■ タクシー

 いよいよクルーズ最終日。この日はまず、クレタ島、イラクリオンに7時に到着し、最終乗船が11時半。
 クノッソスのオプショナルツアーは蹴ったので、Aさんと適当に過ごす予定だった。


 この朝食の写真のタイムスタンプが6時20分。恐らく、現地の時間が長くないから、7時過ぎにすぐ船を下りる計画だったのだと思う。
 ところが、この日は4階のビュッフェで食べていたのだが、同じく一人参加のBさんがいたので、予定を聞いてみると、別のお二人と一緒にクノッソスへ行くという。
 これは便乗させてもらうしかないだろうということで、7時半に外で集合になった。
 予定より出発が30分遅くなったので、9階で写真を撮る。なんだか、思っていたより都会だ。建ち並ぶアパート。港には重機。



 さて、7時半に外でBさんと、二人参加の母娘さんと合流。旅慣れているBさんが仕切ってくれたのでついて行くと、タクシーの運ちゃんが声をかけてきた。
 クノッソスまで行って、待って、帰りは考古学博物館まで乗せて、一人20ユーロでどうかという。
 5人で100ユーロは高いだろうと、Bさんは少し交渉したが、まあ時間ももったいなかったし、それで受けることに。
 実は海外旅行でタクシーに乗ったのは初めてで、いい経験だった。
 まず最初に、よくわからないが有名らしい教会に寄ってくれる。


 中はなかなか立派だった。得意のカメラ固定撮影。


 車の中ではずっと値段の話をしていた。
 運ちゃんが一人25ユーロでどうのこうのと言っているが、20ユーロ以上払う気はない。
 機嫌を悪くさせてもいけないし、とくかくまずクノッソスに行け、話はそれからだと、Bさんと二人で「anyway」を連呼。
 そんなこんなでクノッソスに到着。大した距離ではない。


■ クノッソス

 クノッソス到着が8時。ちょうど船のオプショナルツアー組も来ていた。
 他にバスで来た人や、同じようにタクシーで来た人たちが合流。値段を聞いたら、バスは片道2ユーロ弱で、タクシーも4人で1台50ユーロで借りられたとか。
 これはやられた。さすがは向こうから交渉してきただけあって、商売上手だな。そもそもタクシーが一人いくらという時点でおかしいのだが、まあツアーに参加して70ユーロを思えばだいぶましだと納得する。


 さて、クノッソス。予備知識なしで行って、なんとなくぐるぐる回っていたが、ミノスのやつなのね。『ミノスの迷宮』というボードゲームをこよなく愛している自分にはとても素敵な聖地だったが、気が付いたのはこれを書いている今だった。


 中ではほとんど一人で回っていた。
 そんなにも広い場所ではない。大体正方形で順路もあまりない感じ。


 へぇ、ふーんと、適当に眺める。自分にしては撮った枚数も少ないし、そこまで惹かれなかったのだろう。
 アテネのアクロポリス、クシャダスのエフェソスと来て、少し遺跡に飽きてきたのかもしれない。
 後、暑かった。
 ちょうど1時間回って終了。9時過ぎにタクシーに戻った。


■ 考古学博物館

 さて、タクシーの値段の話はどうなかったというと、運ちゃんは、「クノッソス→待つ→考古学博物館→待つ→港」で一人25ユーロと言っていた。
 それを、考古学博物館の後は待たなくていいから、当初の予定通り一人20ユーロでようやく理解し合える。
 タクシーの中では、運ちゃんと、
「サングラスはしないの? みんなしてるじゃん」→「嫌いなんだよ」
「この街は大きいね。もっと小さな街を想像していた」→「ギリシアで4番目に大きいんだ。どこと、どこと、どこの次だ」
「クノッソスはとても暑かったよ」→「もう2時間もしたら、もっともっと暑くなるよ」
 みたいな話をした。やっぱりもっともっと英語を話せるようになりたいなぁと思った。


 そんなこんなで、考古学博物館にやってきて、タクシーの運ちゃんともお別れ。
 最後に丁寧に港までの行き方や、考古学博物館でかかる時間も教えてくれた。港まで徒歩20分くらいかかるから、帰りの時間に気を付けてとのこと。
 親切な人だった。まあ、その分かなりたくさんお金を支払ったが。
 で、考古学博物館だが、そろそろ壺と壁画も見飽きてきた。よほどそういうものに興味がある人でもなければ、アテネで見た壺と、ロドス島で見た壺と、クレタ島の壺の差などわからない。


 ああ、こういう石板は好き。もっとも、5枚も見れば飽きるが。


 普通に見ると1時間かかる場所だが、女性4人とはここで別れ、30分くらいで見て回って外に出る。
 この時10時。最終乗船まで1時間半、まだまだ遊べる。


■ ヴェネツィアの砦

 特に宛てがあるわけではなく、外に出て地図を広げ、何か面白そうな場所はないか調べる。
 すると、港にヴェネツィアの砦というものがあった。またロドス島のセント・ニコラスの要塞の二の舞になる可能性もあったが、とりあえず行ってみることに。


 港までだらだらと坂を下る。これ、帰りはいいが、行きに徒歩はないな。


 港に戻ってくると(と言っても、実はフェリーが着いた場所とは全然違うのだが)、遠くに件の砦が見えた。


 ということで、ヴェネツィアの砦。10時半。時間は余裕だと思っていたが、今思うと割とギリギリ。
 なぜ余裕だと思っていたかと言うと、この場所からフェリーが近いと勘違いしていたからだ。


 砦は中に入れる。もちろん有料だが。
 カメラを固定して何枚か撮影。


 上からの景色。
 何枚か撮って砦を後にする。
 10時45分。まだまだ時間はあると考え、イラクリオのメイン通りっぽい、8月25日通りを歩く。


 まあ、よくあるタイプの通り。
 ぼちぼち帰ろうと、適当な場所からショートカットを試みて行き止まりだったりしながらフェリーへ。
 これが遠かった。
 荷物チェックに辿り着いたのが11時15分、船に戻ったのが11時20分。
 そんなに攻めるつもりではなかったのだが。
 部屋に戻ったら、タオルが猿だった。


 タオルアートもこれで最後。最後に大物を持って来てくれた。