胸が引っかからないから平気だな」 ティーユ「私も平気。まだ13だし」 エル「ティーユは私より胸、大きいの?」 ティーユ「うん」 エル「うわ! はっきりと頷いた!」 ティーユ「後3年も4年もしたら、ナイスバディーになるよ。エルはプレイヤーみたいになるね、きっと」 エル「うぅ……私もナイスバデーに」 GM「じゃあ、キッコロの森に行く?」 エル「うん。オイスたちは?」 GM「『依頼はここまで連れてくることだし、お金はもらったから帰るよ。あの子の帰りが心配だけど……』」 ジェイク「その点は任せろ。俺たちはソーニを連れ戻す依頼を受けているから、無事に送り届けるよ」 GM「『そうか、じゃあ任せるよ。またその内<キコーロ・モリゾヌ亭>に遊びに来いよな』」 エル「是非」 ◆ グライアイ再登場 ◆ GM「キッコロの森に来た?」 エル「来た」 ティーユ「そういえば、エリーヌは?」 エル「あ、忘れてた」 GM「ちゃんと覚えていてあげてね。君たちが世界樹の方に行くと、一匹のキッコロが樹の陰から君たちを見てる」 ジェイク「エリーヌかな? ちょっと行ってみよう」 エル「私もー」 GM「エルが行こうとすると、グライアイがやってくるよ。『Oh! リトル・ヒューマン・ガール、リターンズ! ビリーヴしていたよ! ウェイトしていたよ!』」 エル「あ、あの、えっと……」 ジェイク「構わずキッコロに」 GM「キッコロは困った感じでおろおろしてる」 ジェイク「飛びついて捕まえよう。ひしぃっ!」 GM「きゃあ!」 エル「飛んだ!」 ジェイク「ぎゅう……ああ、エリーヌ、エリーヌ! すりすり♪」 GM「エ、エリーヌは今キッコロだから、こういう感触じゃないよ?」 ジェイク「そうか……」 GM「でも、エリーヌとしてはものすごい恥ずかしいだろうね」 ジェイク「抱きしめていよう。女の子が犬猫を抱きしめるように、無造作に」 GM「エリーヌは真っ赤になって、赤キッコロになっちゃったよ」 ティーユ「赤キッコロ!? 新種ですか?」 GM「そうだね」 ティーユ「投げ遣り……」 ジェイク「っていうか、これはエリーヌだったのか」 GM「まあ、それはそうとして、グライアイの方を。こっちの方が大事。『リトル・ガール! 大変なイミージェンシー! 人間ガールが降りていった! あいつが、世界樹の葉を横取りするかもしれない! Stop the 交通事故!』」 エル「ちょっと、落ち着いて。落ち着いて話そう」 GM「『おー、おおー!』」 ジェイク「そいえば、ケーシャーは?」 GM「棺があるよ。別に異臭はしてない」 ジェイク「これを持って3年もこの樹を探し続けていたのか……」 ティーユ「妹溺愛」 ジェイク「シャーフも妹溺愛だったな。俺も妹溺愛だ」 GM「プレイヤーはいいから。グライアイの話だと、世界樹には子供なら入れそうな穴が3個所あって、その内の一つから入ったらしい。こんな感じ。ソーニが入っていったのはPね」
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ジェイク「なんか、感心するくらいちゃんと作ってるな、シナリオとか」 GM「それが普通」 ジェイク「第2回がいい加減だったから」 GM「あれは忘れて。世界樹の葉は、1枚しか取れないらしい。1枚取ると、また何年もかかって、次の1枚が生まれるんだって」 エル「どっちを優先させようか」 ジェイク「グライアイのが、依頼という形になればこっち」 エル「交渉してみよう。私たち、冒険者。オーケー? 冒険者、何かするの、お金要る。オーケー?」 GM「『オーケー、オーケー! But、I have no money. フェザーフォルクは、お金持たない』」 ジェイク「ああ、それで思い出した。宝玉の話も聞かないと」 エル「順番に行こう。とにかく、何かくれないかな? 無料、ダメ、バツ。オーケー? something to us」 GM「『おー、コマリマシタ。それなら、リボンヌケーシャーを、your嫁にどうですか?』」 エル「何!?」 ジェイク「それは、嬉しいような困るような」 エル「No, no. Another thing, please」 GM「じゃあ、グライアイは妙案閃いたように、パッと顔を輝かせるよ。『<火の風>のみんなのところに行けば、色々あるよ。何かあげられるよ!』」 ジェイク「来た! New Word、火の風」 エル「えっと、What's HINOKAZE?」 GM「『<火の風>はグオ族の仲間! 同士! キョ族の連中、打ち破るPower、たくわえてる。俺も誘われたけど、俺はケーシャー生き返らせる旅に出た。生き返らせたら、together入会』」 ジェイク「要するに、3年前の抗争で、グオ族はキョ族に倒された。その生き残りが<火の風>を結成してるんだな?」 GM「そう。でも、グライアイはケーシャーを優先させたのよ」 エル「だんだんキョ族との戦いに巻き込まれる流れに」 ティーユ「断っちゃえば?」 ジェイク「正論だが、冒険者としてはどうか」 ティーユ「それはそうだね」 エル「だけど、ソーニの話も聞かずに受けちゃって、ソーニが病気で死んだりしたら?」 ジェイク「とりあえず、依頼は受けて、ソーニだな。場合によっては、適当に誤魔化す。どうせ一緒には行けないんだし」 エル「あくどいね」 ジェイク「生まれが悪党だし」 エル「都合のいいときだけ」 ティーユ「じゃあ、宝玉のことも聞いてみない?」 エル「じゃあ、形状とか言って、知らないか聞いてみる」 GM「『んー、I don't know. キョ族の連中かも知れない。否! キョ族の連中に違いない! きっとオブトーリャのヤツだ! But I think ノーヴェタに聞けば、もっと詳しくわかる』」 ジェイク「はいはいはい。新しい人が二人出ました」 GM「オブトーリャはキョ族のフェザーフォルクみたいだね。ノーヴェタは<火の風>のリーダー」 エル「オブトーリャはどんな人? どうしてその人だと思うの?」 GM「『んー、Great Question! オブトーリャは盗賊っぽいMOVING! スロー・ザ・ナイフ。きっとあいつだ!』」 ジェイク「ナイフ投げるだけで盗賊かどうかは微妙だが、まあ頭に入れておこう」 エル「もうよかった?」 ティーユ「“森のしずく”のことも聞いてみない? 知らないかな?」 エル「聞いてみる。聞いてみた」 GM「『モリノシズク? Regrettably I don't know』」 エル「知らないって」 ティーユ「じゃあしょうがないね。Pから降りてみる?」 エル「そうしよう」 ◆ 世界樹を降りる(P) ◆  先に全貌をお見せします。もちろん、PCには見せてません。
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 │  0m│          │          │          │なし(40m)から   │
 │  │          │          │          │          │
