旅014 『福井〜近畿北部』 2007/04/08, 752km

第一部 目標は福井の8枚
3月から友人如月弥生と「4月8日に国道旅行をしよう」と計画していたのだが、行き先を決定したのは出発前日のこと。今回は昨年10月に行おうとしていた、福井を最北端として京都に南下してくる旅にする。目標はR27、R161、R162、R305、R364、R367、R416、R476の8枚。また、ちょうど桜の季節なので、一枚くらい桜を背景に看板写真が撮れればいいなぁと考える。早寝早起き、通勤割引の時間に出て、通勤割引の時間に帰ってくるつもりだったのだが……。昨年10月の旅はここを見て欲しいが、最北端のはずの福井がむしろ最南端になった。予定などあって無いに等しい国道看板旅行。今回も恐らく予定通りにいかないだろうという予感を胸に、如月弥生とともに待ち合わせの名古屋駅を出発した。


記録364号 / 9時33分 / 180km地点
場所福井県吉田郡永平寺町諏訪間
最北端の364号は福井北ICを下りて数km地点で撮影。天気はまあまあ。撮ったときには気にならなかったが、左の緑と遠くの山が綺麗だ。さりげなくいい一枚。ちなみに416号との分岐より南の方は永平寺があるので若干混んでいたが、北の方は車通りがほとんどなかった。


記録416号 / 9時40分 / 189km地点
場所福井県吉田郡永平寺町松岡吉野堺
福井北ICに戻る途中で撮影。364号を撮影してから10分として経っていない。好調。車が看板より左にあるが、れっきとした車道。もっとも、工事のため一応進入禁止になってはいたが。分厚い雲に覆われているが、写真から見えるほど悪い天気ではなかった。


記録8号 / 10時02分 / 216km地点
場所福井県越前市大屋町
看板だけ撮影してすぐに北陸道に戻る。本当に変な旅だ。武生ICを下り、305号に向かったのだが、8号に乗ってすぐの場所に絶好の撮影ポイントがあったので車を停めた。写真ほど車通りがなかったわけではないが、一桁国道の割には大人しい交通量だった。


記録305号 / 10時28分 / 233km地点
場所福井県南条郡南越前町河野
河野の交差点すぐ
写真は平凡な一枚だが、左手に海、右手に山、左手手前に桜があり、日本の美を凝縮したような場所だった。もちろん写真自体も気に入っている。雲のかかった青い空、左手に水、右手に緑、漁火街道の看板。画像は小さいが、案内板には「加賀78km 越前17km」とある。その響きもまたよし。看板そのものも申し分ない。


記録お食事処 やまひさ
飯にしようと、305号の写真の奥に見える「やまひさ」という店に入ってみたのだが、これが思わぬ料亭っぷりでひるむ。最も安いメニューで、やまひさコースの3,675円。だが出てきた料理は値段を遥かに上回る味で、実は魚貝類が全般的に好きではない管理人に、魚貝類の価値観を変えさせた。カニとはこんなにも旨いものだったのか。タコも然り。甘エビなど初めて食べたが絶品。おかわりしたご飯には大きな梅干しが乗っており、これがまた旨い。今回の旅行で一番の収穫。オススメの店。


記録476号 / 12時17分 / 256km地点
場所福井県敦賀市曙町
延々と8号を南下し、476号を左折するや否や楽に撮影可能な綺麗な看板に巡り会った。行った分だけ戻る行程だったので、こうしてすぐに撮影できるととても嬉しい。もちろん、国道自体も少し走ってみたい思いがないわけでもないが、主目的は看板である。サクッと撮影してすぐに8号に戻った。


記録161号 / 12時36分 / 271km地点
場所福井県敦賀市山中
161号は琵琶湖の方はわからないが、敦賀の南から琵琶湖にかけては信号もなく気持ちよくかっ飛ばせる素晴らしい道だった。写真は地名の文字通り、敦賀と琵琶湖の間の山中にて撮影。古い看板で数字のフォントが好きではないが、シンプルな地名に好感が持てる。


記録303号 / 13時07分 / 295km地点
場所滋賀県高島市今津町藺生
JRバス梅原口バス停そば
303号はすでに以前の旅で撮影していたが、時間も早く余力もあったので、撮影ポイント発見と同時に車を停めた。地方によくあるのどかな風景。特に特徴のない、及第点の一枚。撮影に苦労もしていないし、すぐに忘れてしまいそうだ。


