■ 百龍エレベーター

 朝。出発は8:20で、6:30起床で朝食へ。バイキングなのだが、残念ながらしょぼかった。おかずは10品もなく、少しのパン。ジュースもないバイキングは初めて見た気がする。
 この日は武陵源の中をシャトルバスで移動するので、バスの中に荷物は置いて行けない。リュックの中に必要最小限のものを入れてロビーに。
 この集合で4つ目の50%トラブル。一人参加の男性が、出発時間になっても現れなかった。昨日の人を覚えていないのでわからないが、恐らく昨日とは別の人。
 幸いにも大きなロスはなかったが、じわりと参加者全員のフラストレーションが溜まるのがわかる。

とても寂しい朝食。ホテルの外で通行人に撮ってもらった。

 ホテルから武陵源の入口まで、観光バスで5分から10分程度。入口が何ヶ所あるかはわからないが、袁家界のところにある、寺院のような塔のあるゲートから入った。(Googleのストリートビューが使えないので、確認がしづらい)
 ロビーで砂絵の見物をし、確かここでパスポートの登録をした。そしてこれ以降、すべて顔パスだった気がする。2日後の天門山ではパスポートが何度も必要だった。

寺院っぽい塔と、謎の国旗。見事な砂絵。

シャトルバス。

 シャトルバスで20分〜30分ほど走り、いよいよ百龍エレベーターへ。大変な混み具合。まずは麓で、ツアー定番の記念撮影タイム。
 そしてここで、この旅行最大のトラブルが発生した。娘さんと二人参加のおじいさんが行方不明になったのだ。
 確かに混雑しているが、広いスペースではない。戻るにはシャトルバスに乗らないといけないし、進むにはエレベーターに乗らないといけない。迷子になりようがない。
 さんざん探したが見つからないので、エレベーターに乗る。ここでは顔認証が必要なため、ガイドさんが係の人と照合した結果、どうやら迷子の人は、このゲートをすでに通過したとのこと。
 ちなみに、エレベーター自体はあっと言う間に上に着くし、ぎゅうぎゅう詰めで景色が楽しめる感じでもなく、体験としてはいまいちだった。

車窓。十里画廊はスルー。百龍エレベーター。

展望スペースより。曇天。逆光。エレベーターの中。ぎゅうぎゅう詰め。

 エレベーターを降りた後も、絶景があるわけではなく、遊歩道をずっと進むと小さな売店があり、そこから先はまたシャトルバスで移動する。つまり、迷子の人はこの区間に必ずいることになる。
 そういう考えの下、我々は売店で待機し、ガイドさんと添乗員さんが探し回ったが見つからず、とうとうガイドさんが警察に連絡するにまで至った。添乗員さんも警察沙汰は初めてだと言っていた。
 ただ、これは本当に幸いなことに、そして恐らくそれがなければ本当に見つからなかったが、娘さんとショートメッセージで時々やり取りが出来たらしい。
 その結果、なんと驚くべきことに、エレベーターだけでなく、この先のシャトルバスにも乗って行ってしまったとのこと。
 まったく理解できないが、「置いて行かれた」と一度思い込んだら、とにかく追いつかないととテンパったのだろう。一人参加ならともかく、娘さんもいるのに、冷静に考えればシャトルバスに乗るレベルで置いていくはずがないのに、つまりそれが高齢者ということなのだろう。
 この後、迷魂台や天下第一橋を観光して、その後アバター食堂で食事という行程なのだが、なんとおじいさん、この食堂にいるらしい。
 ロス1時間。行こうと思えば行ける時間だが、英語表記もなく、行き先も色々あるシャトルバスに乗って食堂に辿り着けるのはすごい。
 若い頃はバンバン個人で海外にも行っていた人とのこと。昨日の空港の人もそうだが、慣れている人の方が先へ進んでしまう。いっそ立ち止まっておろおろしてくれた方がずっとましなのだ。
 ちなみに今回──に限らず、ツアーではいつも、自分はいざとなってもインターネットが使えないので、これを他山の石にすべく、気を引き締めた。

エレベーターの後はこんな感じ。待ちぼうけスペースの萌え系自販機。



■ 迷魂台〜天下第一橋

 シャトルバスで次の場所へ移動した後、添乗員さんと娘さんは、おじいさんと合流するために別行動に。残りの24人は、ガイドさんに連れられて迷魂台に向かった。
 ここからいよいよハイキング。今回のツアー、『世界遺産武陵源・天門山と上海5日間』というタイトルだが、実はその前に「<ミニハイキング(弊社基準)>」と付いている。
 このミニハイキング、「ミニ」だし大したことないかなと思ったら、全然そんなことはなかった。そもそも、何もついていないツアーでも結構歩くのだから、要するにハイキングなのだ。
 歩数はまた最後にも書くが、この日の総歩数は18,862歩。しかも、そのほとんどがアップダウンのある道でとても疲れた。
 参加者の人たち、みんな自分より10歳も20歳も上なのに──今回は80代の人も参加していたが、みんな元気。
 ただ、そんな話をしたら、ある参加者の人に、「元気な人が来ている。周りにはそういう気力がない人もたくさんいる」と言っていた。確かに。これはお年寄りの選抜チームなのだ。
 展望台や展望スペースで立ち止まっては、絶景の写真を撮る。曇り。日は当たっていないが、雲や霧もない。
 巨大な石柱を見て、途中、亀のいる小さな庭園と売店のある場所を過ぎて、天下第一橋に向かう。この時は雨が降っていて傘を差していた。

最初の展望スペース。天門山みたいな穴がある。

今回のタイトル写真の場所。タイトルにするか迷った写真。

迫力のある縦構図。こいつはネームド。

臭豆腐。屋外だからか、そこまで臭わない。橋。

高さのわかる1枚。こいつもネームドだったと思う。

池。この時、雨。亀の上に亀。歩いている場所はこんな感じ。

 やがて、天下第一橋に到着。これは自然に出来たもので、スケールの大きさに驚かされる。
 橋より先には行かないので、全員橋を往復して元の場所に戻り、いよいよ午前のハイキングも終わり。ちなみにここで、またお年寄りが一人、時間までに戻ってこず、少しロスが発生した。どんどん先に行ってしまったそうだ。ちゃんと話を聞いて。
 橋から少し歩くと売店やレストラン、シャトルバス乗り場があり、添乗員さんとはぐれたおじいさん、その娘さんと合流した。
 ガイドさんのイヤホンマイクを使っておじいさんがお詫びの言葉を述べていたが、ガイドさんがマイクのスイッチをONにし忘れたため、何を言っているのかまったく聞こえなかった。まあしょうがない。
 今、この時の写真を見ると青空だった。その後48時間、つまり張家界の観光中、ほとんど青空を見るはなかった。

天下第一橋。小さな写真では迫力が伝わらない。この高さ。

そういえばこの赤い布、買った。やっと青空。次の青空は48時間後。

食事。