 │  │          │          │          │          │
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 │ 10m│          │          │ここから、15mほど │          │
 │  │          │          │すっぽり穴     │          │
 │  │          │          │          │          │
 ├──┼──────────┼──────────┤          │          │
 │ 20m│ジャイアント・アント│          │          │          │
 │  │・ソルジャー×2  │          │          │          │
 │  │          │          │          │          │
 ├──┼──────────┼──────────┼──────────┤          │
 │ 30m│          │ヒュプノパイソン×1│          │          │
 │  │          │          │          │          │
 │  │          │          │          │          │
 ├──┼──────────┼──────────┼──────────┴──────────┤
 │ 40m│ここから、15mほど │          │                     │
 │  │すっぽり穴     │          │                     │
 │  │          │          │                     │
 ├──┤          ├──────────┼──────────┬──────────┤
 │ 50m│          │          │          │ジャイアント・アント│
 │  │          │          │          │インファント×3  │
 │  │          │          │          │          │
 ├──┼──────────┼──────────┼──────────┼──────────┤
 │ 60m│足を痛めたソーニ  │ヒュプノパイソン×1│アイテムB     │ここから、10mほど │
 │  │          │          │          │すっぽり穴     │
 │  │          │          │          │          │
 ├──┼──────────┼──────────┼──────────┤          │
 │ 70m│キッコロが寝ている │小さな鍵付きの木の箱│          │          │
 │  │          │罠はない、鍵は12  │          │          │
 │  │          │アイテムA     │          │          │
 ├──┼──────────┼──────────┼──────────┼──────────┤
 │ 80m│なし(70mが底)   │          │ジャイアント・   │          │
 │  │          │          │ウェブスピナー×3 │          │
 │  │          │          │          │          │
 ├──┤          ├──────────┼──────────┴──────────┤
 │ 90m│          │なし(80mが底)   │                     │
 │  │          │          │                     │
 │  │          │          │                     │
 ├──┤          │          ├──────────┬──────────┤
 │100m│          │          │モリゾーがいる   │          │
 │  │          │          │モリゾー精霊語を喋る│          │
 │  │          │          │          │          │
 └──┴──────────┴──────────┴──────────┴──────────┘
GM「じゃあ、状況解説ね。穴は狭いです」 ジェイク「がばがばじゃないってことだな」 エル「ジェイク、品がない!」 ジェイク「いやいや、いやいやいやいや」 GM「まあ、部分的に二人で通れるところもあるけど、基本的には一人でくねくねしながら進まないといけない」 ティーユ「じゃあ、私が先頭かな?」 GM「そうそう。ティーユはロングスピアだよね? そんなのは持って行けないから」 ティーユ「あうぅ。武器がなくなった」 GM「スプリント・アーマーもダメね」 ティーユ「鎧もなくなった。私はここでエリーヌ・キッコロと一緒にお留守番してます」 ジェイク「こらこら。エルを脱がせる」 エル「しょうがない。じゃあ、私真ん中ね? 守ってね?」 ティーユ「じゃあ、私が12のブロードソードとハード・レザーで」 エル「防御力0……不安だ……」 ジェイク「エルは俺が守るから!」 エル「うん。期待してるよ」 ジェイク「素直だ……」 GM「じゃあ、ぼちぼち行こうか」  ちなみに、本当はここにはもっとすんなり来れて、登ったり降りたりするのにもダイスを振る予定でしたが、下りはすべて省略しました。  実はもう、プレイ時間がすごいことになってて、みんな疲れていたので……。 GM「15メートルほど降ると、下の方で何やらうごめくものが」 エル「何? ソーニ?」 GM「人の形はしてないね。でっかい蟻が2体」 ティーユ「気持ち悪いよ、エル」 エル「私のところからも見える?」 GM「女の子二人は見える」 エル「じゃあ、知名度。(ころころ)あ、景気よく1ゾロ」 ティーユ「素で5」 GM「わ、わからないね」 エル「戦っても大丈夫なのかな?」 ティーユ「でも、この下にソーニは行ったんだから……」 エル「他に抜けれそうな穴はなかったよね?」 GM「なかったね」 ティーユ「ソーニって、強いのかも」 ジェイク「今頃蟻の体内かもな。