それが、一つ……二つ……。
外は雨。激しく屋根と戸を打つ音が、じめじめとしたその小屋の中に、声をかき消すかのように響いている。
どうやら風も出てきたらしい。
「……いつも一緒に遊んでいるのが……。本当か?」
「お前の息子だろ? ああ。間違いない」
カッ!
窓の外が一瞬、目も眩まんばかりに輝いて、次の瞬間、街の方で大地が揺れ動くほどの凄まじい音が響き渡った。
そのわずかな光に照らし出された男の顔は痩せこけ、血色も悪く、死人のようなどす黒い土色をしていた。しかし細められた目は、あたかも獲物を狙う肉食獣のように鋭く輝き、怒りか憎しみか、少なくとも穏やかならざる感情に燃え滾っていた。
「では、仲間を集めて……」
ゴロゴロゴロ……ゴォウゥゥゥンン……。
醜く口元を歪めて、男たちは頷き合った。
再び真っ黒な雲の幾層にも重なり合う天に、白い龍のごとく雷が駆け巡り、それが激しく大地を打ちつけたとき、すでに小屋に人影はなかった。
ただ降り止まない雨だけが、夜が更けるごとによりいっそう強まって、いつまでもいつまでも、その脆く朽ちた小屋の屋根を打ち続けていた。
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