■ 天門山(前半)

 いよいよ張家界最終日。この日の出発は7時半で、チェックアウトもしなくてはいけないので、5時半に起きる。
 今回、3連泊だったが、やはり連泊は楽だ。食事はいまいちだったが、ベッドは硬さも温かさも快適だった。
 さすがにこの日は遅刻者はなく、7時半に出発。なお、土砂降り……。
 天門山まで40kmほどあるので、天気は変わらないかと期待したが、まったくダメだった。
 途中、謎の大渋滞にもはまり、駐車場まで1時間以上かかった。

朝食。麺をもらったがいまいちだった。車窓。五輪のマークがついている何か。

車窓。テキトーに撮っていたが、今調べたらこの建物、夜景で有名なやつだ。謎の渋滞のすぐ後にあったヤツ。こいつのせいかも。

 天門山は長いロープウェイで登って、短いロープウェイで降りて来るAコースと、その逆を辿るBコースがあるが、自分たちはAコース。
 まずは7km、30分のロープウェイで絶景を楽しめるのだが、もちろん楽しめなかった。上の方は真っ白で何も見えない。
 天門山全体として、この悪天候が13個目の50%ポイント。ガラス橋同様、ちょっと50%どころではない。
 ようやく上に着き、有名な穴に向けて移動を開始したが、ひどい雨。ちょっと旅先では経験したことのない雨。景色が見えないどころの騒ぎじゃない。
 添乗員さんに、海外旅行でこんな雨は初めてだと言ったら、百戦錬磨の添乗員さんをもってして、自分も初めてだと言っていた。
 ちなみに昨日のガラス橋も、現地ガイドさんをして、こんなに何も見えないのは初めてだと言っていたので、今回の旅の悪天候っぷりがわかる。

下界の駐車場。土砂降り。ロープウェイ。

下界。ゴンドラ、雨で綺麗に撮れない。この日丁度自転車のイベントがあったが、この状況。

一瞬霧が薄くなったところ。

視界全然ダメ。ここもすごい場所のはず。2つの黒い点はゴンドラ。ここも普段は絶景が広がる。

 ガラスの歩道からも何も見えない。「天門山 ガラスの歩道」で検索すると、本来出来たはずの体験が写真で確認できる。
 ガイドさんも、この場所をこんなにすぐ通り抜けたのは初めてだと言っていた。だって、何も見えないし、雨は強くて泣きそうだし、もはや修行。
 エスカレーターエリアにやってくると、ここでパスポートが要ると言われる。パスポートはリュックの中で、レインコートをリュックの上から着ている。
 つらい。
 どうにか屋根のある場所に移動してパスポートを引っ張り出す。
 長い長いエスカレーターを降りると、いつの間にか穴までやってきた。もちろん、土砂降りのまま。
 記念撮影をした後、さらにエスカレーターで降りるか、長い長い階段を降りるか、2つの選択を迫られた。
 もちろんエスカレーターの予定だったが、意外にも階段で降りるという人が数人いたので、これも経験と思って、自分も階段で降りることにした。
 この旅行、最大の失敗だった。

ガラスの歩道の手前の広場。雨がひどい。ガラスの歩道から下を覗き込む。少し見える。

結構気に入っている1枚。苦痛の行軍。エスカレーター乗り場前の広場。雨がひどい。

長い長いエスカレーター。上りは自転車の人たち。穴に到着。もうダメだ。



■ 天門山(後半)

 天門山の写真を検索すると、穴に向かって階段が延びている。その数、999段とのこと。実際に数えたらもっと少なかったという記事もあるが、いずれにせよ多い。
 そしてこの階段、写真で見るより急だった。上から降りると、途中、段の幅も狭くなり、先が見えないくらいの角度になる。
 しかも土砂降りのままで、傘も持っているし、カメラもむき出しだ。とりあえずカメラはレインコートの中に押し込み、常に手すりを持って降りる。
 何枚か頑張って写真も撮ったが、油断するとカメラが壊れそうだ。実際、階段を選んだ他の参加者の人は、ここでカメラの調子が悪くなってしまったらしい。
 最初の50段くらいで引き返そうかと思ったが、振り返ると上るのも大変そうだし、上の人たちはもうエスカレーターの方に行っているだろう。降りるしかない。
 普通に怖い。靴の中は湖のようだし、ズボンも乾いている場所がないくらい濡れる。どうしようもない。命優先。
 なんとか降りて、他の階段組に写真を撮ってもらった。その1枚だけのために降りてきたようなもの。

階段、想像以上に急な上、雨がやばい。降りてきた。レンズに水滴が。

 エスカレーター組と合流して、短い方のロープウェイを目指す。晴れてはいないし、雨も相変わらず降っていたが、ここで少しだけ景色が見れた。
 ロープウェイで下まで降りると、昨夜の天門山の狐のショーの劇場にやってくる。結構遠くまで来たのだなぁ。
 この後、これは50%ポイントではないが、事故が起きた。参加者の一人が足を滑らせて転倒し、頭を打って流血するという不運に見舞われた。
 ガイドさんも添乗員さんも救急用品を持っていなかったが、どこからか大きな絆創膏が出てきて、とりあえず大事には至らなかった。
 この人、その後すぐビール飲んでいたし。強い。
 ロープウェイ乗り場から、最初の駐車場までシャトルバスで戻る。2台に分乗。
 相席だったので、西洋人っぽい人の隣に座って話しかけると、一人旅とのこと。聞き違いでなければ、ペルシアから来たと言っていた。
 12日くらいいると言っていたかな。漢字は読めないし、中国、思ったより英語の表記もなければ、英語も通じなくて大変だと言っていた。
 何か名物を食べたか聞いたら、あまりとのこと。マクドナルドとかKFCとかに行ったそうだ。
 そういえば最近、ペルシアって聞かないと思ったら、今調べたらもうそんな国は存在しなかった。ベルギーかどこかと聞き間違えたかもしれない。
 駐車場に戻ってくる。バスに乗る前に撮った写真が13:45。最初のロープウェイに乗ったのが9:15。4時間半、ひたすら雨との戦いだった。

ここ、本当はもっと活気があるのだろう。やっぱり天気悔しいなぁと、今感じる。

幻想的ではあるが、やはりまず、標準状態が見たい。短い方のロープウェイからの景色。相変わらず。

狐の劇場。バス乗り場の手前。幻想的と呼ぶには白すぎる。