足とか転がってない?」 エル「ジェイク!」 ティーユ「じゃあ、とにかく戦おう。私だけ?」 GM「エルは魔法でなら援護できる。ジェイクも魔法でなら……」 ジェイク「使えねーよ」  1ラウンド目。  Aの牙、爪、爪は真ん中だけ当たる。 ティーユ「あ、いい出目」 GM「じゃあ、13点ね」 ティーユ「ええーっ! 5点も受けた……」 エル「っていうか、めっちゃくちゃ強いんじゃ……」  ティーユの残り生命点12。  裏のティーユの攻撃は、景気よく1ゾロ。 エル「なんだかとてもやばそう。Bにシェイド、うりゃ! (ころころ)6ゾロ!」 GM「どうぞ」 ジェイク「問題はここだな」 エル「うりゃ! (ころころ)10! 回った!」 ティーユ「今日はエル、出目がめちゃめちゃいいね」 ジェイク「対コミカのときもそうだったが」 エル「次が6で12発(残り精神点12)」 GM「おー、いいねぇ。Bは沈んだよ」  2ラウンド目。  Aの牙、爪、爪は毒を持った牙が当たる。 GM「まず14発ね」 ティーユ「7点も受けた……」 GM「次、10で生命力抵抗」 ティーユ「てい! (ころころ)あぐぅ!」 GM「やばっぽい……。9発は冒険者レベルのみの軽減」 ティーユ「6点も受けた……あれ?」 GM「あれ?」 エル「あれ?」 ティーユ「はぁ……。私、生まれて初めてやったセッションでも、生死判定振りました」 ジェイク「ホルウェンだな。どんな状況だったかは覚えてないが」 エル「大丈夫! この先には世界樹の葉があるから!」 GM「ダメじゃん、それじゃ(笑)」 ジェイク「死なんだろ。最悪ラックがあるし」 ティーユ「あー、さっきの生命力抵抗で使えばよかった」 GM「とりあえず振って」 ティーユ「よっ。(ころころ)6です」 GM「じゃあ、余裕だね。Aは死体には興味がないから、次はエルに来るよ」 エル「え、えっと、ジェイクと場所替われる?」 GM「1ラウンド使えば」 ジェイク「じゃあ、替わろう」  3ラウンド目。 GM「ごめん、よく見るとエルの方が速い」 エル「えーっ!」 GM「さっき、ティーユが先に攻撃したから、エルの方がティーユより遅いのかと思った」 ティーユ「ごめんごめん」 エル「これで倒せたら、さっきのティーユへの攻撃はなしにならない?」 GM「ならない」 エル「ケチ! シェイド、ゴー! (ころころ)5は9」 GM「抵抗だねぇ」 エル「ダメだぁ……。6発(残り精神点9)」 GM「にゅ(Aの残り精神点4)。じゃあ、ジェイクは回避してね」  この攻撃で爪が1発当たって、8点通る。(ジェイクの残り生命力5) ジェイク「もうどうにもならん。次のエルに生命を託そう」 エル「えー!」 ジェイク「エル、俺、お前のこと、本当に好きだったよ」 エル「な、何? 何?」 ティーユ「倒れてるから、何も言えない」 GM「なんで蟻ごときで、こんなロマンチックな展開に……」 エル「ジェイク、死んじゃ嫌だよ」 ジェイク「攻撃が回るか、次のシェイドが決まらないと、たぶん死ぬ」 エル「そ、そんな……」 ジェイク「しかも、後ろにはエルで、逃げるに逃げれないし、もうどうにも……」 エル「…………」 ジェイク「さよなら、エル」 エル「ジェイク!」 ジェイク「攻撃、ゴー! (ころころ)4!」 ティーユ「あーあ」 GM「んー、改めてルールを確認すると、『この回避点を目標値とし』ってあるから、同点なら当たりでしょう。4でも11だから、当たってるよ」 ジェイク「ああ、フォレスターの+1のおかげで」 エル「回してね、回してね」 ジェイク「うりゃあ! (ころころ)11! 愛の力」 エル「頑張れ!」 GM「生命点が25もあるから、頑張ってね」 ジェイク「…………」 エル「…………」 GM「ごめん。忘れて。今、夢も希望も打ち壊した気がした」 ジェイク「せりゃ! (ころころ)9! 続くぞぉ」 エル「頑張って! 頑張って!」 ジェイク「とりゃ! (ころころ)9! うおぉぉぉっ!」 エル「ジェイクすごい! ひしっ!」 ティーユ「ひしっ!」 エル「ティーユは死んでるの!」 ティーユ「ひどい……」 ジェイク「次が7で……22発……」 GM「13点しか通ってないよ。あと12ね」 ジェイク「さよなら、エル……」 エル「うわーん!」  4ラウンド目。 エル「シェイドだよね? ウィスプで回すより、可能性が高い」 GM「どうぞ」 ジェイク「失敗したら死ぬから」 エル「失敗したら、全部避けてね」 ジェイク「善処する」 エル「えい! (ころころ)あー、もう! ごめんね、ジェイク。さっきと同じ」 GM「じゃあ、抵抗」 エル「いくつ以上で倒せる?」 GM「んー、出目11以上」 エル「うぅ……」 ジェイク「エル、コミカに迫られてた時を思い出すんだ」 エル「コミカコミカ……せあぁ! (ころころ)8だ……6発(残り精神点6)」 GM「にゅ(Aの残り精神点2)。じゃあ、ジェイクは回避してね」 ジェイク「はぁ……」 エル「なんだか、さっきから先輩、無感情になってません?」 GM「んー、どうして頬に傷と大男はあんなあっさり倒せて、こんな固定値モンスター一匹に苦戦するんだろうと思って」 ジェイク「固定値だからじゃないか? お前の出目の悪さは、コミカで証明された」 GM「そっか……。まあいいや、回避ね」 ジェイク「はぁ……。7は13、6ゾロ、8は14」 エル「ジェイク、偉い!」 ジェイク「心臓止まる」 GM「私も……」 エル「自分で出したくせに」 GM「ほずえちゃんもGMやるとわかるよ。元々ダイスは誤魔化さない主義だけど、固定値だと、さらにどうにもならない(笑)」 ジェイク「ただひたすらにもどかしいよな。俺にはわかるぞ?」 GM「ジェイクのターン」 ジェイク「回避専念で」  5ラウンド目。 エル「シェイド。(ころころ)11」 ジェイク「なんだその、気合いの入ってないロールは!?」 エル「案外この方がいいかと思って」 ティーユ「確かに、いい出目だったね」 ジェイク「次1ゾロとか振るなよ」 エル「気合い入れずに。(ころころ)6は7点(残り精神点3)」 GM「じゃあ、倒したよ」 エル「か、勝った……」 ジェイク「エル……ひしっ」 エル「ジェイク……ぎゅっ」 ティーユ「感動的だね。ちょっと嫉妬するけど。倒れてるけど」  う〜ん。敵が強かったかな?  プレイ中にも言ってるけど、固定値だからどうにもならない。  最悪、世界樹の葉をジェイクに使って、ケーシャーが復活しなくて、もうシナリオがめっちゃくちゃになる様が頭をよぎりました。  でも、世界樹にいたのは幸運で、仮に死んだとしても、シナリオが壊れるだけですぐに生き返ることができるっていうのは、心の支えだったかな?  この後一行は、蟻にとどめを刺して、ティーユを助け、一旦外に出てから、6時間寝ます。  ソーニのことは心配だけれど、自分たちの方が大切ってことで。 ◆ ソーニを救出 ◆  再びPから降りて、すっぽりと空いた穴の下にソーニを発見します。 ジェイク「ソーニの様子は?」 