■ ラ・スペツィア

 ツアー初日の朝、体調は万全と言ってよい。やはり飛行機の中で休もうと努力するのは大事だ。
 そうそう、今回スーツケースにポカリを入れて、成田でいろはすを4本買って持参している。
 ポカリは毎日薄めながら飲んで役に立った。水はバスで1ユーロで買えたので要らなかったかなと思うが、バスで買えるかどうかは運転手さん次第なので、余裕があれば持って行くに越したことはないだろう。


 天気は良い。ホテルは郊外だし、周りは昨夜散歩しているので、食事が始まるまで少しだけふらっとしてから、レストランへ。
 食事はこんな感じ。どこへ行ってもパンとハムとチーズ。大体いつも、2、3日で飽きるのだが、海外旅行に慣れたせいか、今回は初日から飽き気味だった。


 バスへ。この日は席は自由だった。
 南に向かうので、午前の車窓が順光になるように右側に陣取る。
 その車窓。この丸いの大好き。


 サービスエリアで休憩を挟んで、さらに移動。
 この日はいきなりミラノからラ・スペツィアまで、3時間以上の移動。
 車窓に古い要塞の跡が出てきてテンションが上がる。


 ひたすら車窓の景色を撮ったり、『ひとりぼっちの地球侵略』を読んだりしている内に、ラ・スペツィアに到着。
 現地ガイドさんと合流してレストランに向こう。
 ちなみに、思ったより都会で驚いた。路上で電子ハープを弾いている人がいて、CDも売っていたが、ツアーの最中だったので躊躇っている内に、購入機会を逸した。悔やまれる。
 レストラン付近の街の様子。


 事前に添乗員さんが、その名の通りチンクエ・テッレという白ワインが美味しいと言っていて、同じテーブルの何人かでボトルを入れてシェアする。
 ツアー開始の最初の食事から早くも打ち解けた感じがして良い。
 なお、これは最終日に空港で他の参加者から聞いたのだが、添乗員さんが、今回のように参加者の人たちでワインを分け合ったりするのは珍しいと言っていたそうだ。
 自分が率先して提案したり、みんなの分を注いだりしたのが、ひょっとしたら良かったのかもしれない。


 写真のスープ、とても大雑把で美味しくなさそうに見えるが、めっちゃ美味かった。
 食事の後、駅に向かい、ローカル列車でヴェルナッツァに向かう。


■ ヴェルナッツァ

 チンクエ・テッレはイタリア語の意味通り、5つの街の総称だが、ヴェルナッツァはラ・スペツィアの方から4つめの街になる。
 チンクエ・テッレの中でも一番大きな街だったか、一番特徴的な街だったか。
 乗ってきた列車はこういう感じ。


 駅は人でいっぱい。スリに気を付けるよう言われる。
 すっかり観光地として定着し、自分の目には随分人が多く感じたが、繁盛期はこんなものではないらしい。
 駅から海辺までは一直線で、そこまでガイドさんについていく。
 道の途中の案内は、ここでワインが買えるとか、ここのジェラートが美味しいとか、ここで食材が買えるとか、そういうのばかりだった。要するに、歴史的に何かあるわけではない、バカンス用の観光地ということだ。
 到着した海辺。


 こういうのを求めていた感はある。
 今回、小さな街を訪れるツアーだが、このチンクエ・テッレとサン・レオ、ピエンツァ、チヴィタ・ディ・バーニョレッジョ以外、結構大きかった。
 まあ、フィレンツェやローマのようなサイズではないというだけで十分か。本当にサン・レオのような小さな街ばかりでは、退屈な旅だっただろう。
 さて、自由行動。時間は少ないが、要塞に登れるということで、行ってみる。
 この先頻繁に登っている。高いところは本当に苦手で怖いのだが、景色の写真と天秤にかけると、登るしかあるまい。


 ちなみに、砦に登ったのは自分だけだったよう。
 下に降りて、ぶらっとする。水は早くもなくなり、ジュースを購入。
 自由時間はいつも足りない自分をもってして、時間が余るほど小さな街だった。
 もちろん、ヴェルナッツァはハイキングコースを少し登ったところから撮るのが綺麗と言われている。そこまで行けるほどの時間はなかったが、元々自由時間が少ないツアーだと聞いていたことを思えば十分だった。