■ 悲劇のロックアード渓谷

 タイトルに『悲劇の』と書いたが、別に我々自体に何かあったわけではないのでご安心を。あるいは、どんな悲劇かワクワクしていた人には申し訳ない。
 ロックアード渓谷自体が船の沈んだ悲劇の場所であって、それ以上の意味はない。
 ところで、その事件自体の知識は他のサイトに譲るとして、生き残ったTomとEvaの男女二人。Ms.Sandraの話では、Tomは健康を取り戻してからニュージーランドかどこかに渡り、Evaの方は長いこと鬱入った挙げ句、結局故郷のアイルランドへ帰ってしまったらしい。
 まあ、いよいよ新天地、というところで船が転覆し、クララ・ポップルだけ生き残ったことを想像すれば、鬱入るのもしょうがないと思うが。
 ロックアード渓谷を見られる場所の駐車スペースから、行ける見所は3箇所──左と右と下である。一つずつ見ていこう。

【左】


 はっきり言って、すごい迫力だった。
 たぶん、今これを見ても、読者各位は、「ふ〜ん」で終わっていると思う。実際、小生自身、事前に調べた時は別になんとも思わなかった。
 だが、実際に見たらもう、その迫力に圧倒。「おぉっ! おおおっ!」とハイテンションで写真を撮りまくる。








 ちなみに、見る人が見ればわかると思うが、とにかく風が強かった。これらの写真を旅行好きのNatalieに見せたら、第一声が「可哀想」。
 グレートオーシャンロードは、普通はもっと美しい青色らしい。
 まあ、逆にこれだけ荒れ狂っていれば、岩が波に浸食されるというのにも納得してもらえるだろう。今でもある岩はなくなり、また新しい岩が現れと、毎日少しずつ景色を変えているらしい。

【右】

 ここは写真を載せるだけにとどめる。



【下】


 「下」と書きながら、これは上から撮ったところ。あの隙間から、二人の移住民は流れ着いたらしい。
 ふと思ったのだが、今でも波で岩が削れているのだから、当時は今見えるより、もっと狭かったかも知れない。


 これも上から。轟々と打ち寄せる波、波、波。


 これは下から。轟々と打ち寄せる波、波、波!


 振り返ったところに聳える岩壁の一番下の部分。