GM「ぐったりしてる。蔦を伝っていけば降りられるけど、何もなしで登るのは大変そうだね。ソーニには無理。ソーニの下には、さらにまた根だとか内側に生えた枝だとかがごちゃごちゃしてるよ」 ジェイク「呼びかけよう。おーい」 GM「起きないねぇ」 ジェイク「じゃあ、ロープを使って降りよう。ティーユとエルはここにいろ」 エル「うん」 ティーユ「わかった」 GM「疲れてるね」 エル「うん。お昼食べてすぐ始めた気がする」 ティーユ「もう、外真っ暗だし」 ジェイク「気合い入れてくれ」 GM「本当はレンジャーだけど、シーフでいいや。敏捷度で振って。1ゾロなら落下ね」 ジェイク「(ころころ)それは大丈夫。ソーニのところに」 GM「ソーニはうっすらと目を開けてから、驚いたように目を開けて、嬉しそうにする。『ああ、助けに来てくれたの……?』」 ジェイク「うん、まあ、成り行きで」 GM「『ありがとう……もうダメかと思った……』だいぶ衰弱してるけど、命には別状ないよ」 ジェイク「下にはまだ続いてる? この下に世界樹の葉が?」 GM「覗き込むと、下の方でキッコロが遊んでる。それ以上下はないみたいだよ」 ジェイク「ここは外れか。じゃあ、登ろう。ソーニは背負えるかな?」 GM「んー、じゃあ、ソーニ背負ってだから、目標値12で2回」 ジェイク「ひえー。7は13と、5は11……ひゅーん」 エル「ああ、ジェイク!」 ティーユ「大丈夫?」 ジェイク「たぶん、あまり大丈夫じゃない」 GM「2D振って」 ジェイク「7」 GM「じゃあ、15メートル登ってるから、落ちてないね」  登攀の判定は10メートルごとに行い、落ちたら落ちた高さを算出します。  そこまでの高さ+2D-2メートルから落下して、今高さが15メートルなので(図参照)、ジェイクは登り切っていたことになります。  この辺は、完全版P130参照。 エル「じゃあ、一回戻って、ソーニの話を聞こうよ」 GM「了解。ソーニを見ると、グライアイが駆けてくるよ。『おー! human girl! 世界樹の葉は!? 横取りはよくないよ!』」 エル「いいから、ちょっとあっちに行ってて」 ジェイク「うわ! 冷たい!」 エル「プレイヤーが疲れてる……」 ジェイク「気合い入れろ。ほら、ジュース飲んで。ちょっと身体動かすといいぞ?」 ティーユ「体力勝負になってきた」 GM「情けないなぁ。そんなんじゃ、徹夜TRPGとかできないよ?」 エル「そ、そんなのしなくていいから」 GM「何聞く? 先にソーニから口を開こうかな。『あなたたちは、ユネスと一緒にいた……』」 エル「エル・ジェラートです」 ティーユ「それ、決定なの?」 ジェイク「コンドルパサー家の長女の方がいいと思うが」 エル「エル・ジェラートです」 ジェイク「ダメらしい」 GM「『エルさんは、どうしてここに?』」 エル「エルでいいよ。世界樹の葉を取りに。あと、ソーニを迎えに」 GM「『私を?』」 エル「シャーフさんからの依頼で……シャーフさんが心配してましたよ?」 GM「それを聞くと、ソーニは深いため息をつくよ。『……そうですか』」 ティーユ「お兄さんと、仲が良くないの?」 GM「『そんなことは……ないです』」 ティーユ「じゃあ、コミカさんとは?」 GM「それを言うと、ソーニはものすごく悩ましい顔をしてから、苦しそうに言うよ。『別に、仲良くありません』」 エル「嘘をついてるように見える」 ジェイク「ユネスはコミカと君が恋人同士だって言ってたけど」 GM「ソーニは耳を押さえて、頭を抱えて首を振るよ」 エル「う〜ん。じゃあ、質問を変えようかな。“世界樹のしずく”は何に使うの?」 GM「『そ、それは……』言い淀む」 ティーユ「秘密が多すぎるね」 ジェイク「脅されてるのか?」 GM「じゃあ、ソーニは意を決したように口を開く。その瞬間、ものすごく苦しそうな顔をして、倒れてのたうち回るよ」 エル「だ、大丈夫? 何かの病気なの?」 ジェイク「あー、そういうことか」 エル「どういうこと?」 ジェイク「これはセージか何かで振るかい?」 GM「本当はソーサラーがいいけど、誰も持ってないもんね。冒険者+知力で、12」 エル「10しかない」 ティーユ「11……」 ジェイク「9は14。成功」 GM「ふぅ。またダイスにシナリオを壊されるところだった」 ティーユ「あはは。エルのセージがちっとも役に立たない」 エル「むぅ」 GM「ギアスをかけられてるね」 ジェイク「要するに、コミカとのことを言おうとすると、苦痛を受けるわけだな」 エル「ってことは?」 ティーユ「シャーフが嘘つきだったってこと?」 エル「妹を溺愛してるから、妹の彼氏が鬱陶しくなって……」 ジェイク「しかし、あんなロリコンのダークプリーストはどうかと思うが」 GM「そういう考え方もありだね。だけど、愛の形はそれぞれだからね。私も水原君のことを言うと、みんなにさんざん、『変な趣味だね』って言われるよ」 エル「私も、お兄ちゃんが好きだって言うと……」 ティーユ「ほずえはいいから」 ジェイク「っていうか、俺、評判悪いな。ひょっとして、コミカ?」 GM「ソーニが私だと思えば、さっきの台詞は撤回するでしょ?」 ジェイク「なるほど……。う〜む。うーーーむ」 エル「それで、“世界樹のしずく”でギアスを解こうとしたんだね? 解けるの?」 GM「可能。ソーニはそこまで調べた。自分からは言えないけど、君たちから聞けばある程度は答えられる。それによると、“世界樹のしずく”と“森のしずく”で、ギアスすら解く薬ができるんだってさ」 ティーユ「“森のしずく”!? それがある場所は知ってるの?」 GM「森の奥にあるそうだよ。キッコロの森はこんな感じで、◎が“森のしずく”のある場所。だけど、Aから向こうは歩くとダメージを受ける」
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 樹樹樹樹    樹樹樹 樹樹 樹樹樹樹樹樹樹 川川 樹   樹樹樹樹樹   樹樹樹
 樹樹樹  樹樹   樹樹 樹  樹 樹  樹川川樹  樹   A    樹  樹樹
 樹 樹  樹            樹樹  川川 樹   樹 樹樹樹樹樹樹 樹樹樹