記録367号 / 13時21分 / 303km地点
場所滋賀県高島市今津町途中谷
行った分だけ戻る行程だったので、最初に遭遇した看板で妥協する。とは言え、車も停めやすく、看板自体も決して悪くはないが。改めて見ると背景の針葉樹林(だよね?)が独特の雰囲気を生み出している。見れば見るほど味わい深い一枚ではなかろうか。


記録27号 / 13時50分 / 325km地点
場所福井県小浜市遠敷
遠敷郵便局向かい
西へ、162号を目差す最中に撮影。車を入れられたのでとりあえず写しておいただけだが、案の定この先に撮影できるポイントはなかったか、あったとしてもわざわざ撮影したい気分になるような場所はなかった。一級国道に特に、撮影できそうならしておくのが鉄則。「次」はない。


記録162号 / 14時00分 / 328km地点
場所福井県小浜市南川町
162号は小浜で撮影。右折と左折という選択肢があったが、左折は堤防っぽくなっていたため、右折する。線路をくぐり、駅までの間に看板があったので撮影。日差しは強くなかったが逆光は逆光。看板が暗い上、街路樹や電柱と重なって見にくい。看板自体は綺麗だが微妙な一枚。


第二部 舞鶴・福知山の6枚
1枚目、最北端の364号を9時半に撮影してから、食事の1時間を抜いて新規8枚を3時間半で集めるという、極めて順調な旅の結果、目標最後の162号を撮影したのがまだ日の高い14時。案の定ここで帰る手はないという話になり、舞鶴まで足を延ばすことにする。最西端を429号と定め、R175、R176、R177、R178、R426、R429の計6枚を目標に舞鶴若狭自動車道を西へかっ飛ばす。


記録177号 / 15時15分 / 380km地点
場所京都府舞鶴市字上安久
全長700メートル、日本で4番目に短い港国道。こういうのは地図では見落としやすいので、事前にすべての港国道を調べて国道ノートに貼り付けてある。端から端まで走り、見かけた3枚の看板の内、一番綺麗だったこの看板を撮影した。平凡な景色。せめて天気が良ければ綺麗な写真になったかもしれない。


記録178号 / 15時30分 / 389km地点
場所京都府舞鶴市字丸田
178号はこの「丸太東」という場所で、北行きと南行きの両方で撮影した。先に撮った北行きの方が看板は綺麗だったが、車の配置や太陽の場所が気に入らなかったので南行きを掲載。管理人入り。妙に小さい地名板が特徴的だが、画像で見えるより看板が汚く、それほど気に入っていない。まあ、行った分だけ戻る行程だったのでこれで妥協する。


記録175号 / 15時44分 / 395km地点
場所京都府舞鶴市字志高
太陽マークしかなかった天気予報を裏切り、なんだか雨がザーザー降ってきた。先行きが不安だったので、撮影できる場所でとりあえず確保。地名板が汚い上、レンズの汚れが写真に反映され(画像ではわからないが)、撮り直せるなら撮り直したいと言わざるを得ない一枚。


記録176号 / 16時08分 / 413km地点
場所京都府福知山市字下天津
175号との分岐点すぐのところに看板があったので、やや星になりそうだったが車を停めて撮影した。奥の方がぼんやり幻想的に仕上がっているのは雨のせいだろうか。だとしたら、雨がもたらす効果も捨てたものではない。平凡だが悪くない一枚。


記録175号 / 16時17分 / 417km地点
場所京都府福知山市福知山市字牧
9号に乗る直前で175号リベンジ。先程の看板よりはフォントも丸く地名板も綺麗だが、絶対的には綺麗な看板ではない。せめて天気が良ければ写真としての出来は良かったかもしれない。もっとも、真っ青な空より、曇天の方が看板の青は映えるかもしれない。


記録426号 / 16時26分 / 420km地点
場所京都府福知山市字野花
426号は行った分だけ戻る行程につき、最初に遭遇した看板で妥協。妥協といっても、奥の小さな桜の木が良い。そして何より、「野花」という地名が良い。看板自体は気に入っていないが、それだけですべてを良しとしよう。ちなみに、当初の目標である「桜を背景に」というのは、こういうレベルで満足できるものではない。


記録429号 / 16時41分 / 428km地点
場所京都府福知山市字半田
162号を撮影したとき、新たに目標として掲げた6枚の最後の一枚。看板は申し分なく美しく、背景が信号機というのも案外このサイトでは珍しい。何故なら、こんな交差点のど真ん中に停車できるような場所は少ないからだ。修斉小PTAの学童の看板(?)が異彩を放っており、個人的には好き。こういう特徴ある一枚は記憶に残る。