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ジェイク「木の間を縫って行けないのか?」 GM「この図は略図だからね。ちゃんと道を通らないと厳しいよ」 ジェイク「どんな感じでダメージを受けるんだ?」 GM「前回のシナリオに、『生命力抵抗:目標値14 成功すれば5点、失敗は10点。冒険者レベルで軽減可能』って書いてある」 エル「これ、前回からあったんだ」 ティーユ「歩いていくのは厳しいね。あっ、空からなら?」 GM「それなら大丈夫」 ティーユ「じゃあ、グライアイに頼めば」 エル「ああ、なるほど。でも、ちょっと待ってね。世界樹の葉は結局どっちに使うの?」 ジェイク「世界樹の葉はケーシャー、“森のしずく”は量は知らんがエリーヌ。ギアスは街で解いてもらえばいいかと」 エル「(ジェイクに)できるの? (GMに)できるの?」 GM「5,000ガメルほどで」 エル「くはっ! エリーヌに4,800、ソーニに5,000……。全部なくなる……」 ジェイク「まあ、しょうがないんじゃないか? ソーニには悪いことしたし」 ティーユ「そうだね。コミカさんのことは……」 ジェイク「とりあえず、その話はしないがな。ソーニはそうやって説得しよう。納得してくれる?」 GM「『わかりました』って。でも、怪訝そうにする。『でも、どうして私のために、そんなお金を使ってくれるの?』」 エル「それは、私たちが正義の味方だからだよ」 ジェイク「そうそう。冒険者は良い子の味方なんだ」 GM「『そうなんですか! ありがとうございます!』」 ティーユ「納得したの?」 GM「いい子だね」 エル「じゃあ、“森のしずく”のことをグライアイにお願いしよう」 GM「了解。じゃあ、君たちが世界樹の葉を取ってくる間に、グライアイも“森のしずく”を取りに行ってくるって」 エル「お願いしま〜す」 ティーユ「じゃあ、再び世界樹だね」 ジェイク「ソーニは? 何か技能ある?」 GM「ないよ。さっきのも、蟻の隙間を落っこちただけ」 ジェイク「そうか」 ◆ 世界樹を降りる(Q) ◆ GM「さっ、じゃあそろそろ再開しようか」 ティーユ「休憩挟んだら、ますます大変な時間に……」 エル「由佳里、今日は泊まっていきなよ」 ティーユ「元よりそのつもり」 エル「じゃあ、Qから降りるー」 GM「じゃあ、また下りのロールは省略して、だいぶ降りると、内側に突き出した枝に、太くて長い蛇が絡み付いてる」 ティーユ「怖いよ、エル」 エル「さっきと同じ……。知名度……10が出て14」 GM「的確にわかってくれたね。ヒュプノパイソンっていう、体長8メートルの蛇。こいつはそんなに長くないけどね。ML4、攻撃は牙のみ、生命点18、精神点10。催眠の踊りをするよ」 エル「催眠の踊り?」 GM「具体的なイメージはまったく湧かないけど、くねくね動くんじゃない? 目標値11の精神力抵抗」 ティーユ「5だから、出目6以上か」 エル「まあ、さっきの蟻よりは余裕そうじゃない?」 ティーユ「じゃあ、戦う方向で」 GM「了解」  1ラウンド目。 エル「ウィスプ、撃つ。(ころころ)7は11」 GM「いいよ」 エル「じゃあ、7発(残り精神点12)」 GM「3点受けて残り13」 ティーユ「攻撃〜♪ (ころころ)11は16」 GM「そんなの、避けれない」 ティーユ「もう1回出ないかな、今の。(ころころ)出た!」 ジェイク「いいねぇ」 エル「あ、お兄ちゃんが喋った」 ジェイク「なんだ?」 エル「ここまで一言も喋ってなかったから」 ティーユ「13発」 GM「6点受けて残り7。さっきの蟻に比べて、ML同じなのに、なんて楽な戦いなんだろう」 ジェイク「さっきも、結局相手したのは1体だったもんな。MLに惑わされちゃかんな」 GM「まったく。ティーユ回避ね。あと、ティーユとエルは精神力抵抗。先に回避」 ティーユ「回避は9が出て14」 GM「こっちの攻撃点は11だから」 ティーユ「抵抗は……きゃーっ! だめ」 エル「(ころころ)私は平気」 GM「じゃあ、ティーユが寝た、と。また雲行きが……」  2ラウンド目。 エル「起こせる?」 GM「んー、ちょっと待ってね。どうもこの蛇、ダメージを受けると踊りをやめるらしい。だから、ティーユは勝手に起きていいよ」 ティーユ「はーい。攻撃可能?」 GM「このラウンドはダメ。回避に-4もらってね」(←適当です) エル「魔法で決めるよ」 ジェイク「温存した方がよくないか? 敵、強くないし」 エル「また寝ればいいよ。差し当たって急がないし」 GM「のんびりした冒険」 ティーユ「トランスもあるしね」 エル「ウィスプ、9は抵抗されるから、5発(残り精神点9)」 GM「1点のみだね。残り6。ティーユは回避ね」 ティーユ「(ころころ)-4ですよね? ダメです」 GM「じゃあ……あれ? 打撃点が8しかない」 ティーユ「それは弾きます」 ジェイク「そいつ、単体で出す敵じゃないんじゃないのか? そいつが踊ってる間に、他の敵が攻撃、みたいな」 GM「う〜ん」  以降、省略。ティーユが肉弾戦で片付けます。  さらに降ったところにいたもう一匹も無傷で。  エルはこの戦いで精神点が3になるけれど、ティーユに6点トランスしてもらう。  エル、ティーユ、ともに残り精神点9。 GM「じゃあ、どんどん降りると、樹の根と枝の間に、小さな木の箱が挟まってる」 エル「世界樹の葉?」 ジェイク「ありえんだろ」 GM「ありえないね」 ジェイク「持って聞き耳。6は11」 GM「何も聞こえないよ」 ジェイク「鍵は?」 GM「かかってる」 ジェイク「罠感知が12、鍵開けが14」 GM「罠はないし、鍵は開いた。中には半透明の金属でできた腕輪が入ってる。子供にはちょっと大きいけど、抜け落ちる心配はないサイズだよ」 ティーユ「ただの腕輪ですか?」 GM「箱に紙が貼ってある。下位古代語だから、エルには読めるね」 エル「何て書いてあるの?」 GM「説明書。1日に30秒間透明になれるらしいよ。1日っていうのは、1回使ったら24時間置いておくっていう意味ね。発動呪句は、『マナちゃん、透けてるよ?』」 エル「い、嫌な呪句……」 ジェイク「しかし、30秒か。役に立つのか立たないのか……。まあ、すごいアイテムには違いないが」 ティーユ「戦闘では大いに役に立ちそうですね」 ジェイク「それは言える。後で試してみよう。誰が持つ?」 エル「とりあえずティーユかな?」 ティーユ「シーフが持ってた方が、何かと役に立ちそう」 ジェイク「じゃあ、俺が持つ方向で。臨機応変に持ち替えよう」  その後、何もなかったので、3人は引き返してRからの潜入を試みる。 ◆ 世界樹を降りる(R) ◆ GM「じゃあ、40メートルまで来ると、ちょっと広くなってて、下に続く穴と、ちょっと離れたところに、さらに下に続く穴がある。真下に続いてる方をR、離れたところにある方をSにするね」 エル「とりあえず、Rを降りていってみよう」 GM「そうすると、60メートルのところでアイテム発見」 ティーユ「どんなの?」 GM「一応知名度振って。オリジナルアイテムだけど」 エル「5は9」 GM「役に立たないセージ……」 エル「うぅ……」 ティーユ「出目11」 GM「じゃあ、ティーユがわかったことにしよう。『ヒールの蜜』って言って、飲むと生命点が10点回復する。1回きりね」 エル「じゃあ、これはよく倒れるティーユが……」 ティーユ「いざとなれば魔法で回復できる私が持つより、ひ弱なエルが持ってた方がよくない?」 エル「ひ弱じゃないもん」 ティーユ「ひ弱じゃん」 エル「いじいじ。私、ダメージ受けないから」 ティーユ「じゃあ、私が持ってるよ」  さらに20メートル降り、いよいよ運命の蜘蛛×3体の地点に。  お願いだから知名度チェックに成功してね。これとは戦っちゃダメ。 エル「蜘蛛ね。じゃあ、知名度……11は15」 GM「ふぅ」 ジェイク「なんだその安堵の息は」 GM「エルの知名度チェックは、基本的に信用してないから」 エル「ひどっ!」 GM「ジャイアント・ウェブスピナーだね。ML6、攻撃点は牙が13、糸が14。打撃点は16」 ティーユ「帰ろう」 ジェイク「そうだな。ちなみに、先には続いてる?」 GM「続いてるよ」 エル「帰ろう。Sから」  現実的に、勝てない敵っていうのも、フィールドにはいると思うんです。  いかにそれと戦わないかも大切なことなので、時々こういう敵を出すのもいいでしょう。  ただ、知名度チェックに失敗して、突撃をかけられたらどうしようと、それだけが不安だった(笑)。 GM「じゃあ、Sから降りていくと、すぐに蟻が3体」 エル「帰ろう」 GM「ま、待って。前のとは違うから」 エル「じゃあ、知名度。9は13」 GM「ジャイアント・アント・インファントだね。ML3、攻撃は牙のみ10、打撃は8」 ジェイク「数値聞いてる時点で、あんまり強くなさそうだな」 GM「私も言いながらそう思った。とりあえず戦ってみようか。ちょっと広くなってるから、3体とも来るよ」 ジェイク「じゃあ、ティーユと俺が前衛で」  1ラウンド目。 エル「精神点は6だね? Cにシェイド。9は13」 GM「どうぞ」 エル「(ころころ)期待値。7点(残り精神点6)」 GM「これでCの残り精神点が2ね」 ティーユ「Aに……15は当たって、10点」 GM「5点受けて、残り15。こっちの攻撃は……(ころころ)ティーユ、ティーユ、ジェイクで」 ティーユ「13と8」 ジェイク「13」 GM「じゃあ、ティーユは1発、8点」 ティーユ「(ころころ)弾きますね〜」 GM「ダメだ……」  以降、やっぱり省略。  MLにして1しか差がないのに、ソルジャーとのこの強さの差は……。 GM「じゃあ、しばらく行くと、また広くなってて、下に続く穴と、離れたところに下に続く穴」 ジェイク「それは、場所的にRを降りてきたやつか? 上に蜘蛛がいたりする?」 GM「いるねぇ」 エル「回り込んだわけだね」 ティーユ「Sの下には?」 GM「何も見えないね」 ティーユ「じゃあ、Rの方に」 GM「じゃあ、Rをさらに降りていくと、キッコロより幾分大きくて、色の濃い緑色の生き物がいる」 エル「知名度?」 GM「振ってもわからないからいい。仮にモリゾーって呼ぶけど……」 エル「モリゾーなんじゃん!」 GM「モリゾーは花に水を撒いてる」 ジェイク「花があるのか。世界樹の葉は?」 GM「うん。花の上の方の枝に、大きな葉が1枚。深い緑色してるけど、表面がうっすらと白く光ってる」 エル「これが世界樹の葉か……。取ってもいいのかな?」 GM「取ろうとすると、突然モリゾーが君の方を睨みつけて、全身から無数の触手を!」 エル「ええーっ!」 GM「回避して」 ジェイク「本気なのか?」 エル「(ころころ)5は8」 GM「じゃあ、触手にからめとられて、モリゾーが何か叫ぶと、触手から一斉に酸が! 生命力抵抗」 エル「5は9」 GM「全然ダメだね。じゃあ、174点。冒険者レベルで軽減していいよ」 ジェイク「なんだそれ!」 ティーユ「エ、エルが……」 GM「みたいな展開になったら面白いね。葉は簡単に取れて、モリゾーは相変わらずのんびりと花に水を……」 エル「もう!」 ジェイク「キッコロもモリゾーも、他所の出来事にまるで関心を示さないな」 GM「きっとテディンはそういう存在になりたかったんだね」 ティーユ「あの人がなるのは勝手だけど、娘を巻き込むなって感じ」 エル「そうそう」 ジェイク「じゃあ、葉は手に入れたし、戻るか」 エル「酸性、反対、アルカリ性」 ジェイク「?」 エル「な、なんでもない……」 ◆ ケーシャー蘇る ◆ GM「じゃあ、ケーシャーが生き返った」 エル「えーっ!?」 ティーユ「いきなり?」 GM「冗談。もうちょっとちゃんとやるよ」 ジェイク「呆気なさ過ぎてびびったよ」 GM「君たちが戻ると、ソーニが駆けてきて、ちょっと怯えた感じ」 エル「どうしたの? グライアイは?」 GM「『そ、それが、さっき、色黒のフェザーフォルクが二人来て、あのフェザーフォルクの人を……』私、何言ってるんだろ」 ジェイク「は? 最後のは何?」 GM「いや、GM発言。シナリオにまったく書いてないことをべらべら喋り始めた自分にびっくり」 エル「つ、疲れてきました?」 GM「少し。まあ、言っちゃったものは、突っ走るしかないね」 ジェイク「そうだな。口に出したものは、飲むしかない」 GM「それは……どうかな?」 エル「吐き出せばいいよ」 ジェイク「飲めよ」 エル「それで、“森のしずく”とかケーシャーは?」 GM「棺はある。“森のしずく”はソーニが受け取ってる」 ティーユ「きっとキョ族の人たちだね」 エル「助けないと」 ジェイク「まずはケーシャーを生き返らせないとな。葉をどうすればいいんだ?」 GM「煎じて飲ませればいいよ。ソーニが教えてくれる。本当は自分が欲しいだろうけど、まあ、君たちがギアスを解いてくれることを信じて」 エル「解く解く。安心してね」 ティーユ「じゃあ、棺を……」 ジェイク「これはリーダーの仕事だな。俺はエリーヌと一緒に、遠くで見守ってるよ」 ティーユ「わ、私も……」 エル「えーっ!」 GM「大丈夫だよ。綺麗なものだよ。ただ、肩から胸にかけてざっくりと深い切り傷があって、お腹には槍で刺された跡が2ヶ所。額には棍棒か何かで殴られた跡が」 エル「綺麗じゃないじゃん!」 GM「腐ったりしてないって意味」 ティーユ「可哀想に」 GM「ちなみに、結構可愛いけど、気の強そうな眉をしてる。鎧はハード・レザーを着てるけど、まあ、胸当てみたいな感じで、露出度は高いよ。ああ、露出って言っても、服は着てるから、肌が出てるのは太股だけかな? 足にはブーツ」 ジェイク「なるほどね。じゃあ、煎じて飲ませよう」 GM「そうすると、ケーシャーの傷が瞬く間に治って、ゆっくりと目を開ける。それから君たちを見て勢いよく身体を起こすけど、すぐによろめいて棺の縁に手をつく」 エル「ああ、大丈夫?」 GM「『お、お前たちは?』」 ジェイク「『お前』と来たか。確かに気が強そうだ」 エル「エル・ジェラートです」 ジェイク「俺はジェンキンス。ジェイクと呼んでくれ」 エル「ええーっ!?」 ティーユ「ジェンキンスさん!?」 ジェイク「いや、冗談だぞ? エルが本当はコンドルパサー家の長女なのに、いちいちエル・ジェラートとか言ってるのと同じだ」 エル「わ、私のは本当だもん!」 GM「『えっと、ここはどこだ? グライアイやダダバダーヤは知らないか? 村は……』」 エル「え、えっと……かくかくしかじか」 GM「それはダメでしょう(笑)」 ティーユ「あの、あなたはグオ族のフェザーフォルクで、キョ族のフェザーフォルクと戦ってましたね?」 GM「『そうだ。