第三部 さらに東へ
目標とした新規看板6枚を距離にして50km、たったの1時間半で集めるという快挙を成し遂げ、日の入りまではまだ1時間以上あるという状況。助手席の如月弥生が429号の奥に427号を見出し、さらに恐らく看板はないだろうが483号という高規格幹線道路の向こうに312号を発見した。この時点で「帰りの名神の通勤割引」というものは完全に頭の中からなくなっており、体調も良かったので行けるだけ行ってみようと、なんとも奈良旅行の480号を髣髴させる行動に出る。さらに東へ。


記録429号 / 16時52分 / 431km地点
場所京都府福知山市字拝師額塚
429号をさらに東へ走ると、それは唐突に現れた。美しい2本の桜と看板、そして駐車できるスペース。今回の旅行はこの看板と巡り会うために走ってきたとさえ思える、最高の一枚。空がもう少し青く、ごみ捨て禁止の看板がなければさらに良かったが、これ以上望むのは贅沢というものだろう。


記録429号 / 17時12分 / 441km地点
場所兵庫県丹波市青垣町中佐治
地図で見ていて明らかに酷道だろうと思っていた榎峠を少し過ぎたところ。いつもは山中では万が一車が来ると行けないので停めないが、今回はなんとなく撮影してみた。山の中とは思えない綺麗な看板。たまにはこういう写真も悪くない。停めて撮影するのは勇気が要るが、時々撮ろう。


記録427号 / 17時30分 / 456km地点
場所兵庫県朝来市山東町柴
桜並木を見ながら大爆走していたら、唐突に道が怪しくなった。遠阪峠という峠を少し越えたところで撮影。ここは300円の有料トンネルで迂回できるようになっている。ちなみに車通りはほとんどなかったが、写真の場所で車を停めた瞬間、後ろと対向、両方から車が来て迷惑がられた。なんてタイミングの悪い。


記録312号 / 17時47分 / 466km地点
場所兵庫県朝来市和田山町立ノ原
473号から9号に乗り、いよいよ本日最後の看板と思われる312号へ。9号を左折して比較的すぐのところに撮影ポイントを発見し、一度は行きすぎたが、Uターンして撮影した。看板は綺麗で申し分ないが、背景は至って平凡。ただ、こういういつもとは異なる車の入れ方は好きだな。


記録483号 / 18時12分 / 473km地点
場所兵庫県朝来市山東町
和田山IC〜遠阪トンネル間
312号から北近畿豊岡自動車道、国道483号にて帰路に着く。と、唐突に看板! まさかこの道路に国道看板があるとは思わず、正直ひるんだ。その後で喜んだ。いい道路だったが時間のためか車通りは少なかった。


記録372号 / 19時28分 / 550km地点
場所兵庫県篠山市本明谷
帰路、372号の途中で立ち小便を行ったところ、停車した場所に偶然看板があった。白々しいな。シャッター速度はデフォルトで1秒。何かで固定しなければ手ぶれは確実だが、三脚を用意するのも面倒だったので、下手な鉄砲を数打った末、一番まともだったものを掲載。これはこれで趣深いが、基本はやはり昼だな。372号はすでに撮影済みだったため、こういう遊びもありだろう。


記録372号 / 19時28分 / 550km地点
場所兵庫県篠山市本明谷
上と同じ場所、同じ時間、同じ看板。看板には車のライトを当て、その車の上にフーを置き、フーは懐中電灯で照らした。カメラを車の天井に置いて固定して撮影。まるで逆さ富士のような……そんな大層なものでもないが、面白い写真になったので掲載してみた。


総括



自宅出発7時15分、帰宅が22時45分。同行者がいたとは言え運転手は一人で、日帰り752kmは頑張りすぎ。実際もうそういう距離にしか看板がなくなってきたのは事実だが、何もこれを一日でやることはなかったかなとは思う。もっとも、当日の体調は悪くなく、翌日以降も体調を崩すことなく、事故も怪我もなく、無事に旅を終えた今となっては非の打ち所はないが、同じことをもう一度したら今度は体調を崩しそうな気がする。無茶は禁物。

新規取得枚数17枚。いずれの看板も綺麗で、星になることもなく、行った分だけ戻る行程も少なく、雨に降られはしたがそれによる疲労感も特になく、あらゆる面において順調で素晴らしい旅だった。桜の看板が撮影できたことも大きい。先に体調の話を書いたが、早い時間にちゃんとした食事をしたことも良かったという話で、同行者如月弥生と考えが一致している。しかも今回はその食事が素晴らしく、一番の思い出になったと言っても過言ではない。無茶しすぎた感はあるが実に良い旅だった。



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