ダジャンガの攻撃を受けて……それから、覚えてない』」 エル「その後、あなたは殺されたの。それで、グライアイさんが、あなたを生き返らせるために、3年間、この世界樹を探して旅をしていたの」 GM「『3年? あれから3年も経つのか……。村は? ダダバダーヤは?』」 エル「グライアイさんは、戦いに負けたって言ってました……言ってたよね?」 ジェイク「確か」 エル「ダダバーヤって誰ですか?」 GM「違うし。『そうか……負けたのか。ダダバダーヤは我々の長だ』」 エル「今、誰だっけ……ああ、ノーヴェタさんが、<火の風>っていう組織を結成して、キョ族と戦う準備をしてるって」 GM「『ノーヴェタか。エッツェやオンバハもいるといいが……。そうだ。それで、グライアイは?』」 エル「それがその、たった今、キョ族と思われるフェザーフォルクに連れ去られたらしくて……。私たちは、世界樹の葉を取りに、この樹の中にいたから見てないんだけど……」 GM「『な、なんてことだ!』」 ジェイク「な、なんてことみ!」 GM「言ってない言ってない。『とにかく、ありがとう。私は村に行ってみる』」 エル「あー、えっと……」 ティーユ「ありがとうだけで終わられると、とっても悲しいんだけど……」 エル「あの、私たち、グライアイさんと一緒に、<火の風>のアジトに行くことになってて……」 GM「『何!? お前たちも我々のために戦ってくれるのか!? ありがとう! じゃあ、すぐに行こう!』」 エル「あー、ちょっと、もう、グライアイとは別の意味で疲れる(笑)」 ジェイク「っていうか、喋り方が普通だな。俺は、フェザーフォルクは、みんなグライアイみたいに喋るのかと思ってた」 ティーユ「私たち、先にしなければならないことがあるから、まず人間の街に戻らないと……」 GM「『何? そうか……』って、さっきからジェイクやティーユと普通に喋ってるけど、全部エルが通訳してることにしてね。『それなら、お前たちは後から私を訪ねて来い。私はすぐにでも行かなければ』って言って、立ち上がろうとするけど、すぐによろめいて倒れちゃう」 エル「だ、大丈夫ですか!?」 ティーユ「なんだか、弱ってる?」 GM「『くそぅ……この身体、言うことをきかない!』」 エル「ちょっと休んでいてください。急いては事を仕損ずるって言いますし」 ティーユ「エルが難しい言葉使った!」 ジェイク「ほずえが難しい言葉知ってた!」 エル「う、うるさいなぁ。私は精霊語で喋ってるんだから、一々反応しないで」 ティーユ「そう言われればそうか」 GM「面倒だから、ケーシャーはセージが2レベルあって、共通語を喋れることにしよう。グライアイは喋れないけど」 ジェイク「都合のいい設定来たっ!」 GM「『私はすぐにでも行かなければならないんだ。グライアイも心配だ!』」 エル「その身体じゃ無理だよ」 ジェイク「キョ族の連中はまだ、ケーシャーが生き返ったことを知らないんだ。つまりこれは、隙を突くチャンス。下手に動くより、じっくり行った方がいいと思うぞ?」 GM「ケーシャーはちょっと困った顔になる。『じゃあ、私はどうすればいい?』」 エル「えっと、人間の街で用を済ませたらまた来るから、それまでここで大人しく待っていてくれませんか?」 GM「『……しょうがない。どうせ今の私では役に立たないし、ここはお前たちの言う通りにしよう』」 エル「はぁ、よかった」 ティーユ「じゃあ、後はエリーヌとソーニだね」 ジェイク「エリーヌは、この格好のまま連れて帰れるのか?」 GM「んー、まあ、いいんじゃない? 色んな人がいるし、色んな病気があるし。ちゃんと事情を話せば」 ジェイク「エリーヌはついて来るかな? 聞いてみよう。ついて来る?」 GM「エリーヌは他のキッコロみたいに、我関せずでパタパタ走り回って……」 エル「えーっ! さっき、私たちのこと見てたじゃん!」 GM「そうだったね。じゃあ、ついてくるよ」 ティーユ「じゃあ、街に戻ろっか」 エル「そうしよう」  GM注:ケーシャーの言語ですが、セッション終了後に、フェザーフォルクが地方語を話せることに気付きました。  今回、ケーシャーが共通語を話せる設定にしましたが、これはなしにして、次回からは普通に西方語で話をさせます。  同様に、第3回でグライアイがエルと精霊語で会話していましたが、第5回以降は、グライアイも人間と話をする際は西方語を用います。 ◆ ベルダインにて ◆ GM「これで、ほとんど伏線は片付いたね」 ティーユ「あ、もう終了ですか?」 GM「ああ、ごめん。もうちょっと。街に戻ったよ」 ジェイク「面倒な方は後回しにして、まずエリーヌだな」 エル「どこに連れて行けばいいの?」 GM「ワードが情報を得た病院だね。“森のしずく”と4,800ガメルで」 エル「支払おう。その内返してね」 GM「『う、うん……』ワード君、たじたじ」 ジェイク「すぐ治るのか?」 GM「しばらく入院が必要」 ティーユ「またお金がかかるの?」 GM「ううん、4,800ガメルで大丈夫。1週間もすれば治って、2週間もすれば元気になるって。君たちの留守はワードが預かるし、エリーヌが元気になったら、今度こそ<ニホンピロラブラブ亭>で働くから」 ジェイク「そういえば、結局まだ1日も働いてなかったな」 エル「じゃあ、次はソーニだね」 ティーユ「ミッション・インコンプリートのソーニ」 エル「はぁ……」 GM「まあまあ。魔術師の学院に行くと、なんだか位の高そうな魔術師と一緒に、少年が歩いてくる。少年が君たちを見て声をかけるよ。『ん? その子、魔法をかけられてるね。どうしたんだい?』」 エル「誰?」 GM「有名な人。まあ、後でワールドガイド見ておいて」 エル「にゅ」 ジェイク「この子、ギアスをかけられてて、これから解いてもらおうと思って来たんだ」 GM「『そう……』少年は、位の高そうな人を見上げて何か言ってから、『お金はあるんだよね? 僕がやるよ。こっちに来て』って言って、また学院の中に。もう一人は歩いて行っちゃう」 ティーユ「小さいのに、きっとすごい人なんだよ」 エル「そうみたいだね」 ジェイク「じゃあ、中に」 GM「じゃあ、少年はあっさりギアスを解除してくれる。5,000ガメルね」 エル「は〜い。残り200ガメル……」 ティーユ「そろそろ何か売らないといけないね」 エル「シャーフから1,500ガメルもらえる予定」 ジェイク「感情的には、あまりもらいたくない金だがな」 エル「もう今さらだよ」 GM「じゃあ、シャーフのところに行く?」 ジェイク「シヴァはそれで終了?」 GM「有名な人を長々と出す気はないよ。ちょこっと顔を出すだけ」 ジェイク「じゃあ、ソーニを連れてとりあえず<ピロラブ亭>……でも、シャーフと会うと嫌だから、家に行って、ちょっと話を聞くか」 エル「そうしよう」 GM「うん。ソーニの話だと、ソーニはコミカが好きで、兄はあまり好きじゃないって。でも、兄には逆らえなくて、今まで結構ひどいこともされてきたみたい。ギアスは、シャーフが金を出してかけたらしいよ」 エル「はぅ。ソーニは家に帰りたいのかな?」 GM「ユネスとは違うからね。冒険者になりたい、なんて思ってないし、どんなに劣悪な環境でも、やっぱり帰るところは家しかないよ」 ティーユ「コミカのところに行ったら? ギアスは解けたんだし」 エル「だ、大丈夫かなぁ……」 GM「じゃあソーニは、『そうしてみます。コミカなら、何かいいアイデアを出してくれるかもしれないから』って」 エル「ちょっと待ってね。そうするとお金がもらえないし……やっぱり家に帰った方がいいんじゃないかな? うん」 ジェイク「この際、金よりソーニのことを考えてだなぁ」 エル「別にお金だけじゃないよ。コミカはほら、別の女の子を襲っちゃったし……」 ティーユ「犯されたー、犯された−」 エル「あれは狂言」 ティーユ「真実はエルとコミカしか知らない」 ジェイク「まあ、エルが犯されたおかげでエリーヌを治せたし、一概に文句も言えない」 エル「犯されてないって! とにかく、シャーフのあの依頼をこなした時点で、もうこの子とコミカはダメになっちゃうんだと思う」 ティーユ「なんだか私たち、完全にシャーフの味方で、ソーニの敵な行動をしたね」 エル「ギアスを解いてあげたよ」 ティーユ「シャーフからもらったお金だし、シャーフが自分で解いたも同然じゃん」 エル「はぁ……。これはあれ、あんな人といたら、ソーニが幼くなくなった時点で幸せはないから、将来的にはソーニのためにしたってことで」 ジェイク「よし、それで行こう。敢えて憎まれ役を買ったわけだ」 ティーユ「ソーニはきっと悲しむけど、それは未来の笑顔のため?」 エル「そうそう。あ、なんだか私、元気になってきたよ」 ジェイク「現金になってきた?」 エル「うるさいなぁ。じゃあ、ソーニには、やっぱり家に帰るべきだって説得して、シャーフのところに行こう」 GM「了解。ソーニは渋々ついてくるよ。シャーフが嬉しそうに出てきて、『心配したぞ、ソーニ』とか言いながら、彼女を中に入れる。君たちには礼を言ってから1,500ガメルくれるよ。ワードの食費50ガメル引いて、1,650ガメルね」 エル「うん。じゃあ、私たちはこれで」 ティーユ「コミカとソーニはどうなるのかな?」 GM「ダメになるんじゃない? まあそれはその内知ることになるとして、今回はこれくらいかな?」 エル「や、やっと終わった……」 ジェイク「長丁場だったな」 エル「疲れた。眠い」 ティーユ「疲れました。過去最長ですね」 GM「そうだね。コミカの件がなくても長かった予感」 ジェイク「ちゃんとシナリオ作るとこうなるってことだな」 GM「じゃあ、反省会とレベルアップやろうか」 ◆ 反省とレベルアップ ◆ 雪島「お疲れさん」 ほずえ「疲れたー、疲れた疲れた疲れた!」 由佳里「結局、経験点はどれくらいもらえるんですか? やっぱり800点?」 雪島「んー、コミカの件は、あながち失敗とも言えないし、あれがなかったらエリーヌは戻ってないし、今回は長かったし、色々考慮して1,700点で」 水原「しかし、あれはああ流れるしかなかったと思うが?」 雪島「情報収集の時の出目の問題もちょっとあるね。でも、せっかく神を信仰してるって情報を得たんだから、魔法を使える可能性は考えて欲しかった」 水原「そこから、シャーフが嘘つきだって話に?」 雪島「まあ、それでもいいし、後は、ソーニのいなくなった件が、結構軽視されてたのが意外。ビデオル家で調べれば、ソーニが“世界樹のしずく”を調べてた跡とか見つかって、もうちょっとなんとかなったと思うけど」 ほずえ「コミカがあからさまに変な人だったから、シャーフがすごくまともに見えたんだよ」 雪島「まあ、どっちもどっちだから、どっちに転んでも良かったんじゃない? ソーニ的には、どうせ転がるなら、コミカの方に転がって欲しかったんだろうけど」 由佳里「とりあえず今回で、琴美さんも言ってたけど、伏線はほとんど片付きました?」 ほずえ「今回の最初で、確か伏線の確認したよね。エリーヌとソーニは片付いた」 水原「ヨッファンの件とグライアイの話も繋がったから、後はケーシャーと一緒に<火の風>のアジトに行くだけだな。新章突入?」 雪島「そうだねぇ」 由佳里「例の宝玉は、どういう力を持ってるものなのか、確認しないとね。3年前の抗争と、今回の宝玉盗難事件は、関連があるのかとか」 ほずえ「次回はその辺にも注意しながら」 雪島「ふむふむ。じゃあ、レベルアップしたら、すぐ第5回に入ろう♪」 ほずえ「えーっ! 今日はもう寝たい!」 由佳里「お、同じく。すごい疲れました」 雪島「冗談だよ。シナリオになかったグライアイの拉致のこともあるし、次回のシナリオはまったくできてないから。逆にちょっと時間かかるかも。伏線もなくなっちゃったし」 水原「んじゃ、疲れてるし、さくさくレベルアップするか」 ほずえ「1,700点に1ゾロ1回で、3,630点になった。もちろん、シャーマン上げます」 水原「やっと人並みになったな」 雪島「ジェイクはまたシーフのために溜めておく?」 水原「いや、レンジャーかセージを取ろうと思うが。相変わらず森とかの冒険が多いから……」 雪島「セージがオススメ」 ほずえ「うわっ!」 由佳里「GM直々に……」 雪島「だって、知名度チェックができるのが一人しかいないって言うのは、こっちとしても怖いんだよ?」 水原「じゃあ、セージを2つ……と思ったけど、やっぱりやめ」 雪島「えーっ!」 水原「知力ボーナスがあまりにも低いから、学問に励むのはやめよう。器用度を使う職種を伸ばした方がいい」 雪島「ティーユは?」 由佳里「私はもちろんプリーストですよ?」 雪島「あうぅ」 水原「俺はやっぱりレンジャーだな」 由佳里「じゃあ、私はプリーストを上げて……。500点でセージも取っておきます」 雪島「うん。それで、実質ジェイクのセージ2と同じだから、助かるよ」 由佳里「これで、当分の間、レベルは上がりませんね」 雪島「たぶん、キャンペーンが終わる」 由佳里「えーっ! あと何回くらいの予定ですか?」 雪島「先の話はまるで未定だけど……全8回が綺麗かな?」 由佳里「それなら、1回に1,500点ずつ入れば、ファイターが4になりますよ♪」 水原「俺も、ラストでシーフ5か?」 ほずえ「シャーマンが4にならないこともない」 水原「ファイターとかセージとか伸ばした方がいいかもな。あと10回も20回も続くなら別だが、あと4回なら」 ほずえ「そうだねぇ。毎回冒険が終わった後、レベルが上がらないってのは寂しいし」 雪島「じゃあ、そんなこんなで、果てしなく長かった第4回は終了かな? まあ、ベルダイン編の最終話だったと思ってあきらめて」 ほずえ「そうだね。終わり方はともかく、ユネス、エリーヌ、ソーニ、全部片付いたし」 水原「んじゃ、お疲れさん。いや、マジで」 由佳里「お疲れ様で〜す」 ほずえ「お疲れ